家族のために 聖書がすすめる12のことⅢ
許し合うなら,争いの炎を消すことができます
4 許し合う
どういうことですか
許すとは,相手の間違いを追求するのをやめ,腹立たしい気持ちを捨てることです。
とはいえ,その間違いをささいなものと考えなければならない,あるいは,なかったことにしなければならない,というわけではありません。
聖書のアドバイス: 「だれかに対して不満の理由がある場合でも,引き続き互いに忍び,互いに惜しみなく許し合いなさい」。(コロサイ 3:13)
「もしだれかが,他の人に対して不満を抱くことがあっても,互いに忍び合い,互いに赦し合いなさい。
主(神)があなたがたを赦してくださったように,あなたがたも赦すべきです」。
(コロサイ 3:13)
「愛しているなら,その人の欠点ではなく,努力している姿を見ます」。アーロン
なぜ大切ですか
イライラしたままだと,体も心も傷つきます。2人の関係も無傷ではいられません。
「夫にひどく傷つけられたことがあります。謝ってくれたのですが,許せませんでした。
しばらくして許せるようになったけど,もっと早く許しておけばよかったと後悔しています。2人の関係がぎくしゃくしてしまったからです」。ジュリア
何ができますか
自己診断してみましょう
相手の言動に傷ついたら,こう考えてみてください。
「わたしが気にしすぎなのだろうか」。
「謝罪が絶対必要なレベルだろうか。見過ごせないだろうか」。
夫婦で考えてみましょう
仲直りするまで,普段はどれくらいかかるだろうか。
もっと早く仲直りするには,どうすればいいだろうか。
試してみましょう
傷つけられても,相手の動機を悪くとらないようにしましょう。
情状酌量の余地はありませんか。自分を含め,「みな何度もつまずく」からです。(ヤコブ 3:2)
「わたしたちは皆,度々過ちを犯すからです。言葉で過ちを犯さないなら,それは自分の全身を制御できる完全な人です」。
(ヤコブ 3:2)
「どちらも間違っているときは許しやすいけど,自分が悪くなかったときは難しいです。本当に謙遜じゃないと,『ごめんね』と言われたときに許せません」。キンバリー
聖書のアドバイス: 「すばやく事の解決に当たり……なさい」。(マタイ 5:25)
「あなたの告訴人と早く和解しなさい,彼とともになお道行くうちに……」。
(マタイ 5:25)
イライラしたままだと,体も心も傷つきます。
2人の関係も無傷ではいられません。
コミュニケーションは,あなたと子どもをつなぐ架け橋です。
5 コミュニケーション
どういうことですか
本当のコミュニケーションは,親子が互いに思いや気持ちを通わせるときに生まれます。
なぜ大切ですか
子どもが中学生になる頃から,コミュニケーションを取るのが難しくなる場合があります。
それまでは「楽屋に自由に出入りできるかのような関係」だったのに,「今では客席,しかもそんなに良くない席がかろうじてもらえるだけ」です。
(「本音を読み解く」[英語])しかし,見た目に騙されないでください。こんな時こそ,子どもは最もコミュニケーションを必要としているのです。
何ができますか
子どもに合わせます。子どもが話す気になったのが深夜であってもです。
「『えーっ,今なの? 1日中一緒にいたよね!』と言いたくなるかもしれません。でも,子どもが心を開いたんです。親として願ったりかなったりのはずですよね」。リサ
「夜更かししないタイプなのですが,子どもたちと一番充実した会話ができたのは,いつも真夜中過ぎのことでした」。ハーバート
聖書のアドバイス: 「おのおの自分の益ではなく,他の人の益を求めてゆきなさい」。(コリント第一 10:24)
「だれも自分の益を求めないで,他の人の益を求めなさい」。
(コリント第一 10:24)
気を散らされないようにします。ある父親は正直にこう言っています。
「子どもたちが話しているときでも,頭では別のことを考えていることがあります。ごまかせません。ちゃんと聞いていないことはバレバレです!」
思い当たる節がありますか。そうなら,まずテレビを消し,スマホを置きましょう。どんなにくだらないことに思えても,子どもの話に集中し,真剣に聞くようにしましょう。
「親は子どもの気持ちを本当に知りたいんだと伝える必要があります。そうでなければ,心配事があってもそれをため込んだり,別の人に助けを求めたりするようになります」。マランダ
「子どもの考えが思いっきりズレていても,過剰反応してはいけません」。アンソニー
聖書のアドバイス: 「どのように聴くかに注意を払いなさい」。(ルカ前半 8:18)
「だから、どう聞くかに注意するがよい」。
(ルカ前半 8:18)
何気ない時間を活かします。面接のようにセッティングしないほうが,リラックスして心を開いてくれることがあります。
「車に乗っている時間を大切にしています。面と向かってではなく,並んで座っているので,会話が弾むんです」。ニコール
食事の時も,会話のいいチャンスとなります。
「晩ごはんの時に,それぞれがその日に起きた良いことや悪いことを話すようにしています。こんな会話を続けることで,家族の絆が深まりました。問題があっても家族がいると思えるからです」。ロビン
聖書のアドバイス: 「聞くことに速く,語ることに遅く……あるべきです」。(ヤコブ 1:19)
「すべての人は,聞くに速く,語るに遅く,怒るに遅くあるべきです」。
(ヤコブ 1:19)
舵がボートの方向を決めるように,しつけは子どもを正しい方向へ進ませます。
6 しつけ
どういうことですか
ここで言うしつけとは,子どもを教え,導くことです。時には,子どもの行動を正すことも含まれます。
とはいえ,初めから良い決定ができるよう,子どもに正しい価値規準を理解させるほうが大切です。
なぜ大切ですか
叱ると,子どもの自尊心を傷つけるのではないかと心配するあまり,しつけをしない親が増えているようです。しかし,バランスの取れたルールを決め,子どもにそれを守るよう教えている親もいます。
「立派な大人に成長するには,しっかりとしたルールを教えられる必要があります。しつけられていない子どもは,舵のないボートのようです。航路を外れたり,転覆したりする危険さえあります」。パメラ
何ができますか
一貫性を保ちます。子どもがルールを破った時は,うやむやにしてはいけません。その代わり,ルールを守れたときは心から褒めます。
「従順な子どもが少なくなっている中で,よく従ってくれることを頻繁に褒めるようにしています。普段から褒めているので,注意されても受け入れやすいみたいです」。クリスティーン
聖書のアドバイス: 「何であれ,人は自分のまいているもの,それをまた刈り取ることになる」。(ガラテア 6:7)
「まちがってはいけない,神は侮られるようなかたではない。人は自分のまいたものを,刈り取ることになる」。
(ガラテア 6:7)
バランスの取れた見方をします。しつける際は,子どもの年齢,能力,してしまったことの程度を考慮に入れましょう。
与える罰も,違反に関連しているものだと効果的です。
例えば,携帯電話を使い過ぎたら,一定期間使えないようにする,などです。とはいえ,ささいなことで過剰に反応するのも避けてください。
「子どもがわざと言うことを聞かなかったのか,たまたま間違っただけなのかを見分けるようにします。その間違いが根深ければ,しっかり対処しないといけませんが,単なるミスであれば,指摘するだけで足りるからです」。ウェンデル
聖書のアドバイス: 「あなた方の子供をいらいらさせて気落ちさせることのないようにしなさい」。(コロサイ 3:21)
「父たちよ,あなたがたの子供をいらだたせてはいけません。彼らが気落ちしないためです」。
(コロサイ 3:21)
愛情をたっぷりかけます。親の動機が愛だと分かると,子どもは矯正を受け止めやすくなります。
「息子が間違いをしてしまった場合でも,今までしてきた良いことは忘れていない,誇りに思っているんだと話すようにしてきました。
軌道修正さえすれば,ミスを引きずる必要がないこと,そして,わたしたちが全力でサポートすることを伝えました」。ダニエル
聖書のアドバイス: 「愛は辛抱強く,また親切です」。(コリント第一 13:4)
「愛は寛容であり,愛は親切です。また人をねたみません。愛は自慢せず,高慢になりません」。
(コリント第一 13:4)
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