2年前にふとしたことで知り合った香港人の友人がいる。
イスラエルのベングリオン空港で、たまたま搭乗手続きの列の前後に居合わせただけの彼女と私だが、数少ない東洋人同士ということでどちらともなく声をかけたのがきっかけだった。
その彼女と昨年のクリスマス前夜に渡航先の香港で念願の再会を果たすことができた。
空港で出会った時とは打って変わって、とてもエレガントなお嬢さんがホテルのロビーに現れた。
出会った時の彼女と言ったら、エスニックな洋服を幾重にも重ね着して、それでも飽き足らないのかつばの広い帽子を2つも重ねて被り、どこからどう見ても要注意人物であった。聞けば、イスラエルには衣類や雑貨の仕入れで来たのだけれど、買い込み過ぎて重量オーバーとなり、あえなく身につけるしか手段が浮かばなかったのだそう。しかし、当然ながら、セキュリティーチェックが非常に厳しいイスラエルでは目を付けられないはずがなく、荷物も本人も別途更なる検査を受ける羽目に。
そんなわけで途中はぐれてしまったが、搭乗時間ギリギリになってゲートで落ち合うことができた。身の潔白を証明するために重ね着を解除した彼女は身なりも顔つきもずいぶんスッキリしている。笑顔がとてもチャーミングだ。
はぐれる前に「大丈夫。絶対、同じ便に乗って帰れるから」と何の根拠もなく励ましていたのが、彼女にとっては天使の言葉に聞こえたらしく、いつのまにか私は彼女の恩人になっていた。
先日、彼女から送られてきた翡翠のネックレス。これを見て私を思い出してくれたのだとか。嬉しいね。
あれから2年。
ホテルのロビーの喫茶店で目の前に座る彼女は表情にも仕草にも育ちの良さが漂い、おまけにさすがは元英国領・香港の人だけあって英語も流暢で、どちらがあの日空港でテンパっていた人なのかわからなくなる。
拙い英語に身振り手振りを総動員で会話を補う私はきっと滑稽だったに違いないのだが、ふいに彼女が会話を遮り「ねえ、あなたのアティテュードってきれいね。私、好きだわ」というようなことを言った。
「アティテュード」。日本語では姿勢とか態度を意味する言葉。私はなんとなく、この時彼女から発せられたこの「アティテュード」という言葉の響きが気に入っている。目の前の彼女に「在り方」を丸ごと見られている、そんなことを思い出しては、背筋を伸ばす今日この頃。
ついこの間、とある親しい人に言われた。「あら、また背が伸びたんじゃない?」
ナマステ&シャローム
Nozomi
イスラエルのベングリオン空港で、たまたま搭乗手続きの列の前後に居合わせただけの彼女と私だが、数少ない東洋人同士ということでどちらともなく声をかけたのがきっかけだった。
その彼女と昨年のクリスマス前夜に渡航先の香港で念願の再会を果たすことができた。
空港で出会った時とは打って変わって、とてもエレガントなお嬢さんがホテルのロビーに現れた。
出会った時の彼女と言ったら、エスニックな洋服を幾重にも重ね着して、それでも飽き足らないのかつばの広い帽子を2つも重ねて被り、どこからどう見ても要注意人物であった。聞けば、イスラエルには衣類や雑貨の仕入れで来たのだけれど、買い込み過ぎて重量オーバーとなり、あえなく身につけるしか手段が浮かばなかったのだそう。しかし、当然ながら、セキュリティーチェックが非常に厳しいイスラエルでは目を付けられないはずがなく、荷物も本人も別途更なる検査を受ける羽目に。
そんなわけで途中はぐれてしまったが、搭乗時間ギリギリになってゲートで落ち合うことができた。身の潔白を証明するために重ね着を解除した彼女は身なりも顔つきもずいぶんスッキリしている。笑顔がとてもチャーミングだ。
はぐれる前に「大丈夫。絶対、同じ便に乗って帰れるから」と何の根拠もなく励ましていたのが、彼女にとっては天使の言葉に聞こえたらしく、いつのまにか私は彼女の恩人になっていた。
先日、彼女から送られてきた翡翠のネックレス。これを見て私を思い出してくれたのだとか。嬉しいね。
あれから2年。
ホテルのロビーの喫茶店で目の前に座る彼女は表情にも仕草にも育ちの良さが漂い、おまけにさすがは元英国領・香港の人だけあって英語も流暢で、どちらがあの日空港でテンパっていた人なのかわからなくなる。
拙い英語に身振り手振りを総動員で会話を補う私はきっと滑稽だったに違いないのだが、ふいに彼女が会話を遮り「ねえ、あなたのアティテュードってきれいね。私、好きだわ」というようなことを言った。
「アティテュード」。日本語では姿勢とか態度を意味する言葉。私はなんとなく、この時彼女から発せられたこの「アティテュード」という言葉の響きが気に入っている。目の前の彼女に「在り方」を丸ごと見られている、そんなことを思い出しては、背筋を伸ばす今日この頃。
ついこの間、とある親しい人に言われた。「あら、また背が伸びたんじゃない?」
ナマステ&シャローム
Nozomi
なるほど、あなたの言う風が段々わかってきました。
五月の風はイスラエルも心地良いですよ。