神は愛 白髪は美の冠 白髪は輝く冠 

聖書の音信、日々のニュース関連を書いています。

輸血に代わる良質の医療 ~ 聖書

2021年08月27日 | 日記

輸血に代わる良質の医療


『輸血は有害だが,それに代わる良質の医療があるのだろうか』と,あなたはお考えになるかもしれません。これは適切な質問です。そして「良質」という言葉に注目してください。

エホバの証人を含め,だれもが良質で効果的な医療を望んでいます。グラント・E・ステファン博士は二つの大切な要素を指摘し,こう述べました。
「良質の医療とは,その治療に備わっている要素によって,合法的な医学上および非医学上の目標を達成する能力のことである」。(「アメリカ医師会ジャーナル」誌,1988年7月1日号)
「非医学上の目標」の中には,患者の倫理観や,聖書に基づいた患者の良心を踏みにじらないことが含まれるでしょう。

「というのは,聖なる力によって私たちは,次の必要な事柄以外,皆さんに何の重荷も加えないのがよいと考えたからです。すなわち,偶像に犠牲として捧げられた物,血,絞め殺された動物,性的不道徳を避けていることです。これらのものから注意深く身を守っていれば,皆さんは穏やかに暮らせます。健やかにお過ごしください」。
(使徒 15:28,29)

血液を使用せずに医療上の重大な問題に対処できる,合法的かつ効果的な方法はあるのでしょうか。幸いなことに,その方法はあります。

大多数の外科医は,絶対に必要とされる場合にのみ輸血したと主張しますが,エイズが流行し始めた後,医師が血液を用いる件数は急激に減少しました。
「メイヨークリニックの処置法」(1988年9月号)の一論文は,「この疫病のもたらした幾つかの益の一つ」は,「輸血を避けようとする患者の側でも医師の側でも,結果的に種々の対策が考え出されたことである」と述べました。血液銀行の一職員は,「実際に変化したのは,メッセージの強さ,メッセージに対する臨床家の受容度(危険に関する理解が深まったため),そして代替療法を考慮するよう求める声である」と説明しています。―「輸血医学レビュー」誌,1989年10月号。

代替療法があることに注目してください。このことは,輸血が施される理由を調べてみるとよく分かります。

赤血球内のヘモグロビンは,健康と命に必要な酸素を運びます。ですから,もし人が大量の血液を失うなら,それをただ単に補充するのは道理にかなったことだと思えるかもしれません。普通は100ccの血液に14ないし15㌘のヘモグロビンが含まれています。(濃度を測定する別の尺度はヘマトクリット値であり,約45%が普通の値です。)ヘモグロビンが10㌘(ヘマトクリット値が30%)を下回ったなら,手術前に患者に輸血を施すことが“ルール”として受け入れられています。スイスの雑誌「ボックス・サンギニス」(1987年3月号)は「[麻酔専門医]の65%は,緊急を要しない手術の場合,患者の手術前のヘモグロビン量が100cc中10㌘に達していることを要求した」と伝えました。

しかし,1988年に開かれた輸血に関するある会議では,ハワード・L・ツァオダー教授が,「我々はどのようにして“マジック・ナンバー”を得たのか」と問いかけ,次のように率直な発言を行なっています。「麻酔をかけられる前に患者のヘモグロビン量は10㌘に達しているべきであるとする要求がなぜあるのか,その理由は伝統によって覆い隠され,あいまいさに包まれている。臨床的あるいは実験的な証拠に裏づけられてもいない」。考えてみてください。『あいまいで裏づけのない』要求によって,大勢の患者に輸血が施されているのです。

ある人々は,『ヘモグロビン量が14よりずっと少なくてもやってゆけるのに,どうして14が普通とされているのか』と考えるかもしれません。それは,ヘモグロビンがそれだけあれば,酸素運搬能がかなり蓄積されることによって,運動や重労働の備えができるからです。貧血の患者を研究した結果,「ヘモグロビン濃度が100cc中7㌘という低さでも,労働能力に欠陥を見いだすのは困難である」ことさえ明らかになっています。「機能がやや損なわれるに過ぎないことを発見した人もいる」のです。―「今日における輸血の習慣」,1987年。

大人はヘモグロビン量が少なくても順応できるとしても,子供はどうでしょうか。ジェームズ・A・ストックマン3世博士はこう述べています。
「未熟児はわずかな例外を除いて,最初の1か月ないし3か月間,ヘモグロビンの減少を経験する。……育児室という環境でどんなときに輸血を施すべきか,その方針は明確に定められていない。
実際,多くの乳幼児はヘモグロビン濃度がかなり低くても,見たところ臨床上の困難な問題もなく,それに耐えているように思える」―「北アメリカの小児科診療所」,1986年2月号。

これらの情報は,事故や手術に際して大量に失血した場合,その人に何もする必要がないことを意味するものではありません。もし急速かつ大量に失血するなら,人の血圧は低下し,ショック状態に陥るかもしれません。まず第一に必要なのは,出血を止め,当人の組織の液体の量を元通りにすることです。この方法により,ショックを防ぎ,残っている赤血球や他の成分を循環させることができます。増量は全血や血漿を用いなくても行なうことができます。
* 様々な無血性溶液が効果的な増量剤になります。最も簡単なのは食塩水で,費用も安くすみ,人間の血液と適合します。デキストランやヘマセル,そして乳酸ナトリウム加リンゲル液など,特殊な物質を含んだ溶液もあります。ヘタスターチ(HES)は新種の増量剤ですが,「血液製剤に異議を唱える[やけどの]患者に,心配なく推薦できる」とされています。
(「やけどの手当てとリハビリテーション」誌,1989年1-2月号)こうした溶液には明確な利点があります。「[普通の食塩水や乳酸ナトリウム加リンゲル液のような]結晶溶液,デキストラン,HESは比較的毒性がなく,安価で入手しやすい。また室温で保存でき,適合検査の必要もなく,輸血によって伝染する病気の危険もない」―「輸血療法 ― 医師ハンドブック」,1989年。

しかし,『体全体に酸素を行き渡らせるのに赤血球が必要なのに,無血性の増量剤が効果を発揮するのはなぜか』と尋ねる人がいるかもしれません。前に述べたように,人には酸素運搬能があります。もしあなたが失血するなら,すばらしい補充システムが作動するのです。心臓は拍動のたびに,より多くの血液を送り出します。適切な溶液によって失血の補充が行なわれるので,希釈された血液が毛細血管の中でも流れやすくなります。化学変化が生じる結果,様々な組織に,より多くの酸素が放出されます。この適応が非常な効果を発揮するので,残っている赤血球がたとえ半分だとしても,酸素の運搬は通常の約75%まで行なわれるようです。安静にしている患者は,活用できる体内の酸素のうち,わずか25%しか用いていません。さらに,全身麻酔をすると,大抵の場合,体に必要な酸素の量は減少します。

 

医師はどのように助けになれるか へ続く>>>>