鏡海亭 Kagami-Tei ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石? | ||||
孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン) |
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生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。
第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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小説目次 | 最新(第59)話| あらすじ | 登場人物 | 15分で分かるアルフェリオン | ||||
「剣と銃と魔法」の西洋近世風ファンタジーと「ロボット」戦記物の融合!
早いもので、7月も残りわずかとなりました。
酷暑の中、読者様方はいかがお過ごしでしょうか。
連載小説『アルフェリオン』、昨日に引き続き、作品PR用の新たなスライドを公開です!
おぉ、人口密度が高いですが(笑)、御子とパラディーヴァ勢揃いの画像ですね。
作者としては、胸が熱くなる画像です。
去年の今頃には想像もしていなかったです。生成AI……私のような特別な画才の無い一市民の趣味であっても、ここまでのことが可能になるのですね。色々と社会的課題は山積であれ、AIやるなぁ。Holaraさん、流石です。
密かに、今回も主人公ルキアンの画像に手を入れました。
色々と試していますが、今回はちょっとシリアスな感じのルキアン君です。
かなり盛った感じですが、なんせ「闇の御子」ですから、少し冷血そうな部分も含めて、「おにいさん、格好いいです!」とエレオノーアさんが喜びそうです(笑)。
その「本当の本当のヒロイン」ことエレオノーアに関し、先日に続いて、Holaraさんに生成してもらった「蝶々」版の顔画像の試作品を紹介です。
あはは、エレオノーアが悪い子になってしまった!(笑)
ダークサイドに目覚めた感じですね。
もっとも、彼女も「闇」属性の御子ですから、本来はこんな感じでも良いのでしょうが。
実際の彼女は、とにかく、いい子過ぎますよね。もちろん誉め言葉です。
どうしよう。エレオノーアさんが、性格キツい子になってしまった!(苦笑)
実際の彼女は芯は強いですが、優しくて、懐の広い子ですものね(ただし、対ルキアン限定ですが)。
貫禄ありますね。「おにいさん」を顎で使ってそうです(苦笑)。
あと何年か経ったら、エレオノーアさんもこんな感じになるのでしょうか。
人の世は、はかないな……(何が? 笑)。
何だかよく分からない副産物も含めて、本日も鏡海亭、楽しんでいただけましたでしょうか。
『アルフェリオン』第54話(その5)の更新に向け、鋭意執筆中です。
読者様方からの応援が、励みになっています。感謝です!!
ではまた。
宿命を超えて、そして猛暑をも超えてゆけ――激熱な第55話!
前世紀末のウェブ小説の空気感を、再び
連載小説『アルフェリオン』、先日公開の第54話(その4)は、この小説ならではの「超展開」だったかもしれません(!)。
まさかのまさかの流れになりました……詳しくは本編でお楽しみください。「超展開」で、次は「超覚醒」が来ますかね。
そして本日は、小説『アルフェリオン』PR用の新スライドを発表です!!
全身フル画像のパラディーヴァたちが勢揃い。
作者としては、いつかこれをやってみたかったのでした。
小さな小さな夢が、ひとつかなった(笑)。
さらに、次回の第54話(その5)に向けて、今回の第54話(その4)のまとめ(?)スライドも続けて公開!!
エレオノーアさん、何やってはるんですか?(笑)
いや、ヒロイン、仕事しますね……。
というのは冗談で、なぜ彼女が蝶のコスプレ(違います)をしているのか、その理由は第54話(その4)をご覧ください。アマリアさんも格好いいセリフですね。ついにルキアンと接触か!?
生成AIのHolaraさんのファッションセンス(?)に賭けてみた。どうでしょう。
ちょっと露出の過ぎた部分が若干あったので、仕立て屋さんの鏡海が検閲(苦笑)、もとい、修正しました。
例によって「手」も修正です。難しいなぁ……。
貴重な蝶々版のエレオノーアです(笑)。
表情もこれまでとちょっと違います。
元になる画像の顔つきを手直ししたせいもありますが、やはり、生成時に「蝶」という要素に影響されているのかと思います。
昔、「僕は死にません」という有名なセリフがありましたが、さしずめエレオノーアさんは「私は消えません!」といったところでしょうか。いや、しかし簡単には復活できないかも。ルキアンが驚愕の裏技(!?)を使って、ぎりぎりのところで何とか耐えていますが……。
本当に暑い暑い日が続く中、今日も鏡海亭にお越しいただきありがとうございます。
いつもご覧くださり、応援いただき、感謝です!
第54話(その5)では、いよいよ「ディセマの海」にルキアンとエレオノーア(?)が入っていきます。
その内容、SFファンタジーの面目躍如!というところでしょうか。
ロボットに乗らずに冒険する、普通のファンタジーRPGっぽいこんな展開も、時には良いですよね。
(ただ、ここ最近、ロボットに乗らないロボット物……の様相を呈していますが)。
お楽しみに。
ではまた。
第54話(その4) 紅の魔女
| 目次 | これまでのあらすじ | 登場人物 | 鏡海亭について |
|物語の前史 | プロローグ |
--- 第54話に関する画像と特集記事 ---
第54話 その4
さよなら、真のヒロイン?
連載小説『アルフェリオン』、先日更新の第54話(その3)では、エレオノーアがまさかの……!!
消滅……。そんなのないですよね。
幸せに包まれた場面から、突然に終わりが来るとは。
本当に消えてしまいました。
「消える消える詐欺」(?)などと言われていたエレオノーアですが、ルキアンの腕の中で実際に消滅して……。
でも最後には「わたしは、あなただけのために咲く花です」と言い残し。もう、堂々のヒロインではないですか!(涙)
以前に出てきたヴァイゼスティアーの花の伝説が、エレオノーアの想いとあんなふうにかかわっていて、そして最後の「あなただけのために咲く花」につながっていたとは。
まるで、Holaraさんにも感情があるのではないか(ないです!)と思い込みそうなほどの、エレオノーアの最期に対する生成AI渾身の一枚です。
ちなみに、これは採用画像です。
以下、例によって、惜しくも採用されなかった生成画像をご紹介です。
まず1枚目。
これだと、ちょっと、気持ちが真っすぐすぎる感じなのですね。
エレオノーアは純粋そうでいて、いや、実際とてもピュアで、しかし、それでいてあれでもかなり屈折している女の子ですから。
2枚目。これは、ちょっと気持ちの強さが足りない気がします。難しいです……。
そして、最後まで迷った1枚。でもこれは、色々と作為的すぎるんですね。
しかし、いずれの絵についても、Holaraさんありがとう、です!
それから、第54話(その3)では、エレオノーアの影に隠れて、ヌーラス・ゼロツーの心情の描写が従来から大きく踏み込んだ感じですね。一気に人間臭くなったというのか……。これまでは「ゼロツー」という記号同然の名前で呼ばれていた、しかも性別不明だったキャラが、ここにきて「エリス」という本来の名前まで明かされる点も、なんともです。
今回、エリスとエレオノーアが、とても対照的に描かれていました。エレオノーアが可哀そうであるのは勿論なのですが、しかし「ゼロツー = エリス」だってよく考えてみれば悲劇的だという。むしろ皮肉にもエリスの惨めさが際立って……。まわりの人たちの想い、優しさに包まれていたエレオノーアとは違って、エリスの場合、誰も助けてもくれなければ、大切に想ってもくれないのですよね。それなのに強がって、悪女ぶって、「愛をちょうだいよ」と師のネリウスを面白半分に誘惑するエリスの姿は、痛々しく、哀しかった。ヒロインの一世一代の場面に、あれをぶつけてくるとは、作者もなかなか悪いですね(苦笑)。
いずれにしましても、本日も鏡海亭にお越しいただき、感謝申し上げます。
次の第54話(その4)が大変気になりますが、引き続き、お楽しみに。
ではまた!
第54話(その3) 尽きる命
| 目次 | これまでのあらすじ | 登場人物 | 鏡海亭について |
|物語の前史 | プロローグ |
--- 第54話に関する画像と特集記事 ---
第54話 その3
あの頃のアマチュア・ウェブ小説の未来形が、ここにある。
連載小説『アルフェリオン』、昨日までのところで御子たちの画像(全身ヴァージョン)がすべて完成しました。
これを受けて本日は、御子たちの勢揃い画像を初公開です!
できました!
内容の方も、最新第54話のPRにとどまらず、『アルフェリオン』という小説全体のPRになっています。
特に「その作品は、深海に生きる名もなき魚のような」~「あの頃のアマチュア・ウェブ小説の未来形が、ここにある」という言葉には、とても気合が入っています!!(笑)。いま言いたいことについて、大方のところはその部分に込めてあります。
よく見ると、御子が一人増えているような気がします。いや、エレオン(エレオノーア)が、しれっと混じっていますね(笑)。「ロード」で人工的に作られた闇の御子は他の御子と違って「執行体」と「アーカイブ」の二人で一組なので、これでよいのです。第54話で退場するという話もあるエレオノーアさんについては、やはり「消える消える詐欺」なのでしょうか。その件については、現在連載中の第54話で今後確認ください。ちなみにいま、第54話(その3)を執筆中です。
本日も鏡海亭をご訪問いただきありがとうございました。
小説本編の方も近々更新して参りますので、お楽しみに。
ではまた!
「闇」属性チームPR画像――ルキアン、エレオン新画像も!
連載小説『アルフェリオン』、各属性の御子とパラディーヴァたちの新PR画像を、この間、連日で公開して参りました。本日は最後の組、主人公ルキアンたちの「闇」属性チームです。
あれ? 誰!? ルキアンの顔が変わっている!(笑)
何か違和感もありますが、なるべく設定に近づけた表現だと、こうなるのかと。
特に髪型については、本当はこんな感じですね。この髪形、どうしてもプロンプトではAIさんにうまく反映してもらえなかったので、鏡海が描き直しました。
それから、鏡海亭では、これまで主としてややアニメ調(?)の画像を使ってきましたが、最近のところで画風の選択をちょっと変えています。この変化にルキアンも合わせて、上記の新ヴァージョン登場です(この間、新しいモデルが追加されたりして、Holaraさんの絵柄自体が変わってきている)。
服装についても、細部までHolaraさんに合わせてもらうのは厳しいので、元画像に鏡海も色々と手を加えました。ルキアン、元々、設定上は女性っぽい顔なのです。小説本編でも、ルキアンがクレドールに初めて乗り込んだとき、そんなことを言われていましたね。
それから「闇」チームで、ルキアン、リューヌ、エレオノーアの三人が集まった画像は今回が初めてです。以前はエレオノーアがいませんでしたし、今はリューヌがいません。
え? エレオノーア消えるのでは…という声もありますが?(苦笑) どうなんでしょうね。
今回は、エレオン(エレオノーアの男装時)の新画像も登場です。
エレオノーアの雰囲気は残しつつ、うまく違いが表現されていると思います。
Holaraさん、さすがです。
おにいさんのために戦う!という覚悟のみえる顔が、凛々しいですよね。
ちなみに冒頭のPRスライドにも出てきましたが、エレオノーア(女の子版)の画像は下記の通りです。こちらは柔らかい雰囲気です。
実は、エレオノーアの画像を確定するに当たっては、最終選考まで残りながらも採用されなかった画像がいくつかありました。それを特別にご紹介です。
まず、下の左側の画像です。比較のため、右側に採用になった方の画像も載せています。
まずこれです。左の方がかわいい!という声もあるかもしれません。
実際、私もそう思うのですが……ただ、雰囲気の点で、ちょっと純粋無垢すぎる気がします。
これに対して右の採用版の方は、清楚な感じは残しつつ、目つきとか口元とか、何か良くないものも知っちゃった顔(笑)、秘密を共有している顔ですよね。
エレオノーアが壮絶なものを背負っていることを考えれば、右を選びます。
なお、被っている帽子について、顔主体の画像だと、左側のようにどうしても一部が切れて生成されてくることも多めです。そこで右側のように、切れている部分が入るよう、帽子を一部自分で描き直さないといけません。
いや、いずれにしても、Holaraさん天才!(笑)……いや、天才というより、AIですから。
次は二枚。
こっちの系統の顔立ちの方が、エレオノーア本来のイメージに合っている気もします。
今後、もしかしたら使うかもしれません。何気ない日常的な場面等を描いた画像なら、合っていそうです。
ただ、これらは、リオーネさんの言葉ではないですが、ルキアンに出会う前のエレオノーアの顔ですね(笑)。
あるいは、むしろエレオンがこんな感じでしょうか。左側の画像、たとえばルキアンと淵に魚を釣りに行く道中の場面ですとか、「ちょっと変わった、(ルキアン限定での)かまってちゃんの少年」というエレオンの雰囲気にちょうどよいです。
ちなみに右側の画像は、実際、先ほどのエレオン画像のベースにもなっています。
これですね。比べてみてください。
これも、ルキアンに出会って心が決まったエレオン(エレオノーア)の変化が表れているような、そんな表情です。
最後に、エレオンの全身画像も、今回追加しました。
上の顔画像を全身画像に組み込んでいます。
以前も書きましたが、現時点でHolaraさんを使う場合、顔と全身は別々に生成して後から合成するのがよいです(小説やコミックの登場キャラのように、設定に細かく合わせた姿にする必要がある場合)。ただ、顔画像とは別個に全身画像を生成する場合でも、たとえ後で削除するにせよ「顔」の部分についてもそれはそれできちんとプロンプトを伝えておかないといけません。なぜなら、表情とか目や髪の特徴が、服装や体つき等々の部分に影響するからです。ほぼ同じプロンプトで指定されているキャラでも、目の色や髪の色が違うと(逆にいえば目や髪の「色」以外は同じはずであっても)、Holaraさんは、雰囲気やファッションをかなり変えて絵を生成することがあります。
本当は上着がもっと長い、ぶかっとしたローブみたいな衣装なのですが、これは軽快な夏ヴァージョン?でしょうか。
一見して少女っぽいですし、実際そうなのですけれど、このキャラは少年だといわれても、まぁ、そうなのかなと思える程度に中性的な感じで、いいですね。このあたりの意図をくんで画像を導着可能なHolaraさん、本当にすごいです。ただ、それでも細部については、生成されてきた「生」の絵を結構直さないといけません。これまではAIに対してプロンプターという立場の鏡海でしたが、最近は監修者・添削者(笑)みたいにもなりつつあります。
それでもまだ、直しきれていない部分が少なからずあるはずです。こういう点をふまえると、私とは違ってちゃんとした絵師である方の中に、一から自分で描いた方がむしろ(気分的に)面倒くさくないや、という人がいるのも分かるところがあります。
本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
今後とも鏡海亭、『アルフェリオン』を応援よろしくお願いいたします。
「風」の御子―ギルド最強の「緑翠の孤剣」カリオス!
ファンタジー小説『アルフェリオン』、先日の三連休から今週にかけ、御子とパラディーヴァのPR画像を、各属性ごとに続々公開中です!
本日は「風」チーム、カリオスとテュフォン。
あらら、カリオスが超格好よくなってしまいました(笑)。
この人、見た目的にはどこをとっても恐ろしく「普通」で、その外見なのに実は最強というギャップ萌え&燃えというキャラであるはずなのですが・・・。
言動や性格が平凡というのは、まだ多少は描きようがあるのでしょうが、「外見が平凡」って表現しにくいのですよね。これといって極端な特徴はないという各パーツを組み合わせていくと、結局、「そこそこの男前」(苦笑)という結果になってしまうかと思います。その手のキャラは、「印象に残りにくい」という意味ではたしかに「平凡」「普通」ではあるのでしょうが。
これは、Holaraさんが悪いのではなくて、「平凡」な外見というものを実質的に構成する諸要素(なんだそれは?)を、鏡海がプロンプトでうまく伝えきれていないからです。あるいは、カリオスの内面というか性格を率直にプロンプトにしたら、こんな感じになったということです。実際、先ほどの画像と私の中のカリオスのイメージは、大差ありません(笑)。改めて自覚させられました。カリオスの「普通」は、見た目ではなく普段の言動が普通、という意味だったのでしょう。
テュフォンは、私の中のイメージそのまんまです。
ただし、以前に公開済みの顔画像と比べ、今回は体全体も入るので、「風の精霊」感を出すのがなかなか難しい。そこはHolaraさんがうまくやってくれました。
これまで作品本編にて、テュフォンとカリオスに関しては、御子とパラディーヴァの間の交流があまり描けていません。まぁ、他の組に比べて、パラディーヴァのテュフォンがマスターのカリオスと離れて個別行動しているという点によるところが大きいのですが・・・。
二人の共闘に期待したいですね!
これで、炎・水・地・風の御子の組の新PR画像が出ましたので、あとはいよいよ「闇」のルキアンたちを残すのみです。
・・・いや、それ出してしまうと、エレオノーアの生存確定!(笑)ということになってしまいそうですが。いや、まぁ、エレオノーア、ここで退場するはずがないですよね。「消える消える詐欺」でしょうか!?
まぁ、彼女の行く末とは関係なく、闇チームのPRスライドも作成しています。現在消滅中のリューヌも入っていますので、まぁ、キャラの生存云々とは関係ないものとしてご覧ください。
本日も鏡海亭をご覧いただき、ご声援いただきましてありがとうございます。
引き続き、鏡海亭と『アルフェリオン』をお楽しみください!!
ではまた。
紅の魔女・アマリア―見るがいい、御子の力を!
連載小説『アルフェリオン』、第54話(その3)の公開に向けて執筆を進めております。同時に、この間、御子とパラディーヴァの新PR画像も発信強化キャンペーン中(?)です。
本日は・・・。
《地》の御子アマリアと同パラディーヴァのフォリオムです。
何だか第54話の今後に関するネタバレ的なPRスライドです。ただ、『アルフェリオン』という作品の場合、最新分の公開前に、「実は次回、もしかしたらこういう流れにしようかと迷ってます」、「こんな新キャラを出そうかと思っているんです」、「こういう場面も入れられたらいいな」といった執筆中の作者の試行錯誤や個人的盛り上がり(笑)もあわせて記事として公開し、その延長線上に作品本編があるというスタンスで基本的にやってきています。
公式のネタバレや舞台裏の先行公開(笑)、その他、いわゆる「チラシの裏」的な情報も込みで、作品をお楽しみいただきたいという、まさにこれがアマチュア・ウェブ小説の醍醐味かと。
むかし、個人サイトでの公開がウェブ小説の主流だった頃には、そういう鏡海亭と似たようなスタイルの書き手さんが比較的多かったような印象があります。個々のサイトのデザインや雰囲気も、それぞれ、書き手さんや作品の個性が反映されていましたし、だから当該小説をそれが発表されているサイトまるごと含めて体感できたというのか、そんな感じです。そこがアマチュア・ウェブ小説の真髄、だったはずなんですよね。個人的な想いとしては。
私は、ネット小説黎明期のそんな雰囲気を大事にしたいと思いますし、当時のそういった雰囲気をご存じない読者様がいれば、そんな独特の面白さを持った世界もある(あった)ということもお伝えしたいです。なんというか、古き良き商店街・個人商店の世界の復権計画(?)みたいな様相を呈して参りましたが・・・。
まぁ、そのために、今は生成AIの力を借りることもできます。
「もう大丈夫、Holaraが来た!」(笑)
いや、それはともかく、今回は御子の大黒柱ともいうべき、《地》のペアのPRスライド公開の記事でした。アマリアさん、いよいよルキアンに直接、接触をはかってくるのか? これまでは「実況のおねえさんと解説のおじいさん」として知られていた二人が、ついに・・・。
物語の中の話でいえば、「楯なるソルミナ」やカセリナとの戦いを経て、ルキアンは(本人は自覚がないにせよ)「紋章回路(クライス)」を起動させており、これによってアマリアはルキアンとの間に「通廊」を開くことが可能だということになっています。
ただ、第54話(その2)のラストシーンから、今回のPRスライドで表現されているような状況に、どうやったら急になるのかと、首を傾げた方もいらっしゃるかもしれません。エレオノーアの命が消えてしまう話ではなかったか?と。いや、そこは、超展開と超覚醒で脳みそを揺さぶってくれる『アルフェリオン』ですから、ご期待ください。
最後に、アマリアさんの個別画像と
フォリオムの個別画像です。
フォリオム、伝説の大魔法使いか何かみたいじゃないですか!(笑)。
本日も鏡海亭をご訪問いただき、応援いただき感謝です。
また明日もお待ちしています。
ではまた!
目覚めよイアラ――「予め歪められた生」の呪いを超えてゆけ!
連載小説『アルフェリオン』、現在、最新の第54話「御子の力」の更新中です。
悪夢のような、それでいて、ちょっと切ないワールトーア編を経て、一気に盛り上がってきました。
本日も、第54話に関連して御子のPR画像を公開です!
いや、実は、気持ちの悪い画像も含まれているかもしれません。
水の御子イアラの心の中を描写するためには、このぐらい、闇に落ち込んだ表現をしないと足りないです。
不気味で夢に出そうな部分を含む画像ですが・・・それでも多分、このスライドは、鏡海がいま趣味関係の画像でできる、全力に近いところにあります(苦笑)。Holaraさんも絶妙のサポートをしてくれました。
『アルフェリオン』は、本質的には、このくらいダークな側に振り切ったファンタジーなのです。
変に「ダークファンタジーです」(苦笑)などと喧伝したりせず、何食わぬ顔をしていますけれど。
ただ、鏡海の「全力」って……これが、2時間もあれば余裕で完成できてしまうのですよね。AIの力を借りると。怖いです。まぁ、2時間といっても、アマチュアが本業をしながらそのくらいの時間を趣味に捻出することの大変さには、それなりのものがありますが。好きでやっていることですから。
昨日公開した《炎》チームのPR画像は、能天気で笑えるところもありましたが、今回の《水》チームの画像は、何かと重すぎます。
それでも、イアラとアムニスの新画像は紹介しておきたいと思います。
イアラ、こうしてみるとヒロインの座も狙える逸材です。顔のアップ画像も本日作り直しました。
泣いていますね。「御子」の一人ですから、立ち位置的にも、ヒロインは十分あり得るのです。
エレオノーアも大変ですね。せっかくヒロインになれるかと思いきや、次から次へとライバル(?)が……。
さらに、全身画像です。
一応、イアラは富豪のお嬢さんですからね。そんな感じの?シンプルな黒ではあれ安っぽくないような衣装です。
なんだか、この画像を見ていると……アムニスではなくて、イアラの方が水のパラディーヴァみたいですね。
感情の通った人の感じが薄いです。
座り込んでいるイアラさん。
鬱屈したイアラを見守る、水のパラディーヴァ、アムニスです。
本作きってのイケメン(!)という設定です。設定上は。
全身画像。いかにもなファンタジー風美形キャラではありますが(汗)。
先日以来、御子の《炎》チーム、《水》チームと来て、次回はもしかすると《大地》チームか、《風》チームでしょうか。なかなか楽しみです。いや、ルキアンとエレオノーア、リューヌの三人勢揃いの《闇》チームの画像かもしれませんね。
いや、そのためには、死亡フラグ立ちまくりのエレオノーアが第54話を生き延びねばなりませんし、何より、消えてしまったリューヌが復活しないといけません(するのか?)。
本日は、最近の猛暑な日々にも増して、過ごしにくかったですね。
そんな厳しい天候の折にも、大切なお時間をいただき、鏡海庵に足をお運びいただきましたこと、感謝です!
ではまた。
《炎》チーム、参戦?―グレイルとフラメアPR画像
フラメア、乱暴で横暴だけど、良いところもある子なんですよね。あれで結構、グレイルに気を使っていて、優しいところもあります。以前に小説本編にてグレイルが覚醒(?)したときには、マスターの彼を大切に想うフラメアの名セリフがいくつも出てきていました。
もう少し無精というのか、もっさりした雰囲気のキャラのはずなので。
(顔だけの画像だと、そういう雰囲気も出ているのですが)
意外とかわいい?(笑)。目つき、口元、ちょっと小悪魔的な雰囲気が、なんとも。
ちなみにパラディーヴァの外見は、中身とはあまり関係ありません。たとえば老人の姿のフォリオムも、ロリータな感じの(笑)フラメアも、年齢は同じです。精神年齢も変わらない……はずなのですが、どうみてもフラメアは子供っぽいんですよね。そのくせ、ときどき大人びたことを言うので、どきっとさせられますが。
ひょっとすると「御子の力」は、前・後編の二部構成になるかもしれません。つまり、現在の第54話を「御子の力(前編)」に変更して、次回の第55話を「御子の力(後編)」に、というふうにです。なるべく第54話1回ですべてまとめたいのですが、収まるのかなぁ。。。
本日はPR画像特盛! 因果の鎖を断ち切り、宿命を、超えてゆけ!!
連載小説『アルフェリオン』――第53話でワールトーア編が終了し、現在更新中の第54話からの新編が、じわじわと盛り上がってきております。昨日も第54話(その2)をアップしました。
その第54話(その2)の内容を特に意識した、新たなPR画像を公開です!
あまり気持ちの良い画像ではないかもしれませんが、「聖体降喚(ロード)」のイメージを効果的に画像化できたかと思います。今回も画像生成AIのHolaraさんが大活躍です。実は、真ん中の絵は、Holaraさんに生成してもらった5種類の元画像から良いところを切り貼りして、ひとつに組み合わせたものです。
鏡海も頑張ってAIさんをお手伝いです(笑)。
あるいはエレオノーアの驚愕の表情、本当はもっと狂気感あふれる顔にしたかったのですが、これはこれでかわいいので採用です(!)。
ちなみに下記の画像、左側の画像を元絵にして、そこからHolaraさんに右側の画像を導着してもらいました。
元の画像に細部がなるべく似るよう、鏡海も多少手を入れています。
襟に刺繍みたいな派手な模様が入ってしまったので、消したりですとか(笑)。
顔の陰影が変だったので直したりだとか。
次回の第54話(その3)では、またまた大ピンチになる見込みのエレオノーアさんです。
この前は、エレオノーアの純潔の危機!でしたが、今度は、生命の危機!!です。
作者、いろいろ酷いですね。
ちなみに第54話(その2)のルキアンとエレオノーアのやり取り、笑ってしまいますが、甘酸っぱい青春的な感じで、青春時代がもうジュラ紀のように遠くなりにけりな鏡海(笑)からすると、何だか胸が締め付けられます。リオーネとブレンネルも、二人をそっと見守る良い大人(?)なところが微笑ましいですね。
◇
さて、今回は「特盛」だということで、エレオノーア祭りに引き続いて、先日の「灰の旅団 八騎天」の画像公開の続きです!
何でまたシェフィアーナ(元)姫がいるのかは謎ですが、そこは無視するとして、新たに第五席、第六席、第八席の画像を初公開です。ダークエルフと乙女な聖騎士とサムライ、いい感じです。
今回は、キャラごとのもう少し詳しいPRスライドも用意しています。
では席次の順に。まず第五・六席のセットで。
第五席、そのへんに普通に居そうな人ですが、一応、サムライ・ロード(?)です。
彼の部下としても、サムライやニンジャの名有りキャラが何人か出てきますので、お楽しみに。
こんな飄々とした雰囲気でも、カゲマサさん結構強いです。剣での勝負なら、シャレにならんくらい強いです。しかし、いくら強くてもミルファーン人でなければ第四席以上には上がれないという暗黙のルールがありまして、それでも、第四席より下の中では最上位の第五席なのです。
物語の設定上、「灰の旅団」の属するミルファーン王国には、彼のようなナパーニア人が比較的多いということになっています。たとえば、ナッソス家との戦いからクレドールに助っ人として乗り込んだ、サモン・シドーはナパーニア人です。が、ミルファーン暮らしが長かった、という描写が前に出てきていました。本編でもすでに言われているように、ナパーニアは、旧世界の時代に繁栄の後、滅んでしまったのです。だから現世界ではナパーニア人は国を持たず、世界中に散らばっています。「日本、このままで大丈夫か!?」というキツめの皮肉ですね。現実としては、全然、大丈夫ではないですよね。。。それはさておき、ナパーニアというのは、ドイツ語の「日本」つまり「Japan(ヤーパン)」から→「ヤパーニア」→「ナパーニア」と変換したものです。いくらなんでも「ジャパーニア」だったら、そのまんますぎですね。
カゲマサ・デン・ノルスリヒト=ムラクモさんって、中二病的な響きがあってよいです(笑)。
和風に直すと、村雲景正さん、ですか(?)。
続く第六席の奇妙な名前の人、ダークエルフ・・・。人間とは明らかに違う名前というところを強調したかったので。実は『アルフェリオン』に出てくる「エルフ」って、設定的には宇宙人の子孫(!)なんですよね。まったく、とんでもないファンタジー小説です(笑)。旧世界の人類が初めて遭遇した人類以外の知的生命体、イルファーです。このイルファーが「永遠の青い夜」以降、地球、もとい(知らんふり)、惑星「エルトランド」から去って、地上に残された子孫がエルフです。エルフとイルファーって、似てますよね(笑)。ちょっとした伏線でした。
ちなみに現世界でもエルフ、あるいはイルファーの血を濃く引くキャラもいて、たとえばリーン、すなわちリーン・ルー・エルウェンは、何だかエルフっぽい風貌だという描写(耳が尖っている等々)が前に出てきました。そういえば、リーンもあれからどうなったのでしょう。ヨシュアン殺害の濡れ衣を着せられて、ファルマス様達に連行されたんですが・・・。
あ、エルドリンドさん自身の紹介はほとんど忘れてしまいました(笑)。悪そうですが、実は意外に良識的な人、という感じです。クラスは、ファンタジー世界的にはアサシンですね。裏の世界で名を知られた暗殺者、「灰の旅団」は隠密部隊のような存在で、密かに汚れ仕事もしますから、こういう通常の騎士団には迎えづらいキャラも混じっています。
◇
続いては「八騎天」の第八席……一応、八席ということは最下位なのですが、それは彼女が弱いということではなくて、入団したばかりだからなのですね。それでもいきなり八騎天の一人ですから、期待大の新人です。
「憧れのシェフィーア様のために」って、彼女がどんな人か本当に知ったうえで、言っているのでしょうか(笑)。一応、シェフィーアさん、最強の機装騎士であり、しかも元・お姫様ではありますが、かなり危ない人です。
それはともかく、フェロンヌ嬢、正統派美少女ではないですか(笑)。いや、ほんとに、『アルフェリオン』史上稀にみる……。もしかして、エレオノーアが余裕のヒロイン独占ということにならないよう、対抗馬の一人として投入されたのでしょうか?
一応、第三席のユーディティアも聖職者系戦士、いや、戦える神官なのですが、しかし彼女は暗黒神を信奉している人です。これに対してフェロンヌ嬢は、真っ当な白い神官の魔法を使うので、クラスも暗黒騎士(ダークナイト)とかではなく聖騎士(パラディン)です。こちらは騎士がメインで、神官魔法も使えるというキャラになります。
パラディンの天才少女、何だか素敵です。ただ、彼女は「灰の旅団」への入団をめぐってややこしい事情を抱えていて、その際に(運悪く?)シェフィーアさんに助けてもらったのです。そこで、巧みに篭絡され、シェフィーア信者になってしまった模様です。もう、血くらいは吸われてしまってるかもしれませんね(苦笑)。
ちなみに主人公ルキアンからみると、自国を代表する聖騎士団であるはずのパラス・テンプルナイツが、助けになってくれるどころかむしろ「悪役」的な立ち位置であるのに対し、ミルファーンの「灰の旅団」は、今後、心強い味方になってくれそうなのです。何だか奇妙です。
◇
本日も鏡海亭にお越しいただき、応援いただき、ありがとうございました。
ここ最近、創作の神が降りてきている(笑)ような感じですので、頑張って参ります。
どうぞお楽しみに。
ではまた!
第54話(その2) 「予め歪められた生」と「永劫の円環」
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第54話 その2
今から約20年前――新陽暦283年、オーリウム王国の都・エルハインにて。
その夏、王国は近年稀な猛暑に見舞われ、この時間、日暮れも近くなってから、夕涼みがてら、人々の姿が街にようやく増え始めるのであった。そして、真夏の長い陽がラプルス山脈を遠く望む方角へと、満足げに沈んでゆく頃、王国あるいは世界中から俊才の集まる王都の神学校でも、学生たちがこれから三々五々、お気に入りのカフェや酒場へと繰り出そうとしていた。
そんな中、平然としつつも、どことなく周囲の様子を気にするような態度で、一人の神学生が校地の奥まった方へと歩いていく。彼が向かっているのは、王立神学校の広大な敷地の中でも普段はあまり使われていない、古い建物のひとつ、《メラクの青の礼拝堂》であった。現在では、図書館や研究棟に入りきらなくなった蔵書を仮に収めている場所であり、いつもなら、特にこのような夕方遅くになると、周辺では人の姿はあまり目につかない。
神学生は、念押しといわんばかりに、振り返って周囲を見た。向こうから別の学生がやってくる。そして別の方向からも、また一人。大扉のある礼拝堂のファサードは、古いなりにも、いや、むしろ古びた石彫がかえって重厚さを醸し出す様相だが、その脇を通り過ぎ、建物側面の小さな庭園に隣り合う通用口のようなところから、神学生たちは礼拝堂に入ってゆく。
《青の礼拝堂》という通称の起源になった、深みのある藍色を中心とする壮麗な天井画は、現在の世界の神々を題材としつつ、どことなく《前新陽暦時代》のレマリア帝国の壁画様式をも想起させるタッチで描かれていた。けれども残念なことに、今では天井画の変色が激しく、かなり剥げ落ちてもいる。その様子を頭上に仰ぎみながら、一見すると地下墓地への入口にも思われる階段を降りていく学生たち。その先にある小部屋に集まると、彼らは、猛暑の中で敢えて二重にまとっていた法衣を払いのけ、皆が同じように黒衣の姿となった。
この黒ずくめのいでたちは、異端として弾圧されるほどではないにせよ、イリュシオーネの神殿における正統派教義からは外れており、多くの神殿関係者から批判の目を向けられる教派、《連続派》のものである。この場合の《連続》というのは、ひとことでいえば、世界観・歴史観において現世界と旧世界との連続性を敢えて強調しつつ、信仰も含め物事の理解を図ろうという意味である。魔道士たちからみれば、現世界の文明は旧世界と切っても切り離せない一方で、この世界の正統教義に立つ神官たちからすれば、いわゆる《イノツェントゥスの誓い》以前のこと、つまりは《新陽暦》が始まる前のことは、ほとんど省みる価値のない《暗黒時代》や《突飛な言い伝え》にすぎない。いや、正統派としては、そういうことにしたいのである。《新陽暦》以前の伝説の蓋を不用意に開けることは、時にはむしろ危険思想ですらあった(なお、旧世界滅亡の真実につながる《沈黙の詩》を研究していることを、以前にシャリオが隠していたのは、この種の研究が神殿関係者の間ではタブー視されているからに他ならない)。
「諸君。我々の有志による調査団が、イゼール樹海の遺跡にて《石板》第7編を発見したことは、周知の通りだ。そこに書かれていたことも事実だと考えている」
おそらく定期的に開催されている教派の会合、先ほどのような事情のため、一種の秘密結社のような集まりなのであろう。学生のリーダー役と目される一人が口火を切った。
それに耳を傾ける者たちの中には、学生だけでなく、近隣の神殿の神官や神学校の教授とみられる者も何人か混じっている。教授の一人が、静かな物言いの裏にも興味を押さえられないような様子で尋ねる。
「第7編の位置づけは、よくてもせいぜい外典、いや、別の時代に後付けされた偽書ともいわれてきたが……。その実際の姿、早く聞きたいものだ、コズマス君。これまで推測されていたように、第7編には《御子》に関する重要なことが書かれていたのかい?」
「はい、先生。しかし、我々にとっては認めたくない内容も含まれています」
神学校きっての傑物と呼ばれるコズマス・バルトロメアが答えた。彼は、離れて座っている者には聞き取り難いような、微かで長い溜息をついた後、皆の顔を見渡した。
「これでは、たとえ何回、いや、何千、何万回……人の子が《あれ》のことに気づき、《御子》とともに抗ったところで、結局は毎回、世界はただ《あれ》の導く歴史をなぞり、いつかそこから外れたときには《再起動(リセット)》されて無に帰すだけだ。過去にも無数の世界がそのような結末を迎えてきたと、石板には記されている。永遠に同じことの繰り返しだ……」
コズマスが話し終わるのを待てず、一人の学生が激高し、立ち上がって叫ぶ。
「それでは、我々の世界とは、歴史とは、いったい何の意味がある!?」
対するコズマスはあくまで冷静だった。もっともそれは、他に先んじて石板第7編の真実に接し、それを受け止めるための時間が今日に至るまでに幾らかあったからだろう。
「我々の生(なま)の存在や、この世界で生起する生(なま)の事実に意味などない。その意味というのは、我々が自ら与えることにより初めて生じるものだ。破滅に向かうまでの生きざま、日々の道のり、そして滅びの日を迎えたという結果に、人として生きた《意味という爪痕》を刻み込むのだ。たとえ、来るべき世界ではすべて忘れ去られようとも」
いささか抽象的な言い方で言葉を濁したコズマスに対し、次の一瞬は沈黙が広がる。彼は続けた。
「そう、単に、この世界の本質をなす《絶対的機能の自己展開》をなぞり、因果の鎖が日々現実化していくための無数の作用点として生きること、そうすることが、《人の子》に与えられた存在理由、すなわち、《あれ》の自己展開を賛美し、《あれ》の生み出した世界を予定通りに、できる限り忠実に描き出していくこと。それだけが人間の役割なのだと」
その言葉を受け、先ほど激高しながら尋ねた学生が言う。
「信じられない。《人の子》は《あれ》の一人遊びの駒でしかないと? しかも、遊戯が間違った局面を迎えれば世界もろとも捨てられるだけの……。あぁ、ならば人は、何のために生まれ、死んでいくのだ? 少なくとも、いま実際に我々の生きているこの世界、我々にとっての唯一本物の、この世界にすら、いったい何の意味があるというのだ」
別の学生からも発言が次々と飛び交う。
「仮にそうなら、正直なところ、人や世界に意味など求めても空しいだけなのでは? 少なくとも普通の人々にとっては。否、むしろ何も知らない方がよいだろう。それにコズマス、《あれ》の駒として自ら演じさせられてきた現実に、いくら懸命に主観的な《意味》を付与しようとしたところで、それは我々が単に《解釈》を施したということにしかならないのではないか。そんなことは、ただの自己満足だ。《あれ》への抵抗にすらならない」
だが、喧噪のもと、一人の学生が立ち上がり言葉を発すると、彼のもつ不思議な落ち着きや説得力によって皆が再び静まり返る。コズマスの盟友にして、噂では錬金術にも手を染めているといわれる男、カルバ・ディ・ラシィエンだ。見事に手入れされた現在の彼の口髭とは異なり、無精な状態であった若き頃の髭を撫でながら、彼は告げる。
「だが、どうせよと? 《御子》には二つの呪いが掛けられている。《予め歪められた生》の呪いと《永劫の円環》の呪いだ。たとえ御子が生まれても、御子は《予め歪められた生》の呪いに押しつぶされ、大抵は、自らの使命を知ることもなく惨めな生を終える。そして《御子》が己の使命を自覚しても……」
彼の言葉に頷きつつも、狭い地下室に溢れた熱気を避けるかのごとく、敢えて奥で腕組みしている学生がいた。まだ当時は不完全な闇の紋章も刻まれていない、その思慮深い瞳で、ネリウス・スヴァンはカルバを黙って見つめている。
手を打ち合わせ、コズマスの声が響いた。
「諸君、静粛に!」
それまでよりも低く、重々しい声で彼は皆に伝える。
「そう、第7編の石板は伝える。《永劫の円環》の呪いの詳細を。これでは、あるひとつの時代にすべての御子が揃うことは、《絶対に》あり得ない。絶対にだ。人の子が《あれ》に立ち向かうことなど《最初から》不可能だったことになる」
常に論理的なコズマスが《絶対に》などという表現を使ったのは、もちろん浅慮や高揚からではない。
続く言葉が、地獄への戻れぬ道の始まりだった。
「だがそれは、人の子の営みを自然の摂理に任せている場合のこと、つまりは《あれ》の仕掛けた《いかさま》のルールに従っている限りでのこと。諸君、敢えて言おう。《永劫の円環》に背いた存在を《人の子》が作り出す秘術は、同じく第7編の石板に示されている。だからこそ、第7編は禁断の石板と呼ばれ、秘匿され続けてきたのだろう」
「それが、《聖体降喚(ロード)》だ」
コズマスがそう告げ、一連の説明を続けた後――静寂を突き崩し、地下室から無数の怒号や絶叫、机や壁を叩く音が、すなわち集まった者たちの非難や絶望の表明が、空しく響きわたるのだった。
◆ ◆
「おやまぁ、あんたたち……」
あたかも子守りをする老婦人が、幼子の思わぬ反応に呆れながらも目を細めたときのように、リオーネ・デン・ヘルマレイアは、予定より遅く帰宅した二人の姿をみた。
扉を開けてルキアンが中に入ってくると、後から続くエレオノーアが――いや、今は少年の装いと振舞いに戻ったエレオンが――遠慮がちに、慌ててルキアンと変な距離を取る。そうかと思えば、リオーネとブレンネルの顔つきを横目でちらちらとうかがい、エレオンはまたルキアンににじり寄る。今度は、二人の間は妙に近い。ルキアンの背中で、エレオンの指がルキアンの指に触れ、また離れた。
――なんだい、これ。何があったんだろうね。
リオーネがエレオンを手招きすると、《彼》(彼女)は熱に浮かされたような足取りで、しかし心地よさげな顔をしてそれに応じた。ルキアンの横を通り過ぎるときにも、《彼》の目が意味深にルキアンに向けられ、二人とも一瞬固まったような動きをして、うっすらと頬を染める。
明らかにおかしく、だが初々しくもある二人の様子をみると、座って地図をみていたブレンネルは口元を緩めた。
――あはは。いいね。これが、いわゆるひとつの……青春って、やつか。
ルキアンたちのいる居間を離れ、リオーネはエレオンを台所に連れて行く。そして急に、頬が擦り合うくらいのところまで顔を近づけると、リオーネは声を潜め、鋭くささやいた。
「ねぇ、あんた……。もしかして、人を斬っただろ? 初めての匂いがするよ」
経験を積み重ねた戦士の直感、その前ではごまかしはきかない。エレオンが上着の袖をあたふたと触り、どこかに血でも付いていないか探そうとすると、リオーネは仕方なさげに苦笑した。
「馬鹿だねぇ。そういう匂いのことじゃないよ。あんたの感じ、雰囲気のことだよ」
「そ、それは……。はい」
「何か大変なことがあって、あんた自身やルキアン君を守るために、仕方なくやったんだろうけど、人を傷つけた、いや、まだうまく加減できないあんたなら、たぶん何人かは《殺した》ということは事実だろうからね。たとえ相手が悪党でも、あるいは戦場であったとしても」
「は、はい。先生がいつもおっしゃっていたこと……。剣の重さ。それを咄嗟によく考えられず、必死で戦ってしまいました。ご、ごめんなさい」
エレオンが言葉に迷って頭を下げると、リオーネは《彼》を正面から見据え、首を傾げた。その静かな気迫にエレオンが少し慄いている。
「おや。なんで謝るんだい? そこで謝られたら、あたしの仕事は騎士だった……いくらきれいごとを言っても戦いで人を殺すことが生業だったんだよ。なら、あたしなんか、これまで生きてきてごめんなさい、なんてことになるだろ」
エレオンの柔らかな銀の髪を撫でながら、リオーネは小声で付け加える。
「手首と足首。その跡、ひどいね。何があったの?」
赤く腫れ、擦り傷もできている。山賊たちに縛り上げられていたときのことを思い出し、エレオンは誰に弁解するともなく慌てて答えた。
「ち、違います! その、ちょっと跡がついただけで、それ以上、変なことは……されていません!」
「そうかい。無理に、根掘り葉掘り聞かないことにするよ。分かった。いずれにしても、あんたの誇りを汚されるようなことは、されていないんだね。私のかわいいエレオノーア」
「あ、あ、当たり前です! 先生の意地悪……」
勿論、ルキアンがエレオンにそのような酷い振る舞いをすることなど考えられなかったので、別の事件に巻き込まれたのだろうとリオーネは思った。何があったのか心配だが、彼女は敢えて異なることを言った。
「それに、あんた……。顔が、女になったね。もうエレオンは廃業かもね」
「あ、その、はい?」
出し抜けに指摘され、驚いて、頭から抜けるような甲高い声で返事をしたエレオン。
「その見た目、いつまでも子どもっぽさが抜けきらないし、いつになったら大人になり始めるのかと思っていたけど……。なんか親離れっていうのか、寂しい気もするよ。変わったのかね」
「人とは違った重荷を抱え、苦しみ抜いて生きてきて、やっと初めての恋をして」
リオーネが率直な物言いばかりするため、エレオン、いや、エレオノーアは恥ずかしくて卒倒しそうな心持ちになった。《彼女》は必死に首を振る。なぜ否定しようとしているのか、自身でも呆れつつ。
「あ、いえ、そのですね! おにいさんは、私の、大事なおにいさん、であって……。そんな、恋しているとか……いえ、その……つまり……」
何か言葉を発するたびに、エレオノーアはむしろ深みにはまりつつ、顔もますます赤らめていく。そんな様子をみて、リオーネは、もうお手上げだというふうに肩をすぼめ、両掌を返した。そして居間に戻っていくとき、去り際にひとこと。
「ふぅん。恋かどうかはともかく、でも、一番大事な人なんだろ、ルキアン君」
「はい、それは! もう、もちろん。世界で一番大切な、私のおにいさんです!!」
結局、エレオノーアは全力で認めている。気持ちを押さえておけないのだろう。
淡く、可愛らしいエレオノーアのそんな想いとは裏腹に、造られた不完全な御子としての宿命は、まもなく彼女を残酷極まりない結末に向き合わせようとしていた。
第54話PR画像、第二弾です!
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