本日は、市指定天然記念物「館ヶ浴の五色八重散椿」
クローン株を定植しました。
豊田ホタルの里ミュージアム
話を2020年9月に戻します。
台風にともなう強風により、推定樹齢600年のツバキの巨樹が倒されました。
そしてすぐに文化財保護課より何とか助けて欲しいと連絡があって
ただちに現場に向かい、穂木を採取したのでした。
あのときは心まで折れそうでしたよね (;´Д`);
町のシンボルでもありましたし・・
地元の要望で挿し木でやってほしいとのことでしたが
ツバキはどの品種も挿し木ができるわけではありません。
難易度は品種によりまちまちであり
まったく発根しない品種(不可能に近い品種)もあります。
時期がよくなかったこともありましたが
どうも難しい部類だったようで、1年半も発根しませんでした。
それでも失敗は許されませんでしたから
とにかく空中湿度を調整し、シビアに管理してなんとか発根させた感じ。
育苗途中で職場が閉園となった関係で、生産した小苗60株を地元などに預け
うち5株は自宅で預って2年後に地元にお返しすることになっていました。
もちろん天然記念物(文化財)ですから文書も頂いた上で。
その後の五色八重散椿は地中の根が生き残っていて
その根から出芽したものが順調に育っているようです。
完全に枯死していないことから、天然記念物の指定も解除されず今に至ります。
本当によかったなあ~と思います ^-^。
ただ、ツバキの園芸種は株元から生じた芽からは
異なる形質の花が咲くケースが多々あります。
また、600年前に植栽されたツバキとはいえ
園芸種ゆえに接ぎ木されていた可能性も無きにしも非ず。
(接ぎ木は古代より実用化されていた技術です)
この芽が行く行く花を咲かせても、五色にならない可能性があります。
そのようなことからも、クローン5株は
万が一のバックアップとして残しておく価値はあります。
もし必要がなくなったとしても、たくさんの方に間近で楽しんでいただけますし
町おこしなんかにも活用できるかもしれません。
ということで、ホタルの里ミュージアムの敷地内に定植してあります。
ここなら安心ですね ^-^。
立派に育ってくれました (;´Д`);
新天地で元気に暮らしておくれ
少し寂しくもあります(涙)。
定植済
写真だと全然分からないですね ^-^;
あとは草刈りをして、看板を立てて下さいます。
市内なので、また見に行こう。