栗田勇著作集 第十二巻/栗田勇/1979
栗田勇はフランス文学者、美術評論家として知られる。多方面で活躍され、2023年に逝去された。私個人は、最近手に取った、良寛、道元、最澄、西行、千利休などの歴史上の人物評論に関する執筆活動から、精神文化史の専門家として評価している。
その栗田勇が、昭和50年頃に発刊した著作集の最後の巻が、人生論をテーマとしている。日本の著述家で人生論を出す人は少ない。ヒ . . . 本文を読む
梅干しと日本刀 日本人の知恵と独奏の歴史/樋口清之/祥伝社/2014
昭和49年(1974年)初版本が、2014年に祥伝社新書として再刊、日本文化論、日本社会論、日本人論のロングセラーである。一読してすぐにわかることだが、著者は、考古学者、愛国者で博学、大らかな人柄の方のようだ。
樋口清之https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%8B%E5%8F . . . 本文を読む
武士道の系譜/奈良本辰也/1975/中公文庫
タイトルにつられて読んでみたものの、読み始めた直後は、著者の意図が見抜けず、何が主題なのか、書いてあることの必然性がさっぱりわからなくななった。読みやすいとか、ためになったとする書評を読み、久々に読み手としての勉強不足、教養不足を痛感させられた。
すべてを解く鍵は、「武士の戦場での美」、この一点にある。ここをきちんと理解すれば、著者の意図の全貌が見 . . . 本文を読む
大人のお作法/岩下尚史/集英社/2017
著者は、国学院大學卒、新橋演舞場に入社、花柳界、伝統芸能に通じた人。この本では、客のもてなし方、芸への向き合い方、洋服の決まりごとなどを指南している。
感覚的な違いを認識できる人、洒落がわかる人、芸を愉しむことができる人には、何度読んでも飽きない面白さがある。なお、この本は、理詰めで物事を眺める人には理解し難いことばかりである。洋風の生活様式、グローバ . . . 本文を読む
騙される日本人/藤井厳喜/PHP研究所/2005
日本人、日本企業が、中国そしてアメリカに騙され続けている現状を憂い、発刊された本。中国の要人、毛沢東、蒋介石、鄧小平らが、大東亜戦争についてどう評価しているか、きちんとした出典つきで紹介するだけでなく、日本企業ヤオハンがどういう経緯を経て倒産したかについて鋭い分析がなされている。
戦争は騙し合いであり、歴史戦は正直者が馬鹿をみる、やった者勝ちの . . . 本文を読む
国体論 菊と星条旗/白井聡/集英社新書/2018
国体をテーマとして扱う、保守層向けの本だと期待して読んだが、完全に期待はずれ。
アマゾン書評で一つ星の評価をタイトルはこうなっている。
・結局何を伝えたいのか? ・過去の亡霊 ・尊王攘夷 ・衣を被ったマルクス主義者あるいは唯物主義者の妄言・「国体」という死語を引っ張り出して何をいうのか。本気で読む気になれない。& . . . 本文を読む