(書評)
谷川俊太郎『ペ』(講談社)
ショートショート集。
表題作の『ペ』を読んでもらいたい。たった4ページだ。
『~虚栄』に引用した続きをちょっとだけ。
*
そこで思い出すのは、いつか家事評論家の言ったことで、彼女はにこやかな顔で、「ペ」は食べることが可能であり、その場合少量のブラック・ペパーと、泡立てない卵の白身を加えることが、「ペ」の毒性を中和するのに役立つはずだとのたもうたのである。言うまでもなくそのような俗見に私は与(くみ)することはできない。「ペ」を食べるという観念そのものが私には、「ペ」の不可逆性と矛盾するように思われる。
(『ぺ』)
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Nら、売れてれらセブンのスタイルとこの語り手である「私」のスタイルは同質だ。
言うまでもなく、『ペ』の作者はこの種のスタイルを皮肉っている。
GOTO 『夏目漱石を読むという虚栄』
1441 昭和のいる夏目漱石を読むという虚栄 1440 - ヒルネボウ (goo.ne.jp)
2513 『ぺ』(抜けていたので、近日中に入れます)
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(終)