<福島民友ニュースより>
「原発ゼロ」と決別 政府、エネルギー基本計画を閣議決定
政府は11日、原発を「重要なベースロード電源」と位置付け、再稼働を進める方針を明記したエネルギー基本計画を閣議決定した。原発を成長戦略の一角に据える安倍政権の方針を反映、民主党政権が掲げた「原発ゼロ」方針と決別した。東京電力福島第1原発事故を契機に被災地の本県をはじめ国民に脱原発を求める声は多いが、安倍政権は原発を将来にわたり活用し続ける姿勢を鮮明に打ち出した。
震災と原発事故後初めて策定した基本計画では、原発推進に前のめりの姿勢とは対照的に「核のごみ」への対処は明確に示されず、原発事故を教訓にした重要課題を先送りした格好だ。
原発事故に触れる文言は与党協議の過程で序文からいったん削除されたが、安全神話に陥っていた実態を認め「深い反省を一時たりとも放念してはならない」との表現を復活。しかし、安倍晋三首相は11日の衆院本会議で、化石燃料への依存度が高まっていることを理由に「そう簡単に原発はもうやめたと言うわけにはいかない」と述べ、原発事故の検証が済んでいない中での原発回帰を表明した。
(2014年4月12日 福島民友ニュース)
「原子力回帰」に反発 エネルギー基本計画で県内首長
原発を「重要なベースロード電源」と位置付けるエネルギー基本計画を政府が閣議決定したことについて、双葉郡や避難自治体の首長からは11日、「福島第1原発事故の教訓が生かされていない」など批判や疑問の声が相次いだ。
宮本皓一富岡町長は、序文の「深い反省」の削除や復活など二転三転した経緯について「一貫しておらず、原発事故をしっかり検証していない証し」と指摘、再稼働を進める方針を「とんでもない話」と断じた。菅野典雄飯舘村長は「ベースロード電源というごまかしの言葉でなく、原発再稼働とはっきり言うべきだ。原発を少しでも減らすことが必要」と話した。
福島第1原発では汚染水問題など廃炉に向けて課題が山積する。古川道郎川俣町長は「原発再稼働にすぐ動こうとしている国の状況を危惧している」と話した。伊沢史朗双葉町長も「被災町としては原発再稼働は考えられない」、桜井勝延南相馬市長は「悲劇を繰り返さないためにも原発依存からの脱却を求める」と語気を強めた。遠藤智広野町長は「被災地復興も進んでいない中で、原発再稼働を容認することは事故の教訓を生かしているといえない」と話した。
(2014年4月12日 福島民友ニュース)
小泉進次郎政務官が政府の認識批判 「深い反省」問題で
小泉進次郎復興政務官は12日、大熊町などを視察し、政府が11日に閣議決定したエネルギー基本計画で東京電力福島第1原発事故の「深い反省」の文言がいったん削除された問題について「事故の影響や県民の心の持ちよう、現状の深刻さの認識全てが間違っている」と政府の対応を批判した。
視察先の同町大川原地区で記者団の質問に答えた。小泉政務官は文言の一時削除について「非常に残念。文言が戻ってもすんなりと受け入れられなくなる。今後は行動で信頼を回復していくしかない」と語った。
また、基本計画で政府が原発再稼働の方針をより鮮明にしたことを受けて「早くけじめをつけるべき」とし、福島第2原発1~4号機を「廃炉にすべき」との従来の主張を示したが、県外の他の原発の在り方については明言しなかった。
(2014年4月13日 福島民友ニュース)
*浪江町議会は3月定例会で、エネルギー基本計画(案)の撤回を求める意見書を採択しました。
小泉政務官の政府に対しての批判は、被災地域でのパフォーマンスとしか思えません。政府の一員なのに・・・。
「お悔やみ情報」
熊上チエコさん88(熊上商事代表熊上整さんの母)。浪江町室原字西小萓28。通夜14日午後5時、告別式15日午前10時、ともにさがみ福島ホール(福島市)。喪主長男整さん
謹んでお悔やみ申し上げます。合掌