Raspberry Pi Picoで、超音波センサーHC-SR04を使って距離を測定するプログラムをMicroPythonで組んでみます。
MicroPythonでのプログラムは、既にmicro:bitで実験済みです。記事はこちら。測定原理はその記事を参照してください。なお、今回は、Pico内蔵の温度センサーから温度を読み取り、音速を計算します。
回路図です。表示はOLEDを使い、I2Cは、id=0,sda=Pin(16),scl=Pin(17)とします。HC-SR04のTRIGはGPIO14に、ECHOはGPIO15に接続します。HC-SR04からのECHO出力は、5Vなので、抵抗で分圧してPicoに入力します。
TRIGに加えるパルスは、10us以上となっていますので、
trigger=Pin(14,Pin.OUT) とし、
trigger.value(1)
utime.sleep_us(2)
rtigger.value(0)
で、triggerパルスをCH-SR04に出力します。この時のパルスの波形です。
約20us幅のパルスが発生しました。(パルス幅は若干広くなったり狭くなったり、ゆらぎます。)utime.sleep_us()を省略するとパルス幅は、10us以下になってしまいます。
HC-SR04から帰ってくるECHOパルスを測定してみました。
echoパルスの立ち上がりの時刻t1と立下りの時刻t2をutime.ticks_us()で、us単位で測定し、t=t2-t1からechoパルスの幅(us)を計算することができます。
tは、HC-SR04から発せられた超音波が戻ってくるまでの時間で、距離の2倍を音が進む時間です。従って、音速をVs(m/s)、HC-SR04と物体の距離をL(m)とするとL(m)=Vs(m/s)×t(s)/2で計算できます。
距離をL(cm)、t(us)とすると、L(cm)=(Vs(m/s)×100×t(us)/1000000)/2=Vs(m/s)×t(us)/20000で計算することができます。なお、音速は温度によって変わり、Vs(m/s)=331.5+0.6×temp(℃)で計算できます。
スクリプトです。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
from machine import ADC,Pin,I2C
import utime
import ssd1306
trigger=Pin(14,Pin.OUT)
echo=Pin(15,Pin.IN)
i2c=I2C(0,sda=Pin(16),scl=Pin(17),freq=400000)
oled=ssd1306.SSD1306_I2C(128,64,i2c)
oled.text("RP2 HC-SR04 TEST",0,8)
oled.text("TEMP: C",18,24)
oled.text("L(cm):",18,40)
oled.show()
trigger.value(0)#Triggerの初期値0
coeff=3.3/65535
a=ADC(4)
def mesurement():
global temp,L
#Trigger pulse >10us
trigger.value(1)
utime.sleep_us(2)
trigger.value(0)
#反射時間の測定
while echo.value()==0:
t1=utime.ticks_us()
while echo.value()==1:
t2=utime.ticks_us()
t=t2-t1
#気温の測定(pico内部の温度計を利用)
v=a.read_u16()*coeff
temp=round((34-(v-0.706)/0.001721),1)
#距離の計算
vs=331.5+0.6*temp#音速の計算
L=round((vs*t/20000),1)#L(cm)
def display():
global temp,L
oled.fill_rect(72,24,32,8,0)
oled.show()
oled.text(str(temp),72,24)
oled.show()
if L < 2000:
oled.fill_rect(72,40,56,8,0)
oled.show()
oled.text(str(L),72,40,)
oled.show()
while True:
mesurement()
display()
utime.sleep(1)
-----------------------------------------------------------------------------------------------
Picoの内蔵温度計の値はADC(4)の電圧として読み取れます。その値を温度に変換する式は
27-(v-0.706)/0.001721 ですが、実際より低い値になってしまいますので、便宜的に27を34に変更しました。
1secごとに距離を測定して、OLEDに表示します。
ブレッドボードです。
温度の値は1℃以内で細かく変動します。
実際に物体との距離を測定してみました。距離の表示も1cm以内で細かく変動します。
測定値です。
距離(cm) 測定値(cm)
10 10.3
20 20.6
30 30.1
40 39.9
50 49.9
60 59.4
70 69.5
80 79.0
90 88.8
100 98.9
micro:bitの時より、かなり精度が良くなっています。1m以内なら±5mm程度の誤差で測定ができそうです。