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今日の製紙業

2021年07月10日 | 日記

今日の製紙業

近代的な科学技術によって改良されはしたものの,製紙工業はほとんど変化しませんでした。製紙工業は,自然林か,製紙業のために特別に育成された森林から始まります。
(南アフリカの一製紙業者は,1年間に1,200万本以上の苗木を植えます。)木は伐採されて細かく砕かれ,さらに加熱されてパルプ状の塊になります。このパルプは精整され,漂白され,長網抄紙機と呼ばれる紙すき機に送り込まれます。

その機械はどんな仕組みになっていますか。パルプはまず,目の細かい金網のベルトで運ばれ,機械のすき網部に入ります。木の繊維は運ばれる方向にそろうようになり,これによって紙のきめが決まります。同時にベルトは横に振動し,繊維を絡み合わせます。これで紙が強くなります。水はこの金網のベルトを通して,重力により,またその下に設けられている吸引器の助けで吸い取られます。

パルプは次に機械の圧搾部に入ります。この時点においてもなおパルプの重さの80ないし85㌫は水分ですが,吸湿装置と一連のローラーが水分を取り除き,紙層を圧縮します。
そして乾燥部に入ります。ここで紙は,蒸気で加熱されたシリンダーの上を通過します。その際,さらに水分が蒸気となって取り除かれます。これで終わりですか。必ずしもそうではありません。
紙によっては,乾燥後,別の一式のローラーの間を通り,どんなむらもきちんと伸ばされて,表面がより滑らかになるものもあるからです。これで,完成品が巻き取り機で巻き取られて好みのサイズに断裁される用意が整います。

けれども,そのような高速の作業における工程制御の調整はどのようになされるのかと,いぶかっておられるかもしれません。実は,近代科学技術がかなり大掛かりな工程制御のオンライン・システムを発達させました。
読み取り装置が,動いて行く紙を絶えず精査します。連量をチェックするためにベーター線が使われたり,紙の厚さをチェックするために磁場の中を通されることもあります。
また,水分の含有量を測定するために赤外線反応が用いられることもあります。それに,さまざまな生産工程を通過してゆく紙を監視するのにコンピューターも活用されています。


紙を用途の多いものにする

ところで,紙にそれほど多くの用途があるのはどうしてですか。ほとんどの紙は木材パルプから作られるのですが,ほかの原料,例えば,エスパルト草,バガス(サトウキビの絞りかす),竹なども使われます。亜麻,綿,麻なども,特に聖書用紙のような上質の筆記用特上紙のために今なお使われています。これら異なった繊維が異なった組み合わせで使われるならどうなりますか。質のさまざまに異なる紙ができることでしょう。

油紙や吸い取り紙について考えてみてください。反対の性質を持ってはいますがどちらも全く同じ繊維からできています。どうしてそうなるのですか。異なった精整・加工工程が用いられているのです。事実,異なった添加物を使用するだけで紙の質を異ならせることができます。磁土は繊維の間げきを埋め,紙の仕上がりをより滑らかにします。漂白剤と染色剤は色を良くします。
二酸化チタンは不透明度を高めるので,紙の裏側に印刷されたものが透けて見えることはありません。ホルムアルデヒドの樹脂は,紙がぬれた時にも強さを保たせる働きをします。それはティーバッグに必要な特質です。
また,溶けたパラフィンが重要な成分となることもあります。それはパラフィン紙の表面となります。

紙の使い道を考え出すときりがないように思えます。合成樹脂で覆われた板紙は本箱やいすに使用されます。また,紙に織物のような特質を付与するため,ナイロン,オーロンといった合成繊維も,
それだけで,あるいは木材パルプと混ぜ合わせて使われ,衣類や電気の絶縁材として用いられてきました。


増大する需要に応じる へ続く>>>

 


画像は日本製紙グループよりスクリーンショット