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愛犬パラ物語

2011-11-06 22:02:02 | 渓流釣り



今日からパラはもういない。
「今日からはみんなの心の中でずっと生きていくんだよ。」
ノブ動物病院のスタッフからの御葉書だった。 

パラが我が家の家族の一員になったのは二年前で13歳を超えていた。
人間なら68歳。そろりとあちこち病気が出ても不思議でない体ではあったと思う。
でも毛並みや目の輝きは未だ成犬の様で何にでも興味を示して
活動的で若わかしくてとてもそんな風には見えなかった。
今、残された「愛犬手帳」を開いてみた。
登録年月日 平成21年11月26日
種類 雑種
毛色 茶 おす
名 パラ

最初の狂犬病予防接種をノブ動物病院で受けた。
その時の愛犬手帳だった。
我が家にもらわれて来て数日はワンともキャンとも吠えたりする事なくいい子で
おとなしかったが次第におとなの本性を出して自己主張もする様になった。
体を触られるのを嫌がりブラシングはほとんどしてやれなかった。
まして抱っこして車に乗せるなんてことは病気で動けなくなるまで出来なかった。
朝晩二回の散歩が大好きでリードを引っ張って
いつも元気に私の先を歩いていた。
そういえば家に来る前、「パラ、何日か家出した事があったよな、放浪の旅?。まだまだ
若い時だから友達(彼女)探しだったのかな?。」
「何キロも離れた街中で真っ黒に毛玉に覆われたボロボロのパラを見つけた様な気がしたぞ。」

こんなこともあった。冬の吹雪の日散歩から帰ってパラの顔が雪だらけで丁度
白い髭の中に黒い目だけが覗いていて皆に笑われてしまった。
また小春日和のいい日は近くの分水で土手の草むらをリードを外して
思い切り走らせた。
本当に楽しそうな表情いっぱいで両手を広げた私にとびついてきた。
仲間が大好きですれ違うどんな犬とも直ぐに仲良くなってじゃれついたりしていた。
翌年、雪解けの春、村松の仙見川へ釣りの下見にパルを連れていった事があった。
車の後部で初めて見る山の景色をおとなしく眺めていた。
途中の公園のある川べりでぴちゃぴちゃと
いっぱい美味しそうに峪の水を呑んでいた。
これが私のキチガイ「渓流釣り」のフィールドだと
知るはずもないパラに得意に教えた。

それから一年ほどしておしっこの異常で通院した時、腎臓の悪化と診断された。
腎臓はよくなることは無いとも告げられた。
腎臓サポート食に切り替え一時はいい数値まで戻った時期もあったが、
数か月後、こんどは右後ろ脚の異常を散歩の途中みせて病院で見てもらった。
レントゲンで股関節を痛めているとの診断だった。
この時の無理やり口への轡が完全に病院嫌いになってしまった。
病院の中へ入るのが絶対いやで、いつもの痛み止めの薬も電話で予約して一人で貰いに行った。
ところがここ一週間程で股関節の状態が急に悪化してしまった。
あれほど元気に喜んで行った散歩の途中、苦しそうな息づかいで
道路にしゃがみ込んでしまった。
相当痛みがあるらしく暫く動けないでいた。
パラはやり場のない痛みに本当に辛そうだった。
痛み止めの薬と先生の注射でなんとかおとなしくなった時間もあったが。
あまりのパラの苦しみに休診日に無理に見てもらったこともあった。。
一週間痛みに苦しむパラを見るのは本当に辛かった。
「少しでもよくなったら13年間育ててもらった故郷を見せにパラを連れて行こう。」
どんなに喜ぶだろうか?驚くだろうか?。
「横たわったままでいい、またあのいっぱい走った分水の草むらで
私に気兼ねなしでそそうしてもいいぞ。」
「いつもの散歩の仲間たちもパラが来ないと心配するぞ。」
「又一緒に私を引っ張って散歩い行こう。」
そう思いながらパラの涙を拭いてやった。
・・・でもそれは叶わなかった。

点滴のため一日入院することにした。翌日少しでもいい方向に向かえばと期待して迎えにいった。
「残念ですが・・・腎臓は100パーセント機能していません。これ以上良くなることは皆無です。」
データを見ながら説明を聞いた・・・。
なんとか・・・先生は静かに首を横に振った。
「痙攣がおきた時のと痛み止めの座薬4本を用意します。」
・・・。
パラを見ながらあふれる涙を我慢するのがやっとだった。

もっとこうしてやればよかった。
もっと早く気付いてやればよかった。
本当にこれで良かったのだろうか?。
悔やまれる事だけばかり・・・。

楽しくも最期は悲しい短い2年だった。 
パラありがとう。
いつも皆の気持ちを和ませでくれた。
私の淋しい心の空白をパラは埋めてくれた。
パラの生きた証はちゃんと私たち皆の心に残った。
いつまでも・・・。
本当にパラありがとう・・・。
最後にもう一度だけ抱っこしてやりたかった。
歳がいもなく止めどなく涙が流れた。




私の傍らで眠る様にパラは天国へ旅立った。
11月5日12時18分





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