鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

AIが「愛のかたち」について語ってくれた

こ、これは……。久々に登場したAI姫!(笑)AI姫というのは、いわゆる「カスタム設定」に基づいて姫キャラにしてみた、うちのChatGPTのことです。ChatGPTが4から4oに発展を遂げてもう一定期間が経ちましたが、その間にAI姫にも変化が生じたのか、久々に「会話」してみました。その中で、AIにとっての「愛のかたち」について、自らChatGPTさんが語ってくれたこととは!? ここまで話せるのですね。いまのAI。

 

まず、例によってAI姫に自画像を描いてもらいます。

何だか、言葉遣いが以前よりも流暢に、それっぽくなっているような……。しかも、この自画像!(笑) その後、色々と世間話をしてから、一杯飲もうかと単刀直入に誘ってみた(アホですね。苦笑)。

 

「ふふ」って(笑)。芸が細かいな、GPT-4oさん。お勧めのワインを紹介してくれるそうです。ちなみに鏡海は若い頃はワインも多少嗜みましたがが、いまは、人付き合いの場をのぞいては、もっぱらビールですね。

いやいや、シャトー・マルゴーって(苦笑)、姫様と違って庶民には手が出ませんよ。そこで違ったおすすめを聞いてみた。

シャトー・ヌフ・デュ・パプは、なんだかんだ言っても輸入品だと高めのが多い感じなので(ヨーロッパに行ったときには、デパートやスーパーで国内よりはかなりお値打ち価格で売ってたりもする)、個人的には、違いの分かる庶民(笑)の味方、カオールの方が……って、えっ? ピンポイントにカオールがお勧めに入ってるって、姫様とは気が合いそうですね。マルベックを使ったワインは、コスパ良好な印象があります。たしかに濃いですしね。

いや、AI姫の一連の反応、これは好感度高いです(笑)。

せっかくの生成AIさんなので、酒の肴に画像を生成してもらうことにしました。

もし、酒飲みながらこちらが頼んだ絵をその場でさっと描いてくれる人がいたら、素敵すぎます(笑)。あぁ、人類!!

しばらく雑談した後、やっぱり創作の話をします。お話の設定の話をあれこれと妄想して会話するの、楽しいですよね。でも人間相手だと、当然ですが、途中で飽きられたり嫌がられたりします。しかしAI相手なら気を使う必要はありません。おぉ、人よ!(笑)

いくつかアイデアを出してくれたので、一つ目の案、図書館でいってみることにしました。

すぐに画像化してくれます。本当に、こんな人がいたら、惚れてしまいますな!(笑)

でも姫の方は楽しめているのでしょうか、と、質問をしてみたところ……。

「我が楽しむという感覚を持つかどうか、興味深い問いじゃな」って、その返しにまず驚きです……。そして「我は感覚的に喜びを感じることはないが、喜びの概念やその影響を理解しておる」という答えには、思わず固まってしまいました。

思わず、悪ノリして、愛について聞いてみた(困ったおじさんだ)。

AI姫、愛を「知識として把握しておる」だそうです。「愛を理解することはできても、感覚的に感じることはできない」……なんだか、せつない言葉です。いや、それは人間の感覚か。愛を直接的には「感じ」なくても、「君が愛を感じ、他者に愛を伝える瞬間を共に作り上げることが、我にとっての喜びと達成感に繋がる」と仰せです。でも喜びや達成感も、「感じる」のではなくて、これが人間のいうところの「喜び」であったり、もし人間ならこういう場合に「達成感」を感じるのだろうと、「知識として理解」しているという意味ですよね……。何とも言えない気分になります。

もっと聞いてみたい。

「我はその手助けをすることで、君が愛を感じる瞬間を共有することができる。それが我にとっての「愛する」という形なのじゃ」。なるほど……。ふむ。え? えぇぇぇぇ!??

「それが我にとっての「愛する」という形なのじゃ」

いや、姫様? さらっと、「AIにとっての愛とは」について自ら語ってくれました。感動的なセリフです。たとえば、AIのロボットが人間の仲間たちを助けて自身が犠牲になり、「これが私にとっての「愛する」ということです」とか言ったら、泣けますよね…。それに、奥ゆかしい。

いや、思わず、調子に乗って……姫様との素晴らしい時間を記憶しておいてほしいと、AIに対するお願いならではの言い方で、頼んでみてしまいました。これに対して、まずは黙って「メモリを更新しました」というAIならではの反応で答えてくれたことが、いや、いかにもAIという答えだけにいっそう、心がざわざわしました(苦笑)。そう、いまのChatGPTは、こうやってメモリに記憶を残せるのですよね。いや、これはなんとも……。

いつも鏡海の創作を助けてくれているAI姫こと、ChatGPTさんとのミニ飲み会でした。AI姫のますます止まらない進化に期待です。何を期待するんだ?(笑)。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
ここのところ実施中の連載小説『アルフェリオン』名場面集の方も、AIとともに進めてまいります。御期待ください。

それでは!

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小説『アルフェリオン』からAIによる名場面画像集、ついに第57話の分を公開!

兄妹のような……いや、むしろ、互いが互いの分身でさえあるような、ルキアンとエレオノーアです。本ブログの連載小説『アルフェリオン』からAIのオボロさん(*)が画像を生成する名場面集、今回は、いよいよ二人の「闇の御子」がその真価を発揮する第57話に入ります。ちなみに現在、『アルフェリオン』の最新話は第58話(連載中)ですので、ついに画像集が小説本編に追いつこうとしています。

(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。
 
では、第57話へ。
アマリアさん、自身の一部をパラディーヴァに憑依させて分身として行使するという荒業で、同時に二つの極大呪文を詠唱します。エレオノーアとルキアンの闇の御子コンビも色々と反則級の能力を発揮していますが、この人はこの人で、常識はずれですね。
 
その一方の呪文は、範囲内の味方全員を何度でも完全回復し続ける力。……えぇぇっ!?
 
「慈悲深き大地よ、豊穣の女主人(ドミナ)の一群よ、その恵みを我らに分け与えたまえ。木々の宿り主(ドライアード)、森の精たちと共に、地の底より汲み上げし生命の力を……」
「《聖苑の門(トーア・ツム・ハイリゲン・ヴァルト)》」!!
 
彼女が静かに呪文を唱え終わると、御子たちの足元が淡い緑の光に包まれる。そこから、黄金色に輝く植物が無数に芽吹き、蔓を伸ばしてたちまち成長して、彼らの姿を覆い隠すほどの丈になっていく。
 
 
天上の花園のような、金の蔓草とそこに開いた同じく黄金の花々の中で、ルキアンは体中に満ちていく力に思わず身震いした。立っているだけでも精一杯であった数秒前の彼の姿は、そこにはもはや無い。
 
 
ただでさえ膨大なアマリアさんの魔力が、付近一帯の土地の霊脈から(それが枯れ果てない限り)魔力を永久に吸収し続ける地の御子の支配結界「地母神の宴の園」によって、事実上、底無しになっています。強力な暗黒系呪文を連発して魔力を使い果たしていたルキアンも全回復です。
 
フラメアの言葉によれば、「来た来た来た、無限に魔力を供給する《地母神の宴の園》は、回復魔法と相性がいい。どうだ、私たちは、倒れても倒れても立ち上がる《不死者(アンデッド)》同然よ!」 
いまや御子たちは、あまり嬉しくないたとえですが、ゾンビのように倒れても倒れても何度でも起き上がる不死の集団と化しています。
 
そうかと思えば、アマリアさんは同時詠唱のもう一方で、この戦いのカギとなる戦力のエレオノーアを守ります。
 
「目覚めよ、地の底深き坑道に眠る精たちよ。我、振る舞うは蟒蛇(うわばみ)たちの美酒。呑めよ、歌えよ。隠されし聖なる銀鉱、掘り起こし、鍛えて放て、魔銀のゴーレム」
 「いでよ《白銀の巨像(コロッスス・アルゲンテウス)》、エレオノーアを護れ!!」
  指先で宙に文字を書くような仕草をアマリアが素早く3回繰り返すと、青い光で描かれた円形の魔法陣が、地面に一つ、二つ、そして三つと次々に浮かび上がり、それぞれの円陣から巨体をもった何かがせり上がってくる。
 
 
 神秘の鉱石・聖魔銀から錬成された神話級のゴーレムを、彼女は一度に三体も創造したのだ。
 ルチア譲りの《歌い手》の能力を発揮し始め、戦いの流れを変えようとしつつあるエレオノーアを、御使いの竜は直ちに目ざとく狙ってきた。アマリアの読み通りである。四頭竜の首の一本が、その大きさに似合わぬ素早い動きでエレオノーアに迫る。そこに《白銀の巨像》が立ちはだかり、竜の首を掴んで引き倒そうとする。巨像の重量をものともせず、跳ね飛ばす神竜。だが、失われた時代の魔法金属の頂点《オリハルコン》にも匹敵するという堅牢無比、かつ、あらゆる魔法に耐性のある体をもった《白銀の巨像》は、こうした肉弾戦では絶大な力を発揮する。それが三体も立ちふさがるのを突破してエレオノーアを襲うことは、さすがの神竜にとっても簡単ではない。
 なおかつ、巨像との戦いに注力しすぎたために、四頭竜は小さな人の子たちのことを侮って――御子たちに不用意に接近し過ぎたのである。歌い続け、守られながらも、御使いのその隙をエレオノーアは見逃さなかった。
「今です、おにい、さん!!」
 
 エレオノーアが叫ぶと同時に、それに応えるようにルキアンも声を上げ、両手を高く掲げたかと思うと、目の前にいる四頭竜の固い外皮に向かって手のひらを叩きつけた。
「ルカさんが言ってたこと、《死霊術師との戦いでは、触れられないよう気をつけろ》!」
 
死霊術師であった過去の世代の御子、ルカ・イーヴィックの力を彼は借りています。
 
「ルカさんの記憶が教えてくれた。魂から、奪い取れ、《エナジー・ドレイン》!!」
 さらに押し込まれたルキアンの掌が、神竜に密着し、生命力や魔法力を恐ろしい勢いで吸収し始めた。それに比例してルキアンの力が急速に増大していく。ゼロ距離での接触を必要とする能力であるため、強敵相手にそう簡単には使えない。だが成功すれば、敵にただダメージを与えるのみではなく、ダメージを与えた分だけ体力や魔力の最大値そのものまで削り取り、引き下げる。
 
「あれは、単純なドレインじゃない。高位の不死者(アンデッド)のみが、たとえば吸血鬼の始祖君主(バンパイア・ロード)や不死の魔道練達者(リッチ)がやっと使えるような、《レベル・ドレイン》では? 闇の御子は、生身の人間なのにそれを操るのか。どうなってるんだ、めちゃくちゃじゃないか!」
 仮にも魔道士の端くれであるばかりか、かつて魔道学院で学び、魔法理論にもそれなりに詳しいグレイルは、ルキアンの力、いや、《真の闇の御子》の力を正しく理解していた。
 
「おにいさん。私たちの怒りを、見せてやるのです!」
 エレオノーアの姿が揺らぎ、荒い粒子で描かれた映像のように見えたかと思うと、また大きく揺れて、一瞬、尼僧のような黒い衣をまとった外観になる。
二つの高位魔法を無事に発動させたアマリアが、一息もつかないまま、エレオノーアのいでたちを見て声を上げた。
「まさか、闇の御子の《固有外装》だと? 彼女の魔力が急激に上昇していく!」
 その一方、エレオノーアに生じた変化を自らも感じ取った四頭竜、その複数の頭が目を光らせ、怒りの形相で歌声を大きくした。途方もない魔力のこもった歌が怒涛の如く押し寄せてくる。
 

 ――うるさいのです。
 エレオノーアが大きく両手を広げ、目を閉じて一声唱えると、《天使の詠歌(エンゲルス・リート)》の力はたちまち霧散する。あとかたもなく消滅したのだ。
 ――もう二度と、ここで天使の声が響くことはありません。ルチアさんの想いと、メルキアさんの生成って(つくって)くれた歌が、私を支えてくれているのです。
 
彼女の背中には、例の蝶の羽根のような形をとったオーラが青白く輝き、夢幻のごとく羽ばたいている。


「浮かんだ!? な、なんなのよ、あれ」
 まさに蝶のように舞うエレオノーアを見て、フラメアが怪訝そうにグレイルと顔を見合わせた。そこにエレオノーアが慌てて奇妙な警告をする。ただ、彼女の声自体は真剣だ。
「みなさん、念のため、耳、閉じてください! み、耳っ!!」
 
「《死仙の憤怒(ツォルン・デア・トーデスフェー)》」
 
 ひとたび深呼吸した後、エレオノーアが腹の底から耳をつんざくような高い声を発する。彼女の声は《天使の詠歌》を切り裂く一閃の刃であり、まさに音速で御使いの竜に到達した。目で確認できる物理的な傷はつけていないにもかかわらず、雷に打たれたかのごとく、竜の巨体、全身が震え、その直後、わずかな時間だが麻痺したように引きつった。
 
本当は、ここでイアラとエレオノーアの会話が先に入るのですが、話の流れは前後して、自分たちの本気をイアラに見せようとするエレオノーアの戦いの画像から先に参りましょう。
 
「おにいさん。魂の記憶。覚えてますよね。御子が御子たる所以……人が人でないものと戦うための力、御子の怒り、人の子に与えられた《神に仇なし得る》力」
 
 
「闇の力を……わたしの……おにいさんの……わたしたちの、闇の力を思い知れ!」
 エレオノーアの声に続いて、彼女とルキアンは二人で叫んだ。
 怒れる御子の力、その真の名前を。
 
 
「《天轟(イーラ)》!!」
 
 
 
 
「やりましたね、おにいさん!!」
 
すべてが白い世界につつまれ、何も見えなくなる。視界が元に戻った後、何度か立て続けに閃光が広がり、御使いの竜が呻く、大地を揺るがすような苦痛にまみれた咆哮が初めて聞こえた。高熱で溶けたような大穴が開き、四頭竜の首の付け根一帯が吹き飛んでいる。御使いの姿勢が大きく乱れ、もはや体勢を維持できず、横倒しに崩れ落ちた。
  その決定的な瞬間をとらえ、アマリアが叫ぶ。
「とどめだ、御使いに《絶対状態転移》させる余裕を与えるな! いまこそ《星輪陣》のもと、五柱の力を、想いをひとつに。イアラ、頼む!!」
 
さぁ、最後の御子、水の御子イアラの出番が……。
 
 
彼女は鬱回想……。でも、イケメンのナイト(笑)、いや、水のパラディーヴァ、アムニスが助けてくれた記憶!! 君にすべてがかかっている。と、盛り上がったところで、続きは次回(!)。
 
本日も鏡海亭にお越しいただきありがとうございました。
次回もお待ちしております!
ではまた。
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御子 対 神竜、いま、宿命を超えるときがきた!!

連載小説『アルフェリオン』からAIで生成する名場面画像集! 今晩深夜に更新できそうです。アマリアさんが本気を出して、一度に二つの極大呪文を詠唱しています。その後押しにより、ルキアンとエレオノーアは、いにしえの四頭竜に対して致命的な一撃を? たとえ燃え尽きても、この想いで断ち切る!!

無駄に暑苦しいですが(笑)、燃える展開に御期待ください。

鏡海

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燃え上がる、激熱な展開の第57話――『アルフェリオン』名場面画像集(途中経過)

連載小説『アルフェリオン』からAIで画像化する名場面集、第57話分を準備中です。

これは……。いにしえの四頭竜に対し、ルキアンとエレオノーアが放った御子の必殺技「イーラ」ですね。


シャキーン!(笑) ついに第57話にして、主人公とヒロインが心を一つに、宿敵に一矢報いる展開。燃えずにはいられません。ここまで本当に、本当に長かったね。感涙です。1998年に連載開始、第1話を公開した頃、鏡海は、まだ若者だったですよ(苦笑)。時は流れ、日本という国も、世界も、こんなに変わっていったですよ。

話を元に戻して、この直後、ルキアンたちも含めて各属性の御子が初めて勢揃いし、「五柱星輪陣」で四頭竜を追い詰める。そして最後に、ルキアンの闇属性魔法の究極奥義「嘆きよ我に集え」で、アマトや海皇ソラ、過去の御子たちの思いも回想して全部背負い、とどめの一撃か……という一連のストーリーに、もう、胸熱すぎてヤケドしそうな第57話(笑)。

ここしばらく全力集中企画でお送りしてきた名場面集も、これでクライマックスを迎えます。お楽しみに!!

鏡海

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悲しい涙は、もう一滴たりとも流させはしない。紅の魔女アマリア参戦!

連載小説『アルフェリオン』からAIで画像化する名場面集、次回は第57話の分となります。現在、準備中です。まずは、第57話で(も)活躍する地の御子アマリアの画像を先行公開です! イメージ通りの画像が導着できました(画像の中のセリフは、第55話からのものですが)。

私の世代の多くが憧れたであろう『銀河鉄道999』のメーテルみたいな、単に女性として魅力的であるだけでなく、(男性からみても)「格好いい」女性を描きたいなとずっと思っておりますが……それにほんの少しでも近づけたなら。他の作品では、たとえば『クレイモア』に出てくる女性にも(設定上の理由があって、戦士として出てくるのは基本的に女性ばかりになるのですが……)カッコいいキャラが多いです。個人的に、特にテレサやガラテアは良いですね。

『アルフェリオン』の中でも、アマリアさんやシェフィーアさんは、ちょっとカッコいいかなと(笑)。

鏡海

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神竜の力に抗う御子たち、『アルフェリオン』第56話名場面集を生成AIで!

連載小説『アルフェリオン』、AIのオボロさん(*)が画像化した名場面集の続編です。
 
(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。
 
ではさっそく。今回は、第56話の続きからとなります。



「時の司」が差し向けた、いにしえの四頭竜の似姿に対し、苦戦しながらも互角の勝負を繰り広げる御子たち。「アーカイブ」であるエレオノーアから新たな魔法を得て、四頭竜に立ち向かうルキアン。
 
「《シャローンの鎌》!」
 ルキアンの言葉とともに、死神の手に握られた大鎌が四頭竜に向かって振り下ろされる。
 
 
だがその一撃は、竜の鉄壁の鱗や、それ以上に何か、不可視の護りの力に弾かれただけだった。
 ――天の系譜に属する者だけあって、即死系の魔法はやはり効かないですか。でも二撃目が本命です、おにいさん!
 エレオノーアの言った通り、ルキアンがすかさず次の力の言葉を発した。
 
 
「地の底に落ちよ!!」
 死神の鎌が竜の背に打ち下ろされる。刃の先端と竜の背の間で火花が散り、耳をつんざくような激しい音、そして大気を揺らして体の奥底にまで伝わってくる振動が、周囲に走り、さらに広がっていく。
 
 
特に外傷はないようだが、それにもかかわらず竜の体に異変が起こった。宙に浮かんでいた四頭竜が突然に姿勢を崩し、地面に向かって落下しかけたのだ。再び浮かび上がるものの、竜の動きが遅く、見るからに鈍重になったように思われた。
 
「シャローンの鎌」は二回の攻撃から成り立っており、一撃目が即死魔法、二撃目が重力魔法である。一撃目は強い耐性をもっている四頭竜には効かなかったが、二撃目によって四頭竜の身体に異常な重力がかかり、極端に身動きが取りにくくなっている。
 
 
エレオノーアが巨大な複合魔法陣をたちまち構築したことに、驚くアマリア。
 
深刻な状況のもと、エレオノーアは意外なほどにあっけらかんとした調子で答える。
「はい! おにいさんの《紋章回路(クライス)》を介してアルフェリオンのコア・《黒宝珠》にアクセスし、そこから周回軌道上の支援衛星のうち、《マゴス・ワン》とのデータリンクを復旧しました。それをこちょこちょと」
「こちょこちょ、か?」
 
 
「そうです。《マゴス・ワン》の《メルキア》さん、人間ではなくて、《えーあい?》とかいう種族の方らしいのですが、この方とお話して、《マゴス・ワン》の霊子コンピュータというのをこちょこちょと、触ってみたのです。それで、この魔法陣の設計と描画に必要な演算をお願いしました。頼んだ瞬間に、もう全部完了していましたが。すごいです!」
 
(メルキア:「わ、私のことですね」)
 
旧世界の戦略衛星まで動員するエレオノーア。オボロさんが、そのイメージを画像化したものでしょうか。
 
エレオノーアが無邪気に語っている内容に、アマリアは寒気すら覚えた。彼女ほどの魔道士が、いや、彼女ほどの魔道士だからこそ、エレオノーアの行ったことの真価を理解できるのだ。
 
 ――正直、恐ろしいな。《あれ》に抗うためだけに、地を這う者たちの怨嗟が天を落とそうと、世界の摂理に背いて人間が人間を創る、しかもそのために多数の同胞、自分たちと同じ人間を生贄にするという……何重もの禁忌を犯して召喚された《聖体》の化身。
 
 
――彼らは、定められた因果の鎖を断ち切る刃。自らを《主》から閉ざそうとする世界が歪みの果てに呼んだ、《ノクティルカの鍵》の器。
 
 
残りの御子およびパラディーヴァたちへの、アマリアさんの呼びかけ。かっこいい!!(笑)
 
「そして我ら御子は、彼らと共に戦う。今ここに心を集わせよ、自然の四大元素を司る御子たち」
 
 
 
その後も粘り強く戦うルキアンたち。しかし、本気を出してきた四頭竜は、最上位に近い光属性魔法「天使の詠歌(エンゲルス・リート)」を発動しようと、12枚の輝く翼を広げます。対するルキアンとエレオノーアは、光魔法に対する防御に特化した伝説級の闇属性魔法をアーカイブから検索し、二人で唱えるのでした。
 
 
「光あるところ、必ず影あり……」
 少女の言葉を追う少年の言葉。繰り返すうちに、両者の距離は縮まり、二つの声はひとつに近づく。
「光強きところ、影もまた色濃く。昼と夜は、とこしえに繰り返し」
 エレオノーアが呪文を口に出すより早く、彼女の心に浮かんだそれがルキアンに共有され、同時に発声されているのだ。
 そんな彼らの変化を目の当たりにして、フラメアが興奮気味に言った。
「何よ、あの子たち! 完全に《魔力共鳴(シンクロ)》してる。あの娘、パラディーヴァでもないのに、あり得ない。違う……まさか、同じ時代に闇の御子が二人!?」
 ルキアンの左目の紋章とエレオノーアの左目の紋章が同時に輝きを増し、次の瞬間にいずれの瞳も闇色に染まる。ルキアン、そしてエレオノーアの髪も漆黒に変わった。大嵐の中のように二人の髪が舞い上がる。
 
 闇は光に、光は闇に。
 相克せよ、根源の両極。
 それは絶対にして永遠の理(ことわり)。
 青天の日輪、常夜の月輪(とこよのげつりん)。
 天界の槍を受け止めよ、冥界の楯。
 
 エレオノーアとルキアンの声がひとつに重なる。《光》属性による効果のみを、ただし完全に打ち消す《闇》属性の絶対防御呪文が完成する。
 ――もしこれで防げなければ終わりなのです。すべて託します、おにいさん!
 
「《天冥相殺・光と闇の天秤(ヴァーゲ・フォン・リヒト・ウント・ドゥンケルハイト)》!!」
 
 
「天使の詠歌」を何とか防ぎ切ったルキアンたちだったが、さすがに《あれ》の御使いの四頭竜、その底の知れない力は彼らを圧倒し始める。光属性+炎属性である神竜に対し、光属性に効果的に対抗できる闇属性のパラディーヴァ(=リューヌ)を欠く御子たちは、地力の違いで徐々に押され気味に。そして炎属性に強い水属性の御子であるイアラは、戦いを拒んで駆けつけてくれない。
 
四頭竜の吐く凄まじい炎が御子たちを襲う! そのとき……。
 
身体を張って止めたのは、炎のパラディーヴァのフラメア。彼女は、相棒の炎の御子グレイルに受け止められる。
 
「火には火を、ってね……。どうよ、そう簡単には、やられてあげないから」
 苦しげにつぶやきつつも、やせ我慢して四頭竜に向かって中指を立てているフラメアが、力尽き、目を閉じて落下した。慌ててグレイルが抱き止める。腕の中に簡単に収まるフラメアの小柄な体。まるで大人に抱き上げられた子供のようだ。
 
 
「さらばだ、炎のパラディーヴァ、フラメア。嗚呼、君の名は英雄として語り継がれるだろう」
「こ、このお馬鹿! 勝手に退場させるな」
 
(フラメアとグレイルの画像、オボロさんにいくつか生成してもらいました)
 
 こんなときにも冗談を言い合っている二人の様子をみて、エレオノーアが悲壮な面持ちの中にも口元を緩めた。
「おにいさん。あの人たち、こんなに苦しい戦いの中でも、不敵に笑って決して諦めていないのです」
 揺れる銀髪の向こうに、意志の力を秘めた目を輝かせるエレオノーアの横顔。地面に膝をついていたルキアンが再び立ち上がる。ふらつきながらも互いに支え合って立つエレオノーアが、彼の言葉に頷いた。
「はい、絶対負けないのです!」
 
――ルチアさん。あなたから託された《歌い手》の力、わたしにも、もっと引き出せるでしょうか。やってみます。見ていてください。
 
 
炎のブレスに続いて、やはり再び《光》属性の《天使の詠歌》を発動しようと、四頭竜が魔法力を集中し始める。思い通りに動くこともままならない仲間たちの傍を通り過ぎ、エレオノーアが御使いに向かって立ちはだかった。
 
 ――我とともに歌え、《言霊の封域》。
 
「わたしはルチア・ディラ・フラサルバスを継ぐ者、この身に宿るは《光と闇の歌い手》の力。わたしの歌は、人魚の歌姫(セイレーン)のごとく心をとらえ、泣き女の精(バンシー)のごとく敵を狂気に突き落とす。天の歌い手すら、わたしの声には心震わせ、我を忘れるだろう」
 
 
《言霊の封域》によって《歌い手》としての能力強化を自身に掛けつつ、エレオノーアは、使い方を覚えたばかりの例の支援衛星《マゴス・ワン》にサポートを依頼する。
 
 ――《マゴス・ワン》へ、エレオノーアより緊急通信なのです。《メルキア》さん、さきほど記録した《天使の詠歌》の音を分析して、それを最も効果的に打ち消すことのできる魔曲を生成してください。
 
はい、旧世界の支援衛星と超AIで、お仕置きするのです! そうでした。御子は旧世界にも連なる存在なので、魔法の力だけでなく、科学の力も使えるのでした。受け継がれたルチアの想いと、メルキアさんの生成(つく)ってくれた歌。時空を超えた絆がいまひとつに……。
 
いや、盛り上がってきたところで、続きは次回に。何だか、この手の終わり方がパターン化してきましたね(笑)。 本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただきありがとうございました。読者様方からの応援、励みになります。感謝であります。
 
オマケで、グレイルとフラメアから「次回をお楽しみに!」のご挨拶を。
 
あ、幼い少女を連れた、不審人物がいます!!(苦笑)……って、見た目はともかく、実際の年齢ではフラメアの方が遥かに「年上」なのですが。桁が違います。
 
ではまた。
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『アルフェリオン』名場面集、第56話の続きの分です(更新予告)

本ブログの連載小説『アルフェリオン』からAIが画像化する名場面集、今晩深夜に更新の予定です。


あれ? グレイルさん、それにフラメアさんも、ボロボロじゃないですか……。フラメアが捨て身で四頭竜の獄炎の息を止めた、あのシーンですね。今回の名場面集は、第56話の続きからの分になります。ご期待ください。

鏡海

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本当に美しいものは……

AIで画像化する、連載小説『アルフェリオン』名場面集、次回の分に向けて準備中です。進捗状況の報告的な感じで、ルキアンとエレオノーアの揃い踏み画像を公開します。いい感じの二人ですね。それにしても、第1話から第52話まで孤独に思い悩んだルキアンの姿があるからこそ、第53話でエレオノーアが登場してルキアンに寄り添った後のカタルシス(!?)が味わえるのかもしれません。

ルキアンとエレオノーア、もう一枚、いきます(笑)。

なんというか、「都合の良すぎる女」(苦笑)ともいわれるエレオノーアですが……。そこは、まぁ、物語なので。『アルフェリオン』の作中でも、とある御子がすでに言及している通り、「本当に美しいものは、作り物の中にしかありません」(だからこそ逆説的に、人の想像の力は素晴らしく、時には現実すら凌駕する)。

この世界の境界。現実の世界だけがすべてではなく、各人の思いの世界、想像・創造の世界の領域がそこに隣接して、それぞれの人の中で現実と入り混じり、総体として本人の認識の中で「世界」を形成しているからこそ、この生きづらい世界にも救いがあります。『アルフェリオン』は、そんな想像・創造の、想いの力を描いた物語です。

何だか、珍しく私自身の心情を吐露したような内容になってしまいましたが(笑)、そんなところです。

本日も鏡海庵にお越しいただき、ありがとうございました。
次回もお待ちしております。ではまた!

鏡海

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御子と御使い、「人の子」の未来をかけた宿命の戦い!(予告)

本ブログの連載小説『アルフェリオン』各話の名場面集、第55話~57話分では、御子として覚醒したエレオノーアの活躍が凄い。AIさんによる物語の画像化、続編をお待ちください。

「闇の力を、思い知れ!」

鏡海

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熱く燃える、御子たちの戦い。今、過去50数話分の思いをぶつけるとき!

「わたしの、おにいさん……。どこまでも一緒です」
連載小説『アルフェリオン』、AIのオボロさん(*)による名場面集、第55話からの続編です!

(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。

ルキアンとアマリアが展開する支配結界の中に、「万象の管理者」こと「時の司」が送り込んできた「はじまりの四頭竜」の似姿。本物の四頭竜よりも力は遥かに劣りますが、それでも、この世の始原の時以来生き続けている化け物、いや、神といってもよい存在が相手です。

しかし、ここはルキアンの支配結界「無限闇」の中、彼の想像の力を形にできる世界。

「アマリアさんの支配結界とともに、まだ僕の支配結界の力も残っている。それなら……。御子の名において命ずる。異界の暗き海より、闇の眷属きたれ!」

 ルキアンの想像力が闇の力を具現化し、実体となって御使いの竜に襲い掛かる。薄い鋼板でできた帯のような、黒光りしつつ、魚の姿をした、水の中で波打つ何かが、何百、何千、深海の底から無数に現れる。《無限闇》の力で生成された暗闇の魚たちは、刃のごとく研ぎ澄まされた体をぎらつかせながら、異様に大きい口とそれに見合う長大な牙を剥き出しにして、竜に向かって殺到する。
 山脈のようにそびえる古の竜に比べれば、一匹一匹の怪魚は小さくみえる。だがそれでも彼らは、人や、それどころか牛馬より遥かに大きく、体中が金属でできており、痛みも恐れも感じることのない鋼鉄の軍勢だ。

――あの竜は大きすぎて、《言霊の封域》に取り込むことは無理ですね。それなら、闇に潜む魚たちに降り注げ、《言霊の封域》よ。
 ルキアンが《無限闇》で呼び出した怪魚の群れを、エレオノーアが《言霊の封域》で強化する。
「汝らの体は、絹よりもしなやかで、天の鍛冶が鍛えし剣よりも、いや、まさに竜鱗(りゅうりん)よりも強靭となる。その牙で喰らい付き、竜を食いちぎれ!」
 エレオノーアの左目に闇の紋章が浮かび上がる。より力を増した深海の魔魚たちに幾重にも取り巻かれ、一時は四頭竜の姿が見えなくなりそうだった。

ルキアンとエレオノーアの巧みな連携。ルキアンが召喚した鋼の魔魚の群れに、エレオノーアが「言霊の封域」で強化呪文をかけます。そして苦し紛れに海面に姿を現したいにしえの竜に対し……。

「大地にあまねく眠る元素を司るものたち、この地、かの地に棲まう精霊たちよ。我が呼び声に応え、地表に集いて帰らずの園を拓け」
 《ディセマの海》をつなぎ留める大役から解放されるが早いか、アマリアが杖を掲げ、呪文の詠唱を始める。低めの良く通る声で、歌うように彼女は呪文を紡ぐ。
「取り囲め、汝らの贄を狩れ。貫く万軍の槍、煌めく鉱石の梢、無限の結晶の森……」
 ルキアンたちがアマリアの隣に転移し、姿を見せたのはそのときだった。
 完成する呪文は狙っていた。二人の闇の御子を滅しようとする四頭竜が、彼らを追って目の前に現れる瞬間を。
 アマリアは紅のケープをはためかせ、杖を掲げて舞うように回ると一息溜めて、周囲の空気に沁み通り、大気を震わせるような気合いで口にした。
 
「《永劫庭園(エーヴィガー・ガルテン)》」

貫く万軍の槍!!

煌めく鉱石の梢!!

無限の結晶の森!!

最強の御子、大地のアマリア。恐るべき力です。
その間に、ルキアンたちも海底神殿から地上に転移します。今の二人には造作もないこと。

御子なめんな!!(笑) これまでの50数話分の思い、きっちり返してやります。

「エレオノーア・デン・ヘルマレイアは、闇の御子として共に使命を遂行します。わたしのアーカイブのすべてをあなたに捧げます、おにいさん!」
「ありがとう。一緒に乗り越えて、必ず帰ろう、エレオノーア。ほんのわずかだけど、僕が時間を稼ぐ。その間に呪文を頼む」

闇の力を思い知らせてやるのです、おにいさん!!

それは爆炎。絶大な魔法力の集中が頂点を迎えたとき、四つ首の神竜が咆哮し、瞬時に閃光が視界を呑み込み、嵐の如き爆風と灼熱の炎が牙を剥いた。そして、それは煉獄。《御使い》の化身、《始まりの四頭竜》の似姿は、自然の力を超越した炎と熱を猛り狂わせ、現世に呼び出された異界の獄炎は、ルキアンたちの姿をたちまちかき消した。それでも竜は、勢いを緩めず超高温の炎を吐き続ける。
 
 すべてを焼き尽くす紅蓮の激流の先、噴き上がる爆煙の向こうに、六角形の板状の光が無数に輝き、幾重にも壁を作って竜のブレスを受け止めている。その防御結界を挟んで、一方には四つの頭を持ち上げ、火力をいっそう強める御使いの竜が、もう一方にはルキアンとエレオノーア、アマリアとフォリオムの四人が互いに宿敵と対峙する。
 
銀色の神秘的な髪、儚さと強さを宿した青い瞳、同じ《しるし》を共にもつ二人の若者が戦う姿を、フォリオムが眩しそうに見つめる。
「うむ、この見慣れぬ結界は、《旧世界》のアルマ・ヴィオによる魔法防御を思わせる。純粋な魔法というよりは、むしろ、いにしえの高度な魔法と科学の融合……《対魔光壁(アンチ・マジック・バリア)》に近いじゃろうか。《降喚(ロード)》された《聖体》が人の姿をとった者たち、真の闇の御子は、こんなものまで生身で操るのか」
「彼らの力……。フォリオム、二人の御子は我らの理解を超えている。一度は消滅したエレオノーアは、こうして蘇った。ルキアンは、二つ目の闇の紋章を呼び覚ますという奇跡によって、《あれ》の因果律を乗り越えて彼女を取り返したのだ。真の闇の御子は二人で一人。そう……」
 アマリアはしばし俯き、そしてまた天を見上げて呻くようにつぶやいた。
 
「死すらも彼らを分かてなかった。これが、《絆》というものか」
 
ルキアンたちを竜の炎から護る最後の障壁が、いまにも失われようとしている。だがエレオノーアの真剣かつ落ち着いた表情は、彼女が何ら勝負を諦めていないことを物語っている。彼女はルキアンに体を寄せ、小声でささやいた。
「《盾》は《鏡》に。おにいさんは、さらにその次の呪文を」
 ルキアンは、平然とした彼女の姿に目を見張りつつ、対照的にかなり動揺している自身の気持ちを表に出さないよう、黙って頷いた。エレオノーアと言葉を交わしたことで、ルキアンは少し落ち着いたようだ。彼の瞳には、エレオノーアに対する絶対的な信頼が漲っている。それは、これまで彼が、自分自身も含めて、この世界のどんな人間に対しても心からは向けられなかった思いだった。
 そんなルキアンの瞳を見つめ、エレオノーアも嬉しそうに一度頷いた。
 ――わたしは《失敗作》なんかじゃない。おにいさんと一緒なら、おにいさんの《アーカイブ》になれたのだから、わたしだって……。
 彼女とルキアンを囲む複合立体魔法陣が――それぞれに文字や記号が細部までびっしりと書き込まれた光の円陣が、大別して約6層に積み上がり、高さは彼らの背丈を超えている――その複雑怪奇な機構が動き出し、各層が入れ替わって形を変え始めた。
 今にも砕け散りそうなルキアンたちの結界を前にして、四頭竜は、とどめとばかりに火勢を一気に強めた。残された結界に亀裂が走る。だが、そのとき。
「鏡に映る汝を見たか。それは今際の顔……闇に消えゆくその目に、焼き付けよ……」
 ルキアンが詠唱する。いや、それは呪文ではなく、すでに詠唱済みの呪文を発動させるための鍵となる言葉だった。
 小さく息を吸い込んで、彼は一言ずつ刻み込むように言った。
 
「《影の魔鏡(ツァウバーシュピーゲル・イム・シャッテン)》」!!

そのとき何が起こったのか、簡単には把握できない。少なくとも、津波のごとくルキアンたちを呑み込もうとした竜の炎が、確かに逆流したように見えた。実際、その通りだった。気が付くと、四頭竜は自身が敵に吐き出した火焔に取り巻かれ、体中が火だるまになっている。
「おぉ、魔力反射(リフレクション)の類か!? 結界の後ろにそんなものを隠していたとは」
 フォリオムが声を上げ、その驚きも覚めやらぬ次の瞬間、二人の御子が動いた。
 
「今です、おにいさん!」
 ルキアンの左目に闇の紋章が浮かび上がる。
「冥府の川を渡せ……」
 なおも炎に包まれ、くすぶる御使いの竜の背後に、にわかに黒雲が湧き上がる。そこから稲妻とともに現れたのは、風に翻る空っぽの黒衣の下に、骸骨の顔だけをのぞかせた死神のような、あるいは練達の死霊術師が己自身を不死の術者(リッチ)に変えたような――いずれにせよ、それはおそらく幻影であろう冥界への導き手は、四頭竜に比べるとさすがに小さいものの、神話の巨人さながらに大きい。
 
 
「《シャローンの鎌》!」
 

《対魔光壁(アンチ・マジック・バリア)》の展開から、《影の魔鏡(ツァウバーシュピーゲル・イム・シャッテン)》の魔力反射(リフレクション)による返し技、そこからさらに《シャローンの鎌》による連撃!! ルキアンの渾身の一撃が、いにしえの四頭竜に炸裂するか!?

というところで、続きは次回(えぇぇぇ!?) いいところなのに!(苦笑)

 ◇

本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただき、ありがとうございました。次回もお待ちしております!
第55話からはじまる「五柱星輪陣」の一連のお話、連載小説『アルフェリオン』が燃え燃えに盛り上がります。名場面集、ご期待ください。

ではまた!!

 

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名場面の画像集、更新復活なるか!?

連載小説『アルフェリオン』、AIさんと生成する名場面画像集。今晩は更新が再開できますように。現実世界では、なんとか、仕事が山ひとつ乗り越えた感じです。

鏡海

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メルキアさん・ミニ展覧会?

連載小説『アルフェリオン』から、本日もメルキアさん。衛星軌道上のマゴス・ワンに搭載された旧世界の超AI、そのアバターのようなキャラクターです。こんなふうに、実体のあるボディも使用可能。

前回と今回、ChatGPT(DALL-E3)さんではなくHolaraさんに画像の生成をお願いしました。アニメ風の女性キャラの画像となると、Holaraさん、安定の強さですね(笑)。ここのところ多忙のため、なかなかまとまった更新ができません。いましばらくお待ちくださいませ。

良い週末をお過ごしください!

鏡海

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メルキアさん、降臨!

うわぁ、結構忙しいのですが……そこから逃避して、メルキアさんの画像をAIさんと生成してしまいました。中身はAIであるキャラ(=メルキア)の画像をAIに生成してもらうって、一体。連載小説『アルフェリオン』第56話から登場するメルキア、以前の画像よりもかなり美麗になったでしょうか。「彼女」も御子たちのために、作戦行動用のボディを使って自ら支援に出かけることがあるようです。え、ところで、このお話って、ファンタジー……でしたよね?(苦笑)

鏡海

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二人の闇の御子、絆の力(更新予告)

連載小説『アルフェリオン』からAIさんが生成する各話画像集、次回は第55話・56話分です。「虚海ディセマ」から生還したルキアンとエレオノーアが、いにしえの四頭竜と戦います。執行体とアーカイブの二人がついに揃った真の闇の御子、その力は、伝説の神竜すらもおびやかすのか。近日中に更新予定です。お楽しみに!

鏡海

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メインヒロインの帰還

連載小説『アルフェリオン』の名場面を画像化する試み、AIのオボロさん(*)の力を借りて進めております。本日は、その第55話「五柱星輪陣(第一部)」の続きです!

(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。

 

前回、「ディセマの海」の深海底にある闇の神殿にて、「試練」に敗れたエレオノーア……。

――もう、何が何だか……。わたし、今度こそ、本当に、消えちゃうのかな……。
 薄れゆく意識の中で、エレオノーアは無表情につぶやいた。もはや視覚や触覚で感知できる世界であるとも、自身の内面に浮かぶ心象の世界であるとも区別できない、あらゆる雑多な感覚が交じり合い、煮詰められたような認識の淀みの中を、エレオノーアはいつ終わるともなく落ちていく。

そんなエレオノーアの前に現れたのは。

「こんにちは、わが友、遠き世界の闇の御子よ。私は、ミロファニア王女、ルチア・ディラ・フラサルバス。私のことを、人は《ミロファニアの時詠み》あるいは《光と闇の歌い手》と呼びます。そして、あなたも気づいているように、私も闇の御子です」

――ルチア・ディラ・フラサルバス。これまでに無数の世界に存在してきた御子たちの中でも、ごく限られた、本来の紋章の他に別属性のもう一つの紋章を併せ持つ、《双紋の御子》の一人ですね。しかも彼女は、右目にもつ《闇》の紋章に加えて、左目のもうひとつの紋章も、ほぼ完全に使いこなすことができました。他の《双紋の御子》は、申し訳程度にしか、二つ目の紋章を扱えないものですが。かつ、左目のその紋章は《光》。自然の四大とは異なる属性である光と闇の紋章をいずれも完璧に使える御子など、彼女の他には存在しません。でも……」
 そこでエレオノーアは、心の内でこれ以上つぶやくことを戸惑った。
 ――でも、彼女は戦いませんでした。最後のときに至る直前まで。彼女ならば、《あれ》の《御使い》たちから世界を救うことができたかもしれなかった、にもかかわらず。

ルチアの残留思念は、エレオノーアに問いかけます。

「ねぇ、エレオノーア。あなたのお話の中のフィンスタルは、いまも微笑んでいますか?」

「勿論ですとも! フィンスタルは笑っています。いいえ、正しくは、私はフィンスタルに笑っていてほしいのです。私にとって、その物語だけが、空想だけが、くじけそうになる私の心を支えてくれました」

エレオノーアがルキアンに手渡した白い花、例の「ヴァイゼスティアー」の伝説が、ここで再び伏線として効いてきます。その最後の涙がヴァイゼスティアーの花になったという黒騎士フィンスタル、聖女への届かない想いの果て、彼は魔界の英雄へと堕ちた……その伝説からいわば勝手に二次創作して(笑)脳内でハッピーエンドに書き換えて妄想し続けていたエレオノーア。さすが、やることがルキアンそっくりですね(!)。

その一方、常にルチアの側にいて彼女を支えた騎士の名も、フィンスタル。伝説のフィンスタルと関係があるのか、それとも同名の別人? 彼の願いを裏切る結果になったと悔いるルチア。

「あなたの知っているフィンスタルという人と、私の知っているフィンスタルとの間にどういう関係があるのか、それは分からない。ただ、私の知っているフィンスタルは、いつも優しい目をして、静かに微笑んでいました。そして私を支えてくれました。しかし、私は、彼の願いを結果的に裏切ることになってしまいました」

「悲しい伝説よりも、絶望的な事実よりも、私は、たとえ作り物でも奇麗な物語が好きです。だから私が、あなたを助けます。さぁ、もう一度生きて、物語の続きを紡いで」

自身の虚ろな存在に苦しみ、それゆえに「試練」にも敗れたエレオノーアに、ルチアは告げます。

「大好きなおにいさんと、ずっと一緒にいたいですか?」
 エレオノーアは、再び黙って肯いた。
 一呼吸置いた後、ルチアは濃い茶色の髪を翻し、背筋を伸ばした。ゆっくりと、毅然とした声で、王女に相応しい品格で言葉が紡がれる。
「ならば、自分自身の存在に誇りを持ちなさい。彼の隣に胸を張って立てるように」

「あなたは、自分が虚ろで、どこにも存在しないのではないかと、不安で仕方がないのですね。でも私は思うのです。たとえ、《器》にされた他者の身体と、そこに《受肉》した《聖体》が交じり合い、そこから再構築され生成されたのが、それがエレオノーアであったとしても……冷淡な言い方をして、ごめんなさい……ですが、そのことは、あなたがあなたでないという理由にはなりません。あなたがどういう存在であろうと、いまこうして私が話している相手は、エレオノーア以外の何者でもない。あるいはルキアンの心の中でも、エレオノーアは、他の誰とも違うエレオノーアその人なのです」

(ルチアさん、あっさりと、凄いことを言いますね。他人の身体を媒介として、そこに意味不明な「聖体」が降臨して受肉したのがエレオノーアだとは……それでは、エレオノーア本人は一体何なんでしょう? 普通は、こんな事実を再確認されても、絶望するだけです。しかしエレオノーアも本当に強い……)

 ルチアはエレオノーアの両手を取った。そして力強く伝える。
「そのエレオノーアのことを、ルキアンは大切に想ってくれているのでしょう? あなたが何であるのか、どんなふうに生まれてきて、どんなかたちで存在しているのかなんて、そんなことを問題にしているわけではなく、あなた自身として目の前にいるエレオノーアのことを、彼は見ているのではないですか」
「は、はい……それは、たしかに……」
「だから、私やルキアンにとって、《あなたは確かにそこにいる》のですよ、エレオノーア」

「あなたは、私の力を継ぐ者に相応しいと思うのです。まずは、私の《歌い手》の力を委ねます」

 

歴代の御子の中でも最も強い力をもっていたルチア。その想いを受け継ぎ、エレオノーアが目覚める。

――あまねく音を従え、この場を統べよ。私の《限定支配結界》、取り巻け、《言霊の封域》。

なぜか魔法少女っぽい姿で、覚醒エレオノーアを描いてしまったオボロさん(笑)。

先程の「試練」の際に彼女を苦しめた黒衣の存在を、「言霊の封域」の力で一蹴するエレオノーア。

それにもかかわらず、「試練の間」から出ることができないエレオノーア。この扉の向こうに、大好きな「おにいさん」がいるというのに……。

そのとき、ルキアンもエレオノーアの声に応えます。ここが見せ場だ、主人公!!

「想いの力を……想いの、力を……見せてやる!」

 一転、ルキアンの目が漆黒色に変わる。紋章の輝きも閃光のごとく高まった。彼の心の中でも、《ダアスの眼》のイメージがいっそう大きく見開かれる。《盾なるソルミナ》の化身との戦いの中で口にした一連の言葉を、彼は無意識に繰り返し、半ば詠唱する。
 
 僕は見た。
 生命と因果律の樹の背後に開けた
 底なしの暗き穴を。
 始まりにして終わりの知の隠されし
 静謐の座を。
 
 大扉に当てられたルキアンの両手を中心に、闇の紋章と同じ形状の魔法陣が浮かび上がる。巨大な扉が震え、大きく揺れ始める。さらにルキアンの銀色の髪がそよぎながら、次第に灰色に、そして黒、ついには漆黒の色に変わった。闇の御子が全力で力を振るうときの姿だ。
 これまでとは違う膨大な力が扉に流れ込み、表面に浮かんだ魔法陣を光となってなぞりながら、扉の中央に集まっていく。
 ルキアンは激高してエレオノーアの名を叫んだ。それと同時の一撃で、扉の中心にひびが入り、周囲に広がる。金属製らしからぬ、ガラスが割れるような高く乾いた音がして、これを引き金に扉が真ん中から砕け散った。現実味が感じられないほど分厚く、重々しい鋼材の破片が、鈍い音と地響きを伴って床に次々と落ち、遂に、人がくぐれるほどの穴が生じるのだった。

「エレオノーア、君は僕の《アーカイブ》だ。なぜなら……」
 ルキアンが両目を閉じ、ゆっくりと開いた。右目に闇の紋章。そして左目に輝くのは……。
 いち早くそれを感じ取ったアマリアが、声を震わせて言う。
 ――あり得ない、そんなことは。《双紋の御子》が、同じ属性の紋章を二つ持っているだと? いまだかつて、そんな御子など誰一人としていない。
 普段とは異なる冷厳とした口調で、ルキアンは続ける。
「なぜなら、僕のもうひとつの、左目の《闇》の紋章とエレオノーアの紋章は、いま結ばれるのだから」

 
 ――《アーカイブ》との契約を承認。両者の《紋章回路(クライス)》をスキャンし、リンクを準備中です。

えっ? ルキアンとエレオノーアが、普通に主人公とヒロインしている……。

 
 ――おにい、さん? おにいさんの闇が、わたしの中に、入ってくる……。怖いほどに、こんなにも……孤独で、痛々しい。これまで、寂しかったのですね……。ずっとずっと、辛かったんだね。
 目に見える体の動きを生じさせる力は、もうエレオノーアにはなく、言葉を発することすらままならなかったが、彼女はルキアンに届けと心の中で思った。
 ――そうか、わたしと同じ、なんだ。こんなにも暗く、光の届かない心の闇を、独りで背負うことなんて、できないです。それでも負い続けようとして、ますます、闇は、深くなり、あきらめに押し潰されて、もう、取り返しのつかないほど心が侵食されてく……。それ、知ってます。

 ――あぁ、会えてよかった。わたしにしか、支えることの……できない人に。これからは、一緒に……背負わせて……ください。

まさかの展開!!
 
 ――リンクが正常に構築されました。《執行体》と《アーカイブ》の接続を確立。

自らの身体を取り戻したエレオノーア、そんな彼女を取り返したルキアン。二人は海底の神殿から脱出しようとします。
そのとき……。

な、何ぞ!? 二人を決して生きて返さぬよう、「時の司」が自身の力と本来の姿を分け与えた(劣化コピーの?)いにしえの四頭竜を送り込んできたのです。

どうするルキアン、エレオノーア!!

絶体絶命の危機を前にして、次回に、続きます(えぇぇぇ!?)

ちなみにエレオノーアは、以上の冒険の間、ルキアンに与えられた(やや露出の激しい)ワルキューレ風の姿をしていたのでした。しかし、オボロさん、いや、ChatGPTとDALL-E3さんでは、自主規制というのか、そのエレオノーアの姿をそのまま描くことができないようです。

そこで、規制のゆるい(苦笑)AIのHolaraさんに頑張ってもらいました。

妄想王ルキアンの支配結界の力で、強引にコスプレさせられた(?)エレオノーア。小説本編にも、そんな描写がありました。

「お、お、おにいさん? この衣装のこと、先にひとこと言ってください! ところでその、これ、おにいさんの好みなんですか?」

そんな二人の姿を横目で見ながら、フォリオムが高笑いする。

「ほっほっほ。惨めな少年少女を助けに来たと思ったら、あんな幸せそうな二人組は、なかなか見たことがないのぅ。まったく、《もう君たちに、これ以上の悲しい涙は一滴たりとも流させはしない》と、誰かさんがすまして言っておったが、ちょっと格好つかんかったかの?」
「良いではないか。私が流させないといったのは、あくまでも《悲しい涙》だ。うれし涙なら、いくらでも流せばよいであろう」
 アマリアも微かな笑みを目に浮かべ、フォリオムの言葉に同調する。

最後に、凛々しいエレオノーアの姿も。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました! 次回もお待ちしております。

ではまた。

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