☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『白いリボン』(2009)

2014年05月22日 | 西洋/中東/アジア/他(1990年以降)
『白いリボン』(2009)

監督:ミヒャエル・ハネケ
教師:クリスティアン・フリーデル
エヴァ:レオニー・ベネシュ
男爵:ウルトリッヒ・トゥクール

【作品概要】
09年のカンヌ映画祭でパルムドール大賞に輝いた、巨匠ミヒャエル・ハネケ監督による人間ドラマ。第一次大戦前夜のドイツ北部のとある村を舞台に、医師の落馬事故をきっかけに起きる不可解な事件の数々をモノクロ映像で描き、人々の悪意や憎しみを浮き上がらせる。

【感想レビュー】
うーん!観た人を嫌な気分にさせるというハネケ監督作品らしく…、確かに嫌~な気分になりました

この不安感というか…心をざわつかせる感じは一体何なのだろう…。

語りは、教師が後に懐古しているという設定で、声もしゃがれた感じ。
しかし立て板に水を流すように話すので、次々に何かが起きている印象を残します(実際に次々に何か起きるのだけれども…)。

権力をかざす村の有力者。
人格者と思いきや驕れる者だった神父や医師などの村の有識者達。
彼らの目を気にしながらビクビク暮らす村人達。でも本当は裏で陰口を言いながら…。

大人達の本音と建前を、子ども達は敏感に嗅ぎ取っている。
本当に白いリボンを巻かなければならないのは、子どもなのか大人なのか…。

様々なエピソードが幾層にも積み重なり、胸がざらざらとし、徐々に居心地が悪くなっていきます…

しかし、村人達も、この状況や空気を打破したい欲求が高まっていて、戦争にそのきっかけを期待してしまう事が…もう怖いし哀しかったです。
でも、もう都会とか田舎とか、身分とか、そういった事を全てひっくり返したいほど限界に来ていたのだろうな…とも思ったり…。

第一次世界大戦前の事を描いているけれど、こういう心理や状況は、少なからず私たちは生きていく上で感じている事で、普遍的なテーマだなぁと思いました