神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

南三陸町でのボランティア報告 その3

2011-10-06 12:53:50 | ボランティア
(下島君の報告、続きです。お読みください。)

 低気圧が去った翌日、空はすっきりと晴れ渡った。片道二時間をかけて、南三陸に向かう。途中、三陸道からは石巻のイオンがよく見える。駐車場は溢れんばかりの車でいっぱいだ。一昨日と同じルートで志津川の町に入った。町は昨日の雨で、ところどころが水没していた。大地に突き刺さり傾いた家は、水面に浮かぶように見え、どこか幻想的な雰囲気さえ醸し出しているように思えた。昨日と同じ道をたどり、ベイサイドアリーナに到着して、今度は間違えずにボラセンに入った。
 センターでは、まずボランティア保険の加入の有無を訊かれる。入っていないと答えると、名前と住所を記入したのち、簡易なボランティア保険加入証が渡される。とてもありがたい。次に、本日の作業の指示を受けた。街から海沿いを南下した所にある志津川自然の家に向かい、フリーマーケットの手伝いをして欲しいと言われる。持ってきた長靴とスコップは、意味がなくなってしまった。実は事前にボランティアに行っていた兄から、泥かきが作業の中心だと聞いていたのだ。とはいえ、被災状況を見てみれば、地域によって、作業内容が大きく違うであろうことは理解できた。兄は仙台市若林区や東松島へと向かっていたが、そちらは比較的平地が多く、広範囲にわたって波をかぶった。結果として、泥は入ったものの、構造自体が維持された建物も多く、それらを復旧させるために、人海戦術が必要だった。一方、リアス式海岸にへばりつくように広がっていた南三陸は、建物が根こそぎ無くなっていた。街の高台への移転が検討されるなか、再利用できる建物も少なく、撤去したいガレキは、重機がないと歯が立たない。ボランティアにできることは限られていた。
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