フェド2-bの続編です。
私のフェド2-bには、Юпитер-8/ユピテル-8が付いている
のですが、これはアルミにアルマイト処理したものです。
フードがないので、特別室(ジャンク箱)をゴソゴソしてい
たら、社外品汎用のねじ込みフードが出てきました。
おお、これでいいじゃん・・・と思ったら何か同じアルミに
アルマイト処理の製品でも色が違う、フードのほうは黄色い。
こりゃみっともねぇやと思い、フードの方のアルマイトを剥
離してやることにしました。
こうするとアルミ地肌のままになってしまいますが、特にす
ぐ真っ白になる素材ではないので(私は鉄屋さんなのでわか
ります)そのままにすることにします。
同じ白アルマイト処理してもいいのですが、私は結構です。
少しだけ研磨剤で磨いて、内側のつや消し塗装と、フード先
端のコバの部分(ここ大事)を塗りました。
めでたく完成、前玉にコートの無いこの手のレンズはレンズフ
ードは必ず付けないと本来の面白さが出せません。
(後玉にはコーティングがあります)
よく、古いフェドやゾルキで撮って、光引きして云々と言う方
がおられますが、元々シャッターボックス内が黒だけでつや消
し塗装されていないところにどんなレンズを付けても同じ結果
に終わります。
なのでフ-ドでハレ切りしてやらないとダメなのです、特にL39
レンズにフードを付けると言う概念がある方が少ないのもありま
す。
バルナックライカやキヤノンやレオタックスや・・・そう言う物
は比較的塗装やシボ付け等の処理がされていますが、ソ連カメラ
はただ黒染めしてあるだけなので、黒くてもツヤツヤで光るので
す。
ここまでやってダメならボックス内をつや消し黒で塗ってしまえ
ば万事オーケーです。
綺麗に細かく塗る必要はありません、この辺かな?と言うところ
を適当に塗っとけば良いです。
但しプリントの下に光が入るときはボックスの上側を塗ること。
ネガは上下反転で写っている事をお忘れなく。
そしてまだもうダメだったらそれはボディと裏蓋や底蓋が違うも
のと交換されている(安物扱いされてチャンポンにされている事
がよくある)か、素人分解されて、それは趣味なので良いですが
その後キチンと正規に組まれていないものではないかと思います。
この頃の「ロシアンライカ」はお国の流れ作業工場で作られてい
ますが、最終的に、つまり出来上がったときには個々の部品はち
ゃんと組み合わせマッチングされていますので当然問題無しです。
(そのユニバーサルでないところが問題を引き起こすのですが)
オリジナルを探すのは難しいし、なかなか無いので大変ですが、
市中に出回っているほぼ殆どの分解品かチャンポンのカメラの場
合、一本撮ってみておかしかったら上記のようなことを試してみ
てください。
信用できる店にO/Hに出してしまうのが手っ取り早いのですが、
数千円のカメラに二万円を出そうと思う人は少ないでしょう?
だったら逆に安いんだからと思って少しづつ改良していってみる
のも面白くはありませんか?
昔の機械なんて自動車でもテレビ、ラジオでもそんなものでした。
カメラなぞ特にそれで生死に関わる事でもありませんので、のん
びり構えてあれこれしてみるのが良いのではないでしょうか。
躍起になってやる事でもない、「あ~、またダメだったか、こっ
ちかな?」・・・なんてのが趣味の時間、それこそココロをのん
びりさせる癒しの時間になるのではと思います。
今の、「動いて当然、壊れるなんて以ての外」なんて、考え自体
が「ちっこい」と、思い出させてくれる事でしょう・・・が、今
の若い方々はその時代をご存知ありませんでしょうから、「こん
なもんだ」と思わず研究してみる(のんびりと)位のスタンスで
付き合っていけば宜しいですよ。
ロシア製ばかりが「出来損ないコピー」と言われていますがそう
ばかりではありません。
例えば私の持っているオペマⅡなどもとても良く出来ていますが、
ほぼフェド2と同じです、上カバーを開けても数点の部品しかあ
りませんし、精度や組み合わせの事にしてもフェドなどと同じな
のです(オマケに39ミリマウントなのにネジピッチとフランジ
バックが違うのでオペマの純正レンズしか使えない酷さです)
まあ、ゆっくり、あれこれ考えながらやって、納得できるところ
まで完成した頃には、あなたにとって「お金に換えがたい大切な
カメラ」になっていますよ!