皆様こんばんは。
本日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行いました。
ご来場頂いた方々、ありがとうございました。
また、本日は阪急納涼囲碁まつりin東京の2日目が行われました。
様々なイベントが行われましたが、当ブログでは世代別トーナメントの1局を振り返ってみましょう。
決勝戦、山下敬吾九段(黒)対井山裕太七冠戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/b4/977a8a4b60941ace1ae8b110ca57fdf3.jpg)
目外しからの大斜定石が2つと、見たこともない序盤です。
山下九段、早くもサービス精神を発揮しているようです。
さてここで白番ですが、孤立した下辺星の白石をなんとかしたい所です。
どういう方針で行くべきでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/ef/a12a6a490ddeb919cc133734edd0e1bd.jpg)
白1、3は堂々の一間飛びですが、この局面ではやや鈍重な印象です。
大斜定石2つで黒は外勢を得ているので、白としては正面から戦うのは得策ではありません。
黒4の後は白が一方的に攻められそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a5/98aaf2b86a8dc56e4d1162010e2ec770.jpg)
そこで実戦白1とは飛躍した発想でした!
軽快に打って黒を閉じ込める狙いです。
黒Aのハザマが気になりますが、もちろん対策はあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/ce/5c0d5902684d27d35129b0dfe6723a1c.jpg)
黒1、3には白4と切って戦いです。
局地戦なら白も石数が多いのでやれそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/da/2ae2915c93376c63005a32cea72f6829.jpg)
黒1、3ならお互いに突き出し合う分かれになります。
黒地が大きく見えるかもしれませんが、厚みから地を増やした形なので嬉しくありません。
白が厚くなった事には大きなメリットがあり、例えば白Aあたりに打ち込んだ時には心強い援軍になるでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/6c/d2214947782d3071e1fb4a7aed6f362c.jpg)
では黒がどう打つかという事になりますが、実戦はなんと黒1!
これまた飛躍した発想です。
白Aの切断が気になりますが、実は黒はそれを待っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/21/42830b05c805678215b6ef2990f648f5.jpg)
白1ならそこで黒2を決行する予定でしょう。
白11までの結果は黒△と白1の交換が大きな利かしになっています。
2つ前の図と似ているように思われるかも知れませんが、トッププロには決して見過ごせない差があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/a3/ddbadb5d4e3ef24d5e43a413281f85cc.jpg)
そこで実戦は白も切断に行かず、白1から黒を大きく攻める作戦を取りました。
黒Aと繋がらせてまとめて攻めようという事です。
しかし黒も白の手には乗りません。
黒6と仕掛けて行きました。
この手も離れた手で危ないようですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/28/a83af3c1b45d8bd73f0940f64c9ce687.jpg)
白1から切り離して来れば黒6、8の出切りを決行するつもりでしょう。
白9には黒10とハネ、白は隅の利き筋を見られていて不自由です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/16/0cf25ae7624c1637ade004cd8e19484e.jpg)
前図の後黒10までとなって白潰れです。
ちょっと黒に都合が良すぎる図ではありますが、大体こんなイメージでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/51/dcd0ca1f5ead3db8a2f75ae5adb3d7f6.jpg)
白も黒の狙いが見えているので、実戦は先に白1と切りました。
この手の狙いは・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/39/eeb4c60f44e2630551d4dd95b0602afd.jpg)
黒1から素直に取ってくれれば黒9まで利かしておいて白10を決行します。
黒Aからの出切りが無くなっているので、白は安心して戦う事が出来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/8f/5147e0f67f1001d6c7e8b2cf863d0e6f.jpg)
そこで実戦は黒1と備えました。
白2と連打されたのは痛いですが、代わりに黒3を決行して下辺で強く戦うつもりです。
最初の図からは思いもよらない大変化になりました。
この後も白Aから戦いが続き、さらなる変化に進んでいます。
戦いは延々と続き、最後は山下九段が大石を仕留めて中押し勝ちを収めました。
観戦者の方々も大喜びの面白い碁だったと思います。
本日は有楽町囲碁センターにて指導碁を行いました。
ご来場頂いた方々、ありがとうございました。
また、本日は阪急納涼囲碁まつりin東京の2日目が行われました。
様々なイベントが行われましたが、当ブログでは世代別トーナメントの1局を振り返ってみましょう。
決勝戦、山下敬吾九段(黒)対井山裕太七冠戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/b4/977a8a4b60941ace1ae8b110ca57fdf3.jpg)
目外しからの大斜定石が2つと、見たこともない序盤です。
山下九段、早くもサービス精神を発揮しているようです。
さてここで白番ですが、孤立した下辺星の白石をなんとかしたい所です。
どういう方針で行くべきでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/ef/a12a6a490ddeb919cc133734edd0e1bd.jpg)
白1、3は堂々の一間飛びですが、この局面ではやや鈍重な印象です。
大斜定石2つで黒は外勢を得ているので、白としては正面から戦うのは得策ではありません。
黒4の後は白が一方的に攻められそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/a5/98aaf2b86a8dc56e4d1162010e2ec770.jpg)
そこで実戦白1とは飛躍した発想でした!
軽快に打って黒を閉じ込める狙いです。
黒Aのハザマが気になりますが、もちろん対策はあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/ce/5c0d5902684d27d35129b0dfe6723a1c.jpg)
黒1、3には白4と切って戦いです。
局地戦なら白も石数が多いのでやれそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/da/2ae2915c93376c63005a32cea72f6829.jpg)
黒1、3ならお互いに突き出し合う分かれになります。
黒地が大きく見えるかもしれませんが、厚みから地を増やした形なので嬉しくありません。
白が厚くなった事には大きなメリットがあり、例えば白Aあたりに打ち込んだ時には心強い援軍になるでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/6c/d2214947782d3071e1fb4a7aed6f362c.jpg)
では黒がどう打つかという事になりますが、実戦はなんと黒1!
これまた飛躍した発想です。
白Aの切断が気になりますが、実は黒はそれを待っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/21/42830b05c805678215b6ef2990f648f5.jpg)
白1ならそこで黒2を決行する予定でしょう。
白11までの結果は黒△と白1の交換が大きな利かしになっています。
2つ前の図と似ているように思われるかも知れませんが、トッププロには決して見過ごせない差があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/a3/ddbadb5d4e3ef24d5e43a413281f85cc.jpg)
そこで実戦は白も切断に行かず、白1から黒を大きく攻める作戦を取りました。
黒Aと繋がらせてまとめて攻めようという事です。
しかし黒も白の手には乗りません。
黒6と仕掛けて行きました。
この手も離れた手で危ないようですが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/28/a83af3c1b45d8bd73f0940f64c9ce687.jpg)
白1から切り離して来れば黒6、8の出切りを決行するつもりでしょう。
白9には黒10とハネ、白は隅の利き筋を見られていて不自由です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/16/0cf25ae7624c1637ade004cd8e19484e.jpg)
前図の後黒10までとなって白潰れです。
ちょっと黒に都合が良すぎる図ではありますが、大体こんなイメージでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/51/dcd0ca1f5ead3db8a2f75ae5adb3d7f6.jpg)
白も黒の狙いが見えているので、実戦は先に白1と切りました。
この手の狙いは・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/39/eeb4c60f44e2630551d4dd95b0602afd.jpg)
黒1から素直に取ってくれれば黒9まで利かしておいて白10を決行します。
黒Aからの出切りが無くなっているので、白は安心して戦う事が出来ます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/8f/5147e0f67f1001d6c7e8b2cf863d0e6f.jpg)
そこで実戦は黒1と備えました。
白2と連打されたのは痛いですが、代わりに黒3を決行して下辺で強く戦うつもりです。
最初の図からは思いもよらない大変化になりました。
この後も白Aから戦いが続き、さらなる変化に進んでいます。
戦いは延々と続き、最後は山下九段が大石を仕留めて中押し勝ちを収めました。
観戦者の方々も大喜びの面白い碁だったと思います。