現在開催中の「信太の浮島,モノクロームの記憶~農民カメラマン 小貫庄太郎を中心に~」展について,9月3日の茨城新聞に取り上げられました。
小貫庄太郎氏は,大正15年に稲敷郡浮島村に生まれ,ずっと故郷の浮島で過ごし,農業を営む傍ら,写真撮影を趣味としていました。今回紹介する写真は,主に小貫氏自身が昭和21年から30年代頃まで農作業の傍らに撮影したものです。
レンズを向けた対象は,自身の家族や親しい人たちとその家族,当時の浮島で行われていた様々な行事や共同作業,特産品の浮島大根や養蚕,蓮根といった地場産業の様子,そして歴史的な景勝地として知られた「信太の浮島」の素朴な景観です。
戦後急速に変わりゆく故郷の浮島の中で,子を産み,育て,友人らと汗を流して働き,喜びも悲しみも噛みしめながら,地元の一農民の視点でカメラに収めていったもので,歴史・民俗の記録としてだけでなく,明るい未来を夢に描いた浮島の人々が結んだ「人の和」がよく写真に現れています。
今回の展示では,古き良き農村の記憶を一人でも多くの方に知っていただけたら幸いに思います。是非,歴史民俗資料館へお越し下さい。