この世界に あるもの
すばらしいと おもえるもの
すごいと おもえるもの
おおかたは しゅうきょうみたいなものだと
きづいているひとは すくない
きらびやかなぶたいで
きれいなおとこのこやおんなのこが
おどって うたっている
きれいなふくをきて
まほうみたいなうたをうたって
これがいちばんのしあわせだって
さけんでいる
あのしゅうきょうをしんじているひとは
たくさんいるのだけど
まいんどこんとろーるみたいなものだって
きづいているひとはたぶん
すごくすくない
しゅうきょうなんだよ あれ
みんなしんじてるから わからないだけなんだ
しんじてるんだよ ほんとうだって
あれが ほんとうのしあわせだって
みんなしんじてるんだ
なんていうしゅうきょうかって
たずねられると さあ なんていうかね
きらきら教っていうのはどうだろう
ああ いいかもね
あれがほとんどうそだっていったら
みんなおこるだろうなあ
でも
いちおう いってあげよう
あれ ほとんどはうそだよ
あれがしあわせなんだって
しんじこまされているだけなんだよ
しゅうきょうなんだよ
みんながいやがるしゅうきょう ほら
ときどきくるじゃないか
玄関のチャイムをならして
神を信じますかって たずねるひとが
(「菫青石」より、2012年ごろ)