この歌が日本でも愛されているのは美しくて歌いやすいメロディーと、都会暮らしに疲れた人が緑あふれる故郷を思うテーマがわかりやすいからだろう。
悲しい夢みて泣いてた私 ひとり都会で迷ったの
生まれ故郷に立ったら 夢がさめたのよ
思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム
森山良子の歌った歌詞では、最後まで「笑顔でだれもむかえてくれるの 思い出のグリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム」が繰り返されて、ほのぼのとした気持ちでハッピー・エンディングの世界が完結する。
しかしオリジナルの英語詞には、その続きがあった。
目を覚ました主人公を待っていたのは、自分が処刑の日を迎える死刑囚という現実である。
And I realize that I was only dreamin’
それで ぼくは夢を見てたんだとわかった
There’s a guard and there’s a sad old padre
そこには看守がいるし 悲しげな顔の老いた牧師もいる
Arm and arm we’ll walk at daybreak
夜が明けて、ぼくは両腕をとられて歩かされる
Again I’ll touch the green, green grass of home
もう一度、ぼくは故郷の緑鮮やかな草に触れるだろう
絞死刑となった自分の遺体が埋葬されるシーンを思い浮かべるところで歌は終わる。
繰り返し行われた刑務所の慰安ライブでこの歌を唄っているジョニー・キャッシュの、淡々とした歌声からは囚人たちの無念の思いがズシリと伝わってくるかのようだ。
Johnny Cash - Green, Green Grass Of Home
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