(書評)
岸本裕史『ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの算数おもしろ攻略 改訂版 算数まるわかり辞典 4~6年生』(小学館)
(10)小数のわり算とわりきる計算(p52~53)
〈5.4÷1.2〉の計算の仕方について。偽ドラえもんは次のように宣う。
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わる小数も、わられる小数も、それぞれ1/10の位までの数なので、両方を十倍すればいいね。つまり、小数点を1つずつ、右に動かせばいいんだ。
(p52
)
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この作法はすでに宣言されている。そのときに私は指摘しなかった。
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36÷1.2=360÷12
(p48)
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偽ドラえもんはこの等式をプラカードに書いて掲げている。
だが、この等式が成り立つ理由は、このページに記されていない。もっと前に書いてあるのだろうか。調べるのは面倒くさい。
簡単過ぎて説明の必要がないのだろうか。
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小数のわり算では、あまりの小数点は、わられる数のもとの小数点にそろえてうつ。
(p52)
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その理由も、前に書いてあったのかな。面倒くさい。
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5.4÷1.2=4あまり0.6
(p52)
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問題の数の単位はリットルだった。
5.4L÷1.2L=4あまり0.6L
割られる数と割る数を10倍して計算した後、あまりの小数点の位置について、次のように考える。
1L=10dl
54dl÷12dl=4あまり6dl 答え4あまり0.6L
ということで、一安心。
0.1cm=1mm
0.01m=1cm
0.001㎞=1m
0.0001万円=1円
自分なりに納得できるように工夫しよう。そうしないと、計算は苦行になるよ。
ここで、応用問題。
1.01÷0.5=?は、101÷50=?とやるかい。違うよね。10.1÷5=?だろう。
割り切るときは割る数を整数にする。割られる数のことは、あまりを出すときの算段だ。この違いをはっきりとさせておこう。
10.1÷5=2.02 答え 2.02
101cm÷50cm=2あまり1cm 答え 2あまり0.01
計算の方法を丸暗記しているだけだと、問題の違いに対応できにくい。
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ドラ「わり進めるときは、1/10の位、1/100の位…と、どんどんわられる数の右に0をつけていくことができるんだよ。」
静香「この方法は、整数÷整数でも使えるわ。」
(p53)
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だったら、3年生で教えろよ。
(終)