(書評)
岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)
(4)小数×整数(p24~25)
偽ドラえもんは概数が嫌いらしい。概数は、この後(p30)に出てくる。もっと早く教えろよ。たとえば、〈2桁+2桁〉の計算のとき。いや、2桁の数を知ったときでさえすでに遅いくらいだ。
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小数×整数や、整数×小数のかけ算は、整数のように計算して積を求める。そして、かける小数や、かけられる小数の、小数点より下のけた数が同じになるように、積に小数点をうって答えを求める。
(p24)
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意味不明。これって日本語? 未来の日本語かな。
例題は〈1.2×3〉だが、この答えがほぼ3であることは自明だろう。1×3より大きくて、2×3より小さい。だから、整数の部分は3か、4か、5で、2桁になる可能性はない。
概数が分からないまま、小数点を打つ場所を探しても、間違う。
小数ではなく、整数で、すでにこうした作法をわきまえていないと、日常生活では不便だ。たとえば、120円の商品を3個買うとする。切り上げて〈200×3=600〉とやってから所持金を確かめる。
こんなことを偽ドラえもんにいくら言っても無駄だろう。彼は聞く耳を持たない。本物のドラえもんにも耳はないけどさ。
(終)