鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

応援企画、エレオノーアとアマトの新画像です!

連載小説『アルフェリオン』第57話――次回の最新話では、御子たちと御使いの竜との戦いに、いよいよ決着がつきそうです。しかし、この間の作者多忙により、更新の方が……遅れております。遅れてきたメインヒロイン、エレオノーア嬢の画像で、いましばらくお楽しみください。

 
「ハルスの邂逅編」のいくつかのシーンを、上掲の画像で振り返ってみると、改めて思います。エレオノーアは、常に全力&直球勝負ですね(苦笑)。これまで彼女が、「片割れのアーカイブ」の宿命であった自身の短い命のことを自覚して、一日一日を懸命に生きてきたからかもしれません。いつ「消えて」しまっても悔いがないように、と。
 
これに対し、世界の創造以来、ほぼ無限に近い時を生き、かつ、《あれ》の代行者として超越的な力をもった《御使い》は――つまりは「はじまりの四頭竜」は、アマリアさんが言っていたように結果的に無駄に長く生き過ぎたのかもしれません。それゆえ、限りある生命の人間だからこその、自身の存在を賭けた一瞬で燃え上がるような命の力の怖さを理解できないのですよね。
 
今回、闇の御子(アーカイブ)の「固有外装」をまとったエレオノーアの画像、新たなヴァージョンを公開です。AIのHolaraさんによる原画に、鏡海が加筆修正を加えています。Holaraさん、いつも最高のパートナーです。

さらに前回更新したところの、「永遠の青い夜」の時代を生きたアマト関連の画像につきまして、縦型ヴァージョンを公開です。

アマトの想いは、結果的にルキアンに通じました。そう思わされる場面が次回の第57話(その4)に出てきます。いつか、きっと、花咲く未来で……。アマトたちの生きた「永遠の青い夜」のもとでの世界とは異なり、少なくともルキアンたちの生きる現世界では、花は当たり前のように咲き、別に珍しい物でもありません。その点は感慨深いですね。
 
もう1枚。

いかがだったでしょうか。「ハルスの邂逅編」の盛り上がる結末に、どうぞ御期待ください。
 
また、長かった同編の次に開けてくる新たなストーリーもお楽しみに。「邂逅編」においては、小説『アルフェリオン』にしては珍しく、主人公ルキアン(と、ヒロインのエレオノーア)を中心に描かれるストーリーがほぼすべてを占めており、この小説の特色でもあるいわゆる「群像劇」的な部分が、それほど見られませんでした。
 
これに対して次の新編では、いよいよ帝国軍+反乱軍 vs 議会軍+ギルドの決戦が始まります。飛空艦クレドールの仲間たちも久々に活躍するかと思います。そして、今後の「ミルファーン編」に向け、シェフィーア姐さんをはじめ、ミルファーン王国の「灰の旅団」、特にその中でも「八騎天」の超個性的な面々の動向も楽しみです。
 
あるいは、「邂逅編」において準主役級のキャラとしての本領をようやく発揮してきた、「御子」たちの今後の活躍にも期待がもたれます。
 
何かと盛りだくさんな『アルフェリオン』、これからもお楽しみに。
読者の皆様方、いつもご声援をいただき感謝です!
 
ではまた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

「永遠の青い夜」の下で生きた、御子になれなかった御子のこと

本ブログの連載小説『アルフェリオン』、いつもご愛読いただきありがとうございます。
遅れて来たメインヒロイン、エレオノーア。彼女がルキアンの仲間になる「ハルスの邂逅編」が、現在連載中の第57話で完結します。その57話も、いよいよ終幕に近づいて参りました。
 
 
え? この画像は、何でしょうか……。なんだか知らないキャラがいますし、しかも見た目の点でファンタジーっぽくないですね。実は、彼、第50話に出てきた人です。第50話に掲載といえば、本作が長きにわたって休止していた期間をはさんでいますので、今から約10年前の話です(苦笑)。宇宙服のような防護服を着て、「永遠の青い夜」に閉ざされた旧世界にいた人ですね。
 
『アルフェリオン』を途中の連載分から(たとえば「邂逅編」の始まった第53話から)ご覧になっている方の場合、そもそも「永遠の青い夜」というのが何なのか、御存じないかもしれません。
 
そこで今回は、旧世界の「永遠の青い夜」について振り返りつつ、当時の世界に生きた御子、つまり冒頭の画像のキャラのことについて紹介です。異なる時代や異なる世界のキャラが絡み合う、こういう「多重世界」的な展開も『アルフェリオン』の魅力だと思います。
 
 ◇
 
『アルフェリオン』という物語は、現在のお話から時系列をさかのぼるかたちで言うと、次のような流れになっています:
 
「現世界・新陽暦時代」(ルキアンたちのいる今の物語の舞台)→「現世界・前新陽暦時代」(レマリア帝国が世界を席巻した時代)→何らかのかたちで「旧世界」が「リセット」された時点→「旧世界・解放戦争の時代」(先代の闇の御子エインザールがいた時代)→「旧世界・「永遠の青い夜」の時代」(今回はココが問題!)→「ケレスタリウム炉」が暴走・爆発した時点→「旧世界・それ以前の時代」→「旧世界」以前の様々な時代(多数あり。何度もリセットされている。ルチアやルカのいた時代)
 
このような歴史の流れの中で、地球に似た(苦笑)惑星エルトランドが、「永遠の青い夜」によって魔の世界と化してしまう前の時代、まだ世界が比較的幸福だった時代に生まれたのが、先々代の闇の御子(だが本人は結局気づかなかった)アマトです。
 
 
これから起こることを考えると、少年の無垢な瞳がせつない(涙)。
星空が大好きな少年、アマト・コドゥエ君。彼のような宇宙大好きっ子にとって、運命的な、とても刺激的な、いや、人類史上とんでもない出来事が起こります。当時の人類は、歴史上初めて人類以外の知的生命体と遭遇したのです。
 
 
イルファーと呼ばれる彼らは、要するに「宇宙人」です。しかも、その外見はいわゆるエルフに極めて酷似しています。それが「旧世界」滅亡後にまで生き残って、厳密にいえば宇宙に帰らず惑星に定着した子孫たちが、後の現世界になってから「エルフ」と呼ばれるようになります。この物語におけるエルフというのは、実はですね、宇宙人の子孫なのです!(エレオノーアっぽい口調で)
 
宇宙人の到来によって、広がる世界の可能性に胸躍らせるアマト。しかし、いつか望遠鏡で新しい星を発見したいというアマト君の夢は、やがて起こった巨大な災いによって潰えます。
 
 
日光がほとんど差さない「永遠の青い夜」のもと、ケレスタリウム灰がもたらした「魔染」が広がる絶望の世界。その地上を見捨て、「天空植民市群」(要するにスペースコロニー)に移った上流階級の人々。それが、「地上人」と「天空人」への分裂を人類にもたらしたのでした。
 
その少し前、成人になったアマトは、天空への移民が始まる前に、陽の光の届かない地上に人工太陽のような仕組みを作ろうとする「ノーヴァス・ゾール」計画の技術者になっていました。そして人類の命運は、「ノーヴァス・ゾール」計画の実施か、人類すべての滅亡を避けるために一部の人々を宇宙に送るという「方舟計画」(天空植民市群)の実施か、いずれかを選択するという世界的な議論に委ねられました。
 
結果的に人類は後者を選択し、前述のような歴史の流れになりました(ただ、「方舟計画」の採択をめぐっては、関係諸機関にかかわる莫大な献金・汚職の事実がありましたが)。そして、このような分岐が人類史に生じたことは、「あれ」の自己展開の方向性にも適っていたことなのです。因果の定めです。
 
その後、大地・自然のもつ驚くべき回復力によって、母なる惑星において再び花が咲き、実が結ばれるようになった頃、天空人がその圧倒的な科学力でもって地上人を支配し収奪するようになったのは、御存じの通りです。
地上界がよみがえり始めたことについては、地上人がその後も自分たちの手で「ノーヴァス・ゾール」を開発し、完成させ、利用していたことも影響しています。天空人は、この「ノーヴァス・ゾール」の管理権をも奪い取ったのでした。アマトの失望はどれほど大きかったでしょうか……。
 
 
アマトは、御子としての己の使命も力も知ることなく、そして地上界の解放を見ることもなく、失意のうちに生き、人生を終えました。
 
ちなみにその後、ついに反旗を翻した地上人が解放戦争を起こし、自らも天空人でありながらそこに寝返ったのが、先代の闇の御子でもあったリュシオン・エインザールです。もう本編でも何度も明かされているように、「アルファ・アポリオン」は、そのときに対天上界用の戦略兵器(実際には殲滅兵器)群を操るコアとして造られたものです。
 
アマトのように嘆きながらこの世から去っていった御子は、他にも過去の世界に沢山います。あるいは勿論、御子でなくとも不遇や絶望の中で生を終えた人々は数え切れません。
その想いが時空を超えてルキアンに、つまり真の闇の御子、「ノクティルカの鍵の器」のもとに届くとき、御使いの神竜と戦う彼らに奇跡が起こるかもしれません。そういえば、前回更新分の小説本編の中で、エレオノーアが「こしょこしょ」(笑)と言っていたのは、もしかしてそれの……。
 
 
詳しくは小説本編にて、今後の第57話でご覧ください。
いつも鏡海亭にお越しいただき、ありがとうございます。
今週から来週にかけては、公私ともに鬼のような多忙が予想され、なかなか小説本編を書ける気分になれないかもしれませんが……今回のような特集記事も取り入れつつ、「ハルスの邂逅編」の完結を読者様とともに盛り上げていきたいと思います!
 
ではまた。
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

次回、御使いの竜との戦いは、いよいよ最終局面へ!

本ブログの連載小説『アルフェリオン』第57話・最新回(その3)、ついに五柱星輪陣が発動され、各属性の御子たちが次々と高位魔法を放つ熱い展開となっています。

ずっと引きこもっていたイアラも水の御子としてついに立ち上がり、様々な想いを込めたアブソリュート・ゼロの魔法で、御使いの四頭竜の動きを封じました。そんなイアラの今後の活躍に期待し、彼女をメインにした第57話PR画像を公開です。

やっとイアラが未来に向かって歩き出した瞬間と、氷系最上位魔法の発動とが重なって、何かこれまでに溜まった鬱憤が晴らされるような場面でした。あの御使いの竜は、御子たちの背負ってきた不幸が象徴化されたような存在なので、それに一矢報いた感があってすっきりしますね。

ちなみに御使いの四頭竜の属性は《光》の《炎》であり、これとの戦いでは、ルキアンを軸とした星輪陣でイアラが放つ《闇》の《水》属性の攻撃が効果抜群なのです(って、なんだかポケモンみたいですが。笑)。

先程のイアラ画像を、すでに第57話(その3)のタイトルに使った画像と組み合わせて、以下の縦型のPR画像としました。

Twitter、いや、X……等、縦長の画像の方が映える場での広報用に使っています。いつも支えてくれる画像生成AIのHolaraさん、ありがとう。

イアラをはじめ、御柱星輪陣においてそれぞれの御子とパラディーヴァがいい感じで個性を発揮しています。今回の戦いではいまいち存在感が薄かった《風》の組のカリオス(苦笑)も、たしかに御子としてはまだヨチヨチ歩きではあれ、ギルド最強のエクターの面目躍如という戦いぶりで先鋒を担いました。

次いで、相変わらずお笑い担当な《炎》組のお二人さん。緊張感のある場面でふざけるなという見方もあるかもしれませんが、ちゃんと役割は果たしてくれましたので、よいかと思います。それにしても、《呪焔の毒爪(ブレネンデ・ギフトクラウエン)》という呪文の名前自体、あるいは呪文の中身の言葉の選び方も、何というか「大人の中二病」感満載でした(笑)。

《炎》組の二人のドタバタに、我らがヒロインのエレオノーアがさっそく絡んできている点についても、今後が楽しみです。

次回はいよいよ、真打・アマリアさんの「永劫庭園」の強化版、「永劫庭園・弐」がその姿を現します。
そして主人公ルキアン、エレオノーアの助言を受けて何か裏でこそこそやっていますが(笑)、その何かが次回に爆発するのでしょうか。最近、お騒がせヒロインのエレオノーアに主人公的な役回りまでもっていかれているルキアン君ですが、ここで格好いいところを、彼らしいかたちで見せてくれることを期待です。

今日も小説『アルフェリオン』とブログ「鏡海亭」をご覧いただき、ありがとうございます。
貴重な御時間をいただきまして、いつも感謝です。

ここ最近、日が暮れるとかなり冷え込むことも増えてきましたね。季節の変わり目、ご体調に気を付けてお過ごしください。

ではまた!

コメント ( 0 ) | Trackback ( )

第57話(その3)見よ、五柱の力!!

目次これまでのあらすじ | 登場人物 鏡海亭について
物語の前史プロローグ

 


3.見よ、五柱の力!!


 
 五属性・六人の御子たちの声が揃い、高まる彼らの想いがひとつになったとき――いにしえより密かに受け継がれながらも、これまでただ一度も発動されたことのなかった御子の秘奥義  《五柱星輪陣(ペンタグランマ・アポストロールム)》が、遂にその全容を現すこととなった。現実と幻の狭間、何処とも知れない暗闇の表象に満ちた世界に、時計のような文字盤を背後に従えた五芒星陣(ペンタグラム)が浮かび上がる。時を告げる鐘が幾重にも響き渡り、次いでガタンと低くこもったような音を立て、五芒星陣が時計回りに動き始める。12時の位置に、闇の紋章の刻まれた星の頂点に代わって、風の紋章の記された頂点が回って来る。
「最初はカリオスさん、お願いします!」
 エレオノーアがカリオスとテュフォンの方を見て頷く。風の御子たちの答えであるかのように、そよ風がどこからともなく吹いた。銀色の髪を涼しげに揺らしながら、エレオノーアは今度はアマリアと視線を合わせる。
 ――星輪陣の扱いを知っているのはアマリアさんだけ。その意を汲んで、他の御子たちをリードするエレオノーア。すごいな、エレオノーアは。さっきのイアラさんのことといい、いま御子たちが結びついているのは、アマリアさんと何よりエレオノーアのおかげだ。
 感心しきった様子で見ているルキアンに、エレオノーアが、緊張感のある中にも可愛らしい声でささやく。
「任せてください、おにいさん! わたしは、おにいさんや皆さんをできる限りサポートします。おにいさんは、他のことは何も気にせず、星輪陣に《闇》属性の魔力を注ぎ込むことに全力を尽くしてください」
 さらにエレオノーアは、ルキアンに耳打ちした。彼女の唇が触れそうなほど距離が近寄りすぎて、ルキアンは平静を装いつつも頬を赤らめている。
「それに、おにいさん。私たちにはリューヌさんがいません。パラディーヴァがいなければ、足りない魔力を自分たちでどこかから調達しないとですね。ですから、わたしの《アーカイブ》に、あれがありまして、それで、あちこちから、いろいろ、こしょこしょこしょ……と」
「え? そんなことって、できるの……かな? でも、この戦い、そうできたらいいな。僕たちの想いだけじゃなくて。分かったよ。やってみる」
 エレオノーアとお揃いの銀色の前髪、その向こうで同じく青い色のルキアンの瞳が、希望と困惑の入り混じった光を浮かべた。
 その一方、カリオスたちは魔法の詠唱に入っている。
「僕の力を使って、カリオス。僕に続いて呪文を唱えてよ」
 テュフォンは実体化を解き、空色の光となって、渦を巻くようにカリオスの周囲を上昇しながら、彼の体に溶け込んでいった。
「この力は……。パラディーヴァと一体化すると、これほどまでに人の力は変わるのか」
 指先ひとつひとつに至るまで、全身に漲る魔力にカリオスは驚きながらも、自らの役割を果たし始めた。
「五柱星輪陣、《闇》の《風》!!」
「我は吹き鳴らす風神の呼び笛。三度(みたび)大気に響いたならば、集え、天空に遊ぶ風の精たち」
 カリオスが呪文の詠唱を開始したとき、御使いの四頭竜が、深手を負った身体をかばいながらも星輪陣の方に向かって突き進んでくる。だが詠唱の時点ですでに風の魔力が発動を始め、カリオスに集中してきており、いつの間にか星輪陣を取り巻いていた嵐の壁が四頭竜を押し戻す。その間にもカリオスは粛々と詠唱を続ける。襲い来る巨竜を前にしても微塵も怯まない彼の姿、さすがに練達のエクターだけのことはある。
「風精(シルフ)たちの歌声で目覚めよ。暴風と轟雷の主、失われし空の王国の守護者」
 呪文が終わりに近づくにつれて風は飛躍的に強まり、その凄まじい風速に巻かれた竜の体にすでに異変が生じ始めた。見えない無数の風の刃にふれ、身体の表面に切り傷がひとつ、またひとつと増えてゆく。そして傷は深くなる。
 その様子を見たアマリアが星輪陣の力を実感している。
 ――《闇》属性をまとった風の刃は、神竜の体を守護する《光》の防壁と鋼鱗すら切り裂く。まだ呪文が完成すらしておらず、本来は《炎》属性に対して不利な《風》属性であるにもかかわらず、ここまでできるとは。
「その限りなき翼を広げ、荒れ狂う風獄で敵を断ち、その雄叫びで稲妻を呼び……」
 カリオスが呪文を唱え終わろうとしている。最後のいくつかの言葉が発せられるのに合わせて、彼の背中に翼のごとき霊気が立ち昇り、大きく羽ばたいた。
 
「いかずちの鉄槌で打ち砕け、《鳳翼風雷破(フリューゲル・フォン・シュトゥルム・ウント・ドナー)》!!」
 
 空が歪み、黒雲から呼び出された嵐の結界が、闇の魔力を帯びた爆風が、御使いを呑み込み、四つの首を苦しげに振り乱す竜に対し、幾筋もの雷鳴がひとつになり、巨大ないかずちの柱となって撃ち下ろされる。
「手ごたえはあった、カリオス。敵は瞬時に防壁を張って防ごうとしたようだけど、雷撃は貫通したよ」
 テュフォンの声がカリオスの中で響いた。四頭竜の体のあちこちが焦げており、12枚の翼も幾つか折れ曲がり、見た目にもカリオスの雷撃が痛打となったことは分かる。
 
「やりましたね、カリオスさん! 次は《炎》、グレイルさんの番です」
 戦いが有利に展開していることを承け、エレオノーアの声にも力強さが増しており、これに導かれるように、再び暗闇の中で五芒星陣が時計回りに動いた。歯車が鈍く鳴る音。先ほどまで風の紋章が輝いていた12時の場所に、今度は五芒星陣の炎の紋章をもつ頂点が来た。
「五柱星輪陣、《闇》の《炎》」
「……のお!」
 フラメアとグレイルが二人で叫んだ。だが両名のテンポが少しずれ、グレイルの声が遅れて最後に響く。フラメアが呆れた顔をして、じっとりした横目でにらんでいる。
「グレイルさん、敵は《炎》属性の攻撃に圧倒的な耐性があります。ですから、わたしがフラメアちゃんに伝えた魔法でお願いします」
 エレオノーアがそう言うと、フラメアは頬を膨らませ、溜息を付きながら首を振った。
「……ちゃん? あのねぇ、あたしはアンタより遥かに長く生きてるお姉さんなんだけど」
「まぁ、見た目がそんな子供だから。いや、でも若く見られる分にはいいじゃないか、フラメア」
「あはは、そうね。そういうことね」
 エレオノーアは、グレイルとフラメアのやり取りを不可解そうな目で見つめている。そんな二人は呪文の詠唱を始めた。フラメアが告げる言葉をグレイルが繰り返す。
 
 陰黒(いんこく)の火精(サラマンダー)よ、
 我が呼び声に応え、
 煉獄の隠されし洞(ほら)より出でて、
 汝の力をこの指に宿らせよ。
 不滅の炎を黒曜の爪となし、
 我らの敵に
 禍毒の焔(かどくのほむら)を染み渡らせよ。
 
「中からしっかり料理してやる、《呪焔の毒爪(ブレネンデ・ギフトクラウエン)》!!」
 
 今度はマスターとパラディーヴァの声がぴったりと揃う。グレイルの人差し指に魔力が一瞬で集中し、その指先を向けられた四頭竜めがけて銃弾を撃つような動作をした後、解放された魔力の強烈な反動で、グレイルがよろめきながら後ずさりした。
「お……?」
 わずかな沈黙があった後、グレイルが首を傾げた。
「……何?」
 特に変化もなく空中に浮かんだままの御使いの竜を、フラメアもきょとんとした顔で見ている。炎属性の魔法らしい派手な爆発や、燃え盛る火焔が敵を一気に呑み込むような様子は何も起こらないからだ。
「はい、狙い通り、効いているのです。グレイルさん、フラメアちゃん」
 エレオノーアがそういって目を細めた瞬間、突然に竜が悶え苦しみ、その腹部に赤い《炎》の紋章が浮かび上がり、みるみるうちに大きくなっていった。
「この術は膨大な霊気を凝縮し、《炎》属性の銃弾のようにして敵に打ち込みます。弾は敵の内部で呪いの黒い炎を発し続け、相手の命が尽きるまで決して消えません。炎系のかなり珍しい暗黒魔法を私の《アーカイブ》から検索して、あなたの《パラディーヴァ》のフラメアちゃんに転送したのです」
「ケンサク? テンソウ? 何だか聞いたことない言葉だが。それに、この術、地味だけどな?」
 じきに元の状態に戻り、一見、特に深刻な攻撃を受けたようにもみえない御使いを前にして、グレイルが苦笑した。
「それでいいんです。神竜は《自然治癒(リジェネレーション)》の光魔法を常時発動している状態ですから、そのままでは、こちらが与えた傷をいつの間にか回復されてしまいます。そこで《呪焔の毒爪》を撃ち込んで、闇属性を帯びた炎のダメージを与え続ければ、リジェネレーションの効果を相殺できます」
「なるほど。じわじわと敵を焙り倒す、怖いわね。まぁ、あたしの好みは、もっと、こう、一撃でドカーンと……」
「でもさすがです、フラメアちゃん。鱗の比較的薄い竜のお腹を狙って、見事に直撃なのです!」
「だから、《ちゃん》じゃないってば」
 
 いつの間にか《炎》の組と打ち解けているエレオノーアは、即座に襟を正し、今度は彼女なりに真剣な眼差しでイアラに語り掛けた。また五芒星陣がゆっくり回転し、《水》の紋章を描いた頂点が12時の位置に来る。
「イアラさん、次の《水》属性の魔法が勝利のカギとなります」
「は、はい!?」
 やや慌てた調子で、声を裏返らせてイアラが返事をした。長身のアムニスに背後でしっかり支えられ、イアラが精神集中し、目を閉じる。
「どうしてかな。呪文が、言葉が浮かんでくる。いま私にできる一番の魔法を使う。アムニス、あなたの力を貸して」
「了解した。わが主イアラよ」
 アムニスが青い光となり、背中から彼女の中に溶け込んでいったように見えた。一瞬の静寂に続いて、イアラのオーラが爆発的に高まる。
 ――緊張……する。怖い。でも、私のこと、みんなが頼りにしてくれてる。なんとか、頑張り、たい。私がもって生まれた、《予め歪められた生》の呪いも……全部、凍り付かせて……やる。
「五柱星輪陣、《闇》の《水》!」
 《水》属性の一環である《氷》系魔法最上位の呪文のひとつを、イアラが唱え始めた。
 
 我は解き放つ水王の御蔵(すいおうのみくら)。
 目覚めよ概念の禁剣、封じられしグラキアルス。
 汝の極限の刃で
 繋ぎ止めよ、楔となりて。
 異界を渡り、
 死せる吐息を静かに歩ませよ。
 世界の脈動よ、停まれ。
 
 イアラの様々な思いが入り混じり、爆発した。それは彼女の中に鬱積した何かを解き放ったかのようでもあった。彼女のフードと髪が舞い上がり、右目に水の紋章が姿を現す。
「万物の営みを……零(ゼロ)に帰せ」
 露わになった左目の《竜眼》をイアラはもはや隠そうともせず、その燃えるように赤い瞳と、同じく竜である御使いの目が合った瞬間、彼女は叫んだ。
 
「《絶対零度(アブソリュート・ゼロ)!!》」
 
 閃光とともに、蒼ざめた色でゆらめく影が、剣のようなかたちをした何かが現れ,御使いの竜を刺し貫いた。突き刺さった刃から、竜の体表に沿って音もなく凍結が始まる。四頭竜は、体全体を焼け付くような高温にして氷結の進行を止めようとするも、静かに、だが確実に広がっていく氷の膜は、次第に厚みを増して氷塊となる。四頭竜の胴体は、たちまち氷の中に囚われた。
「やりましたね。すごいです、イアラさん! この魔法は魔力の制御が特に難しいのに。初めてで、これって……」
 エレオノーアが青い目を丸くして、イアラの方に手を振った。
「とても静かですが、こうしている間にも極低温の凍気が竜の体に浸透しています。内側では、グレイルさんの撃ち込んだ弾が炎を生み出し続けています。《闇》の力を付与された灼熱と冷気に次々とさらされ続け、竜の体はどんどん脆くなっていきます」
 極度の緊張から解けたイアラは、ようやく黙って手を振り、エレオノーアに応える。ふらつく彼女の肩をアムニスが受け止めた。常に怜悧な彼の表情に、刹那の笑顔が浮かんで消えた。
「わが主イアラ、よくやった。頑張ったな……」
 
 《絶対零度(アブソリュート・ゼロ)》で動きを封じられた御使いの竜に致命の一撃を与えるため、《地》の御子、アマリアがすでに魔法の準備に入っている。《地》の紋章が、五芒星陣の頂点でひときわ強く光を放った。
「イアラさんが戦いの流れを決めてくれました。いまです、アマリアさん! あなたの力で勝利を」
 手を合わせて、いや、思わず手を握って見守るエレオノーアをはじめ、御子たちがアマリアに期待を託す中、彼女は落ち着いた調子で呪文の詠唱に入る。
 エレオノーアの隣に立ちながら、ルキアンも《紅の魔女》の姿を食い入るように見つめた。
 ――やっぱり、僕たち他の御子と比べて、アマリアさん、術士としての経験が段違いだ。それに今のアマリアさんは本気だ。なんとなく分かる。
 ルキアンは小声で何事かをつぶやきつつ、別の何かを続けている。エレオノーアに耳打ちされた例の件だろうか。
 聞き覚えのある呪文がアマリアの口から紡がれる。
 
 大地にあまねく眠る元素を司る者たち、
 この地、かの地に棲まう精霊たちよ。
 我が呼び声に応え、地表に集いて帰らずの園を拓け。
 取り囲め、汝らの贄を狩れ、
 貫く万軍の槍、煌めく鉱石の梢、無限の結晶の森。
 
 ――今度は、最初のようには甘くないぞ。
 アマリアの右目に《地》の紋章が輝く。先ほど《永劫庭園》を使った際には無かった一節、この魔法の真の力を解き放つ呪文が付け加えられた。
 
 凍れる十月(とつき)の夜のもとで
 惨絶の門の戒めを解き、
 その狂える姿を現せ贖罪の庭園。
 
「五柱星輪陣、《闇》の《地》。《永劫庭園・弐(ツヴァイテ・シュトゥーフェ・デス・エーヴィゲン・ガルテンス)》」
 
「地獄へ、ようこそ」
 その言霊が向けられた相手を、心底から震わせるような、アマリアの冷たい声が響いた。
 
【続く】
 
 
 
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

盛り上がる第57話、応援プロモーション画像―宿命を超える女子会?

連載小説『アルフェリオン』、「第57話」(その2)が先日更新され、最後の御子イアラも駆けつけ、噂の「五柱星輪陣」も発動されて物語はますます盛り上がって参りました。
そこで今回は、第57話を含めた「ハルスの邂逅」編で活躍した若手女性キャラ3名による、豪華プロモーション画像を公開です。AIのHolaraさん、また腕を上げ、いや、洗練されてきましたね。AIの絵柄は、その特性上、個性がないといわれますが、個人的には、Holaraさんの絵柄は大好きです(!)。鏡海もHolaraさんのサポートくらいはできる程度に、お絵描き精進中です(AIが人間のサポートをするのでは、というツッコミは無しで)。
 
上掲の絵、女子会? 小説本編の中でも、いずれこの三人が集まってお話しする機会が出てくるのでしょうか。ちなみにエレオノーアは、今後、イアラの初めてのお友達(!)になりそうな雰囲気ですし、もう一方のルチアにもエレオノーアは気に入られて、後継者扱いされています。
 
(とても)遅れてやってきたヒロイン、エレオノーア。絶望という言葉くらいでは生ぬるい、悲惨な誕生の秘密と虚ろな存在としての自我の危機を、自分自身も背負っているのに、いつも一生懸命で真っすぐで、周りの人たちを元気にしてゆくエレオノーア……って、なんだか往年の少年コミックの主人公みたいですね。
本作の一応の主人公・少年ルキアン、涙目です。
 
続いて縦型のプロモーション画像です。
少し文字多めにしておきました。
何と言いますか、勢いを大事にしています(笑)。
そうそう、第51話の時点で、作品の字数の総計が100万字超えてるのです!(エレオノーア風に)
 
さらに、女子会(?)画像、今度は文字無し版です。
豪華な会場です。そういえば、イアラもルチアもお金持ちですからね(笑)。
あるいは、ルキアンの「無限闇」で仮想の部屋を生成させたのでしょうか。
 
 
個別の画像、エレオノーアです。
イアラやルチアに比べ、なぜか例によって露出多めです(苦笑)。
 
無邪気に食べています(笑)。いつもひたむきで、真っすぐで潔いところが、エレオノーアの魅力ですよね。
いくら重い宿命を背負っていても、闇の御子でも、闇のアーカイブでも、こういうときは普通に一人の女の子なのです。
 
イアラです。少し微笑んでくれています。
一応、エレオノーアよりいくつか年上で、言動がちょっと子供っぽい割に、年齢的には大人……なのですが。
小説本編の彼女も、このくらい、多少明るく振舞えるようになってくるのでしょうか。エレオノーアに振り回されて、影響されそうな予感です。
 
最後にルチアです。
気品がありますね。さすがはミロファニアの王女殿下。
ちなみに、この絵では車いすに乗っていないです。彼女はいつも歩けないわけではありません。一定の条件のもと、ほとんど動けなくなってしまうときがあるため、そういう状態にある場合には車いすを使わざるを得ないのです。でも別なときには、自分の足で歩くこともできます。それも「呪い」のひとつなのでしょうか。
凛々しい。美人さんです。
それにしても、もうこの世にいない、過去の時代の人物として設定しまったのは少し勿体なかった……かもです。
 
「残留思念」としての登場ではありつつも、少しずつ、いい感じでキャラが描写されてきました。また、話を聞けば聞くほど、過去の御子たちの中でも桁違いの能力。活躍するのが見たかったです。
 
いつか、彼女を扱った外伝でも出しましょうか。でも哀しすぎる最後になるのが分かっているから、辛いなぁ……。もっとも、その先立つ哀しい御子たちの物語があってこそ、いまの『アルフェリオン』本編が生きてくるわけではありますが。
 
 ◇
 
本日も鏡海亭にお越しいただき、小説『アルフェリオン』を応援いただきまして、ありがとうございます。いつも感謝です。
物語がこれから中盤に移行していく転換点、ストーリー上、山場のひとつというべき第57話。引き続き、鋭意執筆して参ります。
 
ではまた!
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

第57話(その2)水の御子、イアラ覚醒!

目次これまでのあらすじ | 登場人物 鏡海亭について
物語の前史プロローグ

 


2.水の御子、イアラ覚醒!


 
◆  ◆
 
 ずっと暗闇の中にいた者にとっては、
 たとえ微かな光でも、それはあまりにも眩しく、
 抗し難い憧れをかき立てられずにはいられない。
 手の届いた光に恋焦がれ、
 私は追いかけるようにすがりついた。
 その光がどういうものか、確かめもせずに。
 
 イアラの部屋には窓が無いに等しい。窓はあるのだが、それが部屋の中と外の世界とを光で結びつけることは稀である。一日中閉ざされたカーテンの陰影をささやかに変化させながら、その向こうで朝に日が登り、夕に日が沈む。イアラは部屋から殆ど出ることがない。だが、そんな彼女も時々散歩に行きたくなることはある。たしかにそれは、夕暮れに近いほんのわずかな時間、庭の中を歩くだけにすぎないにせよ、トレーネア家の館の恵まれた庭園は、閉じた部屋に籠る彼女にとっては広大な野山にも等しかった。
 真昼の陽光はもちろん、今のような夕暮れの消えゆく残照のもとでさえも、それに当たり続けると溶けてしまうとでも言わんばかりに、庭を散策するイアラは物陰に隠れがちで、黒いヴェールをいつもより深めに被っている。しかし今日の彼女は、何かにそわそわする様子で、庭園の外れにある柵のところまで歩み出ている。それは彼女にとっては、小さくはない勇気の表れだ。
 
「今日も、会えましたね」
 遠慮がちに、わずかにだがイアラの声が弾んだ。
「明日も、頑張って、外に、出てみようかな」
 
 ◆
 
 なぜ私がいると皆の笑顔が凍り付くのか、
 なぜ私だけを置いてそこから離れてゆくのか。
 大人も子供も。父や母ですらも。
 私は、嫌われるようなことも、悪いことも、
 何もしていないのに。
 とても幼い頃、私には分からなかった。
 しかし、ほどなく理解した。
 私の存在自体が忌まわしく、否定されるべきものなのだと。
 私がどこに行こうとも、普通に生きようとしても、呪いは私自身に付いて回る。
 私は最初から、鍵のない見えない牢獄に囚われて生まれ、その中で生きていたのだ。
 この竜の左目が、醜い鱗が、私の人生も幸福も残らず喰らい尽くすのだろう。
 
 いつもならまだ薄明りの残る時。今日は生憎の雨模様で、ひと足早く夜が降りてきた。だが、降り続く雨を気にもかけず、イアラは傘を差して立ち続けていた。まるで心地よい陽光の中にたたずむように。
 
「今日は会えないと思っていました」
 喜びを抑えきれず、私は傘を投げ捨てて駆け出していた。
「本当ですか。こんな私でも、仲良くしてくれるのですか」
 
 ◆
 
 最初は偶然のように、それからは次第に偶然が必然になり、
 いつしか《彼》は、私に会いに来てくれるようになった。
 永劫の檻に囚われた醜い竜の眠り姫を、
 誰も助けようとせず、誰もがあざ笑い、
 それどころか存在すら忘却しようとしていた中、
 ただひとり、彼だけが呼び掛けを絶やさなかった。
 そして私は、差し出された手を信じて箱庭から飛び出した。
 何度か忍び会うたびに、初めて見る外の世界にふれるたびに
 私は自身が赦されていくような気がした。
 
 その幸せな時間が積み重ねられるほど、
 やがて来る絶望がいっそう深くなるとは、思うはずもなく。
 
 ◆
 
「ここ、は……?」
 頭が割れるように痛く、喉のあたりまで吐き気がよじ登ってきている。イアラは見知らぬ場所で目が覚めた。
 薄暗い倉庫のような場所。冷たい石造りの床に無意識に手を這わせると、苔や泥や、それから、こびりついた血の跡のようなものが、指の先にぼんやりと見えた。考えたくないことだが、おそらく、誰かに薬を盛られたのだろうとイアラは思った。
 意識がまだいくらか混濁していて、イアラは周りの様子をよく理解できない。足取りも定まらず、ふらふらと動いたとき、背中が鉄格子にぶつかった。掛けられた錠前が鈍く響き、絶望的な音がした。
「出してください! 誰か、誰か!!」
 イアラが悲鳴を上げると、奥の暗がりの方から二人の男が現れ、こちらに近づいてきた。一人は、でっぷりと腹の出た、よく肥えた猪のような中年の男だ。揺れるランプの明かりに照らされて見える彼の衣装にせよ装飾品にせよ、とても身なりが良いことはすぐに分かった。そのいでたちや雰囲気からして、おそらく、かなり位の高い貴族だろう。男は片目を開き、イアラを値踏みするように眺めると、無遠慮に言った。
「これが、失われた人竜の血を色濃く現した娘か。もっと化け物のような顔をしているのかと思っていた。これはこれで、相当の美形ではないか」
「はい。この間の出し物に飽き飽きしておられたお偉方やご婦人方も、次の秘密の夜会にはさぞや満足なさることでしょう」
 二人目の男がそう告げたとき、イアラは己の耳を疑った。いや、疑うというよりも、信じたくなかった。イアラが今の今まで愛しく思っていた、あの心地よい響き。その声の主である、小ざっぱりとした短い金髪の青年が、明らかに邪悪な笑みを浮かべている。見事に仕立てられた黒いフロックをまとって、いかにも貴公子然とした様子で立つ《彼》の姿ではあるが、身にまとう空気感が普段とは異なり――いや、これが本来の姿なのだろうが――世に疎い娘を惑わし、魂を魔界に引きずり込む妖魔の化身のようであった。
「なぜ……。なぜ、あなたが、ここにいるのですか!? どうして……」
 いまにも狂乱が溢れ出しそうな、目を剝き、青白く歪んだ表情で、イアラは何度も唇を震わせた。
 そんな彼女を《彼》は鼻で笑って、軽薄に気取った声で答える。
「なぜって、最初から君をここに連れてくるためにだよ。それにしても楽に騙せたな。いや、騙すためのあれこれも、ほとんど何もせずに済んだ。大体、君みたいな半魔や半獣の者は、心の奥で誰かに受け入れられることを切望しているから、上っ面だけの優しい言葉にも簡単に引っかかる」
「なぜ、こんなことを。お金の……ため、なのですか」
 イアラは、自身への慰めのようにそう言った。金のために、一時の迷いで《彼》の心がよこしまな方に流れたのであれば、まだあきらめがつくかもしれないと。《彼》が最初から悪しき人間ではなかったのだと。だが、《彼》は呆れたように大声で笑い、手を振って全否定する。
「金? 金なんか、もう飽き飽きするほど手にしている。僕はもっと高尚なのさ。君の今の顔が、その何もかも失ったような絶望の表情が見たかったんだよ!」
 この男は、どこぞの貴族の放蕩息子あたりだろうか、世俗にまみれた小悪党よりも遥かに厄介な、本質的にずっと悪魔に近い人間なのだろう。イアラはようやく理解した。否、直感したことを、とうとう受け入れた。これまで彼女に微笑みかけ、優しく扱い、温かい言葉をかけてきたのは、すべて偽りで、すべてが彼女という獲物を狩るためだったのだと。何か別の利益や別の快楽のためではなく、うら若い女性を地獄に堕とすそのような行い自体が、《彼》にとっては最高の遊戯であり、悦楽であるのだと。
 その間、もう一方の男が、恥も外聞も貴族の誇りすらも感じられない、どす黒い欲を露わにした顔つきでイアラを見つめている。
「生まれつき竜の血を色濃く現していなければ、今頃は幸せに過ごしていたであろうに、気の毒なことよ。それにしても《普通の人間》とはまた違う美しさも、時には良いものだな。この娘が亜人の魔物どもに弄ばれてどんな声で泣くのか、今から楽しみだ」
「《人間》であればたしかに気の毒です。でも《これ》は、しょせんは人の皮を被った《トカゲ》ですからね。それを襲うのが不潔なオークやゴブリンあたりですか。そんな魔物同士が交わる醜悪な様子をわざわざ大金を払って見物するなど、正直、何がよいのか理解できません。まぁ、僕には関係のない話ですが」
 イアラの人間性を全否定する《彼》の言葉が、彼女を奈落の底に突き落とした。もはや恐怖や嫌悪の情すらもほぼ浮かばないほどに、彼女の心は、その深奥に至るまで、ことごとく壊れてしまった。その後、イアラは間一髪のところでアムニスに救われたにせよ、彼女の心が元に戻ることはなかった。
 
 ◆ ◆
 
「イアラ、しっかりしろ、わが主イアラよ」
 本人の意思によらず、悪夢のようにこうして時折思い起こされる残酷な回想を、アムニスの力強い声が破った。虚ろな目をしたイアラを両腕で抱え、アムニスはかなり感情的になって彼女の肩を揺さぶっている。彼の長い髪の向こう、それでも呆然と宙を見つめる無反応なマスターに対し、とうとうアムニスは彼女の頬を張った。
「目を覚ませ!! 君が見るべきは、そんな過去じゃない。彼らとの未来だ。手を伸ばすんだ、イアラ」
 アムニスの精一杯の呼びかけに、イアラが突然に目を見開き、彼の名を呼んだ。
「アムニス!」
 彼の名を口にすると同時に、イアラの目から無意識に涙があふれ出た。
 
 ――届いてください! みんなが待っています、イアラさん。聞こえていますか、エレオノーアです。もしもし!!
 エレオノーアの心の声が再び響いてきた。それは騒々しいほどだったが、アマリアが仲間すべての想いをエレオノーアに委ね、支配結界の中から彼女とイアラとをつないでいるのだ。大きな賭けだった。しかし《紅の魔女》アマリアの直感は、その賭けが最善の方に転がると見抜いていた。
 ――この手を取ってください。あなたの居場所は、きっと、ここなのです。
 思い描いた幻影の中で、イアラは、エレオノーアの手がいま、そこまで届いたような気がした。その感覚通り、エレオノーアの声が胸の奥に浸透してくる。
 ――やりました! イアラさん、つかまえたのです。もう離しませんよ。
 ――エレオノーア……。
 互いに精神を一部共有し、幻視し合う中、イアラとエレオノーアが手を取り合い、空に舞い上がるイメージが浮かんだ。そして彼女たちの想いに応ずるかのように魔力の激流が迸り、空間を超えて二人の間をつなぐ。時を同じくして、イアラの背後に《ダアスの目》が悠然と姿を現し、彼女を見おろすようにゆっくりと瞼が開いた。
 そのときイアラの視界は《ダアスの目》とひとつになった。そして彼女の瞳に映ったものは。
 ――私には分かる。これが《深淵》。遠い昔にも見たことがある。魂の一番深いところに刻まれた記憶。何度か、この目に焼き付けたことがある。
 そのことを思い出したとき、イアラの中に多くの異なる人間の記憶が、想いが、次々と溢れた。見知らぬはずの、しかし知っている者たちの姿が次第に鮮明になっていく。
 乙姫のような衣装の、あるいは仙女を思わせる衣をまとった背の高い女性が、細長いショールのような布をなびかせて立っている。彼女は空色の髪を頭上で二つの輪に結い、さらに左右にふんわりと下ろし、思慮深くも厳しい眼差しでイアラの方を見ていた。その背後には、濃紺のフードと長衣をまとった、どことなく呪術師や祈祷師を思わせる一団が付き従っている。だが、奇妙な違和感があって、彼らには生きているものの気配がなぜか感じられなかった。
 続いて見えてきたのは、ルキアンと同じくらいの年頃の、黒髪の少年だった。彼は、その年には不似合いなほど何かを悟ったような表情をしており、そのくせ、いたずらっ子のような「悪ガキ」感も、その眼にときおり浮かべる。簡素な灰色のローブをまとい、手には杖を握っている姿から見て、おそらく魔道士か何かだろうか。ただ、よく見ると彼の周囲に三つ、四つ、ほのかに明滅する光が浮かんでおり、それらは明らかに意思をもった動きで遊んでいた。そう、彼は精霊使いだ。
 ほかにも数名の影が浮かんだものの、姿かたちが曖昧でよく分からなかった。
 ――困ったな。御子の魂の記憶、あなたたちの想いを真っすぐに継げるほど、私は、強くないもん。でも、分かるよ。辛いのは、私ひとりじゃ、なかったって。
 紋章を浮かべたイアラの右目、そして左の《竜眼》からも、はからずも涙が流れた。
 ――当たり前のことだよね。でも、苦しすぎて、そんな簡単なことも、分からなかったんだもん。だけど、私は……。
 イアラの背中から、何匹もの大蛇のようにうねる青いオーラが立ち昇り、彼女の体を覆い隠すほどに力強く、濃く、そして渦を巻いて広がっていく。
 
  私は水の御子。
  大海を統べ、凍った山々を眠りにいざない、恵みの雨を呼び地を満たす者。
  世を潤す大河から小さなせせらぎまで、見守り、導き、
  緑を支え、花を咲かせ、万物の命の源となる水を司る者。
  水は優しく、穏やかに、あらゆるものの形に寄り添って流れる。
 
 ――けれど、怒れる水の力は、すべてのものを吞み込み、打ち砕く。見るがいい。《あれ》の御使いよ。
 
 イアラの右目に澄んだ青い光が浮かび、遠い古の文字や記号で埋め尽くされた魔法円、《水の紋章》を瞳に描き、目映く輝かせる。
 
 ――よくやった、エレオノーア。本当に君は……毎回、私の予想を超えてくる。これでイアラの《紋章回路(クライス)》が起動し、《通廊》も開いたぞ。
 アマリアが頷き、先ほどまでの戦いの中では聞かれなかった安堵の声を上げる。
 ――イアラとアムニスの思念体をここに召喚する。皆、それぞれの位置につけ。五柱が揃う。
 彼女は紅色のケープを翻し、杖を高々と掲げた。これを合図に、既に描かれていた五芒星陣が改めて青白く輝き、いっそう輝きを増してゆく。そしてアマリアが強く念じると、残りひとつだけ空いていた五芒星の頂点に魔力が集まり始め、光となって、輝く扉の形を取り始めた。
 光の扉、その向こうから感じられるあまりにも大きい魔力に、カリオスは思わず寒気を覚えた。
「この感じ、何かとてつもない力が近づいてくる」
 御子たちの中でも、まだ魔法の世界に通じていない彼ですら、露骨に実感するほどの膨大な魔力だった。宙にふわりと浮き、カリオスの肩に乗るようにしてテュフォンが言う。
「来たね、マスター。最後の者たち、水の御子とパラディーヴァが。火を吐く竜相手に、《水》属性の彼らが来たのは心強いよ」
 あどけない少年の顔つきで、テュフォンは微笑を浮かべている。一方、その眼は鋭い光を帯びて四頭竜をとらえていた。
「それは御使いの方もよく分かっているみたいだけど……何としてでも止めに来るかな?」
「いや、ルキアンが全力で放った《天轟(イーラ)》の直撃を受け、あの竜は、単純な再生能力では回復しきれないほどの深手を負っている。そんなふうに見えるが」
 細長い目をさらに狭めて、カリオスが首を傾げた。御子としては未熟であるとはいえ、ギルド最強のエクターだ。いまだ経験したことのない、人知を超えた力がぶつかり合うこの戦いの中でも、カリオスは細部まで敵の様子を把握していた。そのつもりだったが、彼の表情が微妙に変化する。
「あんな状態でも攻撃に出ることを強いられるほど、《水》属性の御子の到来は、《炎》属性をもった火竜にとって脅威だということか」
「ご明察。そのくらい、相性が悪い」
 テュフォンの気楽な口調は、この戦いをまるで他人事だと思っているようにも聞こえる。もちろん、そんなつもりはないのだろうが。
「かといって、《炎》属性ではなく御使い本来の《光》属性の力に頼っても、エレオノーアとこれまた相性が悪い。《光》属性は防御や回復に絶対的な強みがあっても、攻撃する側に立ったときに決め手になるような力には、いまいち欠けるからね。エレオノーアのように《闇》属性かつ防御や支援に長けた相手がいると、意外に攻めあぐねる。どっちにしても、ほら、魔法がくるよ」
 緩やかに落下し始めていた神竜が再び浮き上がり、急激に魔力を集中させる。四頭竜の背後に火の玉が浮かび、時計回りにひとつ、ふたつ、と円を描くように増えていく。そしてひと回りするとすべての火球がつながり、後光のように眩く輝き、微かに目に映る灼熱の火炎が突風のごとき勢いで周囲に広がった。
「やばいって、どんどん桁が上がっていってる、あの温度!! マスター、とっとと後ろに隠れなさいよ。あたしも知らない超級火炎呪文、失われた竜の英知の一部。気を抜いていると、大火傷くらいじゃ済まないからね」
 《炎》属性のパラディーヴァのフラメアすら慌てさせるほど、超高温の魔法を、御使いが放とうとしている。グレイルはあっさりとフラメアの背後に回っていた。逃げ足は素早い。
「わりぃな、そうさせてもらった。だが、この気味の悪い音、いや、声は何なんだ?」
 幾重にも連なる枯れた声で、これまで聞いたことのない、未知の言葉らしき一連の音が轟く。それは詠唱、時の彼方に忘れられた竜の英知に属する言語体系。竜の胴体が立ち上がり、四つの頭が同時に口を開き、四本の首で猛火を絡め取り、握りしめるようにして巨大な火球を作り出していく。
 
「燃え尽きよ、愚かな人間ども……。《炎帝(イムペラートル・イグニス)》」
 
 炎を司る神帝の鉄槌が、天に背いた人の子たちに振り下ろされようとしたそのとき、信じ難い光景が御子たちの前で繰り広げられた。
 
 《海が落ちてきた》
 
 そうとしか表現できない。突然に目の前で大海が波打ち、荒れ狂った。だがその莫大な水量は、何もない空から轟々となだれ落ちてきたのだ。嵐の海は、多数の巨大な水柱となって天空まで貫き、そして再び、地の果ての大滝を思わせる勢いで海面を叩きつける。この海原自体がひとつの生き物のようだ。想像を絶するその水量と水圧に阻まれ、御使いの竜の放った灼熱の大火球は、大洋をも干上がらせそうな勢いで周囲の水を爆発的に気化させながらも、次第に小さくなり、波に飲まれ、最後には跡形もなく消失した。
「今のは、ただの膨大な水。それを操っただけ。魔法ですらない」
 無感情につぶやく声とともに、揺れる水の翼を広げた黒いドレスの人影が、御子たちの上空に姿を現した。
「来てくれたのですね、イアラさん!!」
 イアラの思念体が支配結界の中に現れたことに、エレオノーアが思わず声を上げる。それが聞こえているのかいないのか、イアラは右目を見開き、水の紋章が輝きを強める。彼女の背中で水の翼が大きく広がり、霧を伴いながら逆巻く水流の尾を幾筋も従え、神々しく羽ばたき始めた。その間に一瞬で解放され、劇的に増大したイアラの底なしの霊気を前にして、エレオノーアは思わず退き、後ろにいたルキアンの足を踏みつけてしまった。
「ごめんなさい、おにいさん! でも、ちょっとこれは……イアラさん、怖いくらいの魔力量です」
「たしかに。あの《ディセマの海》の、深海の淵と向き合ったときみたいだ」
 エレオノーアの背中を支えながら、ルキアンも息を吞んだ。
 イアラは上空に浮かんだまま、隣にアムニスを従え、無言でアマリアを見つめる。アマリアも黙って頷いた。直後、うって変わってアマリアは、よく通る低めの声で告げる。
「五柱の御子たちよ、我らが同じ時代に揃うのは本来起こりえないこと。だが《聖体降喚(ロード)》によって……皆、言いたいことは色々あるだろうが……世界を統べる《あれ》の《節理》から外れた闇の御子が生まれ、《永劫の円環》の呪いは瓦解した。紡ぎ直された因果の糸を、確定した事実とするために、御使いの化身をここで必ず仕留める」
 アマリアはルキアンと目を合わせ、彼に役割を引き渡した。
「今回の《星輪陣》では、君が《軸》となれ。ルキアン・ディ・シーマー。天に連なる《光》属性の御使いを倒すためには、《闇》属性の力が不可欠だ」
 五芒星のそれぞれの頂点に各属性の御子とパラディーヴァが立ち、そして星型の真ん中、最上部の頂点に、ルキアンとエレオノーアが手をつないで立った。
「どこまでもお供します。わたしのおにいさん」
「一緒に、みんなで帰ろう。宿命を超えて」
 全員の力が十分に高まり、心がひとつになっていくのをはっきりと感じつつ、ルキアンは口を開いた。彼に続いて、エレオノーア、そして残りの御子たちも言葉を継いでいく。
 
「我が名はルキアン、我が名はエレオノーア、共に闇を司る御子なり」
「我が名はグレイル、炎を司る御子なり」
「我が名はカリオス、風を司る御子なり」
「我が名はアマリア、地を司る御子なり」
 
 最後に、自らに言い聞かせるように、彼女は覚悟を決めて言った。
 
「我が名はイアラ、水を司る御子なり」
 
 五属性・六人の御子たちの声がひとつになる。
 
 我ら、御子の名において《通廊》を懸け、
 《対なる力》に至る《深淵》への扉を開かん。
 根源の御柱(みはしら)のもとに、五つの星に導かれ、
 予め記された終焉の一瞬に向けて、
 回れ、刻め、
 
 《五柱星輪陣(ペンタグランマ・アポストロールム)》!!
 
【続く】
コメント ( 0 ) | Trackback ( )

盛り上がる最新話、もうすぐ更新です!+メルキアさん蔵出し画像

連載小説『アルフェリオン』、おかげさまで第57話がますます盛り上がって参りました! 続く「第57話(その2)」の近々の更新に向けて、本日は縦型版の第57話PR画像を掲載です。

熱血しているエレオノーア、良いですね(笑)。
ただ、実際の年齢よりも、顔つきが幼な過ぎる感じになってしまいました…。元々、童顔という設定ではあるのですが。
最近の小説本編では、エレオノーアはメインヒロイン確定どころか、ルキアンと合わせてダブル主人公の一人(!)という印象さえあります。いや、ルキアンより目立ってますよね。

第52話までは存在すらしていない子だったのに、今ではもうエレオノーアのいないアルフェリオンなんて、作者の私自身も想像できないです。

さて、続きの第57話(その2)、もうすぐ完成すると思うのですが、今度は特に大事な回なのでちょっと時間をかけております。イアラがついに動くか!?という場面です。小説本編の更新、今しばらくお待ちください。

 ◇

それではまた……いや、以上だけでは少し物足りないので、特別にメルキアさんに頑張ってもらいましょう(笑)。冒頭に出てきたメルキア画像を生成AIのHolaraさんと一緒に導着した際、採用されなかった画像が沢山あります。そのうち、いくつかを紹介です。

これはこれで良い物ですが、勢いというのか、燃え上がり方が足りないですよね(笑)。

こちらも、エレオノーアと一緒に燃える!という感じではないのでボツになった画像です。髪質もストレートで設定とは違っていますが、こういうメルキアさんもよいかもしれません。

 

困ったメルキアさん?(笑) かわいいですね。
エレオノーアが変な質問をしたら、こんな表情になるのでしょうか。
生成の際、プロンプトの選択が微妙だと、怒らせるつもりがこういう困り顔になってしまったりします。

もうひとつオマケです。特別公開、初期の設定資料的なボツ画像です。


こちらの方が、現在のメルキアさんよりもAIっぽいでしょうか。知的な雰囲気もアップしています。
ただ、キャラ的にいって、メルキアはけっこう感情表現が豊かなAIだという設定であるため、今の感じに落ち着きました。

旧世界の超AI、MGシリーズの第1号メルキアさんは、普段はこういう美女AIです(笑)。

すでに作品中でもエレオノーアと良いコンビになりつつありますが、今後の二人の掛け合いが面白そうですよね。ただ、エレオノーアもメルキアも、どっちもキャラ的にみて天然っぽいところがあるため、ブレーキが無くてアクセルばかり(笑)という感じで、どうなることやら、です。

 

本日も鏡海亭にお越しいただき、連載小説『アルフェリオン』にご声援をいただき、ありがとうございました。読者様方のご期待に応えられますよう、引き続き精進したいと思います。

ではまた!

コメント ( 0 ) | Trackback ( )