鏡海亭 Kagami-Tei ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石? | ||||
孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン) |
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生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。
第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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小説目次 | 最新(第59)話| あらすじ | 登場人物 | 15分で分かるアルフェリオン | ||||
第何話が好き?―作者の選ぶベスト10(後)
連載小説『アルフェリオン』、これまで公開済みの1話~44話までの中から作者の勝手な好みでベスト10話を選ぶ企画(笑)、後編です。今回は、いよいよ第5位~1位までを発表。
◇ ◇
■ 5位 第3話「覚醒、そのとき」
物語の初めての山場。クレドールの危機に、アルフェリオンがその真の力を見せる…。とくれば、この回はやはりベスト5に入れておくのがお約束でしょう。覚醒シーンの盛り上がりはなかなかだと思います。
ルキアンが鬱回想から「覚醒」に至るというパターンが、早くも登場しています(^^;)。冒頭の散文詩のような部分は、第44話までの中でも最も美しい場面の一つではないでしょうか。切なく、壮絶な美しさというのか…「感傷系」ハイブリッド・ファンタジーこと『アルフェリオン』の魅力あふれる場面(?)です。当時は「謎の声」であったあのキャラとルキアンとの会話も、いかにもという感じで味わい深いです。
そういえば、ルキアンがアルフェリオンの「必殺技」であるステリアン・グローバーを使ったのは、この回だけなんですよね。その後、今のところは二度と使われていません。敢えて必殺技を撃たない主人公…。
■ 4位 第17話「ナッソスの娘」
ナッソス城の中庭で、コルダーユを離れて以来のことを振り返るルキアン。彼の心の描写は、背景となる庭園や空の描写も含め、いい雰囲気です。実は、戦闘シーンでもなければ劇的な場面でもないこういう消化回(苦笑)のような話にこそ、「感傷系」ハイブリッド・ファンタジー『アルフェリオン』の面目躍如という場面がしばしば見られます。
そして、偶然にカセリナと知り合うルキアン。一瞬、ルキアンの胸を心地よい春風が通り過ぎ、いや、本当に通り過ぎて行っただけでしたね。敵同士の主人公とヒロインが、そうとは知らずにお互い出会うという、普通なら運命的な出会いの場面のはずですが…。ルキアン、つくづく不運というか不器用というか。ヒロインから憎まれ、毛嫌いされる主人公、それに対して彼女のことを一方的に妄想し続ける主人公。
どうせ僕は…と、自分の孤独と向き合い、受け止めようとしないルキアン。だから、常に自分と共にいるリューヌのことにも気づかない。そんなダメ主人公を生暖かく応援する視点で読んでみたい回です(^^;)。
他にも、ナッソス公爵とランディ、シソーラのやり取りや、アレスとダンの熱血バカ対決、「赤椅子のサロン」のエクターたちとそれを見守るクレヴィスとシャリオ、クレーア艦長とカリオスの会話など、様々なシーンが詰め込まれた、お得なセット(^^;)みたいな第17話なのでした。
■ 3位 第10話「心、揺れて」
全編に漂う、「戦士のひとときの休息」あるいは「嵐の前の静けさ」といった雰囲気が気に入っています。クレドールの面々の野外での昼食会や、その背景であるネレイの古い運河沿いの風景の描写も、味わいがあると思います。
地味ですが、ルキアンの運命の歯車が大きく動き始める回です。最後の方の、ルキアンとクレヴィス、シャリオの3人の会談は、この回の山場ですね。
他に、カリオスが初登場し、「ギルド最強」と言われるエクターがどんなヤツかと思ったら、何だか地味で普通なヤツだった(笑)だとか。いかにもいわくありげなパラス騎士団の面々が初登場するのもこの回。カセリナとデュベールの別離(?)のシーンも。『アルフェリオン』の「群像劇」的な部分がよく出ていると思います。
■ 2位 第31話「御子」
「御子」というサブタイトルの通り、グレイルが御子として目覚める回。「心をなめんなよ」というグレイルのセリフ、熱いです。少年時代についての鬱回想を経て超覚醒へのエンジンがかかるのは、ルキアンの場合と同じパターンですね(苦笑)。いや、もはや、本作品のお約束か…。
死を決意したグレイルに対する、フラメアの呼びかけが良いです。この物語きっての名コンビぶりが早くも現れています。幼い頃にはフラメアの姿が見えていたグレイル、「神童」だった彼の運命は、ある日を境に暗転、才能も眠ってしまったのでした。そんな彼に、再び自分と向き合い、運命と向き合うよう、説得するフラメア。
「実況」(?)担当のアマリアとフォリオムにも注目。グレイルが御子として覚醒できないのならそのまま見殺しにすることも辞さないと、敢えて助けの手をさしのべなかったアマリア、冷徹です。「そういうものだ、御子の宿命とは」という彼女の言葉に、込められたものの重さ…。
■ 1位 第35話「パンタシア」
これはもう当然ですね(^^;)。良くも悪くもルキアン成分の大盛り――陰鬱な回想、空しい記憶と交錯し、それを塗りつぶしていく妄想、延々と続くモノローグ、電波、そして超覚醒、覚醒後は鬼神の如き強さで戦うルキアン!――これはもう、スーパールキアンタイムという他ありません。
ルキアンを超覚醒へと導いたシェフィーアさん、良い味を出しています。これまでに登場した準主役級キャラやヒロインなどの助けによるのではなく、当初は通りすがりのモブキャラみたいだった部外者のシェフィーアさんに支えられて主人公が覚醒するとは…。そんなのありか、アルフェリオン。
なお、一見地味な部分なのですけど、カルバの授業シーンをルキアンが回想している箇所も、これまた小説『アルフェリオン』の本領発揮、「歪んだ心地よい痛み」的な感傷に溢れている場面です。ここの雰囲気も好きです。
「ロボット戦闘物」という意味でも、第35話は、この物語の中では完成度の高い回です。ゼフィロス形態のアルフェリオンとレプトリアの超高速戦闘を小説という文字だけのメディアで表現するのは非常に難しかったのですが、自分なりに何とか描き切れた…ように思います(汗)。
とはいえ、ヒーローの勝利というキレイな結末では終わらず、ルキアンが後味の悪い勝利を迎えるのも、この物語における彼の扱われ方らしいといえばらしい?
以上
◇ ◇
■ 5位 第3話「覚醒、そのとき」
物語の初めての山場。クレドールの危機に、アルフェリオンがその真の力を見せる…。とくれば、この回はやはりベスト5に入れておくのがお約束でしょう。覚醒シーンの盛り上がりはなかなかだと思います。
ルキアンが鬱回想から「覚醒」に至るというパターンが、早くも登場しています(^^;)。冒頭の散文詩のような部分は、第44話までの中でも最も美しい場面の一つではないでしょうか。切なく、壮絶な美しさというのか…「感傷系」ハイブリッド・ファンタジーこと『アルフェリオン』の魅力あふれる場面(?)です。当時は「謎の声」であったあのキャラとルキアンとの会話も、いかにもという感じで味わい深いです。
そういえば、ルキアンがアルフェリオンの「必殺技」であるステリアン・グローバーを使ったのは、この回だけなんですよね。その後、今のところは二度と使われていません。敢えて必殺技を撃たない主人公…。
■ 4位 第17話「ナッソスの娘」
ナッソス城の中庭で、コルダーユを離れて以来のことを振り返るルキアン。彼の心の描写は、背景となる庭園や空の描写も含め、いい雰囲気です。実は、戦闘シーンでもなければ劇的な場面でもないこういう消化回(苦笑)のような話にこそ、「感傷系」ハイブリッド・ファンタジー『アルフェリオン』の面目躍如という場面がしばしば見られます。
そして、偶然にカセリナと知り合うルキアン。一瞬、ルキアンの胸を心地よい春風が通り過ぎ、いや、本当に通り過ぎて行っただけでしたね。敵同士の主人公とヒロインが、そうとは知らずにお互い出会うという、普通なら運命的な出会いの場面のはずですが…。ルキアン、つくづく不運というか不器用というか。ヒロインから憎まれ、毛嫌いされる主人公、それに対して彼女のことを一方的に妄想し続ける主人公。
どうせ僕は…と、自分の孤独と向き合い、受け止めようとしないルキアン。だから、常に自分と共にいるリューヌのことにも気づかない。そんなダメ主人公を生暖かく応援する視点で読んでみたい回です(^^;)。
他にも、ナッソス公爵とランディ、シソーラのやり取りや、アレスとダンの熱血バカ対決、「赤椅子のサロン」のエクターたちとそれを見守るクレヴィスとシャリオ、クレーア艦長とカリオスの会話など、様々なシーンが詰め込まれた、お得なセット(^^;)みたいな第17話なのでした。
■ 3位 第10話「心、揺れて」
全編に漂う、「戦士のひとときの休息」あるいは「嵐の前の静けさ」といった雰囲気が気に入っています。クレドールの面々の野外での昼食会や、その背景であるネレイの古い運河沿いの風景の描写も、味わいがあると思います。
地味ですが、ルキアンの運命の歯車が大きく動き始める回です。最後の方の、ルキアンとクレヴィス、シャリオの3人の会談は、この回の山場ですね。
他に、カリオスが初登場し、「ギルド最強」と言われるエクターがどんなヤツかと思ったら、何だか地味で普通なヤツだった(笑)だとか。いかにもいわくありげなパラス騎士団の面々が初登場するのもこの回。カセリナとデュベールの別離(?)のシーンも。『アルフェリオン』の「群像劇」的な部分がよく出ていると思います。
■ 2位 第31話「御子」
「御子」というサブタイトルの通り、グレイルが御子として目覚める回。「心をなめんなよ」というグレイルのセリフ、熱いです。少年時代についての鬱回想を経て超覚醒へのエンジンがかかるのは、ルキアンの場合と同じパターンですね(苦笑)。いや、もはや、本作品のお約束か…。
死を決意したグレイルに対する、フラメアの呼びかけが良いです。この物語きっての名コンビぶりが早くも現れています。幼い頃にはフラメアの姿が見えていたグレイル、「神童」だった彼の運命は、ある日を境に暗転、才能も眠ってしまったのでした。そんな彼に、再び自分と向き合い、運命と向き合うよう、説得するフラメア。
「実況」(?)担当のアマリアとフォリオムにも注目。グレイルが御子として覚醒できないのならそのまま見殺しにすることも辞さないと、敢えて助けの手をさしのべなかったアマリア、冷徹です。「そういうものだ、御子の宿命とは」という彼女の言葉に、込められたものの重さ…。
■ 1位 第35話「パンタシア」
これはもう当然ですね(^^;)。良くも悪くもルキアン成分の大盛り――陰鬱な回想、空しい記憶と交錯し、それを塗りつぶしていく妄想、延々と続くモノローグ、電波、そして超覚醒、覚醒後は鬼神の如き強さで戦うルキアン!――これはもう、スーパールキアンタイムという他ありません。
ルキアンを超覚醒へと導いたシェフィーアさん、良い味を出しています。これまでに登場した準主役級キャラやヒロインなどの助けによるのではなく、当初は通りすがりのモブキャラみたいだった部外者のシェフィーアさんに支えられて主人公が覚醒するとは…。そんなのありか、アルフェリオン。
なお、一見地味な部分なのですけど、カルバの授業シーンをルキアンが回想している箇所も、これまた小説『アルフェリオン』の本領発揮、「歪んだ心地よい痛み」的な感傷に溢れている場面です。ここの雰囲気も好きです。
「ロボット戦闘物」という意味でも、第35話は、この物語の中では完成度の高い回です。ゼフィロス形態のアルフェリオンとレプトリアの超高速戦闘を小説という文字だけのメディアで表現するのは非常に難しかったのですが、自分なりに何とか描き切れた…ように思います(汗)。
とはいえ、ヒーローの勝利というキレイな結末では終わらず、ルキアンが後味の悪い勝利を迎えるのも、この物語における彼の扱われ方らしいといえばらしい?
以上
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第何話が好き?―作者の選ぶベスト10(前)
連載小説『アルフェリオン』、これまでに公開が済んだ44話までのうち、読者の皆様が一番好きな回は第何話?(^^;) ふと思い立って、あくまで作者個人の好みによるベスト10を選んでみました。
順位は、必ずしも出来具合とは関係ありません。また、ストーリー展開上は非常に重要な話であっても、ベスト10に入っていない回もあります。「印象に残った回」のベスト10等々となれば、今回とはまったく違う結果になり得ます。
まず今回は第10位~6位までを挙げてみました。
◇ ◇
■ 10位 第1話「白銀のアルマ・ヴィオ」
記念すべき第1話が10位というのもなんですが…。まだ初回なので、登場キャラも少なく、これといったストーリーの劇的な展開もないですからね。
とはいえ、『アルフェリオン』という物語のもつ独特の世界観や感傷的な雰囲気は最初から良く出ていると思います。そこを評価して第10位に。第1話を読み進めていくにつれ、一見、物語のパーツやキャラなどについては良くも悪くも既視感のあるもののオンパレード(笑)なのに、そのくせ寄せ集めた全体としては、どんな話とも雰囲気が意外に違っているというか…。
初回というだけあって時間をかけて中身が練られているせいか、お話の構成にも無理や無駄がなく、他の回と比べ、文体も比較的よく出来ている方ではないでしょうか(笑)。
■ 9位 第43話「レーイ」
最近書いた回の中では、気に入っています。イーヴァとレプトリアを相手に奮闘するカヴァリアン。広義の「巨大ロボット」物の戦闘シーンを活字のみで描写するのは本当に大変ですが、この回の戦闘は、私が書いた中ではなかなかよく書けている部類に入ると思います。
地味に熱い、レーイの隠れ熱血ぶりが心ゆくまで味わえます(笑)。何やら過去の回想シーンまで出てきて。そういえば、特定のキャラの名前がサブタイトルになっている回は、いまのところ第43話だけです。主人公より先にレーイの名がサブタイになるとは…。さすが、真の主人公?(違います)
これまで清純で生真面目であったカセリナが壊れて狂気をむき出しにしたり、最後までカセリナを守ってレーイに立ち向かうザックスの戦いぶり、あるいはイーヴァの覚醒など、読ませる場面は多いです。
■ 8位 第18話「暗雲、来たりて」
何と言っても、少年主人公の「成長」がメインの回なのでしょう。ナッソス公爵との議論の中で、次第に己の生きる意味や戦う理由について思索していくルキアン。こういう地味回にこそ、ルキアンの魅力が発揮されていたりします(^_^)。
とはいえ、他の見所もいっぱいです。冒頭の旧世界人の「日記」に書かれた思わせぶりな内容から、旧世界滅亡の謎にかかわるクレヴィスとシャリオの会話へ。「沈黙の詩」に予言された世界の終末、旧世界の滅亡に関わった「紅蓮の闇の翼」、エインザールの赤いアルマ・ヴィオに関する伏線が徐々に明らかに。
戦いの中でのカリオスとミシュアスの初顔合わせ、好敵手になりそうな予感? また、特務機装隊の機体である不気味なインシディスの群れと、これを一蹴するパラス騎士団の圧倒的な強さ。そしてパラス騎士団と対峙するアレス。主人公のルキアンは地味な役回りに徹していますが、彼以外のキャラが繰り広げる戦闘シーンもなかなかよく書けていると思います。
■ 7位 第33話「星々の胎動」
こういう、謎の新勢力登場!といった回は、書き手の側としては楽しいものです(^^;)。現世界の大乱の背後に存在する、旧世界以来の人と人ならぬ者との因縁の戦いについても、この回で新たな情報が一挙に出て参りました。
星を読み、ルキアンをはじめ、カリオス、グレイル、イアラという「御子」たちの動向を占うアマリア。御子のリーダー的な貫禄があります。彼女とフォリオムの会話の中にも、人ならぬ存在との戦いについての伏線が出てきていますね。
また、戦いを終えたグレイルや、王に到着していわくありげな便利屋に助けられたアレスについても描かれ、まさに様々な「星」たちが今後に向かって胎動しているような様相。
しかし、肝心の主人公のルキアンは、この回には空気だという…。
■ 6位 第26話「孤軍」
カリオスにスポットライトを当てた回です。彼の戦いぶりや、漠然としながらも苦渋に満ちた過去の回想。いや、実はカリオスも真の主人公みたいなキャラですからね。この回で、リューヌの他にもパラディーヴァが存在し、ルキアン以外のマスターもいる、ということが判明しました。
カリオスの戦いの裏で、ルキアンとシャリオの問答も印象的。戦うこと、正義、平和、人生、そういったものに関する二人の思いが綴られてゆきます。シャリオさんは、地味なシーンでの登場が多いですけど、いい仕事をしますね(笑)。
ラストの場面も好きです――樹海の奥に開けたいにしえの遺跡、そこにたたずむ美少年テュフォン、旧世界の滅亡と現世界の行く末を暗示する壁画。謎に満ち、それでいて美しいシーンでした。実は、物語の結末への伏線としても、一二を争うほど重要な場面なのです(そうは見えないと思いますが…^^;)。
ちなみに偶然ですけど、この「孤軍」の回をはじめ、第31話「御子」や第19話「序曲」を含め、二文字のサブタイをもつ回にはこれまで興味深い話が多く、ハズレがありません。「二文字回」は当たるというジンクスがあるのかもしれません(笑)。そういえば、次回46話「深淵」も二文字のサブタイですが…。
続く
順位は、必ずしも出来具合とは関係ありません。また、ストーリー展開上は非常に重要な話であっても、ベスト10に入っていない回もあります。「印象に残った回」のベスト10等々となれば、今回とはまったく違う結果になり得ます。
まず今回は第10位~6位までを挙げてみました。
◇ ◇
■ 10位 第1話「白銀のアルマ・ヴィオ」
記念すべき第1話が10位というのもなんですが…。まだ初回なので、登場キャラも少なく、これといったストーリーの劇的な展開もないですからね。
とはいえ、『アルフェリオン』という物語のもつ独特の世界観や感傷的な雰囲気は最初から良く出ていると思います。そこを評価して第10位に。第1話を読み進めていくにつれ、一見、物語のパーツやキャラなどについては良くも悪くも既視感のあるもののオンパレード(笑)なのに、そのくせ寄せ集めた全体としては、どんな話とも雰囲気が意外に違っているというか…。
初回というだけあって時間をかけて中身が練られているせいか、お話の構成にも無理や無駄がなく、他の回と比べ、文体も比較的よく出来ている方ではないでしょうか(笑)。
■ 9位 第43話「レーイ」
最近書いた回の中では、気に入っています。イーヴァとレプトリアを相手に奮闘するカヴァリアン。広義の「巨大ロボット」物の戦闘シーンを活字のみで描写するのは本当に大変ですが、この回の戦闘は、私が書いた中ではなかなかよく書けている部類に入ると思います。
地味に熱い、レーイの隠れ熱血ぶりが心ゆくまで味わえます(笑)。何やら過去の回想シーンまで出てきて。そういえば、特定のキャラの名前がサブタイトルになっている回は、いまのところ第43話だけです。主人公より先にレーイの名がサブタイになるとは…。さすが、真の主人公?(違います)
これまで清純で生真面目であったカセリナが壊れて狂気をむき出しにしたり、最後までカセリナを守ってレーイに立ち向かうザックスの戦いぶり、あるいはイーヴァの覚醒など、読ませる場面は多いです。
■ 8位 第18話「暗雲、来たりて」
何と言っても、少年主人公の「成長」がメインの回なのでしょう。ナッソス公爵との議論の中で、次第に己の生きる意味や戦う理由について思索していくルキアン。こういう地味回にこそ、ルキアンの魅力が発揮されていたりします(^_^)。
とはいえ、他の見所もいっぱいです。冒頭の旧世界人の「日記」に書かれた思わせぶりな内容から、旧世界滅亡の謎にかかわるクレヴィスとシャリオの会話へ。「沈黙の詩」に予言された世界の終末、旧世界の滅亡に関わった「紅蓮の闇の翼」、エインザールの赤いアルマ・ヴィオに関する伏線が徐々に明らかに。
戦いの中でのカリオスとミシュアスの初顔合わせ、好敵手になりそうな予感? また、特務機装隊の機体である不気味なインシディスの群れと、これを一蹴するパラス騎士団の圧倒的な強さ。そしてパラス騎士団と対峙するアレス。主人公のルキアンは地味な役回りに徹していますが、彼以外のキャラが繰り広げる戦闘シーンもなかなかよく書けていると思います。
■ 7位 第33話「星々の胎動」
こういう、謎の新勢力登場!といった回は、書き手の側としては楽しいものです(^^;)。現世界の大乱の背後に存在する、旧世界以来の人と人ならぬ者との因縁の戦いについても、この回で新たな情報が一挙に出て参りました。
星を読み、ルキアンをはじめ、カリオス、グレイル、イアラという「御子」たちの動向を占うアマリア。御子のリーダー的な貫禄があります。彼女とフォリオムの会話の中にも、人ならぬ存在との戦いについての伏線が出てきていますね。
また、戦いを終えたグレイルや、王に到着していわくありげな便利屋に助けられたアレスについても描かれ、まさに様々な「星」たちが今後に向かって胎動しているような様相。
しかし、肝心の主人公のルキアンは、この回には空気だという…。
■ 6位 第26話「孤軍」
カリオスにスポットライトを当てた回です。彼の戦いぶりや、漠然としながらも苦渋に満ちた過去の回想。いや、実はカリオスも真の主人公みたいなキャラですからね。この回で、リューヌの他にもパラディーヴァが存在し、ルキアン以外のマスターもいる、ということが判明しました。
カリオスの戦いの裏で、ルキアンとシャリオの問答も印象的。戦うこと、正義、平和、人生、そういったものに関する二人の思いが綴られてゆきます。シャリオさんは、地味なシーンでの登場が多いですけど、いい仕事をしますね(笑)。
ラストの場面も好きです――樹海の奥に開けたいにしえの遺跡、そこにたたずむ美少年テュフォン、旧世界の滅亡と現世界の行く末を暗示する壁画。謎に満ち、それでいて美しいシーンでした。実は、物語の結末への伏線としても、一二を争うほど重要な場面なのです(そうは見えないと思いますが…^^;)。
ちなみに偶然ですけど、この「孤軍」の回をはじめ、第31話「御子」や第19話「序曲」を含め、二文字のサブタイをもつ回にはこれまで興味深い話が多く、ハズレがありません。「二文字回」は当たるというジンクスがあるのかもしれません(笑)。そういえば、次回46話「深淵」も二文字のサブタイですが…。
続く
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登場勢力の関係図―アルフェリオンの世界
連載小説『アルフェリオン』に登場する国々の勢力関係図を作ってみました。
登場キャラも結構多いですが、それに加えて、勢力多すぎ、話が錯綜しすぎ!――といった点は、良くも悪くも小説『アルフェリオン』の特徴です(^^;)。
そこで、作品の舞台となるイリュシオーネ(現世界)の国々の関係を、一目で分かるかどうかは別として、ともかく一枚の図にまとめてみました。
※ただし、第45話の時点での世界情勢です。まだそこまでお読みになっていない方にとっては、ネタバレも含みます。
以下の縮小版画像をクリックすると、原寸大の画像が表示されます。
アルフェリオンの世界が凝縮されています。
帝国軍って何よ、連合軍ってどこの国だよ。で、主人公のいるオーリウム王国はどちらの側、それとも第三勢力? オーリウムは孤立無援なの? そういえば、オーリウムの中でも、またまた反乱軍と議会軍が戦ってるけど、両者の間で国王軍の立ち位置が今ひとつ分からない。主人公ルキアンが世話になっているのは、ギルドだし……。レジスタンスやランツェ郎たちが騒がしくしているのは、どこの国の話だったっけ。そういや、シェフィーアさんのいるミルファーンって、どういう国なんだ?
等々、これまでの物語の内容整理にもなるかと思います。
以上
登場キャラも結構多いですが、それに加えて、勢力多すぎ、話が錯綜しすぎ!――といった点は、良くも悪くも小説『アルフェリオン』の特徴です(^^;)。
そこで、作品の舞台となるイリュシオーネ(現世界)の国々の関係を、一目で分かるかどうかは別として、ともかく一枚の図にまとめてみました。
※ただし、第45話の時点での世界情勢です。まだそこまでお読みになっていない方にとっては、ネタバレも含みます。
以下の縮小版画像をクリックすると、原寸大の画像が表示されます。
アルフェリオンの世界が凝縮されています。
帝国軍って何よ、連合軍ってどこの国だよ。で、主人公のいるオーリウム王国はどちらの側、それとも第三勢力? オーリウムは孤立無援なの? そういえば、オーリウムの中でも、またまた反乱軍と議会軍が戦ってるけど、両者の間で国王軍の立ち位置が今ひとつ分からない。主人公ルキアンが世話になっているのは、ギルドだし……。レジスタンスやランツェ郎たちが騒がしくしているのは、どこの国の話だったっけ。そういや、シェフィーアさんのいるミルファーンって、どういう国なんだ?
等々、これまでの物語の内容整理にもなるかと思います。
以上
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世に言う「真の主人公」? レーイ、恐るべし
連載小説『アルフェリオン』第45話の2と3をまとめて掲載しました。
本来なら2だけをアップしても良かったのですが、この場面では次の3まで一気に読める方が間延びしないと思い、敢えて連投です(^^;)。
追い詰められたレーイは予想外の一手に…。たとえ敵が覚醒しても、自機の手足が壊れても、まだ諦めていません。あの状態からどう反撃するんだというところですけど、あんな方法があったとは。
しかもレーイさん、「俺は簡単には死ねない。この命、燃え尽きるまで、生きて戦う」だなんて、いつ間にそんな熱血に、いや、アンタは主人公か?(笑)
実は第43話「レーイ」のときに、今回の回想シーンも入れたかったんですよ。しかし諸々の都合で第45話までずれ込みました。
レーイの「師匠」兼「育ての親」のようにみえるヴィラルドのことや、第43話の回想に出てきた女性がエレノアという名前であることは少し分かりました。それでもレーイの過去については謎だらけです。今回もかなり電波気味の内容でしたが、いずれ事実が詳しく明かされるときも来るでしょう。
そんな尺があるなら僕を出せ、という(本当の)主人公・ルキアンの悲痛な叫びが聞こえてきそうです。しかし、ルッキーびいきの方々、ご心配なく。続く第46話ではいよいよルキアンの本領発揮、そこから物語も急展開に!?
以上
本来なら2だけをアップしても良かったのですが、この場面では次の3まで一気に読める方が間延びしないと思い、敢えて連投です(^^;)。
追い詰められたレーイは予想外の一手に…。たとえ敵が覚醒しても、自機の手足が壊れても、まだ諦めていません。あの状態からどう反撃するんだというところですけど、あんな方法があったとは。
しかもレーイさん、「俺は簡単には死ねない。この命、燃え尽きるまで、生きて戦う」だなんて、いつ間にそんな熱血に、いや、アンタは主人公か?(笑)
実は第43話「レーイ」のときに、今回の回想シーンも入れたかったんですよ。しかし諸々の都合で第45話までずれ込みました。
レーイの「師匠」兼「育ての親」のようにみえるヴィラルドのことや、第43話の回想に出てきた女性がエレノアという名前であることは少し分かりました。それでもレーイの過去については謎だらけです。今回もかなり電波気味の内容でしたが、いずれ事実が詳しく明かされるときも来るでしょう。
そんな尺があるなら僕を出せ、という(本当の)主人公・ルキアンの悲痛な叫びが聞こえてきそうです。しかし、ルッキーびいきの方々、ご心配なく。続く第46話ではいよいよルキアンの本領発揮、そこから物語も急展開に!?
以上
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