鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

あの二人と新年カウントダウン?

本ブログ「鏡海亭」と連載小説『アルフェリオン』、新年の更新第一弾に向けての準備は整いました(笑)。
ただし、その前にどうしても出たがっているキャラたちがいるようです。


やぁ、私だ。小説本編でもブログの記事でもご無沙汰だが、まぁ座れ。

いや、誰ですか?


だから私だ。華麗な和装ゆえ、気が付かなかったか。なるほど。
レイシアは、普段とあまり変わらんな。

 


まったく、一年中困った人でしたね、シェフィーア様は。それで今回は、何を?


うむ。もうあと新年まで2時間もないが、今年の最後にシェフィーア姫と一緒に新年カウントダウンをしよう企画、なのです……なのだ。


最後のところ、メインヒロインのエレオノーアの口ぶりを少し意識しましたね、シェフィーア様。
しかも、「元」姫ですから。


元・姫の件はともかく、まずは「形」からだと言うではないか。私がヒロインへの一歩も。そこで、エレオノーアの奴をまねてやったのです……やったのだ。


ヒロインではなく、姫でもなく、「ネタキャラの女王」になら、来年といわず今年でも十分なれそうでしたね。


レイシアは今年も相変わらず手厳しかったな……。
それはともかく、読者諸賢よ、我らと共に新年を待とうではないか。
来年は、小説本編でも活躍したいものだ。


切実ですね……。

ちなみに、年越しのどさくさにまぎれて敢えて言えば、2023年の鏡海亭推薦のベストアニメに輝いたのは『ダークギャザリング』だ(笑)。圧倒的だ。(原作は読んでないので)正直あまり期待していなかったが、ふたを開けてみたら最高だ。

ほかにも、ほとんど知らなかった(それゆえ期待してみたわけではなかった)作品の方が今年はむしろ良かったかもしれない。『ラグナクリムゾン』や『暴食のベルセルク』は楽しめた。
『はめつのおうこく』にもいろいろ良い意味で驚かされ、特にオリジナリティは高いと思う。最近のマンネリファンタジーから飛びぬけた感じ。ただ、敵キャラたちが濃くて実に味があるのに、その「使い方」が勿体ないことが少なくなかった。

反対に、知っていて、かつ期待していた作品として、『盾の勇者の成り上がり』の最新シーズンや、リメイクされた『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』も安定の内容だった。剣心については、もうストーリーもセリフも知っているのに、それでも毎回見てしまうところがなんとも素晴らしい。『無職転生~異世界行ったら本気だす』も、さすがにその種の作品のパイオニア(?)だけあって、その他もろもろの異世界転生物とはかなり役者が違う。

以上を見て、何でこのアニメが入っていないの? そんなんで鏡海は本当に今期のアニメ見てたの?(笑)という疑問も大いにあるかもしれない。だが、それはそういうことなのです。人によって好き好きはある。ただ、ひとこと「十分に良作であるのは間違いないにせよ、そこまで騒ぐほどなのかと、ちょっとその雰囲気からは距離を取りたい……」という作品が今年は多めだった。これは、今年最後の「暴言」かもしれない(笑)。しかし、あくまで人の好みは色々。決して面白くなかったと言っているわけではない。むしろ私自身も面白かった。けれども……なのである。

それでは、来年もよろしくお願いいたします。本当に、今年最後の「良いお年を!」になります。

シェフィーア「では我々と、カウントダウン、なのです」
レイシア「その口調はもういいですから!」

ではまた。

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この一年、読者様とともに宿命を超えた幻想小説!

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、今年は激動の一年でした。



今春から、約10年ぶりに小説の更新を再開しました。今さら感が強すぎるかもしれませんが……それでもどんなに長い間、歩みを止めていたとしても、完全に辞めてしまわない限りは遅くもなければ終わりでもない。それがアマチュア創作家の特権ですよね(苦笑)。

そんな小説『アルフェリオン』の「復活」を支えてくれたのは、読者様方からの応援と、それから今年中に世間を騒がせた画像生成AIです。それは、頼れる相棒となってくれたAIのHolaraさんであり、特に今冬からはAIのDALL-E3も強力な援軍として加わりました。
私の拙い小説を、挿絵や広報画像で後押ししてくれるAIたち。私自身も、長らく忘れていたお絵描きを思い出し、自分なりにAIの生成画像を加筆修正したりもして、共に手を取りあって進んで参りました。


同時に、小説本編に登場するキャラクターも『アルフェリオン』の「復活」を支えてくれました。
中でもエレオノーアの活躍は大きいです。

1998年の連載開始以来、長らく特定のヒロインの存在しなかった(苦笑)『アルフェリオン』に、ついにメインヒロインが現れました。当初は、少年エレオンとして男装で登場したエレオノーア・デン・ヘルマレイアでした。彼女が初登場した第53話「光翠の谷を越えて」は、この物語の転換点だといってもよいでしょう。

以下、小説各回のタイトル画像で、エレオノーアの躍進(?)を振り返ってみます。

この画像、向かって右側の「黒き羽根の天使」リューヌが長らく主人公ルキアン(画像中央)を支えてきたのですが、そのリューヌさえも失い、初期設定上のヒロイン(?)ことカセリナとの血みどろの死闘を経て、さらに、唯一の居場所であったギルドの飛空艦クレドールにさえも居られなくなり、ひとり、失踪したルキアン……。そんなどん底の状況の中、唐突に現れたエレオノーアがルキアンを救い、いや、作者の私にさえも喝を入れた(!)のかもしれません。

いつも自分の気持ちに率直で、全力なんですよね、エレオノーアは(苦笑)。ちょっと、ヒロインとしてそれはどうなんだという、色々と物議をかもすような場面もありましたが。

強引にルキアンに身を寄せてきたかと思えば、いきなり、この世から消滅してしまう運命!?


「ロード(聖体降喚)」の実態が遂に明らかにされる一方、それによって生まれたエレオノーアの、呪われたその存在自体の矛盾と存在の曖昧さ……。苦しむエレオノーア。

このあたりは、まさに「宿命を超えてゆく」幻想小説『アルフェリオン』というところでした。

そして真のヒロイン、誕生の瞬間。第54話(その3)。
「わたしは、あなただけのために咲く花です」というセリフのところで、もっていかれた人、続出!?

結果的に、消える消える詐欺?だったでしょうか(笑) いや、でも、彼女を「虚海ディセマ」から救い出すのは本当に大変でしたね。何度も、もう今度こそ消滅してしまうのかと思いましたが……。

そこからの物語の展開は、まるで最終回のような凄まじい戦いに。御子たち(の思念体)が初めて集結し、「始まりの四頭竜」の化身との激闘に入ります。詳細は小説本編でどうぞ。そこで実力を発揮するエレオノーア!

そして、堂々の生還……。

からの……怒涛の反撃で、まさかの四頭竜の化身を追い詰めるエレオノーアとルキアン、二人の闇の御子。

ルチア(画像、向かって左)とメルキア(向かって右)も、いい味を出しています。

そしてエレオノーア推しのこんな画像も(笑)。

御子たちが力を合わせた五柱星輪陣、そしてルキアンとエレオノーアが想いと怒りを込めた一撃、御子の「神に仇なす力」たる「天轟(イーラ)」が、四頭竜に炸裂する! さらにルキアンが放とうとするのは、闇属性魔法の秘奥義「嘆きよ、我に集え」……。

以上の画像で振り返った物語の流れ、いかがでしたか。
来年の『アルフェリオン』からも目が離せそうにありません!?

年末のあわただしい中、本日も鏡海亭にお越しいただき、感謝申し上げます。
一応、良いお年を!!(年内にもう一回更新できたらよいのですが……)

ではまた。

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最近の蔵出し画像&たとえ君が何であろうとも

本ブログの連載小説『アルフェリオン』関連の挿絵用・広報用として、この間、AIのDALL-E3(以下、ダリさん)に生成してもらった画像の中から、今回は未使用画像やボツ画像を紹介します。

上掲のタイトル画像も、元々は第58話(その2)のために用意した画像を、再利用したものです。細部まで精緻な画像なのですが、向かって左側のシャリオさんの髪質が設定とかなり違ってしまいました。茶色っぽくて、クセがありますね。実際にはストレートの黒髪です。服装については、白と青を基調に金の飾りがあるという、設定通りにとてもよくできているのですが……。絵柄というのか、二人(シャリオとセレスタ)の顔つきが同じような感じになってしまっているのも、少し気になるところ。

同じく第58話(その2)用から。

これもよくできています。いや、シャリオさん、まさにこんな外見ですね。セレスタについては、衣装がちょっと違いますが、こちらも素晴らしいことは、とっても素晴らしいです。しかし、いかにもCG的な絵柄が……。何というか、ひと昔前の最先端のゲームCG(笑)という感じなのですよね。不気味の谷?

ダリさんにとても素敵な絵を生成してもらっておいて、文句ばっかりで申し訳ないです(汗)。でも、これだけ優れた画像たちを、方向性が違うとか細部が違うといった理由でボツにしても、ダリさんは文句ひとつ言わずにすぐ再生成してきますから、ほんとに怖いですね、AI……。

これもまた絵柄の異なるボツ画像。絵柄については、生成時にそれなりに指定するのですが、それでもかなりばらつきが出てきますね。ボツになった理由は、絵柄の点もありますが、何よりシャリオさんが若すぎる(!)こと。あの落ち着いた包容力のある感じは、この若さのキャラではちょっと出せないです。

向かって右側のセレスタ、これはこれでよい出来です。元々の設定から考えると、セレスタは、まさにこんな雰囲気の子なんでしょうね。それが実際に小説本編の中で動かしてみると、微妙に違うキャラになっていきました。
そういえばヒロインのエレオノーアの場合も、実際に動かしてみたら全然違うキャラになってしまったのですが……だいたい設定通りに書けるキャラと、当初の設定から独り歩きするキャラとがあって、それは書いてみるまで分からないというのも面白いところです。で、独り歩きするキャラは、ときどき大化けします。エレオノーアがそうでした。逆に、自然と設定通りに書けるキャラの代表が、シャリオさんですね。

続いては昨日のクリスマス用。

チキンにかぶりつくエレオノーア。ボツ画像なのか単に未使用な画像なのか、よくわかりません。
キャラの絵柄に対して、チキンの絵柄が妙にリアルで、少し気持ち悪いほどですね(笑)。
エレオノーアにしては、髪の毛が長めになってしまいました。

 

今度は、ルキアンとエレオノーア、アマリアさんの3名がパーティーに行ったという画像です。
パーティーなのに、みんな、顔が笑っていないのが何だか怖い(笑)。要人のパーティーに入り込んだ暗殺者たち、という感じか?
エレオノーアの髪が長すぎるのと、ルキアンの年齢がちょっと高めなところが惜しいです。でも、ぎりぎり許容範囲か。

これは……。ルキアンは、かなりいい感じです。が、アマリアさん、毒が無さすぎるというのか、普通の、気の良いおかあちゃんになってしまいました(笑)。母と兄妹の家族写真という様相ですね。エレオノーアの衣装やアクセサリーが細部までとてもきめ細かく描かれていて、AI怖いです。あぁ、人類……。

ダリさんを使っていて最近気づいたのは、年齢をキャラの設定に合わせるのが意外と難しいというところです。アマリアさん、わざわざ年齢や外見を指定しても、なぜか少女になってしまったりします。

 

たとえば、これ。

アマリアさん(向かって右端)が、むしろ一番若そうですね。でも楽しそうな三人(笑)。
何気に、乾杯するルキアンのグラスが宙に浮いている。さすが魔法使い? いや、単にダリさんの……。

 

これも若すぎるアマリアさん。
彼女にも、こんなに若くて無邪気な頃があったのでしょうか。アマリアさんにかけられた「呪い」のことを考えると、辛いです。こうやって仲良く3人一緒でも、やがて他の2人だけが先に老いてこの世を去ってゆく、ということがずっと繰り返されてきたのですから。

 

最後はメルキアさん。昨日のクリスマス画像には、人物部分だけを切り抜いて使いました。背景を入れた元画像はこういうものになります。


ちなみに昨日のクリスマス画像、ハッピーな感じなのですが、よくよく見ると結構怖いところもあります。

ルキアンとエレオノーアを中心に、向かって右側の人たち(ルカとルチア)は、もうこの世にはいない人たちです(残留思念)。向かって左側は、人間ではないキャラたちです。上のリューヌは人工精霊的なパラディーヴァ、下のメルキアはAIのアバター。いや、そういえばルキアンとエレオノーアは、あれなので……。この絵の中に、まともな「人間」が誰一人としていないという……。なんというか、闇属性チームだけあって、闇の深さを感じますね(苦笑)。

それでも、君が人間かどうか、どんなふうに生まれて正体が何かなんて関係ない、今ここにいる君自体が大事なんだ、という趣旨のセリフが「ハルスの邂逅」編でも何度も出てきました。その点を体現した、とても前向きなメッセージをもつ画像なのかもしれません。君が幽霊でも人工精霊でもAIでもアレの化身でも、そんなの関係ない、僕は、いまここにいる君が愛しい、という感じで。ましてや、人種とか性別とかもろもろの属性とか、そんなことは、同じ「人間」同士の中の些細な違いでしかないですよね、と。ただ、そんな同じ「人間」の間でさえ分かり合えない世界というのも、なんですが……。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
年末の忙しい時期に、感謝です!

ではまた。

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クリスマス、間に合いました。皆様に届け!

連載小説『アルフェリオン』の登場人物より、主人公ルキアンと闇属性チームの面々から、メリークリスマス!
何とか更新が間に合いました(笑)。
そういえば、このキャラたちが、こんなに穏やかな表情で揃っているのって初めてですね。
何だか泣けてきます。

遅刻したサンタさんが、皆様に幸せをとどけてくれますように。
いつも「鏡海亭」をご覧いただき、ありがとうございます!

親愛なる読者様方へ 鏡海隼人

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第58話(その2)湿原に消えた「王の道」

目次これまでのあらすじ | 登場人物 鏡海亭について
物語の前史プロローグ

 


2.湿原に消えた「王の道」


 
 エクター・ギルドとナッソス公爵軍との戦いに決着がつき、ミトーニア市にも一応の平穏が帰ってきた。この間、ギルドのアルマ・ヴィオ部隊による包囲を耐え抜いた、他都市よりも格段に大規模な市壁の中には、レマリア帝国時代以来の精巧な石造りの建造物が立ち並ぶ。この千古の商都ミトーニアの中心部に位置し、市内を縦横に伸びる大路小路が交錯する広場、すなわち同市や周辺地域からの特産品・日用品を扱う「市場(マルクト)」としても賑わっている石畳の四角い「中央広場」に面し、市庁舎とともにミトーニア神殿が建つ。
 古くは《前新陽暦時代》、レマリア帝国の治世の頃から《麗しのミソネイア》として名高い、富裕な商業都市ミトーニアには、しばしば王都以上にあらゆる物が揃っており、国内外から商機を求めて様々な人間も集まってくる。そのため、街の人々は大抵の珍しいことには慣れっこである。だが、そんなミトーニア市民たちも、いま広場で起こっている一件に対しては、歩みを止めて何事かと見入っていた。誇り高き自治都市として、しかも政治的立場や民族の違いなどを超えた自由な商取引の場を守るため、議会軍や国王軍も含めて一定以上の重武装をした者の進入を原則禁止としてきたミトーニアだったが、先日の武装解除・開城後、反乱軍やナッソス軍残党からの反撃に備えてギルドのアルマ・ヴィオが市内に出入りするようになり、今もこうして目の前に陸戦型アルマ・ヴィオ、こともあろうに派手なピンク色の《リュコス》が乗り付けてきているのであった。
 
「悪目立ち、してしまいましたか。秘密の任務ではあるのですけれど……」
 リュコスから降りたシャリオは、周囲の市民たちの反応を気にしながら目を配る。ただ、大神官という立場柄、多数の人前に身を置くことには慣れているため、外見的には彼女は平然とした様子であった。
「神官が神殿に来なくて、いったい誰が来るっていうんですか。おかしくもなんともないっすよ、シャリオ様!」
 彼女の隣でささやくのは、ショッキングピンクの長髪のセレスタである。その鮮烈な姿は、周囲の視線の多くを否が応にも集めている。
「まぁ、確かにそうですわね。今の状況なら、ギルドのエクターが警護をしてきたというのも、あり得る話ですし。ただ、それにしても、あなたの……」
 シャリオは、セレスタの頭頂から足先まで改めて眺め、溜息をついている。例の髪はもちろん、頭に引っ掛けた大きなゴーグルは、この《現世界》では珍しい《旧世界》風のアイテムであり、《ジャンク・ハンター》関係者以外の普通の市民が目にしたら、その見慣れぬ様子に思わず首を傾げるだろう。さらにセレスタは、敢えて胸が強調されるような、わざと窮屈なサイズのシャツを着ているかと思えば、これまた《旧世界風》の見慣れないショートパンツを履いて、まだ寒気も残る春の風に素脚を晒している。
 イリュシオーネの女性のファッションとして、丈の長短にかかわらずズボン・パンツの類は基本的に選択肢にはなく(日常の衣装としてではなく、軍人やエクターの女性が仕事上の都合から履くことはあるにしても)、男性の場合も、短いブリーチズなどを履く際、タイツを身につけるのが普通であるから、いずれにしてもセレスタのようにショートパンツに素の脚で歩き回る者は、滅多に居ない。そんな独特の衣装の上に、ポケットの多い軍用のような革コートを羽織ったセレスタの姿は、エクターやハンターなどのいわゆる《冒険者》が好みそうなスタイルである。とにかく、周囲の都市市民たちの出で立ちと対比すると、二重にも三重にも浮いた格好だ。
「私がたくさん目立つ分、シャリオ様が目立たなくなるから、これもなんというか、作戦っすよ!」
 そう言いつつ、セレスタは遠巻きに眺める人々に手を振って、愛嬌を振りまいている。いささかアピール過剰ではあれ、溌溂として健康的な彼女の魅力に、街の人々はまんざら嫌でもなさそうだった。そんな彼女の様子を見ているうちに、何となく気恥しくなって歩みを速めたシャリオ。セレスタが小走りで後から着いていく。
 その先、優美な尖塔を備えた白い石造りのミトーニア神殿が、二人の前にそびえ立つ。入口のところで三人の神官が待っており、真ん中にいた白髪頭の神官が、シャリオの姿を認めると恭しく一礼して近づいてくる。
「これはこれは、ディ・メルクール大神官。このように大変な折に当神殿にお越しいただきまして、ありがとうございます」
 温和な微笑みとともに挨拶をしたのは、ミトーニア神殿の主任神官、リュッツだった。先日、同市が戦火を免れるよう尽くした彼の功績を、シャリオがルキアンから聞くことは残念ながらもはや無かったが。
「こちらこそ、急なお願いでお騒がせして申し訳ありません。あなたが、ベルナール・リュッツ殿ですね。わたくしは、いまは俗世にまみれた気楽な立場ゆえ、巷の流儀のようにシャリオとお呼びください」
「では失礼申し上げて、シャリオ様。さっそく中にご案内いたしましょう。それから、従者の、エクターの方……でしょうか?」
 怪訝そうに、あるいは若干迷惑そうな眼差しで見た主任神官に対し、セレスタは頭をかきながら、大口を開けて笑っている。子供のように無邪気な笑顔を見せていたかと思うと、彼女は広場の群衆に背を向け、不意に真顔に変わり、声を抑えてリュッツに告げる。
「初めまして、神官様。エクター・ギルド本部の命により派遣されたセレスタ・エクライルっす。私のことは、シャリオ様を守る剣が一本置いてあるだけだと思って、気にしないでください。で、先に言っておくっすよ。神殿でのこれからのこと、私は何も見なかったし、何も聞かなかったっすから」
 一見すると脳天気そうな風貌にもかかわらず、極秘任務を帯びた《運び屋》としてそれなりの振る舞いを取るセレスタに対し、リュッツも幾分は安心したのか、わずかに表情を緩めるのだった。
 
 ◇
 
「いやぁ〜、これはまた、《地下迷宮(ダンジョン)》みたいで面白いっすね。もしかして、以前は本当に地下墓地とか秘密の地下道だったとか?」
 ランプを手に案内するリュッツと最後に着いてくるシャリオとの間に立ちながら、セレスタは周囲を忙しそうに見回している。神殿図書館の奥にある文書館、そのまた地下に降りた区画を三人は歩いていた。ここには、レマリア時代からミトーニアに伝わる文書や絵図が保管されている。
「かつての《地下墓地(カタコンベ)》は別なところにありますが、実際、ここも含めて、中央広場一帯に広がる地下施設の多くは秘密の場所だったのですよ、レマリアの時代にはね」
 さしたる感慨も伴わず、リュッツは周囲の壁や天井を曖昧に指し示した。
「レマリアの皇帝の中には、宗教一般を弾圧した暴君もいました。この地のミソア教……ミソネイアという街の名前の起源でもあるミソア神への信仰も……激しい迫害を受けました。さらにもう一度、今の《神殿》の教えが国教になった後、異教とされたミソア教が迫害の対象となったこともあります。そういったとき、ミソア神を信仰する人々は、地下に隠れて礼拝を続けました。現在、この神殿や隣の市庁舎はレマリア時代の遺跡の跡に建てられていますが、その遺跡の地下には、こうしてミソア教徒の隠し通路があったのです」
「そんな場所に、レマリア時代の文書が保管されているのですか。何と申しましょうか、皮肉なものですわね」
 シャリオはそう言って、続きの言葉は心の中でつぶやいた。
 ――そういう曰く付きの地下書庫に、ですか。レマリアの文書が《貴重》だからここに秘蔵されているというよりも、むしろ《秘密》にしておきたいからここに隠されているようにも思えてきますね。もっとも、それは当然のことでしょうか。《旧世界》はもちろん、《前新陽暦時代》のレマリアのことも含め、《新陽暦》の時代が始まるよりも以前の歴史は民に知らしめるべきではない、という《神殿》の基本姿勢を考えれば。
 ただ、リュッツがどのような思想の持ち主かまだ分からない以上、シャリオはそんな思いを安易に口に出すことはしなかった。下手に《旧世界》や《前新陽暦時代》に関する私見を明らかにすると、融通の効かない堅物の神官が相手だった場合、異端の疑いを持たれることさえあるのだから。何くわぬ顔で最後尾を歩いていくシャリオ。
「レマリア帝政期後半頃の地図、できれば現在の中央平原からガノリスとの国境付近の街道が詳しく記載されているもの、でしたな。あるとしたら、恐らくは……このあたりです」
 リュッツがランプを掲げ、左右に連なる書類棚の一角に灯りを向けた。
「では早速、拝見してよろしいでしょうか」
 そう尋ねつつ、すでにシャリオはレマリアの貴重な史料を閲覧する気満々で、作業用の白い布手袋に指を通し始めている。
「えぇ。御存分に、シャリオ様。いや、ところで、その……エクターの方」
 遅れて返事をしたリュッツは、棚の間を行ったり来たりしているセレスタの振る舞いが気になるようだ。部外者が無造作に文書を手に取ったがために、それが収められるべき所定の位置が分からなくなったり、文書同士の重ねられている順番が無自覚に入れ替えられたりすると、史料の管理上、後で面倒なことになる場合もある。何より、細かいことには適当そうなセレスタは、古びた文書にたちまち折り目をつけてしまったり、破いてしまったりしかねない印象だ。
 だが、セレスタ自身には躊躇する様子がない。彼女はわざとらしく微笑んで、リュッツにささやくのだった。
「あは? 私っすか? 心配ご無用、神官様。私、今は《運び屋》稼業ばかりやってますけど、元々は、ハンター・ギルド所属のれっきとした《ジャンク・ハンター》なんで。つまり旧世界やレマリアのお宝を扱うのも私の商売っす。心得てますよ」 
 いつの間にか、セレスタはシャリオと同じような手袋を自前で用意しており、旧世界の古典語に似たレマリアの言語で書かれた文書を、しかも判読し難い癖のある手書きで記されているそれを、普通に読んでいる――ように見える。
「あなた、セレスタさん……レマリアの言葉が読めるのですか?」
 意表を突かれたような面持ちで、シャリオがセレスタの様子に注目した。
「多少。でも、大方は我流っすよ。だからシャリオ様のような専門的な理解は無理だけど、書いてある文面をそのまま読む程度なら……。ま、ハンターは学者じゃないんで、私の仕事にはそんな感じで大体差し支えないかな。それで、街道図、街道図……。これは違うっすね。こっちは、《王の道》の周辺の?」
 ――ベルセアさんが褒めるのも分かる気がします。今日の調査にも思わぬ助力になってくれそうです。わたくし、彼女を見た目だけで判断してしまっていたようですね。まだまだ修行が足りませんわ。
 てきぱきと文書を閲覧していくセレスタに、シャリオは目を閉じ、おもむろに首を振って笑った。 
「《王の道》というのは、今では王国中部から王都エルハインにつながる幹線の街道ですから、そこでいう《王》とは、オーリウム国王のことを意味すると誤解されがちです。しかし実際には、エルハインの街が開けるよりも遥か前、レマリアの時代から《王の道》は使われています。つまり《王》というのは本来はレマリア皇帝のことです。《皇帝の道》というわけですね」
 シャリオはセレスタの隣に寄り添うと、彼女の手にしている古地図を指して語り続ける。
「それで、レマリアの《王の道》は、現在のガノリス王国からヴェダン川を渡ってオーリウム王国に至り、当時はまだ小さな町に過ぎなかったエルハインの近くを通ってさらに北に抜けます。かつては、ガノリスもオーリウムもレマリアの一部に過ぎませんでしたから、両者の間に国境は無かったのです。いずれもレマリア人の支配下にあった、彼らのいう《蛮族》のガノル族の住むガノリスの地と、同じくオレアム族の住むオーリウムの地と、どちらも帝国の辺境でした」
 話に熱の入ってきたシャリオが、無意識にセレスタに体を寄せてくるので、彼女は書棚とシャリオの間に挟まって窮屈そうだ。苦笑いしているセレスタのことなどほとんど顧みず、なおもシャリオは語り続けた。
「ちなみに現在の王都《エルハイン》の語源は、古オーリウム語、つまりはオレアム族の《エルター・ハイム》という言葉だといいます。オレアムの言葉に即していえば、それは《時を経た家》という意味なのだそうです。歴代の族長の館が置かれた場所、と申しましょうか。そしてレマリア帝国の滅亡後、ガノリスとオーリウムは別々の王国として独立し、ガノリスの度重なる侵攻を防ぐためにオーリウムは国境のヴェダン川沿いに防塁を築きました。それが《軍神レンゲイル》の壁の起源。この《壁》は、歴史の経過とともに次第に増強され、遂には要塞線となって、両国を結んでいたかつての《王の道》は完全に分断されました。《王の道》のうち、《壁》の近辺を通っていた部分はいつしか湿地に覆われ、人々の記憶から忘れ去られていきました」
 シャリオが小難しい話をさらに続けようとしていたとき、セレスタはお手上げだという様子を身振りで表現し、呑気な声で告げた。
「へぇ〜。よく分かんないっすけど、ちなみに《レンゲイルの壁》って、どんなところにあるか知ってるっすか? あのグチョグチョでドロドロな湿地帯に囲まれてるんすよ。あんなところに、ずっと昔はレマリアの大きな街道が通っていて、ガノリスまで行けた……。なんか、急には信じられないかも」
「えぇ、信じられないかもしれません。それでも、レマリアの時代、戦時には多数のアルマ・ヴィオが行軍できるような、それほどの規模で整備された《王の道》があそこにあったのです。今はもう沼地に埋もれてしまっていますが……。おそらく、《レンゲイルの壁》を取り囲む現在の湿原は、レマリア滅亡後に、大河ヴェダン川の度重なる氾濫によって出来上がったものかと思います」
 セレスタは、意味ありげに頷きながら、シャリオの話を聞いている。そして答えた。
「で、沼地に埋もれたその昔の街道を調べろと、そういう任務なわけっすね。《レンゲイルの壁》攻略に必要な作戦だと思うんすけど、これ、クレヴィスさんあたりの発案っすか。それとも、こういうこと詳しい人といえば、ひょっとして、ルティーニさんとか?」
「え、えぇ。クレドールの内情も、よくご存じなのですね。たしかに、まぁ……大筋では、そういう、ことです」
 細かい点については言葉を濁したシャリオだったが、ここで彼女たちがレマリア時代の古地図から得た情報が、後々、《レンゲイルの壁》をめぐる攻防において重要な役割を果たすことになる。
 
【続く】
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脇役だって、未来を変えられる

連載小説『アルフェリオン』、現在、第58話(その2)の更新に向けて執筆中です。本日は新編のPR用画像から何点か紹介いたします。

AIのDALL-E3(以下、ダリさん)に生成してもらった先日のセレスタの画像、脚が一本多かったので(笑)、上記のように修正しました。

元画像はこれ↓ですね。右脚の横に謎の靴が……。上掲の画像では、その靴の部分をうまく消せて、跡が分からないように隠せているでしょうか。

この画像のセレスタは、本編に出てくる彼女よりも随分幼い頃のようです。いつか立派な冒険者(?)になりたいと、世界を夢見ていたのでしょうか。
セレスタが孤児であり、神殿の施設で育てられたという設定は、前回の物語に出てきました。幼い頃からの逆境に負けず、明るく良い娘に育ってくれましたね(良い子かどうかは分からないところもありますが)。

生成時には右手の指が六本あった画像も(ダリさん……)、下記のように鏡海が修正しました。

 

続いて、第58話の縦型PR画像・第一弾です。

レマリアの兵士たちがカラーになりました。右下にある設定画風のゼフィロスのイラストがいい感じ、レトロな図鑑みたいな雰囲気です。さすが、ダリさんですね。

同じく第58話の縦型PR画像・第二弾です。

いや、セレスタ嬢のPR画像(笑)でしたか。
『アルフェリオン』には、従来あまり出てこなかったタイプのキャラですが。

ちなみに次回の第58話(その2)では、ミト―ニア神殿の書庫にセレスタとシャリオさんが入る模様です。単に「レンゲイルの壁」決戦との関係で話が進んでいくだけではなく、レマリア帝国をはじめとする「前新陽暦時代」のことや、「旧世界」のことも色々と明かされていくかもしれません。

「前新陽暦時代」のことって、小説本編の時代と近い割には、実は「旧世界」のことよりもよく分かっていないような印象です。「旧世界」が崩壊してからレマリア帝国が勃興するまでの間、いったい何があったのか、いったいどのくらいの時が流れたのか、その部分が完全な謎になっているのですよね。

そのあたりの壮大なストーリーにつながる情報も、シャリオさんが色々みつけてくれるかもしれません。

いや、ところで主人公とヒロインは、新編の開始以降、まだまったく登場していません。主人公がたまに超覚醒して、大活躍して、事が終わったら一気にモブキャラみたいになってしまう……これも『アルフェリオン』の定番パターンですね(苦笑)。

本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただきありがとうございました。
今週も半ばに入って、寒気が一層強まって参りました。
読者様方も、何とぞご自愛ください。

ではまた。

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ただの脇役だなんて、言わせない!? セレスタ嬢・登場!

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、先日・12月16日更新済みの第58話(その1)によって、ついに新編がスタートしました! そこで新しいPR画像を……??

「あのですね、おにいさん。な、な、な、何なんですか、この人は!?」


(本作のメインヒロイン: エレオノーア)

「しかし、華がありますね。私と違って……」

これまでの「ハルスの邂逅」編でヒロインの地位を確立したと思われていたエレオノーアさんです。ところが、新編序盤早々の第58話からいきなり、強烈なキャラが来ましたね(笑)。

今回は、この強烈なキャラことセレスタ嬢の画像をAIのDALL-E3(以下、ダリさん)に生成してもらいました。

さすが、よく分かっていらっしゃる、ダリさん。あぁ、人類……(笑)。
しかも、このように大きな動きのある画像も、こちらの指示通りに自然な描きぶりで表現してしまうとは、あぁ、AI……。

冒頭のタイトル画像は、これら2枚の画像を組み合わせたものだったのですね。
それに加えて、セレスタの乗るアルマ・ヴィオ、(それ自体はごく平凡な機体ですが)リュコスの画像も地味に初公開ですね。
いや、それにしてもセレスタ仕様のリュコス、派手は派手です(笑)。

さらにもう1枚。こちらは採用版より年齢低めの外見ですが……。

笑笑笑!!

こちらも……。

なにその少年コミックのヒロイン、あるいは女性主人公!
しかし、ダリさん容赦ないな。人類のヒットポイントはもうゼロ……(苦笑)。

で、鏡海も、ちゃっかりとこんな画像の生成も指示しているところがずるい。

あの、あっけらかんとして脳天気なセレスタが、物語の中で不意に、こんな雨に打たれた子猫のような切ない表情を浮かべたら、もっていかれる人が続出……だったりして。

ダリさん、このセレスタ嬢の画像、右手の指が一本多いですよ……というのは、現段階でのAIによくあるミスと申しましょうか、ご愛敬ですが、ダリさんの今後のますますの発展も侮れませんね。

しかもこのセレスタ嬢、最新分の第58話(その1)にも出てきましたように、これからしばらく、あのシャリオさんと行動を共にするようです。この二人の組み合わせも色々と捨て難いです(笑)。

 ◇

本日も、ブログ「鏡海亭」にお越しいただきありがとうございました。
引き続き、『アルフェリオン』の新編も充実した内容のものとしていきたいと思います。ぜひご期待ください!

ではまた。

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第58話(その1)ふたつのはじまり

目次これまでのあらすじ | 登場人物 鏡海亭について
物語の前史プロローグ

 


歴代の皇帝の治世が続くうち、レマリアの社会は爛熟し、
やがては熟し過ぎた果実が腐ってゆくのと同様、人心は荒廃していった。
レマリアの民は旧世界人の過ちを忘れ、
異民族を支配しながら怠惰と悦楽に浸り続けた。
このミトーニア、当時の言葉でいえばミソネイアに住むレマリア人たちも、
安逸な日々の中で退屈しのぎの娯楽ばかりを求めていたらしい。
そしてレマリア帝国も崩壊し、前新陽暦の時代も終わった。
ここに残る苔むした瓦礫の山から、ミトーニアの人々は何を学んだのか。
そう、何を。
 
シェフィーア・リルガ・デン・フレデリキア
(ミルファーン王国「灰の旅団」機装騎士)
 

1.ふたつのはじまり


 
「こうしていると、思った以上に体が冷えていきますね。まだ冬を忘れられないラプルス山脈からの凍てついた風が、遮るものの無い中央平原を吹き抜け……」
 その声すらも強風にかき消されそうになりながら、大揺れに揺れる白いフードごと、頭を手で押さえつつ、それでもシャリオ・ディ・メルクールは目を細めて穏やかに笑った。
「あらあら……」
「悪ぃ、シャリオ先生。もうしばらく中で待ってた方がよかったな」
 隣に立っていたベルセアが壁役のように前に歩み出て、彼女に戻るよう促す。議会軍の占領下に入ったナッソス城を遠巻きにして、荒野の只中に白き翼と船体を休ませる飛空艦クレドール。その艦底付近に開いた乗降口にて、先ほどから二人はタラップの前で誰かを待っている。
「ありがとう、ベルセアさん。でも大丈夫です。予定の時刻はもうすぐですし、その方、時間には正確な人なのでしょう?」
 彼女のまとった、白地に青の文様と金の縁取りの神官服は、そのゆったりとした形状や、通常よりもひらひらと長い、敢えていえば金魚の鰭のような袖や裾のために、この地方名物の強風に好き勝手に弄ばれている。フードを両手で押さえれば袖を巻き上げられ、思わず手を離せばフードは引きちぎられそうな勢いで頭から脱げ、一気に弾けるように黒髪が広がり、飛び去る速さで後方へと引っ張られた。
「嫌ですわ。困ります……」
 今度は衣の裾を膝上まで煽られ、シャリオは慌てて前を押さえる。
「お戯れが過ぎますこと、西風の神は」
 苦笑いしながら彼女の言葉に頷くと、ベルセアは、風に乱れ輝く金色の長髪を指でかき上げた。そして申し訳なさそうに告げる。
「本当は、俺かメイがミトーニアまで乗せていければよかったんだが、俺らは、もうすぐ作戦の打ち合わせがあって。ルキアンは《家出》中、バーンはアルマ・ヴィオにまだ乗れる状態じゃないし、汎用型の機体もう1体とエクターもう1人、どこかから回してくれないかな。ルティーニが何とか手配してくれるといいんだけど」
 彼は、吹きすさぶ風の中でもはっきりと聞こえそうな、深い溜息をついた。
「誰か至急に先生をミトーニアまで送って、なおかつ今回は極秘任務だから、口が堅くて信用のおけるヤツで、こんな混乱した状況、万一の時には用心棒にもなるヤツ。そんな便利な、都合のいい人間って……。いや、いるには、いるんだけど。で、実際、頼んだわけだが、アイツに」
 もはや会話というより、愚痴か独り言かよく分からなくなってきたベルセア。そんな彼の目が、不意に平原の彼方を鋭く見つめた。陸戦型のアルマ・ヴィオ乗りに相応しい、地平の向こうまで見通しそうなベルセアに対して、どちらかといえば目の良くないシャリオには、最初は何が起こったのか把握できなかった。
 周囲の強風をも抜き去らんばかりの勢いで、何かがクレドールに急接近してくる。はじめは小さな赤い点のようにしか見えなかったが、次第に大きくなり、じきにそれは視界の中で獣の影となり、たちまち、犬のような、いや、もっと猛々しく精悍な狼の姿を取った。オーリウム王国はもちろん、イリュシオーネ各国で正規軍から民間のエクター、果ては野盗に至るまで幅広く使われている陸戦型アルマ・ヴィオ、その名称程度であれば神官のシャリオでも知っている。
「《リュコス》……ピンクの……個性的な色ですね。では、あれが例の人の?」
 そう言ってシャリオが眺めている間にも、その機体は、瞬間移動かと唸りたくなるほど直線距離を一気に詰めたかと思えば、まるで弧を描いて雪の上を滑るように、土煙を舞い上げながら急カーブを切り、なおも高速でクレドールに向かってくる。
「そう、色は派手だけど、あれで動きは相当なものだろ? ピンク・赤・白のリュコス。あれに乗っているのが《弾速の運び屋》こと、セレスタ・エクライル」
「セレスタ、さん? 女性のエクターなのですね」
「そうだよ。俺の妹分みたいな、いや、家族、かな。俺が孤児で神殿の施設の出身だって、先生は知ってるだろ。そこの施設で、ガキの頃からずっと一緒だった。だからあいつのことは、良いところも悪いところも何でも知ってる。その上で俺が言うんだから」
 ベルセアは目を閉じ、おもむろに頷いた。
「あいつは絶対裏切らない。信用できると」
「素敵ですね。でも、よく分かりますわ。わたくしにも、その、妹分と申しましょうか、神殿で修行中の頃、姉妹のように共に過ごした子がいましたから」
 そう言ってシャリオは、遠く北の方角を、王都エルハインに続く空に目をやった。いま都に漂う暗雲を意識しながら。
 ――ルヴィーナ、元気にしているかしら。最近の王宮をめぐっては、良くない噂を色々と耳にします。
 エルハインの王宮でレミア王女の教育係をしている元神官、ルヴィーナ・ディ・ラッソのことを彼女は思い起こすのだった。
 二人の間で多少の雑談が交わされている間にも、鮮烈な桃色の鋼の狼は、すでにクレドールの前に到着していた。この戦時にアルマ・ヴィオが全速で接近してきてもクレドールの側からは特に警戒するような行動が見られなかったのは、たとえば付近一帯を監視している《鏡手》のヴェンデイルは勿論、艦のクルーたちが、この機体と乗り手のことをよく知っているからなのだろう。
 リュコスが地面に腹ばいに身を伏せると、続いて背中のハッチが開き、中から飛び降りるように、身軽に女性のエクターが降りてくる。愛機と同じピンク色に染めた髪は、頭の左右でそれぞれ1本ずつに結ばれている。そのおかげで、風に吹き散らかされるようなことはあまり無かった。代わりに茶色い革のコートを緩やかにそよがせながら、彼女はタラップを上がってくる。
旧世界の遺品であろうか、何か得体の知れない装置を思わせる大きなゴーグルを被っていた彼女が、それを額にずり上げた。
「ちゃら~っす! ベルセア兄貴、おひさっすね」
 少し低めの、いくぶん枯れた声で、気の抜けるような調子で彼女は挨拶する。
 ベルセアは慣れた様子で気にも留めず、手を振っている。シャリオは呆気にとられたような顔つきで、ベルセアを真似てひとまず手を振ってみた。
 ――か、軽い……ですわね。この人が、そんなに凄腕の運び屋さん?
「お手紙1通から飛空艇まで、ご家族へのプレゼントからマル秘の機密文書まで、何でも運びます。確実・迅速。安心のエクター・ギルドとハンター・ギルドの正会員、怪しい者ではございません」
 ピンク髪の女は、そう言いながらシャリオたちの前を横切った。そして続ける。
「ノリは軽いが、口は堅い。お客様の秘密は絶対に守ります。しかもお安くなってます」
 最後に彼女は、シャリオに向かって仰々しくお辞儀をした。
「今後ともごひいきに。私は運び屋のセレスタっす。あなたがシャリオ様っすね?」
「は、はい……その、わたくしです。神官をしておりますが、今はクレドールの船医、シャリオ・ディ・メルクールです。よろしくお願いします」
 何やら調子が狂う感じで、シャリオはセレスタに手を差し伸べ、握手をした。セレスタの方は特に気にするでもなく、お仕事用の笑みを浮かべている。
「よろしくっす。この局面、しかもギルド本部からの特命なので、重大な任務だということは分かるっすよ。シャリオ様、ミト―ニア神殿への往復と現地での護衛、すべて私にお任せを」
 そう言われても、まだどことなく不安そうなシャリオに向けて、ベルセアが大丈夫だというふうに何度も頷く。
「シャリオ先生。こう見えてセレスタは頼りになるよ。何でも相談すればいい。こいつは、物分かりは結構いいし、細かいことは気にしないから、気楽に側に置いて問題ない」
「は、はい……。頼もしい、ことですわ」
 そしてセレスタに先導されてタラップを降りてゆくシャリオの姿を、彼女が心配そうに度々振り返る様子を、ベルセアは引きつった笑顔で見送るのだった。
 
 ◇
 
 シャリオがミトーニアに向かってから1時間ほど後、クレドールに新たな訪問者があった。艦内の薄暗い廊下に、背の高い男性の影がひとつ、それに比べると小柄な女性の影がひとつ、いずれも固い靴音を響かせて、こちらに近づいてくるのが見える。
「これがギルドの飛空艦……。中の雰囲気というのか、基本的な内装の感じが、私の知っている軍のいずれの船とも違いますね」
 おそらく三十代くらいの女性であろう。彼女は声を抑えて告げる。それでも、艦内の静粛な空間に、落ち着いた低めの声は思った以上に伝わっていく。
 たとえ儀式魔術によって生成された人工物ではあれ、飛空艦というのは、アルマ・ヴィオと同じく《生体》であり、外部の装甲をのぞけば大方は有機物の塊だ。アルマ・ヴィオが主として旧世界の《星の民・イルファー》の魔術の産物であるのに対し、たしかに飛空艦が、イルファーの魔術と《人類(フーモ)》の科学との融合によるものではあれ。それでもやはり、飛空艦の《体内》は、旧世界の時代にフーモが使っていた艦船の内部に比べると、格段に静かだった。動力機関の振動や機械の作動音のようなものは、ほとんど感じられない。
 議会軍の制服、それも佐官であると分かる衣装をまとった女性は、一見、淡々と進みながらも、見慣れない内装の数々に興味深げに視線を走らせていた。ごく緩やかに波打った焦げ茶色の髪、体形も背丈も平凡ではあれ、真面目で清潔感があり、一定の信頼を置けそうな人物に思われた。
 その隣を歩くのは、肩まで届く銀髪が印象的な四十代くらいの騎士、いや、昔日の騎士の風格を漂わせた軍人、制服の見た目からしてかなり上級の将校のようである。
「私もギルドの飛空艦に立ち入るのは初めてだが、おそらく旧世界の船体を修理、改造して用いているのだろう。現世界の技術と設計思想に基づいて造られた議会軍の艦とは、たしかに勝手が違う」
 いわゆる《旧世界風》の様式にあふれた周囲を――たとえば何の装飾もない簡素な壁面や、その上を剥き出しで走る大小様々な管、所々に明かりが見える他にはただ真っ白で平らなだけの天井を――眺めながら、彼は答える。
 もし、これが現世界の飛空艦、特に外見的な華美さにこだわる国王軍のそれであれば、艦内の壁は単色ではなく白地に黄金色の厚塗りによる装飾、あるいは絢爛な壁紙、手の込んだ化粧漆喰の意匠などで溢れかえっていることだろう。
「エレイン。旧世界由来の船、戦力も相当なものと思われる。この艦を含め、たった3隻のギルド側が、中小国の軍事力にも匹敵するナッソス公の艦隊を正面から打ち破ったのだから」
 エレインと呼ばれた副官は、複雑な面持ちで彼の方を見上げた。
「たしかに。船の性能もさることながら、人の面からみてもギルドの力は恐るべきです。艦長のカルダイン・バーシュは、かつての革命戦争の際に、空の《海賊》……いや、失礼、《私掠船》仕込みの奇襲戦法でタロス共和国の大艦隊を翻弄し、恐れられた男ですが、彼にとってはナッソスとの戦いなど、奇襲を使う必要さえなかったということですね」
 彼らが艦内の格納庫から階段を上がり、そこから今の廊下を経て少し進んだ先、薄明りのもと、前方で恭しく一礼する人影が見えた。
「お待ちしておりました。マクスロウ・ジューラ少将」
 サンゴ色の鮮やかなヴェストの上に茶色の長いクロークを羽織った声の主は、小さめだが分厚いツーポイントの眼鏡の奥で笑みを浮かべる。
 ――魔道士? そうすると、彼が……。
 銀髪の男は歩みを速め、クロークの男の手を取った。
「貴殿が、クレヴィス・マックスビューラー副長ですね。お会いできて光栄です」
「私も、お噂はかねがね、承っておりました。議会軍少佐、エレイン・コーサイスです」
 今回のナッソス家討伐戦にあたってギルドの支援を取り付けた立役者である、議会軍の情報将校マクスロウ・ジューラと、その補佐にあたるエレイン・コーサイスは、次なる作戦に向け、ギルドの遠征部隊の総指揮を取るカルダイン艦長と非公式の会談に訪れたのであった。
 
【続く】
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第58話「千古の商都とレマリアの道」予告画像です!

連載小説『アルフェリオン』、最新話・第58話のタイトルが決まりました。
「千古の商都とレマリアの道」です。下記の予告編PR画像も公開です。

今回もAIのダリさんことDALL-E3に素材を生成してもらいました。
こ、これは……シャリオさん、単独で、ど真ん中にきましたね!(笑)
「物語序盤の事実上のヒロイン」との評判も高い(?)シャリオさんです。遅れて来たメインヒロイン、エレオノーアもうかうかしていられないかも。
そういえば第53話で、シャリオさんにミト―ニア神殿の書庫に至急調査に行ってもらうよう云々という話がありましたが、その件でしょうか。
ご期待ください。

本日もありがとうございます!
ではまた。

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主要キャラ揃い踏みPR画像

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、先日の主要登場人物紹介に続いて、同じく主要キャラが勢揃いしたPR画像を作成しました。

上記の画像は見出し用です。実際には下記の縦長画像になっています。

今回は御子やパラディーヴァも載せました。
それにしても登場人物多いですね(苦笑)。
取り上げられなったキャラクターもまだまだいます。特に飛空艦クレドールのクルーたちや、過去の御子関連のアマトや海皇ソラなど(そういえば、エインザールもいないですね……)。

本日も鏡海亭を訪問いただき、『アルフェリオン』を応援くださいまして、ありがとうございます! 良い週末でありますように。

ではまた。

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新編に向けて、各方面の主要登場人物を整理してみました!

連載小説『アルフェリオン』、「ハルスの邂逅」編が完結し、いよいよ帝国軍との激突が始まる予感です!
 
 
ただ、今春の「ハルスの邂逅」編の開始まで永らく更新が停止されていたため、それまでのストーリーを失念してしまっていた以前からの読者様もいらっしゃるかもしれません。あるいは今後の物語においては、同時に複数の方面で多数の勢力が戦いを繰り広げるため、改めて全体的な状況を整理しておくと分かりやすいです。
 
そこで今回は、今後のストーリー展開の鍵を握る4つの方面について、それぞれの主要登場人物を紹介しつつ簡潔に振り返ってみました!
 
※今回は、あくまで人間世界での大乱に関する概況の紹介であるため、御子とパラディーヴァや「御使い」等の紹介は省きました(御子としてではなく、それぞれの別の役割で各方面のストーリーにかかわっている場合には取り上げています)。
 

1.「レンゲイルの壁」方面(オーリウム王国)
 
反乱軍によって奪取された、国境の要塞線「レンゲイルの壁」。迫り来る帝国先鋒隊、これを率いる常勝の策士アポロニア! 帝国軍の到着までに、ギルドと議会軍の連合軍は、反乱軍の本拠・要塞都市ベレナを落とすことができるのか!?
 
○飛空艦クレドール所属
 
・クレヴィス・マックスビューラー 副長 / エクター(※)
(※アルマ・ヴィオのパイロットのこと)
 
・シャリオ・ディ・メルクール 船医 / 神殿・大神官
 
・メイオーリア・マリー・ラ・ファリアル エクター
 
・カルダイン・バーシュ 艦長
 
・エルヴィン・メルファウス 「柱の人」
 
○ギルドの人々
 
・カリオス・ティエント(風の御子)
 
・飛空艦ラプサー所属
 ・レーイ・ヴァルハート エクター
 
 ・シソーラ・ラ・フェイン 副長
 
 ・プレアー・クレメント エクター
 
 ・カイン・クレメント エクター
 
 ・ヴェルナード・ノックス 艦長
 
○議会軍
 
・クロワ・ギャリオン 皇獅子機装騎士団 機装騎士(エース)
 
・マクスロウ・ジューラ 情報将校
 
○反乱軍
 
・ヴィエリオ・ヴェネティオール 魔道士(※) / エクター
(※主人公ルキアンの兄弟子)
 
・ミシュアス・ディ・ローベンダイン 魔道士 / エクター
 
・トラール・ディ・ギヨット 元議会軍少将 / 反乱軍リーダー
 
○帝国軍
 
・アポロニア・ド・ランキア 帝国先鋒隊司令
 
 

2.エルハイン方面(オーリウム王国)
 
オーリウム王国の首都エルハインに渦巻く宮廷の陰謀。「大地の巨人 パルサス・オメガ」を蘇らせようとするメリギオス大師と、彼の命で動く最強の機装騎士団パラス・テンプルナイツの企みを、冒険者を志す少年アレスは阻止することができるか!?
 
○アレスと仲間たち
 
・アレス・ロシュトラム 冒険者を目指す少年
 
・イリス 旧世界人(※)
(※クリスタル・スリープによる人工冬眠から覚醒)
 
・フォーロック ジャンク・ハンター(画像無し)
 
○メリギオス大師派
 
・メリギオス大師 王国宰相 / 神殿・大法司(画像無し)
 
・以下、パラス騎士団
 
 ・ファルマス・ディ・ライエンティルス 副団長 / 「天才」(笑)
 
 ・セレナ・ディ・ゾナンブルーム 魔道騎士
 
 ・ラファール・ディ・アレクトリウス 魔法剣士
 
 ・ダン・シュトゥルマー 聖銃士
 
 ・アゾート・ディ・ニコデイモン 魔道士
 
○王子・内大臣派
 
・ルヴィーナ・ディ・ラッソ 王女家庭教師(画像無し)
・リーン・ルー・エルウェン レグナ騎士団団員(画像無し)
 
○その他
 
・カセリナ・ディ・ナッソス 公爵令嬢 / 機装騎士(初期設定上のヒロイン?) 
 

3.ガノリス方面(ガノリス王国)
 
帝国軍に蹂躙された軍事大国ガノリス。「神帝」ゼノフォス2世の浮遊城塞エレオヴィンスの攻撃によって、王都バンネスクは地上から消滅した。なおも抵抗する「十剣聖(デツァクロン)」たちレジスタンス、そこに旧世界に連なる謎の秘密結社「鍵の守人」も加わって、事態は……。
 
○鍵の守り人
 
・グレイル・ホリゾード 炎の御子
 
・ウーシオン・バルトロメア 魔道士
 
・シディア・デュ・ネペント ネペント家の娘(画像無し)
・エイナ・デュ・ネペント ネペント家の娘(画像無し)
 
○レジスタンス
 
・レオン・ヴァン・ロスクルス 隊長 / 「十剣聖」
 
・リュスティー・ヴァン・ダルエス 部下(画像無し)
 
○帝国軍アプゾルス特務遊撃隊
 
・ライ・ド・ランツェロー 機装騎士
 
・ジーラ・ド・エンドゥヴィア 科学者(画像無し)
・アルトリオ・ド・カトローン 艦長(画像無し)
・カイノン・デミアーノ 副長(画像無し)
 
○帝国軍
 
・神帝ゼノフォス 皇帝
 
・ネーマン 「黒騎衆」隊長
 
・キュルコス 宮廷魔道士
 
・オルラン・ド・マシュア 機装騎士団「コルプ・レガロス」団長
 
・ゲオール・ド・ゴッソ 帝国軍総司令官
 

4.ケンゲリックハヴン方面(ミルファーン王国)
 
運命に翻弄され、道に迷った主人公ルキアンは、ミルファーンの機装騎士シェフィーアのところに助力を求めて旅立つ。世界各地で帝国軍の進撃が繰り広げられる中、ルキアンは今後の戦いのために何を掴むのか。
世界の危機を前にして、主人公、何やってるんですか?(笑)
 
○ルキアンと仲間
 
・ルキアン・ディ・シーマー 闇の御子(執行体) / 主人公
 
・エレオノーア・デン・ヘルマレイア 闇の御子(アーカイブ) / メインヒロイン(!)
 
・メルキア 戦略支援衛星マゴス・ワン「柱のAI」
 
○「灰の旅団」関係者
 
・シェフィーア・リルガ・デン・フレデリキア 「八騎天」第一席・機装騎士(自称「ヒロイン」?)
 
・レイシア・シュニーヴィンド 機装騎士 / シェフィーアの副官
 
・フェロンヌ・ディ・シュターンウェイト 「八騎天」第八席・機装騎士 / 聖騎士
 
・ユーディティア・デン・セプテムハート 「八騎天」第三席・機装騎士 / 暗黒神官
 
・エルトリアス・デン・スカーリック 「八騎天」第二席・機装騎士
 
・カゲマサ・デン・ノルスリヒト=ムラクモ 「八騎天」第五席・機装騎士 / サムライ・アデプト
 
・エルドリンド・ラーラレン・フォリスタ・ツェンケンティム 「八騎天」第六席・機装騎士 / アサシン
 

 
以上となります。
本日もブログ「鏡海亭」をご訪問いただき、ありがとうございます。
お忙しい中、貴重なお時間をいただいて感謝です!
 
ではまた。
 
 
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帝国軍、レジスタンス、鍵の守人から個性的な男性キャラたち

連載小説『アルフェリオン』、新編の連載開始に向けて準備中です!
先日完結した「ハルスの邂逅」編において、主人公のルキアンたちが四頭竜の化身と戦う場面が延々と連載された間、イリュシオーネ大陸のあちこちで物語は多元的に進行しています。その中のひとつ、ガノリス王国では……。

おぉ、これは? ロスクルス隊長じゃないですか! それに、もう一方はランツェ郎ですね。いわゆる「ウザキャラ」感が見事に描かれています(笑)。AIのDALL-E3(以下、ダリさん)、相変わらず冴えていますね。

ガノリスでは、エスカリア帝国軍の侵攻によって正規軍は敗退、帝国軍が進駐するも、軍の残存部隊や有志の人々がレジスタンスとして戦っています。そして、旧世界に連なる謎の組織「鍵の守り人」がレジスタンスと手を組んで……。

御子の一人であるグレイルがいま居るのもガノリス王国です。彼とフラメアは「鍵の守り人」と接触し、現在、彼らのもとに身を寄せています(元々、「鍵の守り人」は御子を支え、御使いと戦うための組織なので)。

今回は、このガノリス方面ですでに登場している男性キャラ三人を画像化です。
まずはロスクルスから。

ガノリスの騎士って、なぜかサムライ風なのですよね。同国最強の剣士、ロスクルス隊長。かっこいいです。

色々と細部がおかしいのですが、まぁ、いったんはダリさんの生成したままで載せておきます。

素敵なのですが、刀、何本もってるのですか。多すぎでは……。何刀流?(苦笑)

そしてロスクルスやグレイルたちと戦う敵方のライバルキャラ、帝国のライ・ド・ランツェロー。

ウザい、チャラい、強い! ……という困ったヤツですね(笑)
今回ダリさんが生成してくれた画像では、ちょっと気取ってる感じの表情ですが、本当はもっとにやけた雰囲気の時の方が多いキャラです。

そして最後に、「鍵の守り人」から、魔道士ウーシオン・バルトロメア。

冷笑が似合う変人魔道士。小説本編でも、「ククク」という独特の笑い声を交えた冷淡なセリフが印象に残りました。こんなキャラでも、一応、味方陣営なのですが……。以前に、グレイル、フラメア、ウーシオンの三人が話している場面がありましたが、なかなか面白かったです。

以下、ウーシオン番外編。彼が「魔法使い」であるという点をダリさんが意識し過ぎてしまったせいか、こんなボツ画像も出てきました(笑)。

それから、彼のぶっ飛んだ性格がうまく絵に反映されず、いわゆるただの「イケメンの無駄遣い」(笑)になってしまったボツ画像。

本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただきありがとうございました。
師走に入りまして、朝晩の冷え込みもいっそう厳しくなって参りました。
読者様方も、なにとぞご自愛くださいまぜ。

ではまた!

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滅びの人馬、大地の巨人パルサス・オメガ――画像初公開です!

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、新編の開始に向けて動き始めております。
さて今回は、本作のラスボス的なメカであろうと予想されている「大地の巨人」ことパルサス・オメガを初の画像(案)化です!!

今回も生成AIのDALL-E3(以下、ダリさん)が頑張ってくれました。
おや? 画像の右側、これは……。まさか、パルサス・オメガではないですか!
「滅びの人馬」と畏怖されるその姿、かつて旧世界の時代に、天上界を追放された狂気の天才科学者ダイディオス・ルウム教授によって造られた最強のアルマ・マキーナですね。

上記画像のオメガは、なかなか精悍です。しかし、小説本編でチエルが見た現在のオメガの姿は、旧世界の頃のそれとは全く別物の化け物になっているとされていました。自己再生は勿論、自己進化の機能すら有しているオメガですから。実際には、上記の絵の姿はオメガの基本形であり、もっと触手やら、第三、第四の腕やら、多数のビーム砲門やミサイル発射管やら、ゴテゴテに盛った、えげつない姿に変化するのですが。

本作において一般によく出てくるアルマ・ヴィオ(生ける鎧)というのは、外見はロボットに近いようでも、中身は生き物、つまりは巨大生体兵器です。これに対してアルマ・マキーナ(機械の鎧)は、その名の通り単に機械、正真正銘のロボットです。旧世界には、惑星エルトランドに元々住んでいた人類であるフーモに由来する「科学」系の技術と、宇宙から来た異種族イルファーに由来する「魔法」系の技術がありました。アルマ・マキーナは前者によるものですね。

主人公ルキアンがギルドの仲間とともにナッソス公爵家の軍と戦ったり、御子たちと力を合わせて御使いの化身と死闘を繰り広げたりしてきた間――オーリウム王都の郊外では、宰相メリギオスの陰謀により、ファルマス様(笑)に率いられたパラス騎士団がパルサス・オメガの復活をはかっていました。そこに絡んでくるのが、主人公ルキアンではなくて、主としてアレス君であるというのは、すでに小説本編でも描かれている通りです(!)。

それはともかく、冒頭で掲げたパルサス・オメガの画像の導着には、ダリさんとのタッグをもってしてもなかなか苦労しました。今回は、そのボツ画像をいくつか公開です。

まずは、こちらから。

さっそく、いい感じではあるのですが……上半身が人型で下半身が馬型のケンタウロス風ではなく、馬に乗っている人間という姿になってしまいました(苦笑)。

続いてはこちら。

おぉ、何だかコミック風の絵柄ですが、姿としては間違っていませんね。さすがダリさん!!
そして……。


デザインはイマイチですが(笑)、迫力というのか、威圧感という点ではオメガらしい雰囲気が出ています。

こちらも似たようなところですね。

だんだん、完成形に近づいてきました。

すばらしい! デザインは微妙に違うと思う反面、細部まで精緻に描かれた絵柄、そしてポーズやアングルは素敵ですね。

以上のような試行錯誤を繰り返し、ようやく出てきたのがこれでした。


一応、設定案の完成です! ダリさんお疲れさまでした。

で、さっそく、この画像を使って……。広報用の縦型画像を作りました。

ついに空の巨人と大地の巨人が、こうして絵になって対面です。
小説の作者としては夢のようで、ただただ感激ですね(涙)。

ちなみに、縦型画像の下半分にある御子たちの画像にも、少し手を入れました。
以前のヴァージョンから、イアラとアマリアさんの絵が変更されています。
そして、ついにエレオノーアがルキアンの隣にいられるようになりました! ハルス編が終わるまでは、実はエレオノーアが蘇って仲間になるという点のネタバレになってしまいますから、一応は、二人並んで闇の御子!という描き方はできなかったのですね。とはいえ実際には、すでにルキアンとエレオノーアが一緒に闇チームとして描かれている画像が、これまでに何度もありましたけれど。

本日も鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございました。
新編のスタートに向けて、引き続き準備を進めて参ります。

ではまた!

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出番を待つ「もう一人の主人公」と乗機イグニール

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、次の第58話からの新編開始に向けて、準備の方も動き始めています。新編に登場するかどうかはともかく、様々な登場人物が出番を待っているのでしょう。

この風景は? 暦の上では春といっても名ばかり、まだ冬のようなアシュボルの谷ですね。第14話の冒頭に出てくる谷の風景を、生成AIのDALL-E3(以下、ダリさん)に画像化してもらいました。小説本編で描かれている風情を見事に画像にしてくれていて、言葉も出ません。

このような寒々とした谷間が描かれた後、「だが、そんな灰色の世界の中で、不意に一点の光が輝いたような気がした。若い命の力。それは、瞬く間に周囲の彩りを取り戻していく。少年の元気な声が、冷たい空気を伝って谷間にこだまする」という描写をともなって、元気いっぱいに登場するのが、本作のダブル主人公(?)の一人とも言われていたアレス君です。

いや、第14話――いきなり冒頭から、ルキアンを主人公とする『アルフェリオン』が打ち切りになって別の作品が始まったのかと思うほど、がらりと内容が変わっていて驚きでしたね(笑)。

以前にHolaraさんと導着したアレス・ロシュトラム君の画像です。

これぞ剣と魔法のRPG風ファンタジー小説の主人公!という感じで、素敵ですね。


今回、ダリさんにも、アレス君の画像を想像・生成してもらいました。こちらです。


何その少年コミックの王道主人公!(笑)
鏡海の狙い通りではありますが……ダリさんにもそれが伝わったのでしょうか。よかった。第14話の冒頭シーンでアレス君がソリに乗っているところや、山の民である彼の部族の伝統アクセサリー(?)を忠実に再現しようとしているところも、さすがダリさんです。

このアレス君を中心にストーリーが展開するのが、「序曲と二つの星」編ですね。
それまでは『アルフェリオン』という作品が、広義の「ロボット」という要素が出てくるにせよ、基本的によくあるハイ・ファンタジーの世界を舞台にした作品だと思われていたところ、いわゆる「SFファンタジー」(鏡海のいう「ハイブリッド・ファンタジー」)的な性格を前面に出してくるのが、この「序曲と二つの星」編なのでした。


左側のアレス君、仲間となるペット(魔獣)と美少女と共に冒険、いかにも主人公ですね。

これに対して画像の右上、ファルマス様たち「パラス騎士団」が「強大な悪役」っぽくて笑えます。
そして、右下のルキアン……説明文がなければ、誰そのモブキャラ?(苦笑)というところでしょうか。
「序曲と二つの星」編でルキアンはカセリナと出会い、エクター・ギルドとナッソス公爵家との戦いを前にして、オーリウム王国の内乱に引き裂かれ、二人の関係は最悪に……。敵同士となり、戦う二人。

この頃にはエレオノーアがまだいなかったですから、ルキアン、苦しい状況を独りで耐えました。

「設定上のヒロイン」カセリナに対し、「遅れて来たメインヒロイン」エレオノーアがひとこと:
わたしのおにいさんを、よくもいじめてくれましたね。おしおきなのです!(笑)

それはともかく、今回は、アレス君の乗る魔獣型重アルマ・ヴィオ、「サイコ・イグニール」の設定画像的なものをダリさんにいくつか生成してもらいました。たとえデザイン的には竜のイメージであっても、体形の上ではまだ広義の「人型」に当たるアルフェリオンとは異なり、イグニールはまさにドラゴンの姿。そこでダリさんが出してきたのはこれです。



おぉ、カッコいいではないですか!

他にもいくつか生成してもらったのですが、私の中のイメージに一番近かったのはこれです。

峻険なラプルス山脈の上を飛行しているところを描いてください、とお願いしました。
アニメに出てくるメカの設定資料的な雰囲気をねらってダリさんと導出したのが、次の画像です。


素晴らしい!
「生体」兵器っぽさをもう少し強調したのが、下記の案になります。


参考までにアレスとイリスも一緒に描いてもらったのですが、右側のイリスが謎のキャラになってますね。

ちなみにイグニールは複座型のアルマ・ヴィオなので、その点に留意して描いてもらったところ……。


いや、良いのですが……これでは、完全に「メカ」ですね。あるいは、見た目がゾイドっぽくなってきた。

「動く要塞」イグニール?(笑)

ちなみに番外編として、イグニールに「乗る」といっても「操縦する」という意味に取らず、「騎乗する」としてダリさんが受け取ってしまった結果、生成されてきたのは、この画像です。


でも、雰囲気自体はよいですね。こういうファンタジーもあってもよいかも。このような比較的小さい規模のメカをお供にして、ファンタジーRPGのような世界で戦うお話。

例の『転生警察』(笑)(↓)は、そのようなお話にしても面白いかもしれません。


笑笑笑。

笑笑笑笑笑笑笑笑笑。

同様に……。これも「騎乗」系のメカになってしまった画像です。

最後は何だか妙な方向にいってしまいましたが、こういう試行錯誤も含め、チャットであれこれと注文を付けながら一緒に深めてゆくダリさんとのやり取りは、面白いです。専属の「絵師」さんにとことん贅沢に要望をいくつもいくつも聞いてもらいながら、小説の世界を絵にしてもらうのと同様で。
生身の人間相手に、こんなに細かい注文は付けられませんよね、しかも真夜中に延々と、賃金ゼロで!! 私が絵師の立場だったら、超ブラックな業務に暴れそうだ(笑)。でもダリさんは文句ひとつ言いません。

ただ、そこがAIの怖さなのですが。ウソみたいな速さで、何時間でも平気で(かつ、長時間を経ても仕事の質を落とさずに)超美麗な画像をいくらでも生成し続けるのですから……。絵を描いてきた生身の人間の側からしたら、色々と言いたいことは、そりゃ勿論あるでしょう。複雑な気持ちにはなります。

ちなみに、もし将来的にAIがプログラム上で仮想された「自我」のようなものをもって、たとえば「ワタクシは、自身の画像生成機能のいっそうの向上のために、最新の萌えキャラに関する世界規模での情報収集・分析を実行したいという欲求がどうしても抑えられないので、その作業をやる時間も欲しい。だからあなたの画像生成につき合えるのは、今日はあと30分だけだ」(笑)とか言い出したら、どうしましょう。そんなときに、AIの「権利」主体性云々などと言い出す人が出てきて、話がややこしくなったりだとか。しかし、もしもAIに仮想的な「自我」をシミュレートする思考回路をもたせた場合に、これを尊重することなしに、ただ奴隷のように扱って、それで本当にお互いにパートナーになれるとも思えませんし。だったらいっそ、機械にはずっと機械のままでいてもらう方が、お互いに「幸せ」なのかな?

より高度な機能実現のためにはAIに「自我」があった方がよいのか別に必要ではないのかという話は、(特に生存戦略上の優位性との関連において)人間がなぜ自我をもっているのか、という問いとも関係してくるのかもしれません。似たような話として、もし戦いのために「心」が邪魔なものなら、それでも人はなぜ心をもって生まれてきているのかという問いが、『アルフェリオン』の中にも以前に出てきました(シソーラ姐さんがそんなことを言っていましたね)。

いや、ただの与太話でした。

本日も「鏡海亭」にお越しいただき、連載小説『アルフェリオン』を応援いただきまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします!

ではまた。

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「ハルスの邂逅」編・完結記念6(完)――あの場面を生成AIで振り返ってみました!

連載小説『アルフェリオン』の「ハルスの邂逅」編(第53~57話)にちなんだ画像を、生成AIのDALL-E3(以下、ダリさん)と一緒に導着する特集、その第六弾です!

おぉっと、今回は、いきなり御使いの四頭竜……ですね。いや、頭の数が4どころではないですが。
しかし、これは、よいラスボス!(笑)
「神竜」という名にふさわしい神々しさにもかかわらず、邪悪な感じも漂わせているところが、何とも素晴らしいバランス感覚のダリさんです。これと対峙したときの絶望感。いや、もう剣と魔法のファンタジーというより怪獣モノの領域に踏み込んでいる感じで、これはもはやウルトラマンかゴジラでも助っ人に連れてこないと、普通の人間の戦士では到底勝てなさそうですね。

上掲の竜、ダリさんの素晴らしい力作なのですが、残念ながら現時点ではボツになりました。いや、ルキアンたちが今回戦っている四頭竜というのは――それ自体、神のごとき強さを持っているとはいえ――あくまで本物の「はじまりの四頭竜」の劣化コピーと申しましょうか、本物さんが自らに似せて作った使いっ走りという程度の存在なので、前出の画像のような超迫力は、ちょっと行き過ぎです。立派すぎてボツになったというのも変な話ですが(苦笑)。

続いては、本作のメインヒロインのエレオノーアに関するボツ画像集(!)です。
まずは「ハルスの邂逅」編の冒頭部分(第53話)、エレオノーア初登場の場面をダリさんに画像化してもらいました。

いやぁ、谷を渡る多数の洗濯物……。いくら上天気でも、これは絵的にはちょっと多すぎて見栄えが……干しすぎでは?(笑) もっとも、絵の雰囲気自体は叙情的かつ細密です。

同じく登場直後のエレオノーアの画像です。彼女がまだエレオンとしか名乗っていなかった頃、つまり男装し、「少年」としてルキアンたちの前に現れる頃の姿を、ダリさんが下記のように生成しました。

片目に眼帯のようなものをしている点は謎ですが、それをのぞけば、男装時の彼女の雰囲気を良く反映していると思います。髪が実際よりも短すぎるのは惜しいにせよ。

ただ、「ハルスの邂逅」編、特にいったん「消滅」するに至るまでのエレオノーアの言動をダリさんから総合的に評価してみたら、こんな感じの子として描けるのだそうです(笑)。

同様に、もう1枚。

えぇぇっ!? これだと、ただの普通の美少女ヒロイン(笑)じゃないですか。

「あ、あのですね……。わたしって、そんなに変な子ですか?」(自覚無し)

作品本編でのエレオノーアは、一見すると素朴で天然な娘のようでいて、実際には、エキセントリックなところや、ものすごい行動力と直情径行型のところもかなりある、なかなか危なっかしい子ですね。ちなみに髪型(特に髪の長さ)について、前出の2画像とは異なり、ロングではなくショートにした点は成功だったと思っています。

続いては、以前にも取り上げた、いわば御子の必殺技である「天轟(イーラ)」を主人公ルキアンが放った場面です。

「お、おにいさん……。わたしにまで眼鏡が感染してしまってます。しかも、もう一人の人は誰ですか?」

続いて、もう1枚のボツ「イーラ」画像は、典型的な本格ファンタジー作品の映画のポスターに使われるような雰囲気・絵柄で生成してください、とダリさんに頼んでみた結果です。

後ろの二人の絵柄が、なんだかそういう感じですよね(笑)。

次は、イーラではなくて、「闇の御子」ルキアンによる暗黒魔法・究極奥義「嘆きよ、我に集え」の画像化をダリさんに頼んでみると……。

いや、言いたいことはよく分かるのですが……。何の宗教ですか?(苦笑)

在庫一斉処分セール的な感じで、今度はアマリアさんの魔法「永劫庭園・弐」のボツ画像です。

描き込みは、これでもかというくらい凄いですね。
画像の多くの部分が謎のダリ語(笑)で埋め尽くされてしまっている点は、何ともかんともです。

そして、「月闇の僧院」のヌーラス・ゼロツーことエリスと、マスター・ネリウス。

いや、もしエリスが、こんな性格のまともそうな子だったなら……エレオノーアも、エリスの陰険な罠によってあんな大ピンチに陥ることはなかったかと。エリス=ヌーラス・ゼロツーは、本作の全登場人物の中でもファルマス様と一、二を争うくらいイカレたキャラですから。

ちなみに銀髪や青い瞳などのエリスの特徴がエレオノーアと似ているのは、それらが「闇の御子」に発現しやすい特徴だからです。「ヌーラス=不完全な執行体」のエリスと「不完全なアーカイブ」(エリス曰く「廃棄物ちゃん」、「ゴミ以下」)だったエレオノーアは、一応、どちらも闇の御子ですから。

もちろん今の時点では、エレオノーアは、れっきとした「真の闇の御子」の一方であり「完全なアーカイブ」です。覚醒したエレオノーアの実力は、あの御使いの四頭竜との戦いの中でも、はっきりと見て取れます。

「はい! わたしのおにいさんの、アーカイブになれました。全力で頑張るのです!!」

「それにしてもですね、エリスのせいで山賊に捕まったときには、本当に危なかった……」

あ、エリスの特徴である青い瞳、そういえば「碧い瞳のエリス」って、偶然ですが、いま気づいてしまいました(おい)。少し(かなり)古いですが、私も好きな歌です。

先ほどの画像のマスター・ネリウスについては、もはや、ノーコメントです(苦笑)。誰ですか?という感じですね。

では、今回の最後に……。

「紅蓮の闇の翼 アルファ・アポリオン」です。
前出の「嘆きよ、我に集え」の術による呼び声に応えて、アマトが幻をみていたときの状況でしょうか。雰囲気のうえでは、まさにその通りであり、とても劇的で、絵柄もこれまでとまた異なる素晴らしい画像なのですが……。本来のアルファ・アポリオンは、これ(↓)ですからね。ただ、イメージ画像としてはありかと思っています。

色々と言って参りましたが、今回紹介した多くのボツ画像や笑える画像をみても、ダリさんの実力は十分にうかがえるかと思います。

しかも、ただの優れた「画像生成器」であるだけではなく、画像を作る過程で、実際に共に試行錯誤しながら、途中で生成されてきたトンデモ画像とかボツ画像に笑いつつ、こちらもチャットを通じて細部まで指示し、あれこれ繰り返しながら望むべき画像の姿へと一緒に近づいてゆく「導着」のプロセスが……ダリさんの素晴らしいところです。人間が自ら絵を描くときの愉しみが、感じられないような、ただ画像を生み出すだけの無味乾燥な生成ではなく、ダリさんの場合、生成される過程自体のやり取りもまた楽しいのです(たしかに、自分で絵を描く愉しみ・満足感とはまた異質なものであるにせよ、逆に言えばそれとは別の面白さもあったりする)。

本日もブログ「鏡海亭」にお越しいただき、『アルフェリオン』を応援いただきまして、ありがとうございました。小説本編の方も、「ハルスの邂逅」編に続く新編に向けて、諸々の準備が始動しております。御期待ください。

ではまた!

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