しつこく書いている『ATU』での『エレメント長』。CQ-hamradio誌のバックナンバー『2021年2月号』で『ATU特集(P44~P75)』を再読してみました。何か所にも『1/2波長の整数倍は電圧最大値になる』といった記述があります。
【写真:やはり『魔法のハコ』ではなかった・・・】
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◆同調しないエレメント長を『複数バンドで使う』のがATUかな。
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メーカーの技術担当にも確認を兼ねて問合せてみました。
・基本は1/4波長で内蔵ATUで使えれば、外付けATUはいらない
・同じ長さのエレメントを『2倍の周波数』に乗せようとすると
・1/2波長で、電圧最大値になり高インピーダンス
・こうなると『電圧給電用の給電方法』が必要
・ATUでも、1/2波長の電圧給電では使用できない
※カーボン釣り竿は『目的外使用』なので、ATUメーカーはオススメしない
着眼点としては、アマチュア的で面白いとは思うが・・・とのこと。
私が思うに『エレメント長を調整して、いろいろ遊ぶべきだ』です。
なぜ、こういうことを『しつこく書くか』ですが、
特定のバンドに同調する空中線は『必ず使えないバンドが出てくる』からです。
それを、いわゆる『上級資格者』が『あまり疑問を感じず運用しているのが多い』ためです。
どうしても1本のエレメントでやりたいのであれば・・・。
アマチュアバンドに同調しない『電気長8mくらい』でやるべきでしょう。
ATUによっては、〇MHzに出たかったら7m以上・・・とか書いています。
すると、21MHzでは『ほぼ1/2波長のエレメント』になってしまいます。
流行りの『カーボン釣り竿』を『9.5m』ほど伸ばすと。
・7MHzは『1/4波長』でVSWRもスッと落ちる
・14MHzは『1/2波長』で電圧給電になりハイインピーダンスで使えない
※あるいは『ATUに、かなり無理をかける』(場合によっては壊れる)
・21MHzでは3/4波長で、使える域に入る
余談ですが・・・。
目的の周波数ではVSWRが落ちたとしても、
バンドエッジではVSWRが高くなることがあります。
これは『電波として放射されない虚数成分』が発生します。
いわゆる『リアクタンス成分』ができてしまうため、
マッチングがズレて『ATUやMTUで補正』しないと、
定在波が立つ、ということです。
そいつを『ボタン一発で解消してくれる』のが『ATU』という考え方です。
・アンテナが『長い』と『L』成分が
・アンテナが『短い』と『C』成分が
頭に入れておきたいのは・・・。
Lでも、Cでも、どっちでも『熱に変わる』ちゅうことです。
昨今『アンテナチューナー』といえば『ATU』を指すようですが、
MTUも『10~600Ω』と守備範囲が広く、
計算上では『VSWRも1:12』まで対応可ということになります。
ATUが10秒くらいかかるチューニングも、
MTUで慣れていたら『2~3秒でチューニングできる』こともあります。
・できれば、目的周波数の『1/4波長』で使ってみる
・3/4波長や、5/8波長などでも試してみる
・GNDをしっかり取る(飛びに極端に影響を及ぼす)
・GNDがNGならDPにするとか、ループにするとかでGNDを省く
・PC等への回り込みはVSWRではなく『コモンモード』を疑うべし
・VSWRが多少高くても、同軸ケーブル内では発生する磁界が相殺するため漏れ電波はない
ひとつの選択肢だけで『何とかしよう』は『不自由』だと思います。
せっかくのATUなら『いろんな長さ、いろんな素材』を試してみることです。
私が『不思議な思考だなあ』と感じるのは、
約10mも展開できるのであれば、カーボン釣り竿の長さを変えるとか、
あるいは、1/4波長エレメントに対し、1/4波長の1本ラジアルを付けたら、
手間ばかりかかるカウンターポイズ100本分の効果があるのを試したらどうか。
1本ラジアルは、100本のカウンターポイズを凌ぐのです。
また、ATUは『接続されているすべての導体』でマッチングを取ろうとします。
こうなると、VSWRが高かったり、チューニングにやたら時間がかかると、
一体、何が原因なのかが『わからなくなる』のです。
7MHzで『10秒』くらいでマッチングされないと『おかしい』はずです。
毎度おおきに。ほんじゃーね!!
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