生き方の美学/中野孝次/文春新書/1998
高級官僚に係わるさまざまの不祥事、金融問題における金融機関経営者の数々の責任転嫁発言などなど、今や日本はその経済社会発展を支えてきた勤勉意識、や倫理観が社会全体から急速に失われつつあり、そのための歯止めとして尊敬に値する先人の事例を掘り起こし、紹介したいという動機で本書は書かれている。
この中で特に、注目すべきは、幕末三舟の一人、高橋泥舟の話である。
彼は、鳥羽・伏見の戦いに敗れたのち、将軍徳川慶喜に恭順の意を説き、その身辺の警護にあたり、江戸城無血開城の使いに選ばれたが、自分は将軍を護る役に志願し、明治維新後は隠棲したのである。
日本の経済発展の原動力は勤勉意識や倫理観ではなく、そういうものはもとも日本という風土に存在しなかったと思う人は、読む必要はないが、どの時代にあっても不正や不祥事や責任転嫁はあり、そのような悪しき風潮にたった一人で立ち向かった勇気ある先人の生き様をクスリとしたい人にお勧めしたい本である。
開国後、わずか100年近くで世界の経済大国になった我が国の指導者層に綻びが目立つのは、なんとも残念である。
地位や所得にとらわれず、己の生き方を極めるのは、人生の理想の姿ではないのだろうか?
高級官僚に係わるさまざまの不祥事、金融問題における金融機関経営者の数々の責任転嫁発言などなど、今や日本はその経済社会発展を支えてきた勤勉意識、や倫理観が社会全体から急速に失われつつあり、そのための歯止めとして尊敬に値する先人の事例を掘り起こし、紹介したいという動機で本書は書かれている。
この中で特に、注目すべきは、幕末三舟の一人、高橋泥舟の話である。
彼は、鳥羽・伏見の戦いに敗れたのち、将軍徳川慶喜に恭順の意を説き、その身辺の警護にあたり、江戸城無血開城の使いに選ばれたが、自分は将軍を護る役に志願し、明治維新後は隠棲したのである。
日本の経済発展の原動力は勤勉意識や倫理観ではなく、そういうものはもとも日本という風土に存在しなかったと思う人は、読む必要はないが、どの時代にあっても不正や不祥事や責任転嫁はあり、そのような悪しき風潮にたった一人で立ち向かった勇気ある先人の生き様をクスリとしたい人にお勧めしたい本である。
開国後、わずか100年近くで世界の経済大国になった我が国の指導者層に綻びが目立つのは、なんとも残念である。
地位や所得にとらわれず、己の生き方を極めるのは、人生の理想の姿ではないのだろうか?
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