今日は土曜東京の2歳牝馬の重要レース、アルテミスSを検討してみます。どうして重要かは、ご存じのとおり、ここを勝って(あるいは2着から)後のGⅠ馬となる馬が数珠つなぎだからです。たとえば、去年勝ったチェルヴィニアはご存じのとおり、今年オークス、秋華賞の二冠を獲りましたし、おととし2着のリバティアイランドは言わずもがなの三冠馬です。今年はどんな名牝が出て来るのか、楽しみです。今回のメンバーの持ち時計を過去の馬たちとも比較し、かつ、過去10年の3着以内馬の傾向を見ながら、中心馬の目星をつけていこうと思います。
1)持ち時計
過去10年の良馬場での勝ち時計の平均は1分34秒3ですが、ここ2年は1分33秒台が出ていますので、今年も良馬場で普通に流れれば、33秒台の決着になると思われます。同じく上がり脚の平均は33.55秒ですので、位置取りや展開によりますが、これも33秒台の脚が使えない馬には厳しい感じです。一応の時計の目安は全体で1分33秒台前半、上がり脚33秒台を勝ち馬候補と考えて、持ち時計を並べてみようと思います。
今回の出走メンバーのマイルの持ち時計上位は以下のとおりです(〇数字は人気順)。
・シホリーン 09/08中山 新馬 ①2着 1分32秒9 33.2
・ショウナンザナドゥ 06/22京都 未勝利 ①1着 1分33秒5 35.1
・マジカルフェアリー 08/25新潟 新潟2歳S ⑦4着 1分34秒8 34.1
・マイエレメント 08/25新潟 新馬 ①1着 1分34秒9 33.3
・キョウエイボニータ 09/29中山 サフラン賞 ⑦3着 1分35秒2 34.5
・ミストレス 10/12新潟 新馬 ①1着 1分35秒4 34.0 ・ザラタン 09/21中京 新馬 ②1着 1分35秒9 34.5
参考までに2023年の上位3頭の前走も見ておきます。
1⃣チェルヴィニア 08/12新潟 未勝利1800 ①1着 1分46秒9 33.0
2⃣サフィラ 09/30阪神 未勝利1800 ①1着 1分47秒9 33.7
3⃣スティールブルー 08/26新潟 新馬1600 ③1着 1分36秒4 32.9
時計的にはシホリーンが一番手ですが、これは勝てなかった新馬戦で出した時計で、勝ち馬とは0.1秒差でした。その後、未勝利勝ちしたときの時計は1分34秒3-34.6秒でした。1分32秒台(上がり33秒台)の持ち時計は確かに速いと評価しつつも、9月開幕週の中山は高速だったと見ることもできるので、桁違いに速い(強い)かどうかはやや疑問です。あと、上がり脚に着目すれば、マイエレメントも33秒台ですが、これも他場より時計が速くなる平坦で直線の長い新潟競馬場での時計なので、過大評価はしづらいところです。それならば、新馬、未勝利と連続で1分33秒台で走っているショウナンザナドゥの方が上と見てもいいかも知れません。
2)前走(ステップ)とレース間隔
新馬勝ちからよりも未勝利勝ちから臨んだ馬の方が優勢です。特別戦ではサフラン賞、重賞では札幌2歳Sからの臨戦馬が好走しています。未勝利勝ちから臨むシホリーンとショウナンザナドゥ、サフラン賞から臨むキョウエイボニータには歓迎すべき傾向です。他方、レース間隔では、中3週、中6・7週が若干多いものの、全体的にあまり間隔に関係なく来ているので、気にしなくてもよさそうです。
3)血統
流行廃りもあって難解ですが、ここ4年は父キングカメハメハ系が連続して馬券になっています。ミスプロ系で大づかみにして、母系まで視野に入れると、これが後の名牝たちにも通じる血脈なのがわかります。ここでは、父系と母系のミスプロ系をピックアップしておきます。
※サンデー系= 、ノーザンダンサー系= 、ミスプロ系= 、
ナスルーラ系= 、ロベルト系=
・クレオズニードル :父ファインニードル(アドマイヤムーン)/母父Seeking the Gold(Mr. Prospector)
・マジカルフェアリー:父サートゥルナーリア(ロードカナロア)/母父ヘニーヒューズ(Storm Bird系)
・シホリーン :父モーリス(スクリーンヒーロー)/母父キングカメハメハ(Kingmambo)
・ミストレス :父キズナ(ディープインパクト)/母父Distorted Humor(Forty Niner)
・ミリオンローズ :父スワーヴリチャード(ハーツクライ)/母父Aldebaran 2(Mr. Prospector)
4)JRAホームページのデータ分析
JRAのホームページのデータ分析で強調されている点は以下のとおりです。
① 外寄りの枠優勢:過去10年で8枠の複勝率36.4%、17/30頭は6~8枠。
② 前走1500以下は苦戦:1800以上からの距離短縮馬の複勝率35.5%
③ 前走③人気以内優勢:過去10年の3着以内馬の80%は前走①~③人気
該当馬が多くて絞りづらいですが、距離短縮組に比重をおけば、カムニャックとブラウンラチェットの2頭です。これを、ザラタン、シホリーン、ショウナンザナドゥ、マイエレメント、マピュース、ミストレスらが追うかたちです。
5)結 論
当日の枠順や人気順を見てからになりますが、上の各項目に名前が続けて出て来るのがシホリーンです。乗り役が誰かわかりませんが、これまでの2戦と同じくルメールさんが騎乗するなら、これは連軸決定という感じです。あとは、内目の枠を引かないことだけでしょう。相手は、カムニャックら距離短縮組の2頭と、ショウナンザナドゥ以下、マイルの持ち時計が上位の馬と考えるのが妥当だと思います。あとは、距離短縮が嫌気されるなら、クローバー賞2着のミリオンローズも侮れません。
ということで、あまり波乱にならないと思いますが、
◎シホリーン 〇カムニャック ▲ミリオンローズ △ブラウンラチェット……
でまとめてみます。
明日は豪GⅠのコックスプレートを検討してみます。全く無知なのでリスグラシューが勝った5年前の映像を見てみたら、直線がかなり短い感じを受けました(調べると何と!173mで、改修して2年後に317mになるんだそうです)。これは差し馬が届く見込みはほぼなしですかね……。等々、詳しくは明日考えてみます。
本日もお読みいただきありがとうございました。週中の折り返しですが、今日も無事な一日となりますように。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます