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MCS 思いも影響される ~聖書

2021年09月07日 | 日記

思いも影響される


MCSに悩む一人の女性は,身近に存在するある種の化学物質にさらされると,まるで薬漬けになったように感じると本誌に話しました。
こう述べています。「人格が変わり,憤まん,動揺,いらだち,不安,無気力感が生じました。……こうした症状は数時間から数日間続きます」。
その後は二日酔いのようで,さまざまな程度のうつ状態になります。

MCSをかかえる人たちにとって,こうした影響は決してまれなものではありません。クローディア・ミラー博士はこう述べています。
「はっきりした形で化学物質にさらされた後に心理的な問題が生じた事例は,十数か国で報告されている。殺虫剤にさらされたケースもあれば,シックビル症候群の場合もある。……溶剤を扱う人は,パニック発作やうつ病になる危険性の高いことが知られている。……それで,体内諸器官の中で化学物質に最も敏感な部位はおそらく脳であるという点を十分認識し,そのことを忘れてはならない」。

化学物質にさらされることが心理的な問題を引き起こす場合がありますが,その逆もあり得ると,多くの医師は考えています。つまり,心理的な問題が化学物質に対する過敏な反応をさそう場合がある,というのです。先ほど述べたミラー博士と,ニコラス・アシュフォード博士は,MCSが身体的な原因によると固く信じてはいますが,「配偶者の死や離婚などの心理社会的な出来事が免疫系の働きを抑制し,ある種の人々を低レベルの化学物質に敏感にならせるのかもしれない」と認めています。確かに,心理的作用と生理学的組織との相関関係は複雑かつ微妙です。
シェリー・ロジャーズ博士もMCSの身体原因説を支持していますが,「ストレスは化学物質に敏感にならせる」と述べています。


MCSに悩む人は,健康の回復のため,あるいは少なくとも症状の軽減のために何ができるでしょうか。


MCSをかかえる人のための助け

MCSにはまだ有効な治療法がありません。しかし,多くの人は症状を軽減できており,比較的に通常の生活を取り戻せた人もいます。何が助けになったのでしょうか。
医師の勧めに従って,症状を引き起こす化学物質をできるだけ避けることが役立ったと述べる人もいます。MCSに悩む女性ジュディにとって,ある種のものを避けることは非常に効果的です。ジュディは,エプスタイン-バーウイルス感染からの回復期に,自分の家の中で使用されていた殺虫剤に過剰にさらされ,以後MCSが現われるようになりました(下記脚注参照)

MCSをかかえる多くの人がそうであるように,ジュディも,さまざまな種類の家庭用化学薬品に反応します。それで,すべての洗い物と洗濯は天然の石けんと重曹(ソーダ)で行なっています。
洗濯用の柔軟仕上げ剤には酢が最も効果的であることが分かりました。衣装だんすと寝室には天然繊維を使ったものしか置いていません。彼女の夫は,ドライクリーニングに出した服を,
換気の良い場所で何週間かじゅうぶん空気にさらしてからでないとクローゼットの中に入れません。

もちろん今日の世界でMCSに悩む人は,問題の化学物質をすべて避けることはできないかもしれません。「アメリカの家庭医」誌(American Family Physician)は,
「MCSから来る深刻な障害は,多くの場合,患者が化学物質を避けようとするあまり引きこもって孤立してしまうことにある」と述べています。その記事は,患者が医療専門家の監督の下で仕事をしながら社会に適合し,徐々に活動を増やしてゆくことを勧めています。同時に,リラックスして呼吸を整える方法を学ぶことによって,パニック発作や動悸に対処できるよう努力することも勧められています。その目標は,生活の中から化学物質をすべて排除することではなく,化学物質に徐々に適応できるよう患者を助けることです。

睡眠を十分に取ることも重要な療法です。かつてMCSに悩んでいて,今ではほとんど完治したデービッドは,回復の要因として,常に新鮮な空気がたっぷり得られる寝室で睡眠を取ることを挙げています。

アーネストと妻のロレーンは二人ともMCSに悩んでいますが,やはり,「十分な睡眠は,日中に避けられない化学物質に対処する上で,大きな助けになる」と述べています。

栄養のある食事を取ることも,もちろん健康の維持や回復に欠かせません。実際それは,「予防医学における単独の要素としては最も重要なもの」と呼ばれています。
健康が,できる範囲で最大限に回復するには,体の諸器官が効率的に働かなければならない,というのは理解し難いことではありません。この点で,栄養補助食品も助けになるかもしれません。

運動も健康を増進させます。汗をかくと,体の毒素が皮膚を通して取り除かれます。さらに,気の持ち方やユーモアのセンス,それに人から愛され,人を愛するということも肝要です。
実際,ある医師は“愛と笑い”という特効薬をすべてのMCS患者に処方しています。
そうです,「喜びに満ちた心は治療薬として良く効き」ます。(箴言 17:22)

しかし,芳香剤,洗剤,脱臭剤など日常の活動でよく出会う化学物質に耐えられないMCSの患者にとって,愛に満ちた幸福な交友関係を楽しむこと自体が大きな問題になるかもしれません。
MCSをかかえる人たちは,そのような状況下でどのように対処できるでしょうか。同じく大切な点として,他の人たちは,MCSを持つ人のために何ができるでしょうか。続く記事ではその点を取り上げます。

 

脚注
MCSではないかと懸念している人は,定評のある医師による専門的な助けを求めるべきです。十分な検査を受ける前に,自分の生活スタイルに大幅な,またはお金のかかる調整を加えるのは賢明ではありません。検査の結果,食事や生活スタイルにわずかな調整を加えるだけで症状を軽減できる,もしくは治せることが分かるかもしれません。