性的暴力について知っておきたいこと(パート2の2: 立ち直る)
「いやす」ための時
あなたは,性的虐待を受けたために,自分に関して思い違いをして,悩んでいるかもしれません。たとえば,自分はきずものになって価値がないとか,人に性的な満足を与えるための存在にすぎないといった思い違いです。
でも,あなたにはそうした間違った概念から解放される機会があり,「いやす」ための時から益を得ることができるのです。
「殺すのに時があり,癒やすのに時がある。壊すのに時があり,建てるのに時がある」。
(コヘレトの言葉・伝道の書 3:3)
そのために何が役立つでしょうか。
聖書を学ぶこと。聖書には神の考えが収められています。神の考えは「強力」で,自分の真価に対する誤った推論など「強固に守り固めたものを覆す」ことができます。
「私たちの戦いのための武器は人間的なものではなく,神によって強力にされたものであり,要塞のように強固なものを打ち砕きます。私たちは,神の知識に逆らって立つ一切の高い障壁や,さまざまな理論を打ち砕いています。また,一切の考えをいわば捕虜にし,キリストに従わせています」。
(コリント第二 10:4,5)
次のような聖句を読んで考えてみましょう。
イザヤ 41章10節,エレミヤ 31章3節,マラキ 3章16,17節,ルカ 12章6,7節,ヨハネ第一 3章19,20節などです。
「恐れてはいけない。私があなたと共にいる。心配してはいけない。私があなたの神である。私はあなたを強くし,必ず助ける。私の正義の右手であなたをしっかりと支える」。
(イザヤ 41:10)
「主(神)は遠くから彼に現れた。わたしは限りなき愛をもってあなたを愛している。それゆえ,わたしは絶えずあなたに真実をつくしてきた」。
(エレミヤ 31:3)
『その時、主(神)を畏れる者は互いに 語り合った。主(神)は耳を傾けて聞いておられた。主(神)を畏れる者のために、またその名を尊ぶ者のために、み前で記録の書が書き記された。
「彼らはわたしが備える日に、わたしの宝物となるだろう」と万軍の主(神)は仰せになる。「人が自分に仕える自分の子を憐れむように、わたしは彼らを憐れむ」』。
(マラキ 3:16.17)
「すずめ五羽はわずかな価の硬貨二つで売っているではありませんか。それでも,その一羽といえども神のみ前で忘れられることはありません。ところが,あなた方の髪の毛までがすべて数えられているのです。恐れることはありません。あなた方はたくさんのすずめより価値があるのです」。
(ルカ 12:6.7)
「そのようにして,私たちは自分が真理から出ていることを確信し,神の前で安心できます。心に責められることがあっても安心できるのです。神は私たちの心より大きく,全てのことを知っているからです」。
(ヨハネ第一 3:19.20)
祈ること。自分には価値がないという気持ちや罪悪感に圧倒される時には,祈りによって「あなたの重荷を神(エホバ,ヤハウェ)ご自身にゆだね」てください。
「あなたの重荷を主(神)に委ねよ。主(神)は支えてくださる。主(神)は正しい人が揺らぐのを決して許されない」。
(詩編 55:22)
あなたは決して独りではありません!
会衆の長老たち。この人たちは,「風からの隠れ場,雨あらしからの隠れ場所」のようになるための訓練を受けたクリスチャンの男子です。
「彼らはおのおの,風から逃れるための場所,暴風雨から避難するための場所,水のない土地に流れる水,乾き切った土地にある大岩の陰のようになる」。
(イザヤ 32:2)
あなたが自分自身に対してバランスの取れた見方をし,前向きに生きていけるよう助けることのできる人たちです。
良い交友。クリスチャンとして模範的な生活を送っている人たちを観察しましょう。その人たちが互いにどう接しているかに注目してください。愛していると言いながら自分の影響力を利用して虐待するような人ばかりではないということが,いずれ分かってきます。
ターニャという名前の若い女性はこの大切な教訓を学んでいます。ターニャはごく幼い時から,何人もの男性の性の対象にさせられてきました。
「わたしを傷つけたのは,身近な人ばかりでした」と語っています。しかし,やがてターニャは,下心のない愛を実際に示す人がいるということに気づきました。どのようにしてでしょうか。
クリスチャンとして模範的な一組の夫婦と親しくなって,見方が変わったのです。こう述べています。
「ご主人の行動を見て,すべての男性が虐待をするわけではないということが分かりました。その方は奥さんを守る人でした。それはまさに神が意図しておられることです」。
「同様に,夫は自分の体を愛するように妻を愛するべきです。妻を愛する人は自分を愛しているのです。誰も自分の体を憎んだりはせず,養って大切にします。キリストも会衆を養って大切にします」。
(エペソ・エフェソス 5:28,29)
(脚注)
慢性うつ病,摂食障害,自傷行為,薬物乱用,睡眠障害,自殺願望などの問題を抱えているなら,資格のある医師に助けを求めるのが賢明でしょう。