「釣りをする道化師の人形」です。
ぜんまい仕掛けでオルゴールの曲に合わせて首を左右にゆっくり振りながら
釣れた獲物をタモに取り込むピエロのしぐさはすばらしく精巧にできたおもちゃです。
近所のお客様のおばあさんから頂いたものなのですが派手な色彩と異様な雰囲気が
興味をそそられ不思議と気にいっています。
じつはこのおばあさん三十年ほど前でしょうかドクターのご主人を亡くされ子供達もそれぞれ独立
今は一人暮らしなのです。
三年前、そのお婆さんから頼まれました。
「鬼怒川で食べたヤマメの美味しさが忘れられなくて飯原さん釣れたら一匹お願いします。
死ぬまでにあの美味しいヤマメがもう一度食べてみたい。」
確かに海の魚やウナギや鮎はお金を払えば買えるし食べさせてくれるところもあるが
ヤマメ、イワナはそうはいかないところでもある。
話が大げさになってしまったのですが多分ご主人の生前ご旅行の時の想い出だったのではないかと
喜んで引き受けました。
その頃の私は毎週、あの渓、この峪未だ渓流釣りが面白くてたまらない頃、近所でも釣りキチで
知る人も多くいたのですね。
翌年の春、山形でいい釣りをした折り、いい型の雪代ヤマメ三匹を早速届けました。
いやあ本当に涙を流さないばかりに喜んで頂きました。
これはその時頂いたものでは無いのですが、
見るたびに思い出します。
ちなみにオルゴールの曲はどういう訳か「fur Elise」です。
「ヤマメ屋」飯原酒店のホームページはこちら →
http://www.office-web.jp/yamame-iihara/shop/