明け方のこと、目覚めているのか夢なのかという不思議な感覚に陥った。ふわふわとして宙に浮いているようなのだけれど、感覚はしっかりとしていろいろな想いが走馬灯のように浮かんでは消える。すごーく幸せで、いろいろな悩みなんかはもうどうでもよくなって、このまま死んでも悔いはない気がした。このまま死ねたらいいなとも思った。
目がしっかり覚めて起き上がって思った。本当に死ぬとき、こんなふうに死ねたらいいなと。
あはは・・・結局、死ぬときは苦しまなくって、痛くなくって、眠るように死にたいんだ。痛いとか、苦しいとか、そんなことがいやなのだ。年をとるにつれてだんだん欲が減っていく。減って、減って、もう何にもいらない、そうしたらすごーく幸せな気分になって死ねるのではないかしら。