私は現在、建築士事務所を経営しておりますが、本当に今、社会で必要とされているものは何かと考えますと、直接今すぐにも弱者を救済することだと思います。
私自身は建築という職業を本来は公共サービスの仕事と思って今まで参りました。
そして、建築を本当の意味で公共サービスに近づけるには福祉の社会との密接化を図らねばならないと思っています。
実際の建築業社会は昔ながらの同業者間の救済という考えは既に薄れ、どこが破産しようとお構いなし、自分の会社だけ生き残ればいいという完全な競争型へと退化してしきってしまいました。
建築には建築の福祉の社会が必要でしょう。
しかしながら、建築自体のみではもうこの同業者間の競争習慣は元の助け合いの精神に戻すことは到底無理と思います。
私たち建築業者は今すぐにも福祉の考えに立ち返らねばならず、そのために建築自体でどうすることもできず、答えは社会福祉、それも介護のバリアフリーなどの建築に一気に力を注ぎ直すことでしょう。
建築と介護はお門違いなところもあります。それだけに今までの建築の歴史を根元から作り直す勢いで介護の世界へ全投資してみる必要があります。
これが私たち建築業に与えられた時代の宿命だと確かに感じています。