四曲目は、R&Bシンガー、ヘザー・ヘッドリーとピアノの弾き語りで熱唱する「VIVO PER LEI」。
五曲目は、「IO CI SARO」で中国出身のピアニスト、ラン・ランと共演。この頃になると、夕間暮れの空のオレンジ色と深みを帯びた青とのコントラストが美しく、それがステージのもうひとつの照明になっている。次にラン・ランのピアノ演奏が入る。
六曲目は、エリーザ。ボチェッリと同じレーベルに所属するイタリア出身のシンガー・ソングライター。小柄だけれど、ステージ後方からの登場の仕方や、ショートに黒いワンピース姿で、独特の存在感を放っている。彼女と新曲「LA VOCE DEL SILENZIO」でデュエットし、続いてエリーザがソロで「Dancing」を英語で歌う。
八曲目は、サラ・ブライトマンがステージに登場し、世界のホップ・チャートで大ヒットした1999年のアルバム「夢の香り」からの「CANTO DELLA TERRA」。この新しいデュエット曲は、サラの「神々のシンフォニー」にも収録されている。
このあと「BELLISSIME STELLE」、「BESAME MUCHO」、「SOMOS NOVIS」、「CAN’T HELP FALLING IN LOVE」と続き、「BECAUSE WE BELIEVE」になる。
アルゼンチンタンゴ史上最も偉大な歌手カルロス・ガルデルがこの世を去った。亡くなる一年前、ニューヨークで撮影された彼の主演映画主題曲として、『Mi Buenos Aires querido わが懐かしのブエノスアイレス』を作曲したガルデルは、愛するブエノスアイレスの街に帰り着くことはできなかった。久しぶりに故国へ空路帰国の途に着いたが、途中、立ち寄ったコロンビアのメデジンの空港で悲劇に見舞われたのだ。給油を終えた搭乗機は、空港を離陸直後、墜落炎上し、帰らぬ人となった。アルゼンチンを代表する歌う国際スターの、信じ難い最期だった。悲報は世界を駆け巡り、ガルデルによってタンゴを知った世界中の人々が深い悲しみに暮れた。アルゼンチンの人々、ポルテーニョ達が受けたショックは大きく、そして彼は永遠の偶像になった。