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2020年の大河ドラマは「麒麟がくる」またの名を「国盗り物語」 明智光秀が主人公 キャストの予想を少しだけ

2018年10月30日 | ドラマ
2020年の大河ドラマは明智光秀を主人公に据えた「麒麟がくる」です。一応「オリジナル脚本」ということになっています。

分かっているのは「明智光秀を斎藤道三の家臣」という設定にすること。ただし斎藤道三は「二代で国盗りをした」とすること。

織田信長を明智光秀の「盟友」とすること。つまり「光秀はそもそも信長と同格意識を持っていた」とすること。

ぐらいですが、、、、

おそらく「光秀と信長は道三の弟子という共通点を持つ」と設定すると思います。同じ弟子なので「同格」「盟友」となるのだと思います。(ここらからは予想です)

とするなら、つまりは「国盗り物語」の「新解釈を加えたリメイク版」という形になるはずです。昔の大河に変更を加えて描く、それはとてもいいことだし、それしか「大河ドラマが生き残る道」はないように思います。

「西郷どん」も主題は「翔ぶが如く」と同じでしたが、原作者(脚本家)の力量の差があまりにありすぎて、「西郷どん」はみるも無残な作品となりました。オリジナルの形をとって「翔ぶが如く」に現代アレンジを加えて描けば、あんな駄作にはならなかったでしょう。

さて「麒麟がくる」ですが、「国盗り物語」のリメイク版だと予想する理由。それは「そもそも光秀を主人公にした名著は国盗り物語しかなく」、しかも今分かっている「ほんの少しの情報」をみただけでも「設定がそっくり」だからです。ただし「最近の学説を採用する」そうなので、かなりつまらない信長、道三が登場するような嫌な予感もします。

私が光秀を知ったのは小学校6年で読んだ「国盗り物語」で、「実にかっこいい男」なのです。だからその後の光秀の扱いにはいつも不満でした。そして私の中で光秀といえば若き日の近藤正臣さん。その妻、妻木煕子、かつての大河では「お槙」なんですが、妻は中野良子さんです。若い日の二人の姿を想像してみてください。そりゃかっこいい。そして美しいのです。

さて、話を設定に戻すと「光秀を斎藤道三の家臣、弟子」とする点も同じです。史実としては「不明」が正解です。

「斎藤道三が願った見果てぬ夢、天下統一。それを託した二人の弟子が光秀と信長」、これが「国盗り物語」のモチーフです。「麒麟がくる」はたぶんそんな作品となるのでしょう。

「国盗り物語では光秀と信長は盟友ではない」、と批判されれば、それは正解です。

が、「国盗り物語」においては「光秀はそもそも義昭を立てて天下を望んだ男であり、信長とは最後まで同格意識を持っていた」もまた正解です。

いろいろ「新解釈」も登場するのでしょう。

・斎藤道三は二代で美濃をとった。
・濃姫と信長は理想的な夫婦とは言えなかった。
・信長はみずからを「神」としようとした。

などが想像できます。まあ濃姫との関係とか「神としての信長」なんてのは「新解釈でもないでもない」ですが、現代ではそう描くことが主流となっています。

とするなら「それを超える新解釈」もでてくるでしょう。信長と光秀を「盟友とする」というのはそれだけですでに「新解釈」です。

が、どんな新解釈が加えられようと、土台となるのは「国盗り物語」である、と私はそう予想します。「国盗り物語」への「反発」を脚本家が表現するだろうな、という予感も含めて「土台になる」と私は言いたいわけです。

ただ、気がかりなのは「新しい学説にしたがう」との方針。

つまり
・信長を、保守的、中世的な人物として描く。経済面での手腕も強調する。
・道三についても、最近の「つまらない学説」に従う。

ということで、相当「つまらない人物」として描かれると思います。光秀についてはその逆で、特に学説もないので、「革新的」な人物として描くのでしょう。
信長と光秀のキャラが入れ替わるという描き方をする予感がします。

それにしても気になるのは「麒麟がくる」という題名です。「仁政を行う王の前に現るという伝説上の生物、それが麒麟」です。

(日本に王などいない。中国の冊封体制に組み込まれていないからだ。天皇ならいる、なんてくだらん批判をする人が出てくることが今から多少予想できます。天皇を王と呼ぶのは普通の話です。王朝文学という言葉があります。日本に関して王朝交代説という用語もあります)

麒麟は史実としては光秀の前には現れません。すると後半が「トンデモ」になる予想が発生します。

「麒麟は一体誰の前に現れるのか」とか言われても「そりゃたぶん徳川家康もしくは徳川家の誰かなんでしょ」ということになるでしょう。家康は仁政など行っているとは思いませんが、「王」となるのは家康だからです。家康か家康近い誰かの前に麒麟は現れると予想するのが通常の思考法だと思います。史実としては江戸幕府が「多少なりとも民衆のことを考え出した」=仁政を意識したのは「寛永の大飢饉の後」と言われています。すると徳川家光ということになりますが、ドラマはそうはならないでしょう。「徳川家光、実は光秀の隠し子」とすれば可能ですが、そんな説は歴史上存在したことはありません。

ここで話をずらして、史実として「麒麟は誰の前に現れたのか」をちょっと考えてみますと、「そりゃ保科正之の前でしょ」と私は考えます。二代秀忠の隠し子で家光の弟です。家光の子、4代徳川家綱を補佐し、実質的には大老格でした。江戸初期の最高の名君と言われています。会津藩の祖でもあります。

話を戻して。

麒麟は家康か家康に近い人物の前に現れるとしか考えようがない。でも元和偃武(大阪落城、幕府体制の成立)の「はるか以前」に明智光秀は「おぐるすの里」で「名もなき民」の竹槍によって死んでいます。本能寺の変のよりわずか10日ばかり後です。

元和偃武は1615年。本能寺の変は1582年です。

この30年間、主人公の光秀を「生きていた」とする「トンデモ設定」が出てくるという「いやな予感」がよぎります。

しかも都合のいいことに、いや悪いことに「天海」つまり江戸幕府を仁政関係でささえた謎の僧、「南光坊天海は実は明智光秀だった」という「怪しげ過ぎる伝説」が存在します。

麒麟は光秀の前に現れた。とするなら「天海は光秀だった」という嘘くさいにもほどがある伝説に乗っかることにより、そういうストーリーをくむことは一応はできます。でも「それだけはやめてほしい」と願うばかりです。だって「麒麟がくる」は「大河ドラマの原点回帰」と謳っているのです。なるほどはるか昔の大河ドラマ、特に山岡荘八ものなどは「家康も柳生宗矩も、とにかく江戸幕府創設者たちは誰でも彼でも聖人君子」というトンデモ設定がなされはいました。でも天海=光秀説に「乗っかる」ような、そこまでのトンデモは流石にありません。それだけは勘弁してほしいのですが、麒麟が光秀の前に現れるためには、そんな無理をするよりほかがありません。まあ、そこまではしないでしょうし、しないことを祈るしかありません。

では、どうやって「麒麟」が「光秀の前に現れる」ストーリーを組み立てるのか。脚本の池端俊策さんは比較的堅実な作品を書く人ですが、どんな裏技を使うのでしょうか。

かつて「天地人」という大河ドラマがありました。「天地人を備えた武将」は結局作品に登場しませんでした。直江兼続は「天地人」など備えていませんでしたし、他の武将もそうです。そんな作品もあったので、結局誰の前にも現れない、のかも知れません。

ところで、題名を「ネットで調べないと分からない難しいものとした」点を私は「高く評価」します。「麒麟」の意味を多くの人が調べるでしょう。あるいは「仁政」という言葉も検索されるかも知れません。難しい題名にした。これはいいことです。体験的に言えば、小学生時代、大河には「わからない言葉」が沢山でてきました。わからないから見ないのでなく、分からないから「分かろう」として、調べたり、親に意味を聞いたりしました。そうした体験があって、私には「難しい言葉があったほうがいい」と思えてならないのです。

最後に少しだけキャストの予想を述べます。当たるはずないけど。

信長、家康、秀吉は「予想できない」。若い俳優さんが分からない。まあ信長は綾野剛さんかな。あの暗い目と少し狂気じみた感じが必要だ。秀吉は松坂桃李さんかな。家康は、若い俳優ではないけど「若い時から老成していた」ことにして高橋一生さん。斎藤道三は、準主役なわけで、阿部寛さん。道三の父、長井新左衛門尉を市川海老蔵さん。かつて平幹二朗さんが道三を演じましたが、若き日の平幹次郎さんは相当な「ハンサム」です。「まむしみたいな道三」は必要ないと考えます。

光秀の妻は新鮮味を重視して吉岡里帆さん。この人髪を売って光秀を助けます。織田信秀は椎名桔平さん。

濃姫は新垣結衣さん。「本当に美しい濃姫」が見てみたい。ちなみに歴代最強の濃姫は「19歳の痩せていた松坂慶子さんが演じた濃姫」。ひっくり返るぐらい美しい。なにしろご本人が昔のビデオを見て、自分なのに「綺麗ねー」と言ったほどです。あまりに綺麗で、自分であることを忘れてしまったみたいです。

お市も「本当の美人」が欲しいところ。で、栗山千明さん。ガラシャは夏帆さん。足利義昭は「くせが強い人」だから堺雅人さん。生駒吉乃は満島ひかりさん。細川幽斎は若い人なんだろうな、すると岡田将生さん。

「若い信長と光秀に何か光るものを見出し、何故か助ける謎めいた美濃の油屋、どうやら武士らしい男」にオダギリジョーさん。道三の側室、深芳野に麻生久美子さん。小見の方に広末涼子さん。道三の京都の妻には井川遥さん。

「光秀は早くに両親を亡くし、祖父と祖母に育てられた」と設定し、光秀の祖父に近藤正臣さん、祖母に松坂慶子さん。これは古い大河ファンにとってはかなり嬉しいキャストです。
「京都の油屋、松波屋の女主人で、実は道三の妹、信長と光秀に対して恐れも抱かず穏やかに、でも堂々ともの申す、いわば京都における信長、光秀の指南役」に常盤貴子さん。

たぶん加筆しますが、今はそんなところです。


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