皆様こんにちは。
昨日に引き続き幽玄の間の中継棋譜紹介コーナーです。
テーマはまたしてもサバキです。

下島陽平八段(黒)と羽根直樹九段の対局です。
白1はプロなら当然の切りですが、黒2、4と強硬に取りに来ました。
白どうしますか?

白1のようにまともに動くのは無理です。
周囲は黒石ばかりです。

そこで白1と外しました。
少々石を取られても巨大な黒地さえ作らせなければ十分という発想です。
さあ、ここからの羽根九段のサバキをご鑑賞ください。

もし黒が2子を取って来れば白8まで脱出します。
無理なく黒地を制限する事が出来ました。

そこで実戦はすぐに2子を取らず、黒1と頑張りました。
もし白2ならそこで黒3、前図より白の形にゆとりがなくなっています。

ところが実戦は白1と凄い所にツケ!
部分的な形としてはあり得ない手で、黒Aと受けられると右辺の黒を固めてしまいます。
白の狙いは何でしょうか?
皆さんも考えてみてください。

黒1と受けさせてから、白2子を担ぎ出す予定でしょう。
白6の後出口を塞がれるのが心配ですが・・・

黒1には白2、4で両当たりです。
白△が見事に働いています。

黒1には白2、4でAのシチョウとBのハネが見合いになります。

という事で黒1と守ったのは止むを得ず、白2と連打出来ました。
白に楽をさせまいと、黒もAと強手を繰り出しますが・・・

今度は白△を捨てて右辺に入り込んで行きました。
あくまでサバキの姿勢を貫いています。

最終的にはこのような分かれになりました。
白は計7子取られましたが、一度も苦しまなかったのがポイントです。
なんとも鮮やかなサバキでした。
なお碁の方は下島八段がしぶとく半目勝ちを収めています。
<おまけ>

腕に覚えのある方はこの場面で疑問を持たれた事でしょう。
白1の押しに対して、黒2、4と両方助けて頑張ると?
これは難問ですが、恐らくは・・・

まず白1と手数を伸ばし、白3から攻め合いに行こうという事でしょう。

一例として白8までは白攻め合い勝ちです。
変化が無数にあって、もし読み違いがあったら逆に取られてしまいます。
サバキには力も必要なのです。
昨日に引き続き幽玄の間の中継棋譜紹介コーナーです。
テーマはまたしてもサバキです。

下島陽平八段(黒)と羽根直樹九段の対局です。
白1はプロなら当然の切りですが、黒2、4と強硬に取りに来ました。
白どうしますか?

白1のようにまともに動くのは無理です。
周囲は黒石ばかりです。

そこで白1と外しました。
少々石を取られても巨大な黒地さえ作らせなければ十分という発想です。
さあ、ここからの羽根九段のサバキをご鑑賞ください。

もし黒が2子を取って来れば白8まで脱出します。
無理なく黒地を制限する事が出来ました。

そこで実戦はすぐに2子を取らず、黒1と頑張りました。
もし白2ならそこで黒3、前図より白の形にゆとりがなくなっています。

ところが実戦は白1と凄い所にツケ!
部分的な形としてはあり得ない手で、黒Aと受けられると右辺の黒を固めてしまいます。
白の狙いは何でしょうか?
皆さんも考えてみてください。

黒1と受けさせてから、白2子を担ぎ出す予定でしょう。
白6の後出口を塞がれるのが心配ですが・・・

黒1には白2、4で両当たりです。
白△が見事に働いています。

黒1には白2、4でAのシチョウとBのハネが見合いになります。

という事で黒1と守ったのは止むを得ず、白2と連打出来ました。
白に楽をさせまいと、黒もAと強手を繰り出しますが・・・

今度は白△を捨てて右辺に入り込んで行きました。
あくまでサバキの姿勢を貫いています。

最終的にはこのような分かれになりました。
白は計7子取られましたが、一度も苦しまなかったのがポイントです。
なんとも鮮やかなサバキでした。
なお碁の方は下島八段がしぶとく半目勝ちを収めています。
<おまけ>

腕に覚えのある方はこの場面で疑問を持たれた事でしょう。
白1の押しに対して、黒2、4と両方助けて頑張ると?
これは難問ですが、恐らくは・・・

まず白1と手数を伸ばし、白3から攻め合いに行こうという事でしょう。

一例として白8までは白攻め合い勝ちです。
変化が無数にあって、もし読み違いがあったら逆に取られてしまいます。
サバキには力も必要なのです。