「宗教は消滅する?」
トルコで生まれたガファルは,自分の宗教では神が執念深い方だと教えられていることに当惑していました。
妻のヘディエは,まだ9歳だった時に,自分の宗教に疑問を抱くようになりました。こう述べています。
「運命を信じるようにと言われました。わたしは孤児なので,『わたしが何をしたからこうなったと言うの?』と思いました。
一晩中泣き明かすこともよくありました。15歳になるころには,心の中では自分の宗教を捨てていました」。
*あなたも宗教に失望していますか。それは,決してあなただけではありません。多くの国で,自分は「信仰心が薄い」と言う人の数が増えています。
こうした傾向は,宗教組織の将来がおぼつかないことを示しています。以下は,幾つかの国の状況です。
「オーストラリア」
調査によれば,人口の50%近くが,自分は信仰心が薄い,と回答し,10%が,自分は「明らかな無神論者」である,としています。
2010年,ある聖職者は,「過去40年ほどの間に……キリスト教の信仰はすっかり捨て去られて」しまった,と嘆きました。
2010年,ある聖職者は,「過去40年ほどの間に……キリスト教の信仰はすっかり捨て去られて」しまった,と嘆きました。
「フランス」
調査の対象となった人のうち,自分は信仰心があつい,と答えた人はわずか37%に過ぎませんでした。
残りの人たちは,無神論か信仰心が薄いかのどちらかでした。
「エコノミスト」誌(英語)は,かつてカトリックのとりでであったこの国の幾つかの地域で,カトリック信仰は「崩壊寸前」の状態にある,と述べています。
「アイルランド」
アイルランド人は総じて信仰を失っているようです。調査に応じた人の45%近くは,自分は信仰心が薄い,と回答し,ほかの10%は,
無神論者である,としました。アイルランドは,人口に対する割合で言えば,無神論者が多い国として世界で10位以内に入ります。
ニュース報道は,「カトリック国アイルランドの終わり」について伝えています。
「日本」
調査の対象となった日本人のうち,自分は信仰心があつい,と答えたのはわずか16%で,信仰心が薄い,または無神論者と答えた人は62%でした。
「南アフリカ」
調査に応じた南アフリカ人のうち,自分は信仰心があつい,と答えた人の数は,2005年から2012年の間に19%減少しました。
「チュニジア」
2013年に調査の対象となったチュニジア人の約60%が,モスクには行かず家で祈りをささげている,と述べました。
モスクは暴力的な思想を奨励する場になっている,というのがその理由です。
「米国」
自分は信仰心があつい,と述べる人の数は,2005年以降13%減少しました。調査に応じた人の5人に1人はどの宗教にも属していませんでした。
30歳未満の成人の場合,その割合は3人に1人でした。毎年,何千もの教会が閉鎖されています。
「ベトナム」
調査に応じた人のうち,自分は信仰心があつい,と答えた人の数は,2005年から2012年の間に,53%からわずか30%にまで減少しました。
*ここに挙げたデータは,チュニジアを除き,ギャラップ・インターナショナルによる,
「2012 宗教と無神論に関する国際指標」(英語)から取られました。
調査が行なわれたのは57か国で,その人口の総計は世界人口の73%余りに相当します。