私は心の中に「聖母マリア様は私の方に進まれ、私に向って微笑まれた、ああ、何という幸いな者であろうか、このうえは、この大いなる恩寵を秘密にして誰にも語らず、もし他人に語るならば、この幸いがなくなるから」と、そしてこの奇妙に感じて後、自然に眼を下げましたが、その時始めて長姉のマリアを認め知ることが出来ました。彼女はなにかに感動されたような愛の目をもって私を見ております。そしてちょうど私は聖母から恩恵を受けたことを察しているように見えました。まことに聖母の微笑みなさった何とも言えない恩寵を受けたのは、全く彼女の熱心な祈祷のおかげでありました。彼女は私が聖母の御像を見つめているのを見て「テレジアが治った!」と思っておりました。実際その通りこの「「小さき花」は聖母の温かき恩寵によって生き返り、恐ろしい敵から救い助けてくださったのであります。そして寂しい冬枯れが過ぎ寒い風がやんだので、聖母まりあの「小さき花」が五年の後に「カルメル会」の花壇に咲くようになる位まで、強くなったのであります。
読んでくださってありがとうございます。yui
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