梅干しと日本刀 日本人の知恵と独奏の歴史/樋口清之/祥伝社/2014
昭和49年(1974年)初版本が、2014年に祥伝社新書として再刊、日本文化論、日本社会論、日本人論のロングセラーである。
一読してすぐにわかることだが、著者は、考古学者、愛国者で博学、大らかな人柄の方のようだ。
樋口清之
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E6%B8%85%E4%B9%8B
明治・大正・昭和を生きた研究者秘話 國學院大學博物館の礎を築いた樋口清之
https://www.kokugakuin.ac.jp/article/78088
300冊を超える著書を刊行し、テレビ出演や講演活動されていたとあるが、情けないことにまったく覚えていない。
この本を存在を最近になって知った。巻末の解説文にて、井沢元彦は、本書は、(敗戦した日本人を精神的に屈服させる目的で書かれた)「菊と刀」(ルース・ベネデイクト)に対抗して書かれたものであると分析している。
建築、食生活、しきたり面で、文化、技術面の独創性、創意・工夫ある仕掛けについて著者の見解が述べられている。
特に、城郭に関する記述が面白い。
書かれていることすべて正しいかどうかにこだわらず、著者が(日本のことをよく知らない)当時の若い日本人に、この本を通じて語りかけ元気づけようとした「心意気」を高く評価したい。