缶詰が好きです

以前のプロバイダーが閉鎖になるので、Gooブログに引っ越してきた、缶詰が好きな、ダメ料理人のブログです。

ブリーバーグー

2022年07月28日 | 軍隊料理
「ブリーバーグー」  畜産系缶詰
コンビーフ・・・正しくはコーンドビーフ。
塩漬け牛肉の意味であります。
で、皆様はもう一つ呼び名があるのをご存知でしょうか?
BULLY BEEF(ブリービーフ)と言う名前なのであります。このブリーと言うのはいじめるとかいじめっ子とか威張るとかホッケーの試合開始とかの意味がありますが、缶詰牛肉の意味もあります。

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このブリービーフはオーストラリア軍ではこんな感じの缶詰だったらしいです

いろろ調べてみますと、オーストラリアではコンビーフよりもブリーと呼ぶ方が一般的であったようです。

コンビーフは、もともとアイルランドの料理で、英国海軍が軍用食として採用して広まった缶詰だったので、英連邦の一員で畜産業の盛んなオーストラリアでもかなり作られ、軍に納入されたようです。
しかし、オーストラリア製のコンビーフは、品質にバラツキがあり、脂肪分だらけの缶詰が多く、暑いアフリカ戦線で開缶すると、ドベ~ッと脂肪が流れ出したりするようなものが多く、ANZAC(オーストラリア・ニュージーランド混成部隊)兵士の間では、嫌いなものの代名詞のようにも使われてもいたらしいですね。

さて、なぜかここのところ英国本ばかり読んでいたので、少し違う方向に行ったはずの私ですが、ドイツの本とアメリカの本と日本の本を読みましたら、やはり英国本に戻ってきてしまったのであります。

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勿論、私が読んだのは翻訳本ですよ(^^

そのお話、「砂漠の狐を狩れ」第2次大戦のアフリカ戦線の英国軍特殊部隊の話なのです。
砂漠の狐と言うのはカップうどんの名前ではなく、ドイツの名将「エルウィン・ロンメル」将軍のことでありまして、あまりに優秀なこの敵将軍を、イギリス軍がなんとか暗殺しようとするお話であります。
その話のなかで最前線で英国兵が食べている料理だか糧食だかに、「ブリーバーグー」と言う料理が出てきました

本には牛肉とビスケットをごちゃまぜにしたものと説明がありましたが、なんとも漠然としているので色々調べてみましたところ・・・・やはり良くわからないのですが、ビーフ&ビスケットで調べてみましたら・・・やはり良くは判らない・・・
ブリーバーグーのスペルでも判れば良いのですが・・・・どうやってもヒットしませんね・・・。

で、たぶんこれだと思える料理がビーフ&ビスケット。
ビスケットと言うのは。日本でいうお菓子ではありませんし、ケッタッキーフライドチキンのメニューにあるような柔らかいパンのようなものでもありません。英国軍ではビスケットとは乾パンのことであります。
この乾パン、ハードタックとも呼ばれ、あまりの硬さに鉄の板なんぞとも呼ばれていました。

これをコンビーフ缶で作ったシチューに入れるのがブリーバーグーのようであります。
違うかもしれないけれど、面倒なので私が勝手にこれをブリーバーグーと認定します・・・文句あっか?

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英国の兵隊さんも文句は無いそうであります

認定式が終了しましたし、どうしても食べてみたくなったので作成にかかります。

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先ずはコンビーフのシチューであります。
これはイギリス軍の歴史を調べてみて、そこの中に発見したレシピであります。

材料はBullyBeefとジェリー、その場でで手に入る野菜、塩、胡椒、ビネガー、砂糖・・あればカレー粉。
これは戦場にあるからこのような質素な材料ではなく、英国料理だからこんな材料・・のような気がしますね
ところでジェリーというのは何かと思ったら、ビーフから抽出したジェリーと書いてあったので、昔は煮凍りのようにしてビーフスープを運んでいたのかもしれません。
まあ、多分ビーフブイヨンのことらしいので「コンソメの素」で良さそうです。
又、野菜は手に入るものとなってますが、ま、こんなところで良いかな?
戦場ではタンポポとかの野草も良く使ったらしいですね。

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英国軍はカレー粉を良く使うそうです。昔はインドの宗主国でありましたから、英国軍は伝統的にカレー料理を食べるそうで、それが大英帝国海軍に教えを受けた我が大日本帝国海軍に伝わり、今でも日本国自衛隊ではカレーを食べる習慣が残っているのであります・・そんな事は知っているから早く先に行けって?・・・・ドーモスイマセンでした。

さて、カレー粉は色々なスパイスの集合体でありますから、使い方ではカレー料理だけでなく、純粋にスパイスとして使用できます。色々なスパイスを持ち歩かなくて済むのは便利です。野草なんかにも合いますし、キャンプなんかにもお勧めですよ。

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野菜を大降りに切って飯盒にブイヨンキューブと一緒に入れて水を入れて火にかけます。
適当にザクザクと大きく切って大丈夫だから、まな板なんかは必要なしで、ナイフが一振りあれば作れます。
この辺も軍隊の食事に適しています。と、言うことは、キャンプの料理としても大変優れてますね。ブリービーフは醤油にも合うから和風もできますか?茸なんかをたくさん入れても良いカナ?

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うんと弱火でもしっかり蓋をした飯盒はしっかり沸騰してくれます。
飯盒は食器にもなるし、燃料の節約にも優れていますね。

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昔は一缶なんて平気で食べられたのに・・・・いまは半分も無理・・・トシダナァ・・・

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コンビーフを半分入れて、そばに合ったキャベツの切れ端も入れちゃいます。
このキャベツが大正解でありました。

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皿に乾パンを並べておきます。写真撮影の為に綺麗に起きましたが、実際には手で割って更に盛っておいた方が良いですね。もしくは鍋に入れて煮ちゃっても良いかもしれません。

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出来上がり・・・見た目が悪いですね~・・・・ま、問題は味ですから・・・・'_';
しかし、味と言っても・・・あの英連邦の兵隊さんたちが戦場で食べていた料理と言うか、もはや燃料のようなものですから・・・・と、思っていたら・・アレ?案外美味しいハートx2
カレー粉はホントに少しにしたので、スパイスとして香りが残っているだけでカレー料理にはなっていません。
カレー粉をスパイスとして使うというのはアリですね!この技もキャンプで使えます。

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このメニューは普段食べたいとは思わないでしょうが(食べたい人もイルカナ?)、果てしなく応用が利くので、キャンプとか災害時なんぞの為にに覚えておくと良いと思います。
なんかあったとき、幼児や年寄りに乾パンは無理ですもんね~・・・。

で、覚えるためには作ってみるのが一番!絶対失敗しないコンビーフと乾パンのスープ。
明日は台風が来そうですし、ちょっとやってみます?^_^
 

MRE ターキーブレス

2022年07月25日 | 軍隊料理
「MRE ターキーブレス」  戦闘糧食
訓練が終ってテッポーの掃除を終え、制服の洗濯も終えて、なんとなく「アイ・ラブ・アメリカングレイヴィー」を唄いながらブーツを磨いていたらいきなりペッパー軍曹の大音声がボクに落ちた。
「おいウヒョウヒョ野朗!きさま大分解ってきたらしいな。」
ウヒョウヒョ野朗というのは軍曹がボクにつけたあだ名・・・と言うより侮蔑的呼びかけなんだけれど、意味は判らない。どうも軍曹独特のユーモアらしいんだけれど・・軍曹のユーモアは普通人にはまるきり解らないんだ。

「おいウヒョウヒョ野朗!キサマも大分解ってきたらしいな!・・・イイ兵隊の条件はアメリカのグレイヴィーソースが大好きなことだ!キサマもグレイヴィーソースを食べたいと唄っているくらいだからイイ兵隊になる素質があると言うわけだ。そうだな?」

ボクは思わず、本当に思わず答えがをついて出てしまった。

「イエス・サージ!自分はアメリカの民主主義とグレイヴィーソースを守るために入隊しました!」

答えた途端、ボクは自分の舌を噛み切りたくなった・・・・またボクは軍曹に対して余計なことを言ってしまった・・・・・

案の定・・・軍曹の真っ黒な目がスーッと細くなっていって殆ど黒一色にしか見えなくなり、目から冷凍光線が放射されているみたいに周りの気温がドンドンと下がっていった・・・。

「ホ~・・・・なかなか洒落たことを言うじゃないか・・キサマは。民主主義とグレイヴィーを守る為に入隊したってか?・・・?」

ウ~・・・・・軍曹の目が・・・益々黒く冷たくなってきた・・・

「じゃ、この心優しい軍曹殿がキサマにグレイヴィーを守る訓練を命じればキサマは物凄くうれしくなると言うわけだな」

軍曹顔は優しく笑っているけれど、目が恐ろしい光をたたえだしている。

「イエス・サージ!大変嬉しくアリマス!」

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そんな訳で、ボクはターキーブレスのポテト添え グレイヴィーソース掛けの喫食訓練することになってしまった。

では中身の点検

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これはチェダーチーズプレッツェル
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このスナック菓子は日本でも売っているんじゃないかな?

ビール売り場なんかにあるような気がするんだけど・・・
で、味は脂っこくて塩辛くってビールが欲しくなるチーズ味でした。
体に悪そうだから軍曹の目を盗んで廃棄することにします。

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これはおなじみのクラッカークリックすると元のサイズで表示します
不味くはないけれど・・・美味しいものでは無いんだよね。
でも前線で食べるなら合格だと思う。でも、なんかフスマみたいな匂いがするんだな・・ちょっと古くなった感じとでも言えばいいかな?

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MREの飲み物ってのは大体不味いけれど・・・これは飲めた。
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こんな色の粉末を水に溶かして作ります。
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色はドギツイけれどチェリードリンクの味がしっかりするんだよね。
チープな美味しさとでも言いましょうか、今まで飲んドリンクの中では一番まともだった。
水じゃなくソーダで作ってアイスを載せれば結構美味いような気がします

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ピーナッツバターも付いてます。
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半固体って言う感じの硬さのバターで、甘みは少ないです。

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成型肉とポテト

ターキーの胸肉なのでしょうが、成型肉ですね。
ターキーのいろんな部位をこまぎれにして集めて固めたんだと思います。
その肉をグリルしてからソースとポテトと一緒に封入したのでソース漬けみたいに仕上がってます。
味はどうもピンとこないグレイヴィー味です。このグレイヴィーってなんの味に近いのかな?昔からどうも苦手な味です。
で、このグレイヴィーはメインの肉よりもポテトに掛けるのが目的みたいなソースなので、益々解らないソースであります。
多分マッシュポテトにドバッとかけて、ポテトもソースにしちゃうのが本来なのかもしれませんね。

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グレイヴィーはローストビーフとかロ-ストチキンなんかを作るとき出る焼き汁を集めたソースなので、単体で存在するものでは無い筈なのですが・・・・

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日本でも売っていました
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インスタントグレイヴィーミックスと言うのが売っています。
熱湯に溶かして20秒掻き混ぜれば出来上がりであります。
これこそがアメリカングレイヴィーなのであります。
しかし、これは豪州製でした。

兎に角これを肉とかポテトに掛けるワケですね・・・日本人には難しい味ですね。

さてMREに戻ります。
ポテトも肉も塩辛いのですが、これは軍隊の食事、それも野戦食ですので塩分を強くしてあるのは当然なのであります。

で、ポテトですが・・・これ軟らかくなりすぎていません。なんだかシャキっとしています。これって変に美味しい。でもグレイヴィー味が嫌だな~・・

ターキーはかなり歯応えがあるのですが、なんか凄い結着剤でも使ったのかな?
とにかくこまぎれミートの筈なのに歯応え充分であります。
味は・・・・つくねに似ていますね。
ヤキトリのタレで作ったら案外いけるかも。

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なんだかんだ文句ばかり言っていたわりには完食しちゃいました
塩味が強いので、グレイヴィーがあまり気にならずに済んだからかもしれませんね。
それとポテトが予想外に良かったこともあります。

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デザートのチョコレートバー・クリックすると元のサイズで表示します
・・ニチャっとしています。
こういうアメリカンスウィーツは・・・ボクには無理だな~。

そんな訳で本日の喫食訓練も終了であります。
最初思っているよりは良いMREメニューでありました。

あ、軍曹が睨んでいる。
「I Love American Gravy」を唄わなきゃ・・
 

戦国自衛缶

2022年07月25日 | 軍隊料理
「戦国自衛缶」  戦闘糧食
 12月4.5日
千葉県成田市の近くでとんでもないイベントが行なわれました。
題して「戦国の自衛隊」

これは自衛隊と戦国武将に分かれてサヴァイバルゲームを行なうという、ホトンドビョーキのゲームでありました。
ま、ゲームというよかは、コスプレイベントに近いものと言っても良いようなシロモノでありましたけれど・・・・

で、ワタシはビョーキではありませんから参加するつもりはありませんでしたが、当日は現役や予備役の自衛官の方の参加も多く(と言っても数人だけど・・・)自衛缶の持ちよりもありそうとの情報を掴み、それなら参加してみっかと行くことになったのでありました。

さて4日は前夜祭とのことで、自衛缶を肴に呑み捲くりでありますv▽v

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夜なのでちょっと解りづらいと思いますが、缶詰の他にもレトルト食やカンパン等もありまして、充実でありました。

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さてさてワタシのチーム仲間二人は、一人が予備役自衛官、もう一人が映画「戦国自衛隊」に強烈な印象を植え付けられてしまった自衛隊オタクさん。
この二人は前日も下はジャージで上は自衛隊の制服という正しい服装。
なんでも自衛隊では駐屯地内で課業(お仕事のことです)が無い人はジャージ姿でいるらしいのですが、階級が判らないとこまる場合には上が制服で下がジャージとなるそうです。
その二人が使っているのが自衛隊の正式な飯盒です。
写真正面の人は予備役自衛官ですのでこの飯盒を持っていて当たり前ですが、写真左側のひとも何故か持っています・・・・ワタシも欲しいですね~・・・。

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この日の千葉県は4℃くらいの気温で、缶詰を湯煎して温めながら食べました。
飯盒の本体は味噌汁とか用のお湯を沸かすのに使い、中蓋は酒、外蓋は缶メシであります。
この日のメシは鶏飯と五目飯の2種類がありました。 
副食の方は牛肉野菜煮、タクアン、福神漬け、牛肉味付け、まぐろ味つけ、ます野菜煮、鶏肉野菜煮と種類も豊富でした。

さて缶詰を温める訳でありますが、何故温めるかといいますと、保存食である缶詰のゴハンはβ澱粉をα化するためだそうで・・・・・高校のときに科学をちゃんとやっていなかった私はもうチンプンカンプン澱粉であります。
そんなわけで解りやすかった説明は、缶の中に入っているゴハンは一度炊いたご飯だけれど、冷えて焼く前の餅と同じ状態になっているそうです。
餅は焼くと・・つまり加熱すると柔らかくなりますね。これと同じことで缶メシも加熱すれば澱粉が炊いたときの状態にもどり、柔らかくなって食べられる状態に戻ると言う事でありました
いやホントに加熱しない缶メシはロウソクみたいになっちゃって食べられませんよ。
なんと言いますか、冷凍したゴハンを表にだして解凍してもボロボロで食べられないのと一緒ですね。

自衛隊の缶メシは一缶が400gくらいあるので一人で一缶を食べるのは結構キツイですね。
やはり自衛隊のキツイ訓練の後に食べないと完食は難しいです'_';

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今回初めて食べた「鶏肉野菜煮」缶であります。
これは筑前煮の缶詰ですね(^^

筑前煮は元々ガメ煮と言って亀と野菜を煮た料理と言うのを聞いたことがあるのですが・・ホントなのかな?
なんにせよ鶏肉を使った九州の名物料理ばいね~

内容は鶏肉・牛蒡・筍・里芋・人参・椎茸と小さい缶の割にはイロイロと入っています。
そしてマッタク予想を裏切られたのですが、味つけが濃くなくて上品です。
ワタシが食べた自衛缶の中で一番美味いのはこの缶詰です。
とくに里芋が美味しかった。
なんだか美味しい料理屋さんに行ったような味付けですね。
なんでも博多では筑前煮はお祝いの席には欠かせない料理らしいです。
九州の部隊でもお祝いのときに出すのでしょうかねェ・・・。
お祝いに出しても恥ずかしくない味でありました。

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そんな訳で自衛缶をたっぷりと頂いて、ちょっとアホな遊びをしてきた有意義な週末でありました。
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野外炊具

2022年07月25日 | 軍隊料理
「野外炊具」  戦闘糧食
久しぶりに土曜日休みを取れたので、本日は陸上自衛隊の広報PRセンターに娘と一緒に遊びに行ってきました
で、なんで久しぶりの休みなのに娘と一緒に自衛隊?・・・・エヘヘヘ・・・どうも私の娘も自衛隊が好きらしく、去年「自衛隊音楽祭」に連れて行ってからファンになってしまった・・・こともありますが、実は本日自衛隊の誇る高性能兵器の「野外炊具1号、2号」がお目見えして、トン汁を作ってくださるという企画だったのであります。

さてココからはちょっと難しい記事になってしまうので、興味のない方には退屈になると思います・・・・読むのが面倒なので止めちゃった方がイイカモね!

そんな訳で戦う料理人の私としては是非見に行きたかったワケでありました^_^

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これが陸上自衛隊の「野外炊具1号」であります。
震災のとき等にも出動して被災者の方々に温かい食事を炊き出したりしているので見たことある方も多いのではないでしょうか?

さてこの野外炊具1型ですが、よく見るとこれは1型(改)、つまり1型のマイナーチェンジ型でありますね。

この炊具は一度に200名分の調理が可能で、内容は米、汁物、副菜だそうです。
又、炊飯だけだったら600名分を一度に炊き上げることができるスグレモノであります。
ただし、扱いは非常に難しく、シロートには扱えません。よく訓練を受けていないとむりそうですね。
しかし、構造は昔からあるガソリンバーナーや灯油バーナーとあまり変わりなく、キャンプでコールマンの石油ストーブや石油ランタンを使っている人ならある程度の基礎知識があるので、仕組み等は理解できると思われます。

基本的には石油をコンプレッサーで気化させて燃焼させると思えば良いと思われます。

私たちが使うキャンプ用品では、石油の混合気を作るのに手動ピストンで空気を圧縮して混合気を作りますが、炊具では車両の中央にこのような発電機があり、電気で電動コンプレッサーを動かして混合気を作って各バーナーに送り、調理するワケですね。

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コチラの小形発電機は皮むき器や野菜カッター用だと思います
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多分コチラの大形発電機が混合気用じゃないかな?
ヒョットしたら短い距離だったらモーターなんかで走行できるのかもしれません
コンセント禁止の張り紙の下には普通に電化製品が使えるようにコンセントの受け口があるはずです

因みにこの改造型では、コンプレッサーの能力か発電能力の低下で、6基の釜全てを一度に使用できないとの噂がありますが、敵にこのことを知られるとマズイのでこれ以上追求しないことにします*^_^*

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給食室等で御馴染み野菜の皮剥き器。
これは内部が回転ヤスリのようになっていて、中に放り込まれたじゃが芋等の皮を恐ろしい音を立てながら削り落としていくという恐怖の兵器・・・・・・じゃなくて便利な器具なのでありますが・・・・あとの掃除が大変です。
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本当は真ん中にある台の上に野菜カッターがあるはずなのですが、ありませんね~・・・
台の下には混合気用のコンプレッサーと思われるものが見えます。
左側のは6基ある釜のうちの1基です。

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釜の蓋はしっかりとネジ式ロックでき、かなりの圧力に耐えられる構造のようです。
つまり、圧力釜みたいになってご飯が美味しく炊けるし、調理も沸点が上がるので高熱を出すことが出来、調理時間を短縮できるということですね。
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レイアウトはこんなカンジです。

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さてさて野外調理された豚汁ができました。
実費程度の料金をお渡しして喫食券と引き換えてもらいます。
食券ではなく、喫食券というところが自衛隊らしいですね!^_^

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豚汁の調理はこちらの天幕の下で行なわれていました。
使用されているのは野外炊具2型(改)であります。
こちらはキャスター付きの調理釜と思って間違いありません。
こちらも灯油と空気の混合気を作ってバーナーで燃焼させるタイプです。
電源は外からとります。野外では電源車とかがあるのかもしれません。
又、コチラには専用のトラックもあり、トラックの荷台に釜を並べて、移動キッチンのように荷台を調理場することもできるらしいです。
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さてこの釜ですが、私の見たところ、炊飯、汁物作り、煮物作りには適していそうですが、揚げ物は辛そううですね。また、焼き物は不可能と思われます。
結局は鍋ですから、茹でるとか沸かすというのが本来の機能でしょう。
又、これは四角くて深い鍋ですので、炒め物もかき回すことができずにムラができて美味くは仕上がらないような気がします。

カレーやシチュー、麺類、汁物類、ごった煮等に適していそうです。
山形の芋煮や鹿児島の筑前煮とかは美味しくできそうですね。
又、麺類は茹でる釜とツユの釜とタネの釜を並べたらかなり美味しいソバ・ウドンのお店がひらけそうですね^_^
また、パンなども焼けそうですし、パスタ料理にも向いていると思います。
他になにが出来るか・・・料理人として考えてみたい調理器具です。

そういえば、海外にはお金を払うと鉄砲を撃たせてくれる軍隊ツアーとかありますが、我が国ではそのような物騒なものはともかく、野外炊具の野外食堂を開いて、各地方の部隊が、各地方の郷土料理を週代わりとかとかで一般国民に提供するってアイディアは如何でしょうか?訓練の一貫として野外炊事を行うということではダメですか?

お客はそのレストランまで自衛官と同じくらいの重さの装備を担いで脚でたどり着くオプションとか、キャタピラ付きの車両での送迎とか、ヘリなんかもいいかもv▽v
モチロン擬装したレストランは空からは見付からないという楽しみもあり!

メイド喫茶なんかよりオタクが集りそうな危惧もありますけれど・・・・

そんなことを考えながらフッと横を見ますと・・・・・

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野菜カッターがあります。
先ほど野外炊具1号に見当たらなかった野菜カッターを取り外してこちらに持ってきて使用しているのかな?
多分、カッターは洗浄の為簡単に取り外しが出来るのでしょうね。

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豚汁を配ってくださる女性隊員の方

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調理風景
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恐ろしく巨大なお玉
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豚汁はバラ肉の薄切り、綺麗にイチョウ型に切った大根・人参、薄切りの牛蒡、長ネギの五種類の具材で出来ていました。
これはフツーに美味しい豚汁でありました。
言ってはなんですが、米軍の食事に比べて数段上をいっていると思います
これは主に戦場や被災地と言う普通ではない場所で喫食される料理なのでしょうが、普通に美味しいというのは凄いことですね。
よく、大災害の時には無理をしてでも子供たちを日常生活に近い環境に置く為に、学校の再開等を急いだりますが、そのときにこういう普通に美味しい食事が提供されるとしたら、非常に精神的な助けになると思われます。

ちゃんとした食事は肉体的にも精神的にも栄養豊富ですので、タンフニの皆さんも贅沢と言う意味でなく「良い食事」をしっかりとりましょう。

とにかくこの野外炊具は、イザと言うときに我々をしっかり守ってくれる頼もしい装備だと思います。

これ・・・・欲しいナァ~・・・。

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オマケ:自走105mm榴弾砲の上部ハッチから首を出して覗いた風景。高さ3.2mです。結構背が高いですね
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軍隊調理法

2022年07月25日 | 軍隊料理

昔の本で、軍隊調理法と言う本がありました。
これは陸軍の兵隊メシの調理法を書いたお料理ブックでありました。
この本を読むと、本当に昔の軍隊はこんなに良いものを食べていたのか疑問であります。
しかし、兎に角この様な本が存在するのですから、陸軍ではある程度のものを食べていたのではないでしょうか?

この本、近頃復刻されたのですが、あまりに高価な本だったので買えませんでした

ま、そんなことは置いておいて、インターネットで見つけた軍隊調理法の中から、肉缶の代用も可のメニューの肉メシを作ってみました。

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そんな訳で、自衛隊の牛肉味付け缶詰を使用することにしました。 

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自衛隊の缶詰は、御覧の通り市販の大和煮よりも大きな肉で作られています。
この辺は昔の通りのつくりですね。
尤も、ノザキ等のブランド缶詰なら、このような頼もしい牛肉様でできているのかな?

さて、作り方は簡単です。

ネギ、牛蒡等を醤油・酒・砂糖・味醂で甘辛く煮て、缶詰の大和煮を調味液ごとナベにあけ、ちょっと煮詰める。この辺は非常にアバウトであります。

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これを固めに炊いた御飯に汁ごと混ぜ合わせてできあがり。

多分野戦食なので、かなり簡単に出来上がるようにしてあるのだと思います。

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本当は、飯盒の蓋に盛り付けると格好がいいのですが・・・

味はご想像の通り、すきやきの余りを御飯に混ぜたような感じでした。
つまり・・・・美味しい!ってことですね。

簡単なランチにもナカナカピッタリの味でありました。

他の缶詰でもなにか出来そうな野戦食の調理法ですね。