2月11日、ホワイエにて、
『涙は心の自然治癒力 下和田実ワークショップ』
が開催されました。
ワークショップには、現在、育児真っ最中の方や、
涙の大切さを学ぼうとこられた方、
子供が大きくなったけど、いろいろと理解したいと望む方など、
たくさんの思いを抱えた方が集まってくださいました。
そのワークショップの一コマをご紹介しますね。
腕に擦り傷ができたとします。
私たちの体はその傷を治そうとして、白血球や血小板が働きます。
そして傷は、いつの間にか治っていますね。
これを自然治癒力といいます。
我々の体は、そんな風に元の健康な体に戻ろうと、自然に回復していく力を持っています。
それと同様に、心にも自然治癒力があります。
もし子供の心に『さみしいよ、苦しいよ、怖いよ』などや、
もっと小さな子だったら『お腹すいたよ、暑いよ』などの傷があると、
泣いて訴えますよね。
その訴えを親に受け止め、慰めてもらうことで、
心の自然治癒力が働き、
自然にその心の傷が治り、元気を取り戻すことができます。
そして、泣いて訴える⇒慰められる⇒元気になるを繰り返し、
子供の心はグングン成長していきます。
しかし、我々はどうしても、子供が泣くと「泣き止ませなきゃ」と感じてしまいがちになります。
子供が泣くと、ごまかして気分を変えようとしたり、
おしゃぶりを与えたり、
背中をトントンして泣き止ませてあげなくちゃと頑張ります。
その繰り返しにより、子供は気持ちを聞いてもらうチャンスを失うとともに、
「泣いてはいけない」
「泣くのは悪」「泣いたらお母さんが困る」と
いうメッセージを無意識のうちに受け取ってしまいます。
その結果、小さな子供のうちから、感情の抑制を身につけてしまいます。
なぜこうなるかというと、多くの親が泣かない子育てを受けてきたため、
泣声を聞くと、自分の中で抑え込んでいた、泣きたい感情が揺れ動かされるからです。
だから、子供が泣くと、まるで自分が責められているような気がするのです。
抱っこ法では、この「泣く」という感情表現をとても大切にしています。
それは子供だけでなく、親も一緒です。
「ワークショップ」では、このような話から始まり、
「涙が持つ大切な役割」や
「苦しさのからくり」等々を、実例を交えてお話ししました。
また、実際に体験して感じてもらうワークなどでは、
たくさんの気づきの感想をいただきました。
ワークショップを体験した方の感想を一部ご紹介させていただきます。
「今まで子供が泣くと、早く泣き止むように声掛けしたり、
泣くことはよくないことだと思ってました。
だけど今日の参加で、泣くことは大切なことだと気づかされました。
泣くことを受け止めてあげれるようになりたいと思います。
ありがとうございました。」
「抱っこ法ってなんだろう?と思っていたけど、
子育てだけでなく、すべての人間関係に使えると思います。
私は介護士として7年間働いていました。
認知症の方のケアを通して感じたことが、
『すべての感情はあっていい』でした。
今日のメッセージと同じで、嬉しいなと思いました。」
とてもうれしい感想をたくさんいただき、ありがたいです。
今後も、涙のお話しやそのほかにもたくさんの企画をしていきますので、
皆さん、お気軽にご参加ください。