新・JANI-OHBLOG

日々の事々
模型・プラモデルの話。あとたまには観た映画の話題も

ゲームブック 紅蓮の騎士

2024-03-02 23:27:00 | 読書
どうもです。

本日アクシデントの為家から出られず、さりとて気温が低くなんか模型製作の方も気乗りしないので、久々にゲームブックのリプレイをしようかと。

ゲームブックについては最近amazon発でファイティングファンタジーコレクションが刊行しており、豪華な装丁で往年のファンを喜ばせております。そんな訳でゲームブック熱が密かに再燃している今日この頃、手持ちのストックを見直して再チャレンジしてみようかと思います。

今回は創元推理文庫の赤背シリーズから紅蓮の騎士を再読しました。


1988年刊行の本書は、同社のゲームブックコンテスト入選作として知られている純国産ゲームブックになります。正直タイトルの認識はともかく内容についてはほとんど忘れてしまっており、かなり新鮮なプレーとなりました。



初手において四種類の内一つのお助け要素を選択することで、プレイにバリエーションを持たせています。道中大きく2つのルートに分岐しますが、どちらを選んでも最後まで進行可能になっておりいわゆる周回プレイにも対応しています。当時の記憶が無い中、途中ルートもかなり新鮮な感じで読めました。流石によくまとまっており、最後の謎解き(3桁の数字を導き出す)を含め多分今回のプレイが過去一番楽しめたかも知れません。




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マーチン・ヒューイット 完全版

2021-11-07 10:00:00 | 読書
どうもです。

以前より読みたいと思っていたのですが出版されてこなかった、探偵マーチンヒューイットの全集が今年作品社から発売されました。



シャーロックホームズが最後の事件で失踪した後、ストランド誌で事実上の後番組として連載開始したのがこのマーチンヒューイットシリーズになります。と、ここまでは知識として知っていたのですが、実は挿絵をホームズ画家シドニーパジェットが描いていた事、第一短編集以後は掲載誌が変わっていた事は最近になって知ったのでした。

今回の完訳で第四短編集は初邦訳になるとの事。19世紀末からの探偵小説は全部完訳済かと勝手に思ってましたが、決してそうでは無いのですね。ホームズ作品は何年おきに新訳が出てるし、人気シリーズの翻訳ものは当たり前に出てると思う方が特殊なんでしょうか。自分くらいの浅い探偵小説ファンは逆に少数で、売り上げ数が見込めないのは分かりますけどね。

第四短編集「赤い三角形」は連作スタイルになっており個人的にも意欲的なシリーズだと思ったのですが、今まで翻訳されてこなかったのが意外と言えば意外でした。翻訳ものは色々な事情が重なって未訳のものもまだまだ多いのです。丁度現在ソーンダイクもの(こちらも最近まで未訳多し)をまとめて読んでいるので、今回のマーチンヒューイットはやや寄り道になりましたが読めてスッキリでした。一方本シリーズの打ち切りが作者のキャリアから見てもちょっと早すぎると感じたのですが、解説にもその辺の考察があまり無いのが気になる点です。

ホームズものの雰囲気をしっかり踏襲しつつ、描かれている階級が当時の中流から下層の人々を中心にしている点、日本や中国、南アフリカなどの諸外国をフューチャーしている所が面白いです。心霊現象にやや批判的?とかドイルに対してカウンター気味な描写があるのも大人気作への見方が伺えて興味深いですね。同じ匂いはソーンダイクものにも感じるのでそれがある意味当時の作家表明だったかもしれません。


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復活の日

2020-07-25 18:53:00 | 読書


どうもです。

せっかくの連休ですが外に出る気にもならず、さりとてプラモやろうにもこの雨で塗装も出来ず、という訳でダラダラと過ごしてしまっています。

そんな時はこのタイミングでしか読まないような本を手に取ってみようかと。

最近では日本沈没2020のアニメが話題になっている小松左京原作の復活の日を読みました。

この小説は遥か昔に読んでみようとチャレンジした事がありましたが、全く内容が頭に入ってこなくて早々に諦めた記憶があります。
しかしながら今まさにこの時期に読んでみたら驚くほどのめり込んでしまいました。

やはり昔は荒唐無稽なSFと侮っていたかもしれません。何十年後である今現在の予言書とは言いませんが、ウイルスの脅威は普遍的なものであるという事ですね。
恐怖のウイルスとの戦いというより絶望的な状況がつるべ打ちに起こる中、人がどう立ち向かうかというテーマに今さらながら身につまされたと言うか。

まだまだ現状の先がどうなっていくか分かりませんが、本書が考える一つのきっかけになったのは確かでした。

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由利・三津木探偵小説集成

2020-06-15 00:14:00 | 読書



どうもです。

今週からフジテレビ系列で由利麟太郎シリーズのドラマが吉川晃司主演で始まるそうですね。

全然チェックして無かったので驚いたのですが、丁度個人的に蝶々殺人事件を読み直していたところだったので実にタイムリーだな、と。

由利先生シリーズは横溝正史の原作としてはかなり長い間フューチャーされてこなかったと思います。その為、ドラマに合わせて原作小説を再販しようにも長らく絶版状態でタイミング合わないのですね。

そんな中、去年に由利麟太郎シリーズを全作品収録した全集が出版されていました。

柏書房から出た由利・三津木探偵小説集成全4巻です。

一冊あたりの濃度が濃すぎるので読破は大変ですが、初めてシリーズを時系列に読むことが出来で興味深かったですね。自分としても角川の旧黒背の文庫をまだOFFとかでも並んでいた頃に結構フォローしたつもりでしたがまだまだ読んでない作品がありました。

前にも書きましたが、段組みや文字の形で随分読みやすくなり理解も深まるのです。

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三つの棺

2019-09-15 07:00:21 | 読書
どうもです。

最近、海外ミステリの古典に改めてハマっています。ここ数年東京創元社から海外ミステリ古典の新訳版が次々と刊行されており、そのあおりを受けて久々に海外推理小説を手にとったわけです。

この新訳シリーズで今回は、長年書店から姿を消していたディクスンカー作品を発掘刊行に合わせて読み始めました。まずはフェル博士シリーズの新訳版を読んでいます。

江戸川乱歩や横溝正史を読むと必ず名前の出てくるディクスンカーですが、60〜70年代を境に一度書店から見かけなくなってしまっていました。実は幼少の頃、あの問題作シリーズであるあかね書房の少年少女探偵小説全集で一作フェル博士シリーズに触れているはずですが、流石に中身は忘れてしまいました。(魔女の隠れ家のジュブナイル版でした。)さいとうプロの劇画調のマンガと挿絵のある本で図書館の児童コーナーで中々人気があった筈です。自分も推理小説ファンになった直接のきっかけは実はこのあかね書房の本を手に取ったからでした。懐かしい記憶です。

フェル博士シリーズはここまで、東京創元社からの
帽子収集狂事件
テニスコートの殺人
曲がった蝶番
緑のカプセルの謎
盲目の理髪師
を読了しました。

なるほど、手の込んだトリックと怪奇趣味は乱歩や横溝作品にはっきり影響してるなと、今更ですが発見でした。

創元社の新訳は今後も続くと思われますが、ハヤカワ文庫に散っている作品も2000年代から新訳版があるので今回三つの棺をチョイスして読みました。

新訳版は海外翻訳ものとしてはすさまじく読みやすいのです。数日で一気読み出来るのは意外でした。海外ミステリは時間かけて、行きつ戻りつ読むのが宿命だなんて考えてましたが。やっぱり言葉の使い方以外にも、快適な読書体験には段組みや活字体も大事な要素なんだなと感じます。

引き続きカー作品の発掘が進むよう楽しみにしています。


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オレの本棚(第2冊)

2008-10-19 22:30:41 | 読書
クリムゾン・リバー
ジャン=クリストフ・グランジェ著
創元推理文庫

本作品は、小説よりジャン・レノ主演の映画で知られている作品でしょう。
映画は未見なのですが、以前から話の筋が気になっていて小説を購入したの
ですが、ずっと読まずに本棚の奥に埋もれていたのを最近になって取り出して
読んでみたのですがこれが面白かった!久々に寝る間を惜しんで読破しました。
もちろん本小説は映画の脚本のノベライズのような安易なものではなくて
骨太の本格サスペンスです。
ところで、フランスのサスペンス小説はルパンもの位しか読んだことは無かった
のですが、英語読みではない特徴的な人物の名前に少し戸惑う程度でした。

山間の大学周辺で起きる連続猟奇殺人事件とそこから離れた小さな村で起きた
墓荒しがやがて重大な意味を持って、繋がっていく・・・。これらの事件に
対してベテランの警視正と若いアラブ人の警部の二人が捜査を繰り広げるの
ですが、二人の別々の行動がやがて一つになり事件の真相を明らかにしていく
という筋書き。
それ故、片方の捜査が展開していって引っ張られて読み進めていくうちに実に
いい所でもう一人に話が切り替わってしまうので、先が気になってまた読み進
めるうちにまたそちらの筋が気になって・・・、気が付くとすっかり作者の術中に
嵌ってしまっている訳です。

もう一つ、この作品が自分にあっていると感じたのは、この作品の持つ独特の
雰囲気が、日本における横溝正史的雰囲気をも醸し出しているようなのです。
成る程、都会から離れた寒村の地元民とのやり取りから20数年前の出来事が、
事件に深い意味を持ってくるなど、多分に横溝作品に近いものを感じるのです。
「我らは緋色の川を制す」という意味ありげなメッセージも、やはり味付けが
金田一もののようじゃないかな?

今度は映画の方も観てみようかな、と。
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オレの本棚(第1冊)

2008-07-14 23:08:14 | 読書
「クルンバーの謎」
コナン・ドイル著
創元推理文庫

コナン・ドイルと言えば、無論シャーロック・ホームズの作者ですよね。
自分はもう小学校の頃からシャーロック・ホームズものを読み続けて
新訳が出るたびに読み直しています。

理論的、科学的な推理が醍醐味であるホームズものが有名な為、
著者であるコナン・ドイルも同様の主義主張を持っていると思われがちですが、
実際の所はそうでもなかったようです。
ドイルが読者からホームズものの新作を書き続けることを求められる状況に
否定的だったのは、何度もシリーズ打切りをしようとした事からも明らかです。
と、言うのもドイルは実に多作家で、歴史ものや超自然的な著作が多く存在し、
これらの作品群を仔細に読み込むと、ドイルは自身の作家としてのイメージが
ホームズものだけに定着するのを嫌っていた様に感じられるのです。

前置きが長くなってしまいましたが、本著は、そんなドイルのホームズもの以外の
著作を集めた全集の3冊目に当たります。
特に、本著には東洋にかかわるミステリとオカルトめいた超自然的な作品が
5編収められています。
なんといっても、表題の中篇が最も印象的なミステリになっていますね。
インドの仏僧による因果の応報という、東洋的な趣味溢れる作品になのですが、
これについては、後に発表することになるホームズの「四つの署名」に通づる
ものがあると、解説でも書かれています。
本著の一連の作品を読むと、一般の常識では計り知れない不思議な力にドイルが
興味を引かれていた事が分かります。
更に本著の作品の書かれた年代と、ホームズものの書かれた時期を照らし合せると、
ドイルは理論的な話と、説明不可能な怪奇譚を著作ごとに自在に書き分けている事が
分かり、なかなか興味深いのです。

こうした楽しみは実に近年はじめて知った訳で、ホームズものは少年期から
大人になるまで何度も読み直すに値する作品なのだなあ、と痛感するのです。






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