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エデンには、たくさんの鳥や動物たちがいました。泉から溢れ出る小川には、たくさんの魚もいました。アダムとイヴには、鳥や獣や魚たちのいうことが、わかりました。だから、いつも、アダムとイヴは、鳥や獣や魚たちと、自由に話したり、おもしろい遊びをしたり、時には軽いけんかもしたりなど、していたのです。
森にはおいしい木の実がたくさんあって、いつでも食べることができました。アダムとイヴは、森の木の実を分け合いました。鳥や動物たちにも、ちゃんと分けてあげました。
ラファエルは、森にたわわに実る木の実の種類や、味や、効き目などを、アダムとイヴに教えました。
「この赤い実は、食べると体が暖かくなるから、寒い時に食べなさい。この紫色の実は、とても甘くて、つらいことがあった時に食べるといいんだよ。そしてこの黄色い実は、すっぱいけれど、消毒に効くんだよ。けがをしたりしたときに、食べなさい」
アダムとイヴは、ラファエルに教えてもらったことを、一生懸命、覚えました。そしてそれを、鳥や動物たちに教えてあげたりもしました。分け合うことがどんなに大切なことか、うれしいことかということも、天使に教えてもらっていたからです。
ところで、森には、一本だけ、青い実のなる木がありました。天使ラファエルは、それだけは決して食べてはいけないと、アダムたちに教えました。
「なぜ、食べてはいけないんですか? とってもおいしそうだけどな」
たずねるアダムに、ラファエルは教えました。
「この木の実はね、長い時をかけて熟すんだよ。赤く熟すまでには、まだ相当時間がかかるのだ。これは大切な知恵の木の実でね、食べると、大切な真実の一つがわかる。けれども、熟さない青いうちに食べてしまうと、それはかえって君たちの毒になってしまうんだよ。だから、この実が青いうちは、決して食べてはいけない」
ラファエルはこんこんと教えました。イヴが言いました。
「わかりました。赤くならないと、食べてはいけないんですね」
「そうだよ。約束はちゃんと守っておくれね」
ラファエルは言いました。
(明日につづく)
エデンには、たくさんの鳥や動物たちがいました。泉から溢れ出る小川には、たくさんの魚もいました。アダムとイヴには、鳥や獣や魚たちのいうことが、わかりました。だから、いつも、アダムとイヴは、鳥や獣や魚たちと、自由に話したり、おもしろい遊びをしたり、時には軽いけんかもしたりなど、していたのです。
森にはおいしい木の実がたくさんあって、いつでも食べることができました。アダムとイヴは、森の木の実を分け合いました。鳥や動物たちにも、ちゃんと分けてあげました。
ラファエルは、森にたわわに実る木の実の種類や、味や、効き目などを、アダムとイヴに教えました。
「この赤い実は、食べると体が暖かくなるから、寒い時に食べなさい。この紫色の実は、とても甘くて、つらいことがあった時に食べるといいんだよ。そしてこの黄色い実は、すっぱいけれど、消毒に効くんだよ。けがをしたりしたときに、食べなさい」
アダムとイヴは、ラファエルに教えてもらったことを、一生懸命、覚えました。そしてそれを、鳥や動物たちに教えてあげたりもしました。分け合うことがどんなに大切なことか、うれしいことかということも、天使に教えてもらっていたからです。
ところで、森には、一本だけ、青い実のなる木がありました。天使ラファエルは、それだけは決して食べてはいけないと、アダムたちに教えました。
「なぜ、食べてはいけないんですか? とってもおいしそうだけどな」
たずねるアダムに、ラファエルは教えました。
「この木の実はね、長い時をかけて熟すんだよ。赤く熟すまでには、まだ相当時間がかかるのだ。これは大切な知恵の木の実でね、食べると、大切な真実の一つがわかる。けれども、熟さない青いうちに食べてしまうと、それはかえって君たちの毒になってしまうんだよ。だから、この実が青いうちは、決して食べてはいけない」
ラファエルはこんこんと教えました。イヴが言いました。
「わかりました。赤くならないと、食べてはいけないんですね」
「そうだよ。約束はちゃんと守っておくれね」
ラファエルは言いました。
(明日につづく)