今日から数回に分け、3月定例会初日の3日町長から行われた行政報告をお伝えします。
本日ここに、令和3年浪江町議会3月定例会を招集しましたところ、議員各位におかれましては、ご多用の折にもかかわらず、ご参集を賜り誠にありがとうございます。
行政報告に先立ち、あらためて東日本大震災によりお亡くなりになられた方々、過酷な避難生活の中で命を落とされた方々の、ご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対し深く哀悼の意を表します。
さて、東日本大震災発生からまもなく10年が経過しようとしております。
1月末現在の町内の居住人口は、989世帯、1,579人となっており、前年同期から202世帯、352人増えており、徐々にではありますが、町内で暮らしを再開する町民が増え続けています。
先般公表されました住民意向調査においては、「すでに浪江町に戻っている」と答えた方と「戻りたいと考えている」と答えた方の割合が、18.9パーセントと前年の調査に比べ、1パーセント増加する結果となりました。また、「判断がつかない」と答えた方が25.3パーセントとなっており、その要因として、「医療・介護の復旧時期のめど」や「商業やサービス業などの施設の復旧時期のめど」など生活環境に関するニーズが挙げられております。
令和3年度当初予算につきましては、震災から11年目の新たなフェーズに入る年と位置付け、より多くの町民の皆様が帰ろうと思える生活環境の整備に向けた編成を行いましたので、その一端を述べさせていただきます。
来たる令和3年度は、東日本大震災及び原発事故から11年目、浪江町復興計画【第三次】及び政府が定める「第2期復興・創生期間」の初年度となり、まちづくりは新たな段階に入ります。
一般会計当初予算は、総額244億6,900万円で、前年度と比較して28.2パーセントの減と規模は縮小したものの、復興計画【第三次】に掲げられた各施策を推進するとともに、「持続可能なまちづくり」に向けた取り組みに重きを置いた予算編成といたしました。
歳入におきましては、自主的・安定的な財政運営に必要な自主財源として、町税、使用料・手数料等の確保に努めました。一方、地方交付税等の大幅な増額が見込めず、一般財源総額は前年度比2.1パーセントの減となるなど、引き続き厳しい財政状況となっています。
こういった中ではありますが、福島再生加速化交付金などの復興財源を最大限に活用しつつ、過疎債等の有利な町債の発行や、浪江町復旧・復興基金等の取り崩しにより、財源確保を図りました。
歳出におきましては、浪江駅周辺の中心市街地の整備やふれあいセンターなみえ跡地への介護関連施設、アスレチック施設、公民館・図書館機能を持つ復興まちづくり支援施設の整備費用を計上いたしました。
また、生業の再生に向けて、木材製品生産拠点、乾燥調製貯蔵施設、育苗施設、復興牧場等の整備を進め、一部施設では令和3年度内の供用開始を目指します。
さらに、ゼロカーボンシティ実現に向けた取り組みとして、水素エネルギーの普及・拡大に向けた実証事業費や棚塩RE100(アールイーひゃく)産業団地の整備費などを計上したほか、帰還や移住・定住を推進する取り組みとして、移住を検討されている方に対する支援、新規就農者への各種支援、町内での子育て世帯等への育児支援等に係る費用を計上いたしました。また、新型コロナウィルス感染症対応としては、ワクチン接種の関連経費や町内事業者を支援するための光熱水費等の補助金を計上しております。
帰還困難区域においては、室原地区への防災拠点施設整備、つしま活性化センターや陶芸の杜おおぼりの復旧、災害公営住宅整備など、特定復興再生拠点の避難指示解除に向けた整備を進めてまいります。
こうした様々な施策の推進に向けて、4月より一部事務組織を見直し、建設課、現在のまちづくり整備課内に「中心市街地整備室」、産業振興課内に「新エネルギー推進係」をそれぞれ新設し、推進体制を強化することといたしました。
当町の復興は、これまで蒔いてきた復興の種が芽を出し、着実に成長を続けています。
3月20日には、道の駅なみえのグランドオープンを迎えます。
町民の皆様が「住んでいたい」と思えるまち、また町外の方が「住んでみたい」と思えるまちを目指し、「持続可能なまちづくり」の実現に向けて全力で取り組んでまいりますので、議会及び町民の皆様には、引き続き特段のご理解とご協力をお願いいたします。
それでは、12月定例会以降の行政執行の主なものについて、ご報告いたます。
○はじめに、福島県沖地震の対応について、ご報告いたします。
2月13日、午後11時8分に発生した福島県沖を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の大地震は、福島、宮城を中心に大きな被害をもたらしました。
当町においては震度6弱を観測し、発災直後、一部地域において停電や断水が発生し、すみやかに災害対策本部を設置して避難所を開設するなど、町民の安全確保に努めました。
町内の被害状況ですが、人的被害はなかったものの、住家においては瓦屋根や外壁が崩落する被害が9件、公共施設においては窓ガラスの破損や地盤の沈下等の被害が10件などが発生しました。
今後、さらなる余震が懸念されますので、引き続き迅速な対応が図れるよう万全な体制の維持と町民の防災意識の高揚に努めてまいります。
〇次に、新型コロナウィルスワクチン接種について、ご報告いたします。
新型コロナウィルスワクチン接種の高齢者向けの接種が、4月以降に開始される予定となっており、現在準備を進めております。
町内に居住されている方については、集団接種を予定しており、先行接種の対象となる高齢者への接種券については、3月中に発送を予定しております。
また、町外に避難されている方については、避難先自治体で接種が受けられるよう、福島県が調整を進めております。
今日はここまで。
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