白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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本日の対局

2017年06月12日 23時59分59秒 | 対局
皆様こんばんは。
明日は有楽町囲碁センターで指導碁を行います。
ご都合の合う方はぜひお越しください。

さて、本日は対局がありました。
碁聖戦予選、藤沢里菜三段との対局です。



1図(テーマ図)
私の白番です。
藤沢三段に主導される形で、黒は実利、白は勢力を重視する流れになりました。
白は全く確定地がありませんが、この段階では気にする必要はありません。
白△や〇の勢力をどう活用するかが至上命題であり、ここから急に白AやBと地を取りに行ってしまうと、その瞬間に碁は負けになります。

非常に広い局面であり、このあたりからどんな構想を描くか大いに悩みました。
生活がかかっていなければ、最高に楽しい局面でしょう。
対局中はひらすら苦しんでいましたが・・・。





2図(実戦)
実戦は白1から思い切り広げて行きました。
厚みは囲うなの格言通りですね。

さて、黒10と打たれた場面がまた大きな分岐点です。
白Aとさらにケイマするのが素直な手ですが、黒Bと出られると下方の白模様が小さくなりそうです。
また、黒Cの穴が空いていることもあり、黒Dのツケコシが心配です。
中途半端な打ち方かと思いました。





3図(実戦)
そこで、実戦は白1を利かしてから白3とカケて行きました。
少々強引ですが、黒を封鎖して最大限の頑張りです。





4図(実戦)
黒1と進出して来ましたが、白2、4と切り離して真正面から戦います。
周辺は真っ白であり、白有利な戦いです。
黒の確定地は70目ぐらいありますが、形勢は白有利でしょう。

ところが、ここから判断ミスやポカなどを繰り返し、あっという間に負けになりました。
実力不足を露呈したとしか言いようがありません。
最近は運でしか勝てなくなってしまいましたね。