うっTと植物たち。

滑マツの現地調査

滑マツ保存会現地検討会に参加させて頂きました。

林野庁、市県農林課、保存会のみなさん

そして、T大学の特任教授の先生を招いての現地視察です。

私は造林(林業)にはあまり縁がないのに参加させて頂いて

大変恐縮ではありましたが、視野が広がりました。

 

滑山国有林(山口市)

 

まず、滑マツとは何?というところから説明しなければなりません。

滑マツは山口市徳地の滑国有林に自生するアカマツで

成木は85本が現存しているそうです。

アカマツとはいっても、いわゆるアカマツとは違う

専門家曰く「かなり変わっている」と。

まあ、ひと目でアカマツらしくないなってことは分かります。

 

マツといえば、グニャグニャ曲がっている姿を

イメージされる方も多いかなと思いますが

滑マツは、スギ、ヒノキのごとく真っ直ぐ!

天を貫くように生育します。

 

樹齢200年生の滑マツ

 

特徴としては

・材が通直で、うらごけが少ない

(うらごけ=樹幹が先端に行くほど細くなる状態)

・下枝がとにかく少ない

・樹皮が極めて薄い(樹皮のウロコが小さい)

・年輪幅が狭く均等であること

・心材部分が多く、赤色鮮明で光沢有

このような特徴的な形質がありますが

変種ではなく、品種のレベルとのことでした。

 

葉はこれまたマツとは思えないくらい柔らでフサフサしています。

幹も柔らかくグニャグニャ曲がる。

 

色合いなどが非常に優れているので

内装材として絶品であると賞賛されてきました。

(皇居新宮殿の内装材、錦帯橋の橋脚材に使われています)

しかし、マツノザイセンチュウや台風の被害で激減

保存と再生が必要となっているわけです。

現在は倒れる恐れのある木など

伐採しなければならなくなった滑マツのみを

材として利用しているようです。

 

地かきや線虫病防除薬の注入など、これまでの取り組みもあって

実生や幼樹もたくさん育ってきていました。

しかしながら、滑マツだけを保存するわけにはいきません・・

日当たりを改善させるためにただ周りの雑木を伐採

みたいなことはできないので、なかなか難しいのですね。。

生育地周辺は大変希少な原生林であり

遺伝資源希少個体群保護林に設定されています。

 

生長に年月のかかる樹木を守り育てていくというのは

とてつもなく大変ということを改めて知ることができたように思います。。

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