ボランティアと事故

残念な事故が発生してしまった。
高速道路を走っていたマイクロバスのドアが突然開いて小学生が投げ出され、
後続のトラックにひかれるという、実に痛ましい事故だ。

事故にあった、お子さん、ご家族の方々には、本当に気の毒な事故だが、
この事故の影響で、子供達や障害者の方々をはじめ、
支援を必要とする方々を支える
善意の活動が、後退してしまうことを懸念している。

自分の子供達がスポーツ活動や、
ピアノやバレーなどの芸術活動に関わっていれば、
試合や、発表会などがある毎に、
父兄の有志や指導者の方々が、
子供達や関係者、道具などを乗せ、
朝早くから会場へ向い、
終わると夜遅くにも各宅へ送り届けるなど、
よくある出来事だ。
これらは、ほとんどがボランティア精神で成り立っている。

かくいう私も、少年野球から、中学、高校の野球部と、
子供の成長にあわせて、所属する野球部の活動に関わり、
自分の車に選手達や父兄、荷物などを乗せ、運転してきた。
今でも、近所の草野球チームの選手達を乗せ、
試合会場へ向かうこともある。

そうした支援側の人間にとって、
今回の事故は、実に身につまされる事故だ。

今回は、ドアの開閉を「手動」モードに切り替えていて、
運転の際に「自動」モードへの切り替えるべきものを
その切り替えを忘れ、
「手動」モードのまま運転したということだ。

現時点では、運転者の過失のみがクローズアップされているが、
そもそも「手動」モードにすると、
指一本で簡単にドアの開閉が出来てしまうという、
その車の仕様こそが「欠陥」ではないのか。
今回の事故は、その「欠陥」を原因として、引き起こされた事故ではないのか。
もっとこの点が指摘され、クローズアップされるべきだと思う。

今回の事故で、運転手の過失のみが問われるのは、絶対におかしい。
このままでは、子供達や支援を必要とする人々の支援活動に、
手を出しにくくなる機運が出てくるのではないだろうか。
その点をとても危惧している。

安全対策は、念には念を入れて実施し、
今後、このような痛ましい事故が根絶されることを、
強く望んでいます。