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空を飛ぶ竜

2024年08月31日 | 日記

2021-06-10の記事に追記

 

空を飛ぶ竜

暑い真夏のあいだ,野原や池の上の空は,こん虫の世界の驚くべき飛行家 ― ヤンマの舞台となる。

太陽に輝く長い2対のはねで,自由自在に,目にもとまらぬ早さで,行ったりきたり,宙がえりをしたり,旋回したり,急降下したりしている。
いっしゅん急行列車の速度で空高く急上昇しているかと思うと,次のしゅん間にはさっと急降下して,池の面すれすれに飛んで行く。
これら創造の驚異ともいうべきこん虫は,うしろ向きにさえ飛べるし,ヘリコプターのように空中で浮遊することもできる。

しかし,太陽を好むこのヤンマは,ただ飛行を楽しむために飛ぶのではない。これらの空中ダイナモは,その底抜けの食欲を満たすために,自分の飛行技術をせっせと利用するのである。
事実,ヤンマは,半時間のうちに自分の体重と同じ量のえさを食べても,まだ空腹なのである。

食欲を満たすために食べものをさがすとき,ヤンマは独特の習性を見せる。いく種類かのヤンマは広範な地域にわたって,えものをさがす。かと思うと,代々のヤンマがかよう一定の道をもつ種類もある。大形のヤンマは,自分のなわ張りをつくり,他のヤンマを羽音を荒だてて追い出してしまう。もし侵略者のヤンマが強気でその羽音におじけなければ,2匹はつのを突き合わすことになる。
互いに相手を威かくするような形でいっしょに浮遊しているが,空に向かって垂直に上昇するあいだも,その姿勢をくずさない。

飛び回るときであろうと,1箇所にとまっているときであろうと,ヤンマは,カやブヨなど,好物のえものをゆだんなく見張っている。ガやウマバエなどもヤンマの好物である。
長い,すんなりした,針状のからだをしているので,ヤンマは刺す,と考えている人が多いが,ヤンマは刺さない。彼らは人間にとって無害なばかりか,ハエやカを大量に捕食するので,たいへん有益でもある。

ヤンマがねらったら,これらのこん虫は完全に負ける。脊柱の外辺に,かごのようにかたまった6本の肢をもつヤンマは,空中でえものを捕え,次のえものを追いかけるあいだに汁を吸ってからからにしてしまう。その食べかたたるや実に早く,2時間に40匹のウマバエを食べると言われている。あるヤンマは100匹のカを口の中につめこんでいた。この食いしんぼうのこん虫が,「空飛ぶ竜」という名を得たのも当然と言えよう。

交尾と水生生活
しかしヤンマが,食べることよりも飛ぶ腕前のほうに多くの注意を向ける時期がある。それは交尾期のあいだである。恋がたきの雄たちは,雌の注意を引こうと,戦うために空に舞い上がる。
彼らの空中決闘は,生物の空中作戦の中でも,最も優秀なもののいくつかが特徴となっている。しかしもっと穏健で,一種の求愛ダンスをする種類もある。

いったん雌を見つけると,雄は文字どおり雌をひったてて行く。2匹は交尾するために,たてに並んで,つまり雄が雌の後頭部をつかんで空中を飛ぶ。交尾のさい雌は,彼女の腹端を雄の第2胸節まで延ばして,精液の袋を受ける。卵ができると,雌はそれを池の面や水草の中に生みつける。何個生むかは正確にはわかっていないが,ひとかたまりの中に11万個発見されたことがある。

卵は数日,水中か草の中にあり,それから子孫たちが生まれはじめる。彼らは奇妙な生物だ。やごとよばれるこれらの生物は,強烈な食欲をもって生まれるほかは,親に似たところがほとんどない。
彼らの薄い腸壁の中には,えらがある。これらのえらは酸素を吸収するだけでなく,危険なときに,急いで逃げる力をやごに与える。やごは危険を感じると,肢を池の底から離し,えらから水を噴射し,十四,五センチ推進する。

やごの一番変わっている点は,食物の捕えかたかもしれない。すばやい親に似ず,やごはのろまである。そこで,カの幼虫やヤナギバエなどがそばまで泳いでくるのを待ち,突然,頭の下にかくれている下くちびるを突き出す。そして下くちびるの先端にある鋭いかぎつめは,ゆだんしているえものをつかんで,やごの口に引き寄せる。ちょうつがい式の伸縮自在なこの下くちびるは,人間の腕と同じような働きをする。まんなかのちょうつがい関節はひじに似ていて,下くちびるの進展を容易にする。

下くちびるが使われず,からだの下にたたみ込まれるとき,妙なことが起こる。かぎつめが,強盗のマスクのようにやごの顔をおおうのである。この小さな水生動物にぴったりのコスチュームである。

 

 

 

農機具、産業機器のヤンマー
創業者の山岡とトンボの王様のオニヤンマから


ネーミングを考えてる時、丁度オニヤンマが飛んでいたので


農機具、産業機器のナンバーワンを目指して命名

 

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ヤンマ(蜻蜓)はトンボ目不均翅亜目ヤンマ科(Aeshnidae)の昆虫の総称を指す。大概はヤンマといえばオニヤンマ科の昆虫も含む。広義にはエゾトンボ科やサナエトンボ科などの昆虫も含む。

ヤンマ科
ヤンマ科の昆虫はアオヤンマなどを除いて胸に接した腹節が胸の方向にくびれており、その他は節によって太さに差がないのが特徴である。地色は未熟なものでは黄色のものが多く、成熟したものは種によってさまざまな色に変化する。また、ほぼ全ての種において腹部に明色の紋がある。トンボ科の昆虫などより相対的に長い腹部を持ち、頭部はトンボ科の昆虫に似ておおむね球形である。翅のアスペクト比はトンボ科の昆虫のものに近く、約3.5である。

飛翔は回遊性でかなりの速度である。飛翔力が強く、力強くまっすぐに飛ぶ姿は爽快である。他方、海を越えるような広域移動をする力はトンボ科のものほどではないようで、大抵はそれほど広い分布域を持たない。

ヤンマ科以外のヤンマ
ヤンマ科のような姿のトンボをヤンマと呼ぶ例も多く、たとえばオニヤンマはオニヤンマ科、コオニヤンマやウチワヤンマはサナエトンボ科である。これらは大柄で逞しい姿や細くまっすぐな腹部などはヤンマ科と似ているが、複眼はそれほど大きくなく、左右のそれが互いにしっかりと接していない(両複眼は背面で接する)点などで区別できる。

日本に生息する主な種
アオヤンマ Aeschnophlebia longistigma
イイジマルリボシヤンマ Aeshna subarctica
イシガキヤンマ Planaeschna ishigakiana Asahina
オオギンヤンマ Anax guttatus
オオルリボシヤンマ Aeshna crenata
カトリヤンマ Gynacantha japonica

~Wikipedia~

 

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