ココロと機械

ココロの病を患う私の気ままなブログです

着けない時計

2021-03-14 13:10:53 | ブログ

セイコーアルピニストSARB017、いわゆる「2代目アルピニ
スト」だ。

この時計は9年前、私の病気のもとになった事件の少し後に定価5
万5千円のを4万円ぐらいで時計屋で買った。
革ベルトがわたしは嫌いなので、純正交換用メタルベルトも買った。

あのとき自暴自棄、いや、捨て身になっていたわたしは時計とタバ
コと財布だけ持って放浪するつもりで居た。

で、着けていく時計は、という事になって、前から気になっていた
この時計を買ったのだ。

行く宛もなくフラフラ出る、いつ帰るか、帰らないかも分からない
のだから、時計の時間なんか適当でいい。

この時計は自動巻き(メカニカル)だから、当然狂う。
これはせいぜい500万円程度のロレックスでも同じ、自動巻きで
クォーツ並の精度が欲しければグランドセイコーのそれなりのを買
うしか無い。

まあ、だから週に一回ほどどこかでちゃんとした時計を見て合わせ
ればいいのだ。

だがしかし、そこに現れたのが今の女房だ。
女房も岩手にいる時にわけも分からず一方的に離婚させられて、独
りぼっち、丁度同じ頃にお互い捨てられたわけだ。

で、女房も精神病者だから、小さいスーパーでアルバイトしていた
けれど、いくら物価が安い所だとはいえ、生活に困窮していたので
名古屋に来て一緒に生きていくことになってしまった。

なので用意したこの時計も使われること無くずっと眠っている。
通常の生活なら時計は正確に越したことはないと言うか、わたしは
これで結構神経質なので、たとえば有るものは有るところにいつも
きちっと置いていないと気が済まない様なタイプなので、時計も正
確なクォーツだが、そのわたしが「時間なんか適当でいい」と思う
くらいだから今思っても相当捨て身と言うか、絶望してどうでも良
くなっていたという事だ。

自動巻きの機械式の時計は動かさず長いこと放っておくとキチンと
動かなくなるので、まあ、この時計は今後も使われることは無いだ
ろうけれど、使うならセイコーへオーバーホールに出してからでな
いと使う気も起きない。

オーバーホールに2ヶ月位掛かるという話も聞いたけれど、まあそ
んなものだろう。
どの道使う用事はなくなったからいいんだけれどね、静かに箱の中
で眠って居てくれれば。

この時計は初代アルピニストの次に2006年ぐらいに2代目にな
った物だけれど、2017年か18年頃までこれだったはずだ。

今アルピニストはセイコープロスペックスの一部になってしまって、
初代と同じ様なカレンダーのところにレンズが付いた物が2020
年だったか出て、中身の機械も少し良くなった(とは言え2代目の
機械も良いものだけれど)し、新しいのはいいんだろうけれど、プ
ロスペックスシリーズになったために盤面にあのセイコーファンが
忌み嫌う[X」のマークが入ってしまったし、インデックスも盤面
の色も似ているようでまるで違う物になってしまった。

今年の二月からはもう全く面影もないものになってしまったので、
有る意味「ちゃんとしたアルピニスト」を買って置いて良かったか
なとも思わないでもないけれど・・・。

わたしは「時計コレクター」ではないので、正確さと視認性だけを
求めて時計を買うのだけれど、この時計はその反対を行く、と言う
と語弊があるけれど、ある意味一番実用的な時計なのかも知れない。

@ 出番がないのが一番な時計


本日の種:リコーWG6
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