かへる 東の国探訪記

何かと話題のぐんうま県在住の『かへる』の某国中心の旅行記&趣味のフィギュアスケートの話題など

美しき泉(8)栄光の門

2015-07-26 09:29:33 | 旅行
6番目の停留所であるグロリエッテ(Gloriette)では、わたしを含めて大勢の人が降りる。
グロリエッテは、1775年に墺国がプロイセンとの戦争に勝った記念として建てられたものである。
凱旋門といったところか。
晩年のテレジア様は、ここがお気に入りの場所だったと言われている。
宮殿から坂道を20分もかけて上ってきたとは思えないので、馬車でお出ましになったのだろうか

ちょうど12時になるところだったので、昼食もかねて中のカフェで一休みする
チョコレートクリームとクリームチーズの2層になったシシィトルテが有名だそうだが、
わたしはアプフェルシュトゥルーデル(アップルパイのようなケーキ)バニラソース添えと
カプチーノを注文する。


カプチーノには、墺国カフェの伝統である水がついてくる

アプフェルシュトゥルーデルは、シナモンソースで煮たリンゴがたっぷり詰まっている
リンゴが酸っぱいのを、生クリームやバニラソースが中和している

わたしが座ったのは、中央階段を上がった入り口近くである。
この建物は、かつては舞踏会や晩餐会の会場に使われていたとかで、天井が高い。
これは、天井画(の一部)である。

席の近くには、古いピアノがある

ケーキを食べていると、2人の若い男性がピアノに近づき、弾き始めた
連弾で、とても上手である
弾き終わると、カフェ中から拍手が起こる(もちろん、わたしも拍手した」)
1人は地元の人のようだが、もう1人はアジア系であることから、留学生なのだろうと思う。
たぶん、音大生だろう。

食事を終えて、外に出てみる。
カフェの座席はテラス席もあるのだが、この日差しの下、パラソルもなしで外にいる勇気はわたしにはない
グロリエッテには屋上に展望台もある(有料)のだが、この日差しの下(以下略

まずは近くでグロリエッテを撮す
構図が斜めになっていたり、一部しか写っていないのは、いつものわたしの写真の特徴である




そして、今来た方向を眺める

目の前にあるのはネプチューンの泉で、その向こうに金色に輝く宮殿とウィーン市街がある。
暑いので、日陰になっているテラスにて写真を撮る。
これは、PC版ブログのトップページに使われている画像のもとになっている。



迷惑メールは本当に迷惑

2015-07-25 16:21:34 | 日記
わたしはWebメールを利用している
そこの受信箱は、迷惑メールを自動的に選別してくれてありがたい
しかし、ひどいときにはこの迷惑メールが1日に20件以上もきていて、げんなりする

よく来るメールのタイトルは
「44万円!副収入が本業を上回りました」
1日に送信アドレスを変えて5通来たこともある。
確かにわたしの月収は44万円よりも低い
「どうしてそんなことを知っているんだ」と突っ込みたい衝動を抑えるのが毎度のことである
もちろん開きもせずに削除している。
どうせ内容は、競馬予想かパチンコ関連のサイトだろうと思う
わたしはどちらにも(というか、ギャンブル自体に)まったく興味がないのだから送ってもムダである

この1ヶ月くらいの間によく来ているのが、出会い系サイトへの誘導と思われるメールである
題名は、あまりにも下品すぎて書きたくない
送信主も、48歳の独身女性だったり、50代の聴覚障害者だったり、
題名からして人を馬鹿にしている点が腹立たしい
わたし自身、目の病気で治療中なので、障害者を装う内容は許しがたい。
もちろん、これらも読まずに削除している。
その他、若い女性(を装った人)からの
「メアド変更しました」「掲示板を読んで来たんですけど」といったメールも来る。
これらのメールの送信者に言いたいのは、
わたしは一応女性であるということだ。
無論、自分のアドレスが有効だと漏れるのが嫌なので、いちいち返信などしないが

しかし、わたしが女であることを知った上で送られてきたメールもあった
過去にもう1台携帯電話を使っていたとき、その携帯に
「同じ群馬県に住んでいる女性と友だちになりたい」(これは送信主は女性と名乗っているが)とか、
ホストらしき男からメールが送りつけられたことがある。
この携帯電話のアドレスは、家族にも友人にも教えていなかったが、
とあるSNSサイトの登録時に使ったことがあった。
登録したのはその1ヶ所である。
どう考えても、そこから漏れたとしか思えない。
迷惑メール設定をした上で、そのSNSサイトは退会した

最近めっきり減ったのは、「あなたに9800万円を譲ります」といった内容のものだ
推測であるが、ここ数ヶ月の間に大規模な詐欺グループが相次いで摘発されたことと関係があるのかもしれない

今まででいちばんの傑作だと思うのは、EXILEのTAKAHIROから来たメールである
これはなりすましメールとしては有名で、何とTAHAHIRO氏本人にも来たという話もある
内容はと言うと「今夜ライブに来てくれてありがとう。忙しくて会えなくてごめんね…」という書き出しだった
断っておくが、わたしはEXILEは知っているが、メンバー1人1人は判別できない。
要はファンではないということなのだが、このメールを受け取ったのは、ちょうど今書いている旅行記の頃、
つまり墺国にいたときである。
ライブのあった時間帯は、ドナウ川を船で下っていたのだ
明らかな偽メールなのだが、これで引っかかってしまう人もいるのだろうか

ウェブメールだから、アドレスを変更すれば良いのかも知れないが、
あちこちで変更の手続きをするのが面倒である。
まったくどうにかならないものか


追記:そう言えば、CEO高橋とか高橋みなと言う人物からもお金譲りますメールが来ていた。
言うまでもなく、あのグループの総監督を連想させる名前である。
この手のメールに共通しているのは、
題名や送信主の名前に変なスペースや句読点が入っていることだ。
これは検索避けなのかなあとも思う。

美しき泉(7)丘を越えて

2015-07-24 20:29:07 | 旅行
11時40分、パノラマトレインが来る
トレインという名称だが、レールの上を走るわけではない。
先頭のSL形車両が客車を何両か引く形になっている。
動力源は、電気かガソリンだと思われる。


乗り込む際に切符を購入する。
園内どこでも乗り降り自由で、6ユーロ。
手の甲にクマの形の蛍光スタンプを押してもらい、乗り込む。
これは、切符を購入した際にもらったクーポン冊子である。

冊子には、動物園の割引券や、園内カフェや近くのレストランで使えるクーポンが入っている。
普段のわたしなら早速利用するところだが、暑くてそれほど食欲はない。

トレインは先ほどまで見学していた王宮の前を通って行く。
停留所は全部で9ヶ所あり、広大な宮殿の敷地を大きく一周する形で回る。
最初の停留所は『馬車博物館』。
ここはかつては冬の屋内馬場だったところだ

次に停まるのが『ヒーツィング門』。
シェーンブルンの北西の端になり、また地下鉄4号線ヒーツィング駅に近い。
地下鉄1区間分まるまるの幅があるのだから、やはりこの夏の宮殿は大きい。

そこから南下して『動物園』に向かう。
左手に温室が見える。
その先には『日本庭園』がある。
フランツ・フェルディナンド皇太子が造らせたそうだが(訪日で何かインスピレーションを得たのだろうか)、
その後の戦争→帝国崩壊→ドイツに併合→戦後、永世中立国にという激動の時代の中で
いつしか忘れられていた。
再発見されたのは、1990年代と、割と最近のことである。

『動物園』の停留所からは、『パビリオン』がよく見える。
ドーム型の建物で、ここでフランツ1世とテレジア様は朝食を楽しんだという
現在はカフェである
動物園は、現存する動物園では世界最古で、フランツ1世が現在の形に拡大させたそうだ。
パンダもコアラもいる(カンガルーは知らない)
再三書いてきたが、とんでもない暑さなので、動物園の見物はあきらめる。

動物園の周りをぐるりと回って東に曲がり、『チロル庭園』に着く。
ここは、チロル地方から移築した農家の建物がある。
また、現在でも畑で野菜を作ったり、蜂を飼ったりしている。
農家内の軽食コーナーでは、チロル産のチーズを食べることができるそうで、
このことを知っていたら寄っていたはずだ

次の停留所に着く前に、あまりの暑さのせいか、機関車が止まる。
オーバーヒートのようで、エンジン部分を水で冷やす。
なんとかエンジンがかかり、出発する。
35度を超える高温と、上り坂は機関車にもさぞかし負担だろうと思われる。

宮殿から見て小高い丘にあるものが、次の目的地である。




美しき泉(6)

2015-07-23 14:36:06 | 旅行
階段を降りると、1階に戻り、オーディオガイドを返却する。
庭園側の出口に行く途中にミュージアムショップがある。
もちろん素通りなどせずに入る。
エリーザベトご愛用のアクセサリーにも使われていた『シシィ・スター』のアクセサリーがある。
宝飾店で売っているものは、プラチナとダイヤでできているので、日本円にして40万円以上もする。
ここに売っているのは、金色のスターのついたヘアピンである。
お手ごろ価格とは言え、日本円で2,000円近くもするので、お買い上げならず

その代わり、絵はがきを3枚と本を買う
絵はがきは、星のドレスという純白のドレスに身を包んだ王妃エリーザベトの肖像画(1865年制作)と
馬に乗るエリーザベト(これは写真)
そして、テレジア様16歳の肖像画である
この美しさをご覧いただきたい

しかし、23歳頃の肖像画を見ると、すでに貫禄のあるお体である。
この時、4人目を妊娠していたというから無理もないが。

本は、『Ganz Wien』という題である。
「全部ウィーン」という意味なのだろうか。
ドイツ語の他、英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、日本語、中国語などいろいろな言語バージョンがある。
レジに持っていくと、「日本語版じゃなくていいんですか?」と英語で訊かれる。
「ドイツ語の勉強をしているので、これにします(I'm studying German. So I'll take this.)」と答える。
内容は、ウィーンの名所案内で、写真がちょっと古いが、数多く載っている。
ドイツ語は、辞書を引きつつなんとか読めそうなレベルに思える。

宮殿を出て、庭園を見渡す。
遙か向こうにグロリエッテが見える。
これが春であれば、花いっぱいでとても美しかったろうが、夏は青々とした芝生が美しい。
しかし、おそらく35度を超えているだろうと思われる猛暑の中、歩く気にはとてもなれない。
そこで、ミニトレインを利用することに決める。

このトレインは、シェーンブルナー・パノラマトレインというSLの形をした小型バスである。
バス乗り場は、宮殿からマイドリング門へと向かう並木道の途中にある。
途中と言っても、それほど歩かずに到着する。
トレインが来るまで、木陰のベンチに座って一休みする。






美しき泉(5)

2015-07-22 15:26:59 | 旅行
部屋番号28から先は東翼にあるのだが、ここはグランド・ツアーとシシィ・チケットを持っていれば見学できる。
26番『家族セレモニーの間』の隣が『青い中国のサロン』
その隣がお目当ての『漆の間』である
壁面には黒い漆の大型プレートが飾られ、その額縁が金色なので、とても重厚な感じがする。
漆のプレートは中国製だという。
プレートに挟まれた壁の中央には、フランツ1世の肖像画が鎮座している。
この部屋は、1765年に心筋梗塞で急逝した夫を偲ぶために、テレジア様が改造させたものだ。
テレジア様は夫の死後はこの部屋で過ごすことが多くなり、死ぬまで喪服で通したと言われている
なお、テレジア様は東洋の陶器と同様に漆も大好きで、ウィーン市内に漆工房を造らせたそうだ。

次の部屋が『ナポレオンの部屋』である。
テレジア様のひ孫(フランツ・ヨーゼフ1世のおば)にあたるマリー・ルイーズが
ナポレオンに嫁いだことと関係があるのだろうか。

その隣のとても小さな部屋が『磁器の間』、南隣が『百万の間』である。
モーツアルト少年(当時6歳)が王族の前で演奏したのは、『鏡の間』だと言われているが、
この『百万の間』か『ローザの間』(鏡の間の隣)という説もある
わたしはモーツアルトの楽曲に深く親しむ前に、映画『アマデウス』を観てしまったので、
彼に対しては破天荒というイメージがまず先に浮かぶ。
実際、借金の原因は賭博好きだったことにあるそうだ

少し大きめの『ゴブランの間』に続いて
『ゾフィー大公妃の間』(←フランツ・ヨーゼフ1世のお母さまにちなんだ部屋ですな)
『赤いサロン』『東側テラスの小部屋』
『寝室(豪奢の間)』(←前にも書いたが、寝台が案外地味で小さい)
『フランツ・カール大公の執務室』『フランツ・カール大公のサロン』
上記2部屋は、フランツ・ヨーゼフ1世のお父さま関連の部屋である。
フランツ・カール大公は、王位継承権を息子に譲ってしまったことからも、政治には興味関心のない人物だったようだ。

40番目の『狩りの間』で、見学コースが終了となる。
オーディオガイドを聞きながらゆっくりと見て回ると、2時間近くかかる。
本当は、もっと長くじっくりと見て回りたかったのだが、
途中でアメリカ人観光客の一団と一緒になった。
彼らはさほど騒がしくもなく、落ち着いて見学していたのだが、先導しているガイドの声がやかましかった。
全部で30名はいると思われる集団に声を行き渡らせようとしているものだから、
小さい部屋中に英語による説明が響き渡ってとてもうるさくて閉口した
大げさではなく、オーディオガイドの声も、かき消されてしまう程である。
海外に出たときは、英語が話せて(わかって)よかったと思うことが多いが、
この時ばかりは「英語がわからない方が良かった」と本気で思った

アメリカ人の集団を追い越すようにして足を速めて、見学コースを終える