神奈川工科大学/災害支援関連ブログ

2011年4月開始の「東日本大震災被災者支援ブログ」を名称変更し、さらに広い支援活動に関する実践、教育、研究を掲載します

南三陸町でのボランティア報告 その2

2011-10-05 20:42:02 | ボランティア
(下島君の報告、続きです)

 翌朝、あいにくの大雨で、仙台市内はところどころ水没し、南三陸のボランティアセンターも終日閉まっていた。結局、丸一日ホテルから動くことができず、昼食に名物牛タンを食べて鬱憤を晴らした。
夜になり、雨が止んだ。夕食にふらりと立ち寄ったラーメン屋の親父が、お笑いコンビのサンドウィッチマンの話を誇らしげに語った。曰く、高校生の頃からの常連なのだそうだ。地元のために奔走した彼らは、今や被災地のヒーローなのかもしれない。
 仙台の街は、節電ムードの漂う東京よりむしろ明るく、震災の形跡はほとんど残っていなかった。しかし仙台東部道路から海にかけては、全て波をかぶり、家や防風林が根こそぎ流されたことで、二キロ先の海まで一望できるようになってしまっていた。あの暴力的な風景に、どのような言葉を当てていいものか、私にはわからない。
 明るい街並みと、人の生活が消え去った沿岸部、その対比に困惑しながら、まぶしい光を放つドン・キホーテに蛾のように引き込まれ、ウェットティッシュや電池を買いこんでホテルに戻った。
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